舞台は大阪(だと思う)。偶然、足の不自由な少女(池脇千鶴)と知り合い、やがて恋に落ちる大学生(妻夫木聡)が主人公。カワイイ顔して毒舌な事ばかり言い放つ池脇千鶴が最高!会話内容がまるで人生の機微を知り尽くした「オバハン」のノリだもの。妻夫木も、一歩間違えれば単に障害者に同情しているだけのつまらん男ではないかと見られるところを、そのお茶目で憎めないキャラのお陰で成功している(だからこそキャスティングしたんだろうけどね)。他の登場人物は全員関西弁をしゃべるのに、妻夫木だけは標準語なのも意外と違和感はない。・・・才能というか、若さの勝利というか、そんな二人の俳優のキャスティング自体が成功した映画という気がする。細かな設定もいいですよ・・・・・・例えば、主人公がバイトする雀荘、弟の思いやりのあるセリフ、サガンの小説、SM、美味しいごはん(=白米と味噌汁とダシまき卵と焼き魚の典型的日本の朝食)、それら全てがうまく映画に貢献している。映画のタイトルがどういう意味で付けられたかも、映画を観れば分かる。「ピンポン」の大倉幸二&荒川良々がこの作品でも好演してますよ。懐かしや、真理アンヌも出演している。さて、あなたはラストをどう受け取りますか、って感じ。