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夏越(なごせ)の花火はどこにある?

前回のエントリ記事、「深夜バス」の続き。

**************

2008年7月31日(木) 早朝7時。

実父の家に着き、朝ご飯をごちそうになる。

隣の畑で実父が育てた無農薬野菜をふんだんに使った
品々(トマト、ゴーヤ、玉ねぎ、ほうれん草等)。

梅干、ゴマ、トウモロコシ(これも自家製)、

野菜たっぷりの(おかずになるぐらいの)味噌汁、

大根の煮物、焼き魚、ごはん等々。


健康的。
しかもこれが朝ご飯かというほど、多彩なおかずの数々。

なんて美味しいんだろう。


「ビール、いこか?」 と実父。

「はい」 と僕。

始まってしまった。
エンジンかかってもうた。

墓参りもしてないうちから。 
朝から開店、居酒屋XX。


窓を開けると風の通り道なのだろう、涼しい風が入ってくる。
瀬戸内の海辺からの風が、高い建物も特にないからそのままやって来る感じだ。

気持いい。

何本ビールを飲んだろう。
何杯ワインを空けたろう。
何杯ウィスキーの水割りを作っていただいただろう。


飲みながらいろんな話を聞く。

・・・・・・・ 実父の再婚相手である継母の祖父が、
菊池寛の従兄弟であることを初めて知る。


・・・・・・・・僕は、
義母(自分の相方の母親)が昔、米軍基地で歌っていたことや、大映映画にも少女役で何本か出ていたことを話す。


そして、実母や祖父の話も少し。


・・・・・・ 72歳の実父がこの数年、はまっているのがマスターズの水泳だそうだ。

世界大会は2年ごとにあり、2008年はオーストラリアのパース。
遠いので参加をやめたとのこと。

2010年の大会はスウェーデンで開催予定であるという。
パースよりも遠くて、かなり長旅になるが、今度は行きたいらしい。

スウェーデンの企業で働いてる元水泳部の友だちがいるよ、とか、
自由参加なんだから行ってくれば、と僕は適当なことを気楽に言う。


・・・・・・ここは高松市内ではないが、継母は高松の出身。
昔の高松のお話をいくつか伺う。


江戸時代、旧高松藩の藩主は代々松平家。

その松平家というのが元々水戸徳川家の流れを汲む松平で、
水戸から国替えで讃岐高松にやってきたお付の武士達がかなりいたらしい。

だから今も、高松には元をたどると水戸出身者が多いらしい。

そんなこと、僕は今まで知らなかった。

僕は高松市内で生まれたのだけれど、そういうのは
このとき初めて知った。


(注) Wikipedia 「高松藩」 より引用:

寛永19年(1642年)、東讃地域に常陸下館藩より御三家の水戸徳川家初代藩主・徳川頼房の長男・松平頼重が12万石で入封し、実質的に高松藩が成立した。頼重は入封にあたり、幕府より西国諸藩の動静を監察する役目を与えられたという。





―― そのうち(たぶん夕方)僕は、酔っ払って寝てしまう。


夜になり、
「なごせの花火やで!」 と継母から3度も起こされたが、
僕は翌朝まで起きなかったらしい。

隣村の神社の夏越(なごせ)で花火が打ち上げられると、
神社に行かなくても、
この家の窓からも十分見えるらしいのだけれど。


いずれにしても結局、 花火は見れなかった。

あ~あ、今年も見損なったぞ。 

行き損なった。

また来年以降だな。

おバカさん。

でも、 「旅は愚かな 方がいい」  とも言うからねぇ。


実父にも、 
「おまん(お前)、なごせに行くんでなかったんか? 
ほんま、なんしに来たんじゃろのう(笑)」
と言われる始末。

あんなに僕に飲ませた張本人のくせに。

ホント、何しに来たんだか、 僕は。

これも一興か。
僕らしいといえば僕らしいてん末。


いまだに、
なごせ祭にご縁がないのはどうしてだろう。


夜行バスであまり眠れていなかったせいか、
バスに乗る前日、明け方5時まで飲んでてそのまま出社した体力消耗のせいか、

とにかく、月子さん(仮名)がたとえ37万回、
裸で僕を誘惑しようとも目覚めそうにないくらい、
僕はぐっすりと眠っていたらしい。


僕はそのあいだ、この世から、この世以外のどこかに、
ちょっとばかし幽体離脱していたのかもしれない。

記憶がとんでしまった時間帯に、
僕は叔父や、年上の従姉妹に会ったような気がするからだ。

全く覚えていないけど、会ったという感覚だけは残っている。

(あとで継母に聞いたら、現実に僕は彼らに会ったそうだ。)

それはまるで村上春樹の 「海辺のカフカ」 の主人公カフカのようだった。
幽体離脱でもしている感じで。

母を求め、父を殺し、姉とも交わるギリシャ悲劇オイデプス王をモチーフにし、
雨月物語の雰囲気さえも併せ持つ、あの小説の主人公カフカ・・・。

僕もカフカのように深夜バス(つまり陸路)で新宿から四国香川県というエリアに
入っては来たけれど。

小説と、僕の現実とが決定的に違うのは、
僕は実父を殺したりしないし、実母は既にこの世にはいないし、
姉のような存在の従姉妹(すっごい美人の独身ピアノ教師)と僕は寝たりしない、ってことだ。


オパールは、けれど、ここでもやっぱり見つからない。
それだけは、確かなようだ。



翌朝(2008年8月1日金曜)、朝ご飯の後、

仕切りなおしで今度こそちゃんと墓参り。

祖父と実母の方に行った後、実父のご先祖様(僕のもう一人の祖母)のお墓へも。


暑い夏の陽射し。
セミの鳴き声が、うるさい。 


墓参りの後、お昼ご飯にハマチとカンパチの刺身や大根の煮物などを肴に
酒、ビール。

刺身の合間に生のニンニクをかじる。

うまい!

ハマチの力強さには、ワサビだけでなく、
ニンニクぐらい強い薬味があってもいい。


カンパチはさすがに旬ではないので脂のノリが今ひとつよくないが、
ハマチ(出世するとブリになる)は香川県の県魚で、一応、年じゅう旬。 

最高だ。 分厚くて、うまい。

香川県には世界で初めてハマチの養殖に成功した漁師町があるほどだ。



午後3時ごろには、これまた隣の畑で実父が作ったスイカを食べる。

飲んで食べてばっかりだな。






・・・・・・・ この日の夜、再び深夜バスに乗って僕は東京に戻る。

高速道路のバス停でバスを待つ間、空を見上げる。
月が出ていたら月子さん(仮名)に携帯メールでもしようかと思って。

でも、星は出ているのに月はどこを探しても見つからない。

いつも切望している赤い満月どころか、
この夜は月そのものが見えない。

仕方なく、 あきらめる。

(あとで月齢カレンダーで調べてみたらこの日の夜はちょうど新月だった。 見えないわけだ。)

日程的には少々慌しい、けれど精神的にはのんびりできた、
夏休み第1弾。


夏太りだ。 完璧に。

太った。

いかん。

食べた、飲んだ、そしてまた、食べて、飲んだ。


僕を乗せた深夜バスは 「この世」と「あの世」のはざまの島から、
大きな橋を渡って「現世」に戻る、 いや、本州に向かって、 走る――。


(終わり)

♪ テーマ曲 「夏休み」 by 吉田拓郎 ♪
♪ テーマ曲 「奇跡の地球」 by 桑田圭祐 & Mr.Children ♪
♪ テーマ曲 「My Favorite Things」 by John Coltrane ♪


関連記事:

「深夜バス」

「ワルツを踊れ」

「この世の外へ クラブ進駐軍 Out of This World (2003)」
「夏の瀬戸内 (3)」
「月子さんのお話 (4) ~遊郭の夕べ~」

「『海辺のカフカ』についての雑文」
「『海辺のカフカ』についての雑文 (その2) ~死者の弔い方~」
by y_natsume1 | 2008-08-05 22:04 | 四国
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