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アートの連鎖

ゲイ・ボーイと、ソフォクレスのギリシャ悲劇オイデプス王を題材に、
松本監督は映画 「薔薇の葬列」 を撮る。

ピーターのデビュー作&カルト作にして出色の出来栄え。



ロンドンで上映された「薔薇の葬列」を観たキューブリックは、それを参考材料に 「時計じかけのオレンジ」 を撮る。

主人公アレックスの化粧具合や、仲間数人で練り歩くシーンなどは、
「薔薇の葬列」 を彷彿とさせる。


「時計じかけのオレンジ」で、アレックスを演じるマルコム・マクダウェルは
「雨に唄えば」 を歌う。

マクダウェル自身が空で歌える曲が
それしかなかったからだそうだ。

かえって、不気味で効果的。



曲といえば、
これらの映画とほぼ同じ時代に、
ジム・モリソンはオイデプス王をモチーフに
「ジ・エンド」 を書いた。

世界は、実は既に終焉を迎えているのだろうか。

「ジ・エンド」は今も「終わり」を告げることなく、
繰り返し僕の部屋でかかっているというのに。



村上春樹の 「海辺のカフカ」 は、
明らかにオイデプス王を意識したストーリー展開だ。

「海辺のカフカ」では、
プリンスの「セクシーMF」もBGMとして描写されている。



そして・・・・・・・。

「海辺のカフカ」の舞台になった四国・香川県の海辺の、
何本もの松の木が生い茂る砂浜。

その辺りは、僕の故郷であり、
僕にとっての 「亜空間の果て」 でもある。


深夜そこで もしも、もしも、満月が輝いていたら、
ほんのわずかな可能性だけど、
僕はオパールを探し当てることができるかもしれないと思う。

形そのものが存在せず、物理的には触れることなどできない、
けれど永遠なるオパールを。

それは、 

願い、  に近い。

赤い月なら、なおさらだ。

僕自身がルナティックで狂ってしまえばいいからだ。

オパールを、慈しみ、愛撫し、狂っているそのとき、

「ジ・エンド」は文字通り、リアルに終わりを告げ、

流れている音楽はやがて
「月光のドライブ」 に変わるだろう――。

そう、 そうだ、 もうすぐ、
真の終わりが、やってくるのだ、

今も 「亜空間の果て」 の口を大きく開けて待っている 

故郷の海辺の街で――。


♪ テーマ曲 「The End」 by The Doors ♪
♪ テーマ曲 「Moonlight Drive」 by The Doors ♪
♪ テーマ曲 「Sexy MF」 by Prince ♪


関連記事:
「『海辺のカフカ』についての雑文」
「『海辺のカフカ』についての雑文 (その2) ~死者の弔い方~」
「亜空間の果て (3) ~九つの満月~」
「魔性の都市で杯を (4)」
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# by y_natsume1 | 2008-04-02 19:44 | Moon

映画 「コントロール」 (2007)

映画の公式サイトはここ

1970年代後半頃にたった2枚のアルバムを出しただけで、ボーカリストの自殺により解散したイギリスの伝説的ロックバンド、ジョイ・ディビジョン。

(注: 残ったメンバーたちはニュー・オーダーというバンドとして再出発。)

そのジョイ・ディビジョンのボーカリスト、イアン・カーティスの短い生涯を描く。

これほど衝撃的で、スタイリッシュで、完成度も高く、
デキのいいミュージシャン映画は久しぶりだ。

しかもこれは映画館で観るべきだ。
一定レベルの音響設備がある映画館で。

DVDレンタルを待たずに。

特にバンドのベースの音が重要だから。
そして、
良質のモノクロ写真のようなカッコいい画面を楽しむ点でも
やはり映画館のスクリーンが適している。 

上映してる映画館が近くにない人には残念だけど、
できれば映画館がいい。


この作品、
マンチェスター・ムーブメント、パンク&ポスト・パンク、
いや、それどころか
ロック音楽そのものに興味があまりない人たちにも、
僕のようにジョイ・ディビジョンを聴いたことのない人間にも、

訴えかけてくる何かを感じられる映画ではないか。


ニュー・オーダーの前身、ジョイ・ディビジョンなんてバンド知らないっていう若い人も多いかも。 ニュー・オーダー自体も知らなかったり。

僕も 数年前の映画 「24アワー・パーティー・ピープル」 で初めて知った。


主演のサム・ライリーはホントに新人かと思うほど存在感がある。
詩の朗読は様になっているし、違和感がない。

妻役のサマンサ・モートンの演技はキャストの中で最も賞賛されるべきだろう。
この女優、映画に奥行きを与え、なおかつ引き締めている。

他の俳優、演出、脚本もいい。

そして、いわずもがな、映画でかかる音楽は最高にカッコイイ。

ジョイ・ディビジョンの曲だけでなく、
デビッド・ボウイ、イギーポップ、ロキシーミュージック、ベルベットアンダーグラウンド、(そして当然ながら)ニュー・オーダーなどの曲も
それぞれのシーンで意味のある適切な使われ方をしていて好感だ。

しかし、
この映画で最も素晴らしいのは、

撮影だ。

全編モノクローム。 

けれど、映画館で観ていた僕には、
最初から最後までなぜかとてもカラフルに感じた。

モノクロなのにカラフルに感じるって不思議だけど、
ホントにそう感じる。


シーンや場面が変わるごとに、
実はモノクロの色合いも微妙に微妙に変わっているのがよく理解できる。

緑が少し入っていたり、赤や青がほんの少し混じったモノクロ画面だったりする。

さすがもともとはフォトグラファーが監督しているだけあって、
カット割りや構図、ピントの合わせ方ぼかし方、
光と影の使い方などはものすごくカッコイイ。

プロのカメラマンが観ても、スタイリッシュで楽しめる画面じゃないかと思う。


マンチェスター、パンクあるいはポスト・パンク、ミュージシャンの物語
などの観点から、

「シド&ナンシー」 や、 「24アワー・パーティー・ピープル」

などの映画も参考になる。 お楽しみあれ。

♪ テーマ曲 「Love Will Tear Us Apart」 by Joy Division ♪
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# by y_natsume1 | 2008-03-29 19:09 | 過去の映画評「か」

月子さんのお話 (3) ~春の残酷~

2008年3月24日(月)。

春の残酷を想い、
月の妖しい美しさと、
桜の狂気を愛でる人たちへ、 

ナナオサカキの詩を
捧げよう。


月子さん(仮名)という名の女性は今宵、
僕にとって4人、いや結局5人、存在したのだ。

5番目の月子さんは、あの人だ。
 

ある場所で、ある時間に、
その、月子という名の精霊が降りてきて、
僕に話しかけた。

ねぇ、夏目クン、
キミはいつも、いつも、ゴロワーズとペルノーばっかりで、
どこの酒場のマスターたちにも、たった一度の出会いでも、
強烈に、いっつも覚えられてるよね、って。


そうだったのだ。

月は決して僕の疫病神ではなく、ルナティックの元凶でもなく、
常時の守り神だったのだと、ようやく気づく。

僕を、守っていてくれたのだと。


満月の夜、いや、もはや十六夜の月さえ流れてしまったこのムーンライトな夜に、
もうすぐ精一杯に咲こうかという桜を あの狂気になぞらえて、

僕は、

祈り、歌おう。


月子さんの、
昭和20年3月 春の、
大阪大空襲での、サバイバル。



月子さん、ありがとう。

あなたのおかげで、

あなたの、命がけの、生還のおかげで、 
あなたの、言葉にすらできない、焼夷弾地獄からの生還のおかげで、

僕は、今、 こうして命をいただき、 生きているよ。


アリガトウ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



******************


「ラブレター」   by ナナオサカキ


半径 1mの円があれば
人は 座り 祈り 歌うよ

半径 10mの小屋があれば
雨のどか 夢まどか

半径 100mの平地があれば
人は 稲を植え 山羊を飼うよ

半径 1kmの谷があれば
薪と 水と 山菜と 紅天狗茸

半径 10kmの森があれば
狸 鷹 蝮 ルリタテハが来て遊ぶ

半径 100km
みすず刈る 信濃の国に 人住むとかや

半径 1000km
夏には歩く サンゴの海
冬は 流氷のオホーツク

半径 1万km
地球のどこかを 歩いているよ

半径 10万km
流星の海を 泳いでいるよ

半径 100万km
菜の花や 月は東に 日は西に

半径 100億km
太陽系マンダラを 昨日のように通りすぎ

半径 1万光年
銀河系宇宙は 春の花 いまさかりなり

半径 100万光年
アンドロメダ星雲は 桜吹雪に溶けてゆく

半径 100億光年
時間と 空間と すべての思い 燃えつきるところ
   
       そこで また
       
       人は 座り 祈り 歌うよ
       
       人は 座り 祈り 歌うよ
                     

                1976 春

       (ナナオ サカキ 詩集『犬も歩けば』 野草社)

**********************************

追記:
もう何年も前、月子さんがまだ生きているころ、
映画「火垂るの墓」をTV放映で観た月子さんは、独り言のようにつぶやいた。

「あんなんやったなぁ。 そっくりやなぁ・・・・。 焼夷弾の落ちる音も、空襲も、火も、阪急電車の色や形も。 あんなんやったなぁ・・・・」


このBlogでの関連記事: 
「ナナオ・サカキ ポエトリー・リーディング」 (カテゴリ:「ビートニク」)
「気狂い桜のトンネルを 夜風と共に 駆け抜けろ」
「江の島で 潮の香りに酔いしれる」

犬も歩けば
ナナオ サカキ / 野草社

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# by y_natsume1 | 2008-03-25 03:05 | Moon

雨のシンガポール (1) ~ミッドナイト・リユニオン 深夜の再会~

2008年3月某日。

シンガポール Day #0。

日付が変わろうかという頃、シンガポールのチャンギ空港に到着。

同じ時間帯で、香港の出張から戻って来るシンガポール人の大親友、龍(Ron、仮名)と、到着ロビーであらかじめ待ち合わせ、のはず。

バゲージクレームにいた僕に龍が声をかける。

彼の第一声が、
「白髪増えたなぁ。 お前かと思って声かけようと思ったんだけど、ヨシ(僕のこと)は白髪こんなになかったはずだし・・・?て思って」

「うるせえなぁ(笑)」

同じタクシーに相乗り。

涼しい。 全然蒸し暑くない。
それどころか、日本の秋の夜長って感じだ。
もうすぐ雨が降りそうな雰囲気。

まずは龍のコンドミニアムに戻って龍は自分の荷物を置き、
自分の車に乗り換え、僕を乗せて某所へ。

午前2時の屋台街。
2人でローカルフード。

玉ねぎの卵とじ、
カイランやトウミョウのサンバル炒め、
エビ入り福建麺(ホッケンミー)。

さすがに長旅で疲れた。

龍は香港での最後の夜、つまり前夜、かなり飲み過ぎたらしい。
全くタバコを吸わないヤツなのに、7本も吸ったんだと。
そして珍しく記憶をなくし、気がついたら・・・・。

僕も同じ夜、東京のワインバーやソウルバーなどで深酒をしていた。
僕も最後の2軒は記憶がない。

お互いに何やってんだか。

龍の車でオーチャードの某ホテルまで送ってもらい、チェックイン。

各階のエレベーターホールの隅のカゴには、
僕の好きな青リンゴが、いくつも置いてある。

それを2個とって、部屋に入る。

・・・・・・・ 翌朝、つまり実質的なシンガポール Day #1の朝。

スコールが降っている。 
けっこう激しそうだ。
サマセット・モームの短編 「雨」 ほどロマンチックではないな・・・。


雨のシンガポールの、始まり。

青リンゴは、
雨天のわりにミルク色の朝日が差し込むホテルの部屋の窓際で 
輝いている。

♪ テーマ曲 「たどりついたらいつも雨ふり」 by 吉田拓郎 ♪
♪ テーマ曲 「レイニーステイション」 by 鈴木茂 ♪
♪ テーマ曲 「雨の街を」 by 荒井由実 ♪
 
(つづく)

関連記事:
「ゆるゆると シンガプラ (6) ~青リンゴをかじれば~」
「シンガポール出張 (1) ~シーフードを食らう~」

「雨のシンガポール (1) ~ミッドナイト・リユニオン 深夜の再会~」
「雨のシンガポール (2) ~屋台街で朝ごはん~」
「雨のシンガポール (3) ~赤ワインとボサノバがデートする~」
「雨のシンガポール (4) ~赤線地帯~」
「雨のシンガポール (5) ~肉骨茶と誕生会と~」
「雨のシンガポール (6) ~赤線地帯 再び~」 
「雨のシンガポール (7) ~片手だけじゃ音は鳴らない~」


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# by y_natsume1 | 2008-03-22 14:08 | シンガポール

午前6時 ペルノーのソーダ割り

中目黒の午前6時は酔いどれに似つかわしい。
深夜からずっと続いたゴロワーズとペルノーは
僕を幸福の極みにいざなう。

酔っ払いはだらだらと思う。

一般的に日本のメディアでは、
女性の俳優のことを「女優」と呼んでいるようである。

男性の俳優のことは、「男優」とは言わず、そのまま「俳優」だ。
ニュースや雑誌などで男優という言葉はあまり聞いた事がない。

ただし、
「男優」という用語が男性の俳優に対して使われることもある。
いわゆるアダルトビデオの世界においてだ。

女流作家という言葉はあるが、男流作家という言葉は聞いた事がない。

女子大はあるが、男子大学ってあるのだろうか。
少なくとも男子大学という名称がついた学校は聞いた事がない。

男子校(中学とか高校とか)はあったな、確か。

別にどうだっていいことなのだが、酔っ払いはわけもなく
フラフラくんである。

♪ テーマ曲 「明日あたりはきっと春」 by ティン・パン・アレイ♪
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# by y_natsume1 | 2008-03-16 19:37 | 日々の雑文

それだけの秋

名曲だ(と思う)。

清須邦義の「それだけの秋」

この曲が発表された当時から、今もずっと大好き。

1980年、15歳だった僕は、
この曲のアコースティックギターのフレーズに憧れた。
こんなふうに生ギターを弾くのも難しいが、今となっては、そもそもCDでこの曲を入手するのも、難しい。

清須さん名義のCDは廃盤(あるいは元々CD化されていない)。
他のアーティストと一緒の、ニューミュージックのオムニバス・ベストCDにこの曲が入っているぐらいだと思う。

清須さんは松山千春の曲のアレンジをよくやっていたっけね。
今はYouTubeで聴けるだけでも嬉しいことである。
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# by y_natsume1 | 2008-03-13 20:43 | Music Bang Bang

リグレーのチューインガム

リグレーのチューインガムが子供の頃から好きだ。

当時の包装紙のデザインも、色も、噛み具合も、
噛むだけであんまり大きなバブルが膨らまないところも、
「リグレー」という名前の響きも、

みんな僕好みだ。

ロッテのガムも好きだけど、
ノスタルジックな感覚も含めて、
やっぱり リグレーの方が僕は好きだ。

特に、スペアミントのフレーバー。

・・・・・・ 小学生の頃に読んだベーブ・ルースの伝記に、
シカゴのリグレー球場でルースがプレーする描写がある。

子供心に、
この球場名とガムの名前とはたぶん何か関係があるんだろうな、
ぐらいは感じてた。

やがて、それがシカゴ・カブスの本拠地、リグレー・フィールドであり、
チューインガムの会社リグレーの社長が、
当時のカブス球団のオーナーであることを知る。


  昨今の球場命名権の問題はどうもしっくりこない。
  カネさえ動けば、あんなんで本当にいいのか。
  昔からの球場名にこそ、思い入れがあるのに。



・・・・・・ 出張で初めてシカゴを訪れた1997年。

ダウンタウンにあるリグレービルの建築様式に心ときめかせ、

2度目の(つまり最後の)引退をする直前のサンドバーグや、
まだ若手だったサミー・ソーサのプレーを
リグレー・フィールドで楽しんだ。

シカゴのリグレー・フィールドは、
野球少年にとってはボストンのフェンウェイ・パークと並んで、
特別な場所なのだ。

そこでMLBゲームを実際に観ることができただけでも、
感激のひと時だった。


ガムと、シカゴの球場。 

小学生の僕にとっても、30代のビジネスマンの僕にとっても、
40代になった今でも、
それらは
僕の心の中では、しっかりとつながっている。

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# by y_natsume1 | 2008-03-06 21:02 | Back Street Days

春になる前の3日目か4日目?

2008年2月23日(土) 午後。

ヘンリー・ミラーの短編、「春の三日目か四日目」 より引用。

・・・・・ 十字軍のあとが黒死病。

コロンブスのあとが梅毒。

ソノウスカ嬢のあとが精神分裂病である。・・・・・・


・・・・・・ 私は神の人であり、同時に悪魔の人でもある。 

そのどちらに対しても公平でなければならない。 

永遠なものは何一つなく、絶対なものも何一つない。 

私の眼前にいつも浮かぶのは我々人間の肉体のイメージであり、それは一本のペニスと二つの睾丸からなる三位一体の神なのである。 

右に父なる神があり、左には右のより少し下にさがっている子なる神があり、そしてこの両者のあいだのやや上のところに精霊がある。 

私は、この聖なる三位一体が人間によって作られたものであり、またそれはさまざまな変化を際限なく経験するだろうと常々思っている。・・・・・・・


・・・・・・・ 一歩踏み出すごとに、その一歩が最後の一歩となり、それとともに自分自身も含めて世界全体が死んでいく。

我々は今この地上にいて決して終わりを迎えることはない、というのも過去は決して消えてなくならず、未来は決して始まらず、現在は決して終わることがないからだ。・・・・・・・・・・・・・


(引用終り)

(以上、ヘンリー・ミラー 「春の三日目か四日目」 
      /「黒い春」 (水声社、訳・山崎勉)  より全て引用)

*******************

「春一番」という名の早春の黄砂は、僕のすぐ目の前で
過去と現在と未来を荒々しく駆け巡っている。

すさまじい風と砂埃と少しの雨粒が僕を取り囲む。

冷戦のあとがエイズ?
鎌倉のあとがペルノー中毒?


そして今、春の砂嵐は僕をどんどん追い越していく。

過去が現在を凌駕し、未来と闘うかのように。

掌から、指と指の間から、砂となって
あの「大切なこと」がこぼれていくように。

もう、決して取り返しがつかないのだと僕に言いきかせるように。

二つの睾丸に挟まれた僕の精霊は
ちゃんと固く勃起しているというのに。

この早春の黄砂はまるで知らん振りを決めているようで、
どんどん僕を追い越していくのだ。

これじゃ、
精霊が恍惚の頂点に達するまでに
あと何万光年かかるか分からないほどだ。

もちろん、本格的な春の訪れはまだまだ先だけど、

僕は永遠に追いつけないのだろうか、 
  春の砂嵐の中に潜む、
     妖艶で魅力的なオパールの面影には。



     「没有(メイヨウ)?」


♪ テーマ曲 「交響曲第6番 田園」 by ベートーベン♪
♪ テーマ曲 「はるかぜ」 by doa ♪
♪ テーマ曲 「Homeless」 by Solas♪

関連記事:
「鳴門の渦潮はエーゲ海にもあるのだろうか」
「魔性の都市で杯を (4) 最終回」
「もっと売れて欲しいバンド doa」
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# by y_natsume1 | 2008-02-27 21:59 | Books

しだれ桜に無粋なことを

2008年2月21日(木) 夜。

この夜は、 心底会いたい人には結果として会えず、 

けれど会おうと思ってさえいなかったプロのジャズ・ミュージシャンたちと
なぜか出会い、直接お話し、
一緒のテーブルでお酒を飲む栄誉にあずかった夜だった。


十五夜の月。 満月。

東京では皆既日食ではなく、
ふつうの満月が、おぼろ月として目に映っている。

深夜、タクシーで自宅に戻る途中のことだ。

自宅の近くのバス通り沿いにある、
いつものステキな古い某洋館が視界に入る。

その敷地内にある広い庭(というか駐車場?)にある、
古い大きなしだれ桜のことは以前のエントリ記事でも書いた。

その桜の木について。


毎年桜の咲く時期に、
少し離れた地面から微妙に小さめのライトで照らされる夜のしだれ桜は、

妖艶という言葉がピッタリで、
それはもう見事である。

敷地には壁などがないので、
僕たち一般人にも全体が眺められたのだ。


最近、この洋館と、その隣接する土地建物を同時に、
テレビにもよく出ている、ある有名人が
購入したそうだ。

見る見るうちに改装され、
洋館の駐車場部分にはしだれ桜の木に迫る勢いで
住居だか事務所だかが建てられ、

しだれ桜の木は、切られることはなかったが、
車2台分のガレージ&門の中、となった。

だから、バス通りからは、
桜の木の上半分は今も見えるが、
下半分はガレージ&門の壁で見えない。

「もう、うちの物になったし、
壁も作っちゃったけど、
今まで通り近所の皆さんには桜の花が見えればいいでしょ、ね?」

っていう感性がミエミエだ。


けれど、考えてもみろ。

下部から当てた夜のライトアップも、
それじゃ、味わえないだろう。

それにそもそも、
しだれ桜は下の方が見えてないんだったら、
そのしだれの美しさが分からないだろうが。


洋館に外交官が住んでいたあの頃から、
このしだれ桜は既にある意味で

「一定の公共性」

を持っていた。

僕を含めてここを通る近所の人たちが、
一年のうちその時期だけでも、その全体をしばし眺め、
見事な桜だと思ったものだ。

それが今は上半分だけ、
申し訳程度にしか見えなくなった。

あれは全体が見えなければ、意味がないのに。

なんだか、今のしだれ桜の木は、
すぐ傍まで迫りくる敷地内の建物とガレージの壁によって、

息が詰まりそうだ

と言っているようにさえ見える。

例えば、

富士山が描かれた浮世絵で空の部分、つまり空間がいかに大事か。

花道や盆栽で全体のバランスや形に注力することがいかに大切か。

  知らないのか。

壁で囲むことなどもってのほかで、
壁ではなく、もっと空間が必要なのだ。

空間を含めたバランスなのだ、景観は。


だから、あの洋館の以前の所有者は壁など築かなかったのだ。
以前の持ち主は、たぶん分かっていたのだ。


今回、某有名人の個人所有となった桜に、
近所の一般人が目くじらをたてる権利はないのかもしれないし、

この某有名人を個人的には嫌いではないのだが、

あぁ、やっぱりこの人(あるいはその奥さん)には、

美的感覚がなく、
文化的素養もないのだと思ってしまう。

上半分だけでも見せてりゃいいでしょ、
見せないよりはましでしょ、
って感じがそこはかとなく伝わってくるその有様そのものが、

もう、すでに野卑な気がして、嫌なのだ。



あぁ、ダメだ、今の日本人は。

必要以上に手をかけないことの潔さや価値を忘れ、

お金で買えないはずの歴史や文化や美しさそのものを、
即物的にお金に換算し過ぎている。


坂口安吾の 「桜の森の満開の下」 を材料に、
もっと悪態をついてやろうかとさえ思う。


今夜のおぼろ月は、キチンと見ているだろう。
このザマを。

この無様な人間の愚行を。

まことに、 ブザマ だ。


しだれ桜の木は、
木全体とその周りにある空間全てで成り立っていた。

中途半端に見せるぐらいなら、
いっそのこと全部覆ってしまえ。

もうすぐ春になるというのに、

   バカヤロウ。

♪ テーマ曲 「Winter Always Turns to Spring」 by Bill Frisell ♪
 
関連記事:
「赤い三日月」
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# by y_natsume1 | 2008-02-22 00:40 | Moon

鎌倉の後 にっかつロマンポルノ名作集

今回の記事はR-18。 18歳未満はここから先はご遠慮下さいませ。

(ってわざわざ断り入れるほど過激な内容ではないのだけど、一応ね。)

2008年2月16日(土) 昼。

先週末の鎌倉山ん中さまよい事件は、
(フィクションではなく実話なだけに)
今思うと結構やばかったような気がする。

足腰の痛さからすると1時間どころじゃなくて
3~4時間ぐらい歩いてたような気がするし、
タクシーは全然つかまらなかったし、

ものすごい寒さで、
由比ヶ浜のバーにたどり着いた時は、
(僕のいつもの風邪の前兆でもある)喉の痛みがちょっと出てきて、
体もガタガタ震えていたほど。

だって翌日(2月9日土曜)には
関東地方に雪が積もったほどだったんだからね。

一歩間違えれば(文字通り歩く方向が違っていれば)、シャレにならんことに。

そいでもって風邪も引きかけた。 今は大丈夫だけど。

いかんねぇ、酔いどれは。

トム・ウェイツだってチャールズ・ブコウスキーだって、
みんな酔いどれじゃないかと 言ってみても、

お前(夏目)は詩人でもアーティストでもないだろ、普通の会社員だろ、
と言われてその通り。

酩酊状態のくせに翌朝8時半ごろには
電車とバスを乗り継いで都内世田谷の自宅まで帰還できている
というありがたい展開。 

おそらく、居眠りで乗り過ごすこともなく、1時間半ほどで到着した模様。

失くしたものは片方の手袋のみ。
財布の中身も鞄も無事だった。

43歳にもなって自慢できることじゃないけど・・・。

誰かに守られてるんだろうか。


**************

この日(2008年2月16日土曜)、お昼に所用で横浜チャイナタウンへ。

その後、鎌倉へ移動。

由比ヶ浜の某カフェ(あのバーじゃないよ)で
海をボーっと眺めながらラムを数杯。

また飲むのか。

冬の海は誰もいないけどそれはそれでステキだ、
などとカッコつけて言う場面ではない。

湘南の海岸は冬場でも
サーファーやら犬を連れた人やらデート中のカップルなど、
けっこう人がいるのだ。

冬のドーヴィルのようにはいかない。(映画「男と女」のことだ。)


夕方、帰宅して、
先週末の凍えそうな「さまよい事件」を思い出しつつ、
にっかつロマンポルノの名作DVDをかける。

「赫い髪の女」(1979)、 

神代辰巳監督、宮下順子&石橋蓮司主演。

原作は芥川賞作家、中上健次の「赫髪」。

なんと荒涼とした情景を描いていることだろう。 
その荒涼さは、僕が鎌倉をさまよっていた心情にマッチする。

にっかつロマンポルノとはいえ、
原作者も監督も出演俳優も、
簡単にポルノと片付けるわけにはいかない人たちばかり。

宮下順子さんだぞ。 なんて色っぽいんだろ。

石橋蓮司さんだぞ、阿藤海さんだぞ、神代監督だぞ。
 
しかもデキが良い。 

陰うつではあるけれど、どっかの下手な一般映画よりよっぽど、
人間の業(ごう)や性(さが)、情念をちゃんと描いてる。

肉体労働や土着文化の側面も。

セックスシーンも今の時代からすればかなりおとなしめで、
本番AVと比べれば、
(本番と比べてもしょうがないけど)
これでなんでポルノ?って感じさえする。

当時、女性たちはポルノ映画をわざわざ映画館にまで
観に行けなかっただろうから、

こういう名作をなかなか観る機会がなかったのは
残念だろうなと思ってた。

最近は渋谷辺りで
女性が参加する昭和・にっかつロマンポルノの上映イベント
なんかもあったりするが。


これ以外にもにっかつロマンポルノには隠れた名作が多い。

「狂った果実」 (1981)。

監督は駆け出しの頃の(なんと!)、根岸吉太郎。

主演は本間優二、蜷川有紀(劇団四季の蜷川幸雄の姪)、
それに大御所、岡田英次まで出てる。

主題歌はアリスの同名曲。

これ、一般映画でしょう、今の感覚では。

階級社会、若さゆえの残酷さ、狂気、衝撃的なラスト。

こういう作品がポルノだからって埋もれているのは寂しい。


そうそう、
湘南の女子高生を真夏の日差しの下、見事な撮影で切り取った、

「セーラー服百合族」 (1983) 那須博之監督、

なんかもとても出来がいい。

(DVD化時点で「制服 百合族」にタイトル変更。)

実は那須監督は後に「ビーバップハイスクール」とか「デビルマン」などを撮っている。

この「セーラー服百合族」という作品、
僕は公開当時に1度観ただけなのだが、強く印象に残っている。

もちろん18歳の男の子が観るのだからセックスシーンはもちろんだけど、
特に撮影がよかった。

江ノ電が美しく撮れている。

緑や青の色彩を基調に、
光の処理が抜群だなぁと(素人なりに当時は思った)。


にっかつロマンポルノ、あなどりがたし。

疾走しよう、peleの曲をかけながら。

ハイになろう、安物のラムをグイグイやりながら。


♪ テーマ曲 「nude beach, pin hole camera」 by pele ♪

関連記事:
「京の女に言ふ (2)」
「狂った果実 (根岸吉太郎監督版)」
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# by y_natsume1 | 2008-02-17 10:38 | 映画言いたい放題

京の女に言ふ (2)

2008年2月8日(金) 夜。

Chinese New Yearのお祝いと称して
鎌倉の山の中にある、某居酒屋へ。

この辺りは星がとてもよく見える。
けれど月は見えない。 どうして? 新月だっけ?
(そうだ、2月7日は旧正月の元旦なんだから、当然新月で見えないんだ。)

カウンター席の端っこ。

高知の地酒、南を常温で (南を置いてあるとは珍しい店だ)。

ぶわぶわ(あげと卵を甘く煮たもの)、
タラの芽の天ぷら、
奈良の濁り酒、どぶを燗で。

店主からブラックデビルというタバコを1本頂く。 
甘く、 香ばしい匂い。

テレビ局勤務らしい3人組(男1、女2)の客。
大船、逗子あたりの地元民とのこと。

彼女らは僕にときおり話しかけてくれる。

(男1人で寂しそうとでも思ってくれたのか。僕なりに1人を楽しんではいたが。)

そして僕のタラの芽の天ぷらを見て、美味しそうと言う。
おすそわけする。

お礼にと、カワハギをすすめられる。 
タコの柚子じめも。

うまい。 日本酒に合う。

彼女らは、
1人客は僕以外にもう1人いるのに、
僕の方に興味を持ってくれたのか。

考えすぎだな。
単に席がすぐ隣だっただけのことだろう。

女性は2人ともとても魅力的だ。
もちろん性的な意味で。

(あとで2人とも年齢が40代だと聞いて驚く。 1人は20代、もう1人は30代かと本気で思ってた。 居酒屋の照明のほの暗さはこういうことも引き起こす。)

男性の方はこの居酒屋に10年ぐらい通っているという礼儀正しい40歳。

4人でテーブル席に移動してまで飲んでしまう。

いかんなぁ、このノリの良さ。
ひとしきり盛り上がる(たぶん)。

店内ではアン・サリーのジャズが流れている。


・・・・・・ 気がついたら、

居酒屋を出て
僕は1人鎌倉の暗い山の中を さまよい歩いている。

ものすごく、寒い。

旧暦の新年を祝うには、少々ヤボだろうか。
オンナっ気もなく、都心の華やかさもなく。

いや、いいんだ。 これで。
鎌倉で飲んだくれてる方が、僕らしいというもの。

頭にはロードムービーが浮かぶ。

ヴィム・ヴェンダースの「アメリカ、家族のいる風景」
(地味だし、最低の日本語タイトルだが、内容は本当に最高だ)。

「EUREKA」(日本では珍しいロードムービーの秀作)
「パリ、テキサス」
「ダウン・バイ・ロー」
「バッファロー’66」 ・・・・・・。

これらに共通するのは、実はロードムービーという形式だけじゃなくて、
「荒涼とした」風景そのものなのだ。

ジャック・ケルアックは「荒涼天使たち」で的確にその本質を突いている。



・・・・・・ たぶん1時間以上も歩いたろうか。

たどり着いた先は、

なぜかよく行く由比ヶ浜の「お酒の神様」という名のバー。
体が覚えていたのか。

真っ暗で、目の前にあるはずの海は見えないが 
波の音は聴こえる。

午前5時?

マスターにレゲエのCDのお礼を言う。

ペルノーのソーダ割り。

まだ飲むのか? そうさ、だって、バーだもん。


無意識に(意識的に無意識に)ロートレックの画集を出す。

(いや、現実には出していないのかもしれないが、
頭の中ではロートレックが回っていたのだ。)

前夜、六本木の展覧会に行ってきたばかりだったから
鞄に入っていたのだろう。


ロートレックは素晴らしい。

展覧会でのロートレックの略歴では
梅毒とアルコール中毒に悩まされ・・・・ とある。

そうに違いはないのだろうが、
アル中はどうだか。
そりゃアブサンの飲みすぎには違いないだろうけど。

単なるアル中っていうより、薬物作用だろ。

ニガヨモギの成分が、脳に悪い影響を与えるのか。

19世紀末から20世紀初頭のパリの芸術家たちは
皆、揃いも揃ってこの酒に狂っていた。

詩人ランボーしかり、画家ゴッホしかり、ピカソしかり、ドガしかり。

やがて禁止になったアブサンの代用品として
ペルノーが好まれるようになる。

僕は狂ってしまいたくて、いつもペルノーを飲むのか?

だったら素直に(このバーにある)再発アブサンを飲めばいいのに。

ペルノーが好きなのだ。
ペルノーを飲むヘンリー・ミラーも好きなのだ。



ジャズを聴こう。
ジャズはどこだ。

チャーリー・パーカーの、うるさいほどのアルト・サックスがいい。

1940年代のパーカーは
2008年の鎌倉をも征服できる。


ゴロワーズを吸いながら、

夜が明ければ、この日は特別な日になるのだと、思う。
「あの人」の、72回目の、特別な日。

そして僕は鎌倉なら、さまよい歩いてもいいと思ってしまう。
ゴロワーズとペルノーさえあればね。


僕は由比ヶ浜の海を見ないまま、
いや、すぐ目の前にあるのだけど、
泥酔した僕は視覚的に認識できないまま、
朝のバーを出る。

普通、朝まで飲んでるような不良なら
近くに”オンナ”でもいて、
その家に寄るのだろうけれど、
僕にそんな女性はいない。

(逆かな。 親しい女性がいれば朝までなんか飲みはしないだろう。)

・・・・・ 腹が、減った。

ねぇ、オネエさん、僕に何か食わしてくれよ。
オパールとジャズとゴロワーズとペルノーを忘れさせるほどの、
食い物をさ。


ねぇ、オネエさん。


僕は1963年の、あの女性に向かって、
携帯電話をかけようとしていた。

今はもう、この世(夜)に存在しない、あの女性に向かって。


♪ テーマ曲 「星影の小径」 by アン・サリー♪
     アルバム「ムーンダンス」より

関連記事:
「京の女に言ふ」
「ゆる~いレゲエを鎌倉で」
「由比ヶ浜に 酒の神 在り」
「Blue Train」

a happy new rat year to ya!
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# by y_natsume1 | 2008-02-09 18:36 | 鎌倉湘南Seaside

夜のバスに乗れ

2008年2月3日(日) 節分。 

季節感、生活感のためには
日本では
旧暦に戻した方がしっくりくることが多いような気がする。
当然といえば当然か。

もうすぐ立春だというのに
今東京では雪が降り積もっている。

これじゃ 旧暦に戻してもズレてるけど。

少なくとも、せっかくの昔の暦(こよみ)がもったいない。
たまに美しい雪景色を見ること自体は悪くないのだけど。

・・・・・ 昼前にやる熱燗が おいしい。

酔っ払いのたわごと、
つまりは空想の世界の言葉遊びには
邪気はない。

小説の中の季節感も
歌の季語も、

地球温暖化とやらで
まるで現実とはかけ離れてきた昨今だけど、

それでも
旧暦の方が感覚としては
まだまし というもの。

日本人の季節感には
旧暦の方が やっぱりいい。


モニター画面ではセピアカラーの傑作、
映画「EUREKA」が流れ、
癒しと再生の可能性を模索する。

窓から見える白い雪は
果たして
画面のモノクロームと交じり合えるのか。


いったい僕は何を 「見つけた(eureka)」 のか?

オパールか?

現在完了形の、見つけたんじゃなくて、
まだ、見つけていなくて、
そして、もう見つかりっこないのか。

それを確かめるには、夜のバスに乗らなきゃ。

♪ テーマ曲 「Eureka」 by Jim O'Rourke ♪
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# by y_natsume1 | 2008-02-03 11:26 | 日々の雑文

酔っ払いのたわごと (5)

B♭は

銀座というドブに

捨てられたのさ
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# by y_natsume1 | 2008-02-03 10:47 | 日々の雑文

酔っ払いのたわごと (4)

僕を吸い尽くせばいい

精子という名の

オペラ劇場を
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# by y_natsume1 | 2008-02-03 10:46 | 日々の雑文

酔っ払いのたわごと (3)

僕を手でいかせるときの あなたの目は

悪魔のようにカッコイイ

最後まで

そのイヤラシイ目をそらさない
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# by y_natsume1 | 2008-02-03 10:45 | 日々の雑文

酔っ払いのたわごと (2)

音のない世界は

騒がしい世界よりも

残酷なのだろうか
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# by y_natsume1 | 2008-02-03 10:44 | 日々の雑文

酔っ払いのたわごと (1)

あの人は
僕をもてあそんでいるだけなんだろうか

40年以上かけて
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# by y_natsume1 | 2008-02-03 10:43 | 日々の雑文

京の女に言ふ

2008年1月某日 夜。

鎌倉。 
といっても山に近い、少々分かりにくい辺ぴな場所へ。

月が出ている。 

幹線道路から脇に入った、暗い小道沿いに、
寂しそうにポツンと明かりが灯っている。

あそこだ。

地元湘南出身の友人に紹介された某居酒屋。
夏目さんならたぶん、あそこのディープな感じ、気に入ると思うよ、と。

その友人によると
愛想はあまりないらしいけれど、
不思議な雰囲気のオヤジさんが朝4時まで1人でやっているそうだ。

・・・・僕は暗闇の中、1軒だけ明かりの灯るその店に入る。

他にお客さんは1人だけ。

店内はボリューム小さ目でジャズがかかり、
ノスタルジックな、古い壁掛時計や置時計が数多くある。

古い時計がいくつもある割には、
時間の流れが緩やかというか、ゆるいというか、
時間を意識しないでいられる。

むしろ時計がいくつもあることによって、返って、
時間が止まっているようにさえ思える、 本当にフシギな空間なのだ。


お通しは塩で味をつけたタコの刺身。

酒は茅ヶ崎の地酒だという天青を燗で。
寒い夜にはやっぱり燗の日本酒がいい。

お燗は僕の目の前の小さな囲炉裏で炭火でつけてくれる。

うまい。

友人に聞いたところによると、
オヤジさんは昔、ジャズミュージシャン&カメラマンだったらしい。

メニューはオヤジさんの自筆(毛筆)で、今日の日付も入っている。
ということは、今日のオススメは何ですか? 
なんて事を聞くのは野暮なので聞かないことにする。

メニューの上部にタイトルが書かれている。

”京の女に言ふ” (きょうのめにゅう)。

そういえば、京都のあの人は息災だろうか、と頭をよぎる。

カンパチの刺身。
都内で頂く刺身より断然イキが良くて、量が多くて、男には嬉しい。

うまい。

オヤジさんのオススメで、ドブ(どぶろくのドブ、だな)という
奈良のにごり酒を燗で。

すっごくうまい。
全然甘ったるくない。
ものスゴイ辛口&17℃という強さ。
酒飲みが好きになりやすい酒ではなかろうか。


店の中ではジャズピアノと女性ボーカルが
アンニュイに響いている。

音楽は流れていても、静かだ。

「お客さん、東京からわざわざ・・・・。 今夜はお泊り、ですか?」

「いえ、一応帰るつもりです。 泊まった方が安上がりなんでしょうけど・・・」

「そうですねぇ・・・。 タクシーで帰るよりは泊まった方がねぇ・・・・」


鴨葱の塩焼きを頼む。

この味は最高である。

これも量が多い上に、辛味のピリッときいたいい葱と、
歯ごたえのしっかりした鴨の肉に感動する。

「あとで吟醸酒を飲まないんでしたら、鴨葱に七味をかけて召し上がっても美味しいですよ」、と親切なアドバイスがオヤジさんから。

オヤジさんの愛想があまりないなんてこと、なかった。 
実際、僕にとっては。  普通だよ。
1人でやってるから調理してる間は奥に引っ込んじゃって注文しづらいけど。

残っている鴨葱に京都の黒七味をかけて頂く。

うまい。

ドブの燗、もう1本。 
酒が進む。

   京、時計、月、ジャズ、酒、そして・・・・。


客はやがて僕1人になる。

オヤジさんは一息つくとジタンを吸う。

僕はゴロワーズを。

オヤジさんは僕のゴロワーズを見て、ニヤリ。

’70年代の某ミュージシャンたちやCM製作関係者のエピソードなどを伺う。
(実はこのお店にはユーミンも来たことがあるんだってさ。音楽関係者が多いんだろうな。)

僕がときどき世田谷の自宅から鎌倉方面に飲みに来るその微妙な心境を、
肝心な所を外さずに、このオヤジさんはちゃんと分かってくれたらしい。

分かりますよ、こっちに来る電車に乗ってる時間でさえ、
大事な旅の一部なんでしょ?
鎌倉は、お客さんにとっては桃源郷みたいなもん、かなぁ
、と。


ここはフシギな空間だ。

ゆる~い。

時間が、 みごとに、  止まっている。

落ち着いた、静かな空間で過ごせていることの、なんと幸福なことか。

僕は確かにこの居酒屋にいるはずなのに、
まるで別の時代の天国か どこかの癒しの空間にでも
トリップして来てるようなヘンな、
けれど心地いい気持にさえなる。

ありがたいことだ。

止まった時間、  静かな空間。


ヘンリー・ミラーは、「北回帰線」の最後で書いている――
時間よりも空間が必要なのだ、と。
僕はそれを、しっかりと思い出す。

ドブを、グイっと頂く。 力強い酒は今の僕にはエナジーだ。


・・・・ お会計をして店を出るとき、オヤジさんが
おいしいよ、ミカンもってって、と。

いくつか、頂く。 

そういや、もうすぐチャイニーズニューイヤーだな。
ミカンは華人の旧正月じゃ縁起物だ。 
マンダリンオレンジ。


店を出て空を見上げたら、
底冷えのする夜空に無茶苦茶キレイな月が光っている。
僕はオパールを 思う。
月明かりは美しい。

心底冷える、寒い夜だ。
熱燗で温まった体でも、すぐに冷えていきそうなほど。

オヤジさんが店から出てくる。
僕が忘れた100円ライターを渡してくれる。

「あぁ、どうも、どうも。 すんません。 ありがとうございます」

店のすぐ前でオヤジさんと言葉を交わす。

「オヤジさん、あの月、なんだかすっごくアヤシイっすね」

(この鎌倉の山ん中の店も、相当アヤシイけどね、と思いながら。)

「そうですねぇ、今夜は何か起こりますかねぇ(笑)。 
では、お気をつけて。 ぜひまたいらして下さい」



・・・・・ 僕は通りに出てタクシーを拾う。
後部座席に深く身を沈め、落ち着いた僕の目にまた、
月が、映る。

夜の空、 月が、 見えている。


酔いどれの僕はこれからどこへ向かう? 
運転手さんに告げた行き先を、 変更しようか???

  まさか
     京(みやこ)か
        はたまた月か?


*************


後で味わったミカン、とてもおいしかった。 
こんなに甘くておいしいミカン、久しぶりだったな。

それにつけても、「京の女に言ふ」、とは気に入った。

僕は今もオパールを探し求めている。 
ふらふらと酔っ払いながら。

あてもなく。

♪ テーマ曲 「Follow Me」 by 伊藤君子 ♪
♪ テーマ曲 「無人島」 by doa ♪
♪ テーマ曲 「野生の馬」 by シローとブレッド&バター♪
    (ファースト・アルバム 「ムーンライト」(1972)より)
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# by y_natsume1 | 2008-01-27 18:23 | 鎌倉湘南Seaside

キャメロンの蝶は 三日月に吠えたのか

蝶(バタフライ)の形をした緑色のバレッタは、
オパールに命を吹き込んだろうか。

1990年代のキャメロン高原には
蝶は数え切れないほどいたけれど、
今の東京じゃ、いくら探してもオパールは見当たらない。

そもそも
僕がずっと探しているのは、ラジャブルックなんかじゃない。

緑の蝶によって花芯を大きく勃起させた、
官能的なオパールなのだ。

それは、いつも、果てしなく遠い所にある。
M78星雲 ひかりの国よりも、もっと遠くだ。

そこには絶望的な希望が、まだ、  あると言うのかい?

♪ テーマ曲 「心のリズム飛び散るバタフライ」 by doa ♪

関連記事:
「熱い絹」 
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# by y_natsume1 | 2008-01-24 20:35 | アジア的独白

甘いマーマレード 苦いマーマレード

今の銀座のオネエサンたちも、
さすがに

成瀬巳喜男監督の映画 「女が階段を上がる時」(1960 東宝)

ぐらいは、その世界のバイブル的なものとして
観たことがあるだろうか。


・・・・・ ないだろうな、たぶん。 

けっこう昔のモノクロ映画だもん。


高峰秀子の美えいと存在感が秀逸。

この映画を観ると、

なんだか、この映画の製作当時も今も、
人間の基本的な営みは
それほど変わるものではないのだろうなぁと思えてならない。

今観ても、この映画、意外に面白い。 
身につまされる中年男性も多いだろう。

色事は 四十からが 面白し、

なぁんて江戸の川柳、自分にはいまだにご縁がない一方で、
この映画の男達はみな、
揃いも揃って色っぽくて、しかも大バカ野郎ばかりだ。

バカだねぇ、オトコは。 
そして、オンナも、かな。


マーマレードは甘いけれど、
柑橘系らしい酸味や苦味も、少しはないとな。

♪ テーマ曲 「クレオパトラの夢」 by Bud Powell♪
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# by y_natsume1 | 2008-01-19 14:12 | 日々の雑文

もっと売れて欲しいバンド doa

doaのオフィシャルサイトはここ
全曲試聴できる。

派手なロックを
アコースティック・ギターと見事なコーラスで聴かせる。

ほとんどの曲で生ギターのカッティング・ストロークを
前面に押し出した、かっちょいいサウンドである。

イキのいいボーカル。
特にハーモニーがすごい。
大人な詞のセンスもいい。 

ホントにカッコよくて良い曲ばかりだと思う。

うちの5歳の王子も
このバンドの大ファンである。

ウルトラマン・ネクサスの主題歌「英雄」がdoaの曲だったから。
(脚注参照)


彼ら3人のうち2人は
B'zのレコーディングやツアーでサポートメンバーも務めている。

もう1人はオーストラリア育ちのボーカリストで、
フォーミュラーニッポン等の現役レーサーでもある。


アルバム3枚とも、完成度からしても、
もっと、もっと売れていても
おかしくはないはずなのに。

今の評価や知名度は、
実力からするとまだまだ低いのではないのかなぁ、と。

B'zにちょっと似てる(と受け取られやすい)から、
かえっていけないのか。

B'zに似てるといっても、サポートメンバーで音出してるんだから
似てるも何も、音はそれそのものだろうに。

もし殻を破れないとしたら、ポイントはそこか。


でもオリジナルの音である限り、
大衆に媚びないで
そのまんまでいいのかもしれない。


とにかく、もっと、もっと、売れて欲しい。

♪ テーマ曲 「英雄」 by doa ♪
(ウルトラマン・ネクサス/ オープニング主題歌)

*************

(注) 
ちなみに、2つの点で、doaの 「英雄」 という曲はとてもユニークだ。

1. 歴代のウルトラマン・シリーズの主題歌で、タイトルにも歌詞にもウルトラマンや防衛チームの名前が全然入っていないのは、この 「英雄」 だけなのだそうだ。 もともとウルトラマン用に書かれた曲ではなかったのかもしれない。

2. おまけにレコード会社の権利関係から、ウルトラマン・シリーズの主題歌集のCDには、ネクサスがらみの曲(doaや三枝夕夏の曲)だけが、入っていない。 
(ウルトラマン80の曲も入ってなかったかもしれないけど、未確認。)

でも、僕にはそういうのが返ってよかったのかもしれない。 
doaのCDを聴くきっかけになったからだ。 

そもそもウルトラマン・ネクサスだって、主題歌同様、ウルトラマン・シリーズの中ではとてもユニークな存在なのだし。 

ネクサスはシリーズの中では最も大人向け。 ウルトラマンに変身するのが主人公ではない別の人物という意味不明な設定で異端視されているけれど、重いテーマ性やシリアスな展開などに特筆すべきものがあり、セブンとは違った意味でとても完成度の高い作品だと言われているのだ。

以上。
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# by y_natsume1 | 2008-01-13 10:23 | Music Bang Bang

鳴門の渦潮はエーゲ海にもあるのだろうか

2008年1月初旬の某日(休日)。

真っ昼間から酒を飲みながら、

ヘンリー・ミラーのギリシャ紀行、
「マルーシの巨像」 を読む。


ミラーの小説にしては珍しく、
(というか、解説によれば彼の作品中でも唯一、らしいが)
性描写のシーンがない。


これまでに読んだことのあるヘンリー・ミラーの他の作品は、
ホントに 1930年代~'50年代頃に書かれたのかと思うほど、
今の感覚でも わりあい過激なポルノグラフィーか
それに近いものが多かったというのに。

直接的な単語は使っていないけど、
3Pとか、酒場での娼婦の手コキとか、フェラチオとかの明確な描写も
平気で出てくる。

あの時代に、だぞ。 
村上龍の「エクスタシー」ほど過激じゃないけど、
これじゃぁ、本国アメリカでずっと発禁処分になるわけだ。



けれど酔っ払った僕は、
ポルノではないはずのこのギリシャ紀行文にさえ、
なぜだか自分自身が固く勃起させられるのを
止めることができないでいる。

ギリシャそのものが卑猥で官能的だからなのか。

そして、何を書こうとヘンリー・ミラーの存在自体があやうい、
無頼なものだからなのか。



だとしたら、

僕が今も探しているオパールは、

もしかしたら

1939年のギリシャにあるのかもしれない。

教えてくれ、 オパール。 

イマ ドコナンダ ?

♪ テーマ曲 「風を撃て」 by キリンジ ♪

関連記事:
「葉山のカフェ・レストラン (1) ~「北回帰線」の空間へ~」
「ゆるゆるとシンガプラ (8) 最終回 ~南回帰線はまだか?~」
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# by y_natsume1 | 2008-01-09 22:09 | Books

変態 変体 ヘンタイ

最近の日産デュアリスのテレビCMを観ていて連想するのは、

映画 「トランスフォーマー」 (2007年) よりも、

むしろ

アニメ 「超時空要塞マクロス」 (1983年)だ。

僕のような世代には、
さすがにマクロスがまず頭に浮かぶ。

・・・・・・・・ と思っていたら、
なんのことはない。

マクロスの関係者、河森正治氏が
日産にからんでいたらしい。

その件に関するプレスリリースはここ

なぁんだ、その意味で僕の連想は、
当然といえば当然だったのか。

やっぱり僕の感性や発想なんて、極めてフツーなのだな。

♪ テーマ曲 「Jet」 by Paul McCartney ♪
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# by y_natsume1 | 2008-01-06 12:25 | 日々の雑文

酔っ払いのたわごと (6)

深夜のタクシーの中で

固く勃起した僕自身を握りしめるあなたは

他のオトコを犯しているにすぎない
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# by y_natsume1 | 2008-01-05 04:13 | 日々の雑文

赤い呪文

2008年1月初旬の某日。

僕はその日、
いったい誰からのコンタクトを
ずっと待っていたというのだろう。

43年もかけて。


「28種類の色彩」は
僕にはいっこうに見えない月を
鮮やかな赤色に染めあげる。

僕はオパールという赤い月に
狂いまくっている。

♪ テーマ曲 「無人島」 by doa ♪
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# by y_natsume1 | 2008-01-05 03:01 | Moon

男の料理 (7) ~肉骨茶~

2007年12月29日(土) 不思議な、生暖かい午後。

窓をいっぱいに開ける。


雨上がりの空はまだ鉛色だ。
けれど鉛色の空は決して嫌いじゃない。


そもそも、雨上がりの空と、濡れたアスファルトは
僕にとっては宝石だ。


冬だからそれなりに寒いけど、
窓を開けたまま、昨日よりは確実に生暖かいと感じる。

雨上がりだからだろうか。



チリ産の激安(ボトルで何と580円) But 激ウマ赤ワインを
グビグビやりながら、

肉骨茶(バクテー)を初めて自分で作ってみる。

作ってみる、ってほどのことでもない。


骨付きの豚肉を1キロほど鍋にぶち込み、
大量のニンニクと野菜と肉骨茶の素(スープ袋)と一緒に
ただ単に、ぐつぐつと煮るだけだ。


実父から届いた無農薬野菜(*)のうち、
白菜を丹念に洗い(無農薬だから虫が一杯ついているはず)、
大胆に刻んで鍋に入れる。


買ってきたマッシュルームや
あられ揚げ(揚げパンのちびっこいみたいなやつ)も入れる。


肉骨茶の素は2袋使用する。
通常は1袋でいいはずの量だが、
経験者が言うにはそれだとまだ味が薄いから。


肉骨茶の素は、今回もシンガポール・スタイルの、白胡椒風味のヤツ。


僕はどちらかというと、
マレーシア・スタイルの、漢方薬っぽい色の黒い方が好きなのだけど、
(マレーシアに駐在していたからね)
そっちの方のスープの素は見つからなかったし、
手に入れて作ったとしても、匂いまではなかなかうまく再現できないだろう。


小1時間ほどで火を止め、鍋をバスタオルにくるんで数時間保温。

あとはまた酒をグビグビ。


・・・・・・夜、

高菜(*)と細切れ肉を
ゴマ油とオイスターソースで炒め、

それを肴にワインをまたグビグビ。

うまい。

酒を飲み終わる頃、

酔っ払いはようやく
肉骨茶を白いご飯にかけて喰う。

うまい。 


シンガポールの大親友、龍(仮名)たち家族は元気だろうか。


いや、そんなことより、

今夜もどこにあるか分からない月に向かって
オパールはどこだと叫ぼうか。

雨は上がったというのに、

荒井由実は 「雨の街を」 をさらりと歌い、

僕はオパールの幻影に狂っている。


(*) 
実父とは僕が40歳の時に37年ぶりに再会した。 彼は瀬戸内の田舎町にいて、自宅の隣にある畑を借りて無農薬野菜を作る隠居生活を送っている。 時々段ボール箱に入ったいろんな野菜が大量に送られてくる。

♪ テーマ曲 「雨の街を」 by 荒井由実 ♪

関連記事:
「シンガポール出張 (7) ~チャイナ・タウンの休日~」
「ゆるゆると シンガプラ (6) ~青リンゴをかじれば~」
「肉骨茶を喰う」
「肉骨茶」
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# by y_natsume1 | 2007-12-31 09:07 | ごはん

映画 アイデン&ティティ (2003)

もっと早くに観とくんだった。
観終わって、それぐらい気に入った作品。

ロック好き、ボブ・ディラン好きにはこたえられない映画。

ディランの原曲「Like a Rolling Stone」をおそらく(?たぶん)
世界で初めて映画でフルに使用するという快挙。

(「原曲」と言ったのは、映像業界では歌手の権利関係からオリジナル音源がどうしても使用できず、似たような声の人がカバーした曲を使用するケースが割とあるからだ。 特にここ数年のCM業界。)

この映画の勝因は、
何をさておいてもボブ・ディランが
原曲の使用や歌詞の字幕使用、そして
映画全体でのディランのコンセプト使用を承諾してくれたことに尽きる。

承諾を得ることに果敢にチャレンジした製作スタッフにも頭が下がる。

これは本当に快挙だ。

あの厳しいディランが、よくもまぁ全てをOKしてくれたもんだ、と。

だって、ディランが全てをOKしなければ、
ラストでの原曲使用どころか、
この映画全体が成り立たない構成なのだから。

ディランが認めるぐらい、
この映画の内容には訴えるものがあるということだ。


そして強調したいのは、

この作品は確かにボブ・ディラン抜きには考えられないけれど、
決してディランそのものの映画ではなく、

ロックを愛し、自分の信じた道を進もうとする
日本のバンド小僧たちの物語なのだということ。

「”本当に自分がやりたいこと”をやり続ける難しさを真摯に描いている」(作品紹介関連サイトより)


監督の田口トモロヲ、脚本の宮藤官九郎、原作のみうらじゅんに賛辞を。


主演の峯田和伸、麻生久美子はハマリ役。 
お見事。

あとで銀杏BOYZのCDを2枚買ったほど、
峯田和伸を気に入る。 

下北沢をはじめ、いたる所でファンは皆、
エビのように飛び跳ねていることだろう。


峯田の存在感に目が行きがちだが、
麻生久美子の独特の雰囲気だってこの映画には絶対に欠かせない。
麻生の不思議なキャラはこの映画に奥深さを与えている。


峯田演じる主人公中島クンが
神様・ディランからプレゼントされる生ギターはギブソン。

カッコイイ。

ギブソンのギター、僕も欲しいぞな (高いけど)。

で、神様・ディランを演じていたのは誰だろう?

検索したけど、よく分からない。
分からない方が、いいのかもしれないけれど・・・・・。

まさか、オダギリジョー?  

まさか、ね。

「アイデン&ティティ」作品紹介関連サイト

関連記事:
「お気に入りロック名盤 (1) 「Highway 61 Revisited」 (1965)/ Bob Dylan」

♪ テーマ曲 「Like A Rolling Stone」 by Bob Dylan ♪
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# by y_natsume1 | 2007-12-29 16:45 | 過去の映画評「あ」

You and the night and the music

2007年12月20日(木) 夜。 

都内某ビル1階のカフェに向かって歩く。

そこで
僕が今勤めている会社の
直属の上司や同僚がやっているバンドのライブがある。

このバンドはギター2本(僕と同世代の同僚)、
ベース(僕の直接のボス)の3人編成。

毎月1回定期的にそのお店でライブをやっている。

・・・・・ もうすぐ着こうかというあたりで、
自動販売機でタバコを買っている女性が目に入る。

その女性が、かがんでタバコを取り出すせつな、僕と目が合う。
白人で、かなりの美人だと思った。

とても印象的な目つきをしている。
足もキレイだ。

・・・・・ その女性は僕が目指すのと同じカフェに入り、
それに続いて僕も中に入る――。


・・・・・・ バンド・メンバーに挨拶する。
とてもアットホームな感じで僕は大歓迎される。

音楽業界に働いているわけではないけれど、
20代の頃までは僕もバンドをやっていたし、
こういう雰囲気は昔から好きだ。

僕の性格からして同じ会社の人とプライベートな時間を過ごすことは基本的に、ない。 少なくとも今まではそうだった。

けれど今の会社は、なんだかプライベートでも会って一緒に遊んでいたいような、面白い人たちが多い。

僕も、考えが変わったものだ。
いや、環境が変われば、自分も少しは変わるのかもしれない。


席について、ジントニックを飲む。

ボスがベースのセッティングのあと僕の席にやって来て
ゴロワーズを所望。
チェ・ゲバラの(顔写真がデザインされたマッチ箱の)青炎マッチで火をつけ、一緒に吸う。

ボスは最近大病をしたので自分で買うほどではないけれど、僕がいつも吸っているゴロワーズのタバコを気に入っていて、時々僕に一本ちょうだい、となる。

そして、「夏目さん、うちの家族を紹介するよ」、と言われ、
隅のテーブル席にいる女性たちの方へ。

ボスの奥さんとそのお友達のマダム、そして・・・・・
白人の、むちゃくちゃキレイな女性が2人。

そのうち1人はあの、タバコの女性だ。

ボスの、姪ごさんたちなんだってさ。

びっくり。

ボスは普通の日本人。
この女の子たちはドイツ系でドイツ語をしゃべっている。
だからたぶん奥さんのご兄弟(姉妹)側の血縁なんだろう。

本当は3姉妹で、もう1人いるんだそうだ。
今回来ていない女性は、モデルとして雑誌で活躍中だってさ。
(僕は知らなかったけれど、業界ではかなり有名なモデルさんらしい。)


やがてライブが始まる。

クリスマスソング、
プラターズの「煙が目にしみる」、
Rolling Stones の???(タイトル忘れた)、
Eagles の 「Desperado」、
オリジナルを2曲(歌詞はもちろん?英語)、
Jimi Hendrix の 「Little Wing」、
Eagles の 「Hotel California」、
Pink Floyd の 「Wish You Were Here」、
僕が急きょリクエストしたストーンズの 「Angie」、
などなど。

セミアコや生ギターの音はいいね。
ロックの名曲を生ギターでやるってカッコイイ。
ジャズっぽいギターのアドリブも。

自分が高校生の頃ギターで弾いていた曲も何曲かやってくれて、嬉しい限り。

とても楽しい夜。

ファースト・ステージとセカンドの合間に、
同僚たちとビールやジントニックを飲みながら話す。

(本当は出演者はあまり客席には来ないのがマナーらしいけれど、今回は僕が初めてこのバンドの定期ライブに来たっていうこともあって、僕のテーブル席で気軽に話をする。)

明日の夜はうちの部署の忘年会だなぁ、とか、

夏目さん、忘年会のあそこの出し物のとき、そこだけMCやってよ、とか、

(僕たちは今年の忘年会の幹事もやっている。 パーティ会場を借り、かなり大掛かりな企画も用意している。)

ジャズならどのギタリストが好き?とか、

ストーンズの「Under My Thumb」なんかも
生ギターでやったらカッコいいんじゃないか、とかね。


セカンドが終わり、
バンド・メンバーやボスのご家族に挨拶してカフェを出る。

寒い。 

でも、気持ちは充実している。
やっぱり音楽はいい。
感動と希望を与えてくれる。

で、 月は、どっちに出ている?

オパールは、  どこなんだろう ?

♪ テーマ曲 「Angie」 by The Rolling Stones ♪

関連記事:
「Under 40を信じるな!?」
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# by y_natsume1 | 2007-12-22 17:12 | Music Bang Bang

鼻水は小宇宙の彼方に

2007年12月16日(日) 朝。

某所の座禅堂へ。
自宅から歩いていけるところに
座禅堂の類があるのはありがたいことだ。

この同じ場所で
相方の祖父や父も同じように過ごしたのかと思うと感慨深い。

相方の実家はお坊さんの家系だ(道元の曹洞宗)。

だからといって
それが理由で僕が神社仏閣や写経を好きになったわけではない。

特定の宗教を信仰しているのでもない。

ただ、なぜだかわからないけれど、
昔っから僕は
宗教的な空間にいつもご縁があるし、
惹かれるし、

鎌倉や伊勢神宮やカテドラル教会などを頻繁に訪れるのも、
そこでは全てが荘厳で、
自分が穏やかになり、癒されるような気がするからだ。


・・・・・・ 素足になり、作法どおり叉手(しゃしゅ)で左足から堂内に入る。

けっこうな数の人たちが来ている。

寒い。

風邪気味なので鼻水が垂れる。

香が焚かれる。

瞑想。 

無の境地には
全然近づくことができない。
頭に浮かんでくる物事は消し去れない。

けれど、
できるだけ
それらについてこだわらず、
それらについて敢えて考えず、
ただひたすら静寂の中にいようとする。

今の街なかの音が、どれほどうるさいことか。

それに比べてここには、静寂がある。 
僕の鼻水をすする音以外は。
(目立ってしょうがないんですけどね。)

静寂を、 ありがたいと思う。

足はかなりしびれている。

お香1本分の時間、つまり45分後、座禅は終了。
(これじゃまるで90分の長さぶんのシガーを選んでふかすのに似ている。)

・・・・・・ 座禅の後、お坊さんの説教をきき、
なんだか爽やかな気分で外に出る。

快晴の冬の空は真っ青だ。
空気が澄み、乾燥している。

Meditateしているあいだ、
僕は自分自身の内部という小宇宙に
トリップしていたのかもしれない。

♪ テーマ曲 なし ♪
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# by y_natsume1 | 2007-12-17 19:46 | アジア的独白

ワイン・バーの夜

2007年12月14日(金) 夜。

飲み友達の女性Aさんが某所でワイン・バーの店を開いた。

さっそく顔を出してみる。

照明、音楽、内装、椅子やテーブル、全体の雰囲気・・・
僕はとても気に入ってしまった。

やるな、アイツ、と。

まずはシャンパンでAさんと祝杯をあげる。

シャンパンといっても、今回Aさんが勧めてくれたのは
かなり玄人好みというか、
炭酸が抜けても白ワインかシェリーのように飲めるだろうほど、
濃くて妖しいやつだ。

Andre Clouet のBrut。

Aさんの実弟や、Aさんの長年の友人Mさんも
オープンしたてのお店を手伝いにやって来る。


「夏目さん、リオハのワイン、大好きだったっしょ?
だからリオハの赤、入れといた」

「そんなことよく覚えてるね」

「でしょう~?」

「ありがと。 じゃそれをぜひ」

リオハの赤ワインを久しぶりにいただく。


極上の空間。

開店 おめでとうございます。

♪ テーマ曲 「Bleeker Street Blues」 by Freddie Redd ♪
♪ テーマ曲 「Pro Forma」 by Agustin Pereyra Lucena ♪
♪ テーマ曲 「Under My Thumb」 by The Rolling Stones ♪

関連記事:
「メキシコの乾いた大地」
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# by y_natsume1 | 2007-12-16 12:51 | 酒×酒




夏目芳雄の東南アジア・映画・ジャズ・酒などに関するよもやま話です。
by y_natsume1
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