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山の辺に むかひて  月は いづこに



マルグリット・ユルスナールは


「源氏の君の最後の恋」 (「東方綺譚」収録) という短編で、


光源氏の晩年や死を描いている。


源氏物語の雲隠のあとの、補作のような、ユルスナール独自の作品。


この短編、日本語訳で読んでみた。



源氏物語の 「雲隠」帖は、


扉に「雲隠」の題が記されているだけで、


中は 何もない。




空白が紫式部の意図なのか、


何かを書こうとしていたのに完成できなかったのか、


実は中身が存在していたけど紛失したのか、



そのあたりは謎だ。



でも、謎だからこそ、いろんな想像をさせてくれて楽しいとも言える。



長い長い物語の果てに、光源氏の登場する巻としては


おそらく最後だったはずの帖が白紙って、



本当のところはさておき、結果として


けっこうステキだと思う。



ユルスナールのように光源氏の晩年や最期をあのように具体的に描くというのは、


書きたい気持ちも分からなくはないけど、どうもしっくりこない。


あまり書いてほしくはなかった内容、というか、


光源氏がどのような最期だったのか、あからさまには知らないままの方がいいような気がする。



ただ、ユルスナールが光源氏の最後の恋人として選んだのが、


花散里 


だったのは


とても よかった。



花散里の容姿については人それぞれの意見や好みもあるだろうけど、


彼女には周りの人を癒す優しさがあり、


温和で誠実、信頼できる すばらしい人柄を持つ。




もし僕だったら


光源氏と違って、花散里を思わない日はないだろう。


(と偉そうに言ってみる。ホントか、自分? うん、ホントだ)


男性が心安まり、気を遣わずに一緒に過ごせる女性だと思うからだ。





もう何年も前の 昔々のことだが、


僕は、


遠く離れたところにいる

花散里のファンだという月子さん(仮名)を想い、


幾晩も


何年も


月を見上げた。


遠く離れているからね。


代わりに月を 見つめた。


(遠く離れて、というのは、距離という空間だけでなく、過去現在未来の時間軸のゆがみ、心のありようなど、全てを含み、またその時々で意味は異なるのだけど。)




月を見つめる


そのたびに、



もしかしてあの人は


時おり 自分では花散里のようでいたいと言いつつも、


同時に


光源氏を避け続けた 空蝉の変化(へんげ) でもあったのかもしれぬ、


と思うことさえ あった。




それとも、それは、



月の女神ディアーナ(ダイアナ)が 戯れに



ほんのひととき 花散里や空蝉に姿を変えて


豊饒の海(注)という、


決して僕には手の届かない別世界に


佇んでいただけで 


その幻想を 


僕が目にしたにすぎない、ということなのだろうか。




逢って肌を合わせるたびにディアーナ、いや、花散里の月子さんが 

繰り返し性的極限に達するのを見つめながら

僕はあんなに何度も射精し続けたのに、



そして月子さんの方も

不敵な笑みを浮かべながら

ありとあらゆる性技をつくして

あんなに何度も 僕を快楽の絶頂に導くこと自体に

夢中になっていたのに、




あれは 全て 僕の妄想で



いわば 花散里という豊饒の海のディアーナに 


届くことのない 命の源を 


ひたすら捧げていただけの 自慰行為だったのだろうか。




命を生み出すはずの豊饒の海なのに、


海が月にあったがゆえに、


届きはしない、その 儚さ。



うたかた、 でさえない、



ただの



まぼろし。






すべては


ものの あはれ


ということか。





それなら  それで


いま  月は どこに  あるというのか。




そんな問いさえも 無常 ということか。





どうやら 僕は とっくに 

  
   囚われの ルナティック なのかもしれない。





ヴェルギリウスにシャペロンされたダンテが、なぜか月子さんの声色で語りかけてくる・・・・


「いまは昔、 竹取の翁といふもの有りけり・・・・」





(注)豊饒の海:

月の海の名称の一つである Mare Foecunditatis というラテン語の和訳、なんだそうだ。肥沃で豊かな海。

三島由紀夫の「豊饒の海」4部作については、源氏物語や竹取物語との関連性に言及する研究者もいる。ネタバレになるので書けないが、この長編のラストには大どんでん返しが待っている。


テーマ和歌:


  夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを


     雲のいづこに 月やどるらむ


   (清原深養父、古今集 夏 166)



関連記事:


「ちょこっと月見の宮に行ってみた」





関連作品(最近読んだもの中心に):


  • 「クレーヴの奥方」 ラファイエット夫人(光文社古典新訳文庫)、>>>空蝉のパロディ(?)

  • 「恋愛対位法」 ハックスリ (岩波文庫)、>>>源氏物語そのもののパロディ(?)

  • 「失われた時を求めて」 プルースト (岩波文庫)、

  • 「レディ・ムラサキのティーパーティ」毬矢まりえ/森山恵(講談社)、

  • 「豊饒の海」 4部作 三島由紀夫 (新潮文庫)、

  • 「源氏の君の最後の恋」(「東方綺譚」収録) マルグリット・ユルスナール(白水社)、

  • 「ネーレイデスに恋した男」(「東方綺譚」収録) マルグリット・ユルスナール(白水社)、


などなど。




山の辺に むかひて  月は いづこに_b0058966_22071665.jpeg


山の辺に むかひて  月は いづこに_b0058966_18524359.jpeg



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# by y_natsume1 | 2024-06-28 20:00 | Moon

世の中は さすらい 迷って もどり川   人生なめんなよ


深夜食堂 シーズン1。第10話 ラーメン。


マスター(小林薫)が 謎の男(オダギリジョー) に言ったことば。


写真は  菊。


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# by y_natsume1 | 2024-06-22 05:22 | アジア的独白

世の中は 酸いも 甘いも ながら川  お見事!


深夜食堂、シーズン1、第9話。アジの開き


謎の男役、オダギリジョー のつぶやき。


写真は ガザニア。

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# by y_natsume1 | 2024-06-03 19:31 | アジア的独白

夜の街を 徘徊してみた


そしたら


はからずも  きれいな月が 見えた


月子さん(仮名)が そばにきてくれたとでも


思えばよいのだろうか


まさか ね



夜の街を 徘徊してみた_b0058966_16152606.jpeg


夜の美術館や神社は、 なんだか妖しげだ。


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♪ テーマ曲 「Fly Me To the Moon」by Frank Sinatra ♪

♪ テーマ曲 「Dear Green Field」 by 中村由利子 ♪

♪ テーマ曲 「蘇州夜曲」by アン・サリー ♪



関連記事:





# by y_natsume1 | 2024-06-02 09:00 | Moon

昼間にだって 白い月なら 見れるわよ とあの人は言った



確かにね。


昼間の、 街の様子。


僕は いつのまにか 無意識のうちに


いるはずのない 月子さん(仮名)の面影を


追いかけていたのかもしれない。


昼間にだって 白い月なら 見れるわよ とあの人は言った_b0058966_16094809.jpeg


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♪ テーマ曲 「俺たちの旅」 by 小椋佳 ♪

♪ テーマ曲 「屋根のない車」 by 小椋佳 ♪

♪ テーマ曲 「いつでも夢を」 by 橋幸夫 & 吉永小百合 ♪ 

♪ テーマ曲 「さらば恋人」by 堺正章 ♪




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# by y_natsume1 | 2024-06-02 08:30 | Moon




夏目芳雄の東南アジア・映画・ジャズ・酒などに関するよもやま話です。
by y_natsume1
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