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オススメ映画第19弾フォローアップ

オススメ映画第19弾でふれた「女はみんな生きている」の中の逆福について補足します。
元出版社勤務だった某友人のご指摘。
中国では逆さまにかけることに意味があるそうです。「福到了」(福が来る)と「福倒了」(福がひっくり返る)の「ダオ」が同じ発音なので、わざと逆さまにして、福が来るように、という願掛けをしているんだってさ。
中国語を習うとよく出てくる話らしいよ。
僕が知ってるのはせいぜい旧正月に紅包(アンパオ)とマンダリンオレンジ持ってって「恭賀新喜」とか「恭喜發財」って言うことぐらいだからねぇ。

「女はみんな生きている」のあのシーンはほんの2,3秒しかないので映画を観ても気づかない人も多いかもしれない。何気ない短いシーンですが、個人的にはとても印象深かったので「オススメ映画」で書きました。かえって自分の教養のなさを露呈してしまいましたが(苦笑)、文脈的には合っていたから助かったかな。某友人よ、いつもサンキュー。ほんまに何でもよう知っとる人やもんなぁ。これで監督たちが意図的に演出したシーンだという可能性が高くなってきたような気もします。真相をいつか知りたいですわい。

では、また。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:41 | 映画言いたい放題

オススメ映画第19弾

オススメ映画第19弾。

今回のオススメ映画はこんな感じ↓。


<オススメ映画>


「ポロック」(2000)

アメリカ現代アートの巨匠ジャクソン・ポロックの半生を描く。準備に10年を費やしたという制作(共同)・監督・主演のエド・ハリスに賛辞を贈りたい。地味ではあるが質の高いドラマを丹念に地道に作り上げている。ポロックを支える妻を演じるマーシャ・ゲイ・ハーデンはこの作品でアカデミー助演女優賞を獲得。名演技。美人でスタイルがいいだけの女優では務まらなかっただろうと思われるぐらい、人間性がにじみ出るような深みのある演技だと思う(MGハーデンがブスだってはっきり言ってるわけじゃないんだけど・・・そう聞こえますよね?)。アルコールにおぼれ、狂気の沙汰に落ちてゆくポロックを演じたエド・ハリスもいい演技をみせる。何より、ポロックが絵を描く一連のシーンは最高だ。床に置いたカンヴァスに絵の具を直接落としたり、ぶっかけたりする「ドロップ・ペインティング」の手法が分かりやすく描かれている。ポロックの絵はタイプとしては抽象画やキュービズムなどの分野に入るらしいので、そもそも理解しにくい作風かもしれない。その意味で、一般の映画ファンには絵を制作するシーンが分かりやすく描かれているということは、とてもよかったという気がする。ま、理解できなくても感じることのできる絵であればいいと思うけどね。画面の色彩も素晴らしい。特に黄色や青、赤などが良かった。画家の半生を描くのだから色彩なんか特に注目されてしまうわけですけどね。願わくば、こういう良質の映画が日本でももう少し早く公開され、ビデオ化されることを希望したい(アメリカでの制作・公開は2000年、日本公開は2003年11月ごろにやっと)。日本の配給会社たちからは少々地味で売れないと思われたのかもしれないけど、地味な映画が悪いわけでもないし、売れないとも限らない。良質でオススメだ。裏切らない、手堅い演出。



「彼女を見ればわかること」(2003?)

監督・脚本ロドリゴ・ガルシア。この映画の脚本はかなりレベルが高い。傑作です。女性ファンには特に受けるかもしれない。ガルシアはこれが初監督作だという。とても初めてとは思えない完成度の高さ。それぞれ女性を主人公にした5つのエピソードからなる。登場人物のうち何人かは互いに別のエピソードにも少しずつ登場するので、そういう点にも注目して観たい。舞台はLA。離婚歴があり、老母の介護をする女医(グレン・クローズ)、妻子ある男性と不倫中の女性銀行支店長(ホリー・ハンター)、近所に引っ越してきた超チビの男性に興味を持つシングルマザー(キャシー・ベイカー)、死期が迫ったレズビアンの恋人を世話する女占い師(キャリスタ・フロックハート)、盲目の妹(キャメロン・ディアス)と同居する刑事の姉。

映画のタイトルに惑わされてはいけない。彼女たちの外見だけからは分かりようもない悩みがそれぞれにあるのだ、っていう反語のタイトルなのだから。そしてどのエピソードにも共通することが3点。主人公が女性であること。誰かが誰かを世話し世話されているという関係があること。悩みを持つ主人公たちがその悩みを映画の中では直接的なセリフとしては一切語らないこと。

女性の心理をこれほどまでに上手く描いたのは、女性ではなく男性の監督・脚本家だったというのも意外ですよね。Gクローズの表情、Hハンターの小悪魔的な雰囲気など、女優たちはとてもいい。アメリカ映画にありがちな、明快だけど単純すぎる答え・解決方法を、最後まで用意していないところも、この映画の良い点かもしれない。男性俳優たちのキャスティングや存在感が今ひとつ、という気もしましたが、この映画のテーマからしてそれもいいのだということでしょうかね。



「ブラザーフッド」(2004)

戦争映画だけど例外的にオススメに入れたい。韓国映画。戦争とは狂気である。その狂気を逃げることなく描いている。骨太で正面から映画の観客に挑んでくるような、一本筋の通った映画だ。全ての韓国映画を観てるわけじゃないけど、なんだか韓国映画ってすごく頑張っているのが多いような気がする。

朝鮮戦争に徴兵された兄弟が主人公。兄は弟を無事に家に帰すために敢えて危険な任務ばかり買って出る。勲章を得て弟の除隊を願い出るためだ。弟は弟で、そんなことはやめろと対立する。兄にとっては国家体制も共産主義も帝国主義も、何の意味も持たない。イデオロギーや国家などよりも、弟を生かすことの方がよっぽど大切なことだからだ。そういう視点からこの映画を制作したのは正解だったと思う。かといって、兄弟愛や家族愛に偏った甘いだけのメロドラマにせずに、歴史的な出来事をできるだけきちんとハードに描こうとした姿勢やストーリー展開にも好感が持てる。

戦闘シーンはハリウッド映画に負けていない。すごい。大掛かりで、兵士が傷つき死んでゆく描写はかなりどぎつい。心臓の弱い人なら、兵士の腕や足がもがれ、銃弾を受けたお腹にうじ虫がわいているシーン等は観ない方がいいかもしれない、というほどリアル。戦闘シーンだけは「プライベート・ライアン」のそれを思い起こさせるような、粒子の粗いフィルムで色彩を抑え目にし、少ないコマ割りで表現されている。音響も含めてよくここまでやるなという感じ。戦争とは狂気であると、映画の観客の感性全体に訴えかけるような映像。映画館の大きいスクリーンと音響設備で観た方が望ましい作品だ。

兄役のチャン・ドンゴンの目つきがいい。大作の主演を張る俳優にふさわしい。顔がちょっと大きめだけど(・・・・チャン・ドンゴンって極楽トンボの加藤浩次に少し雰囲気が似てるかもしれないと言ったらチャン・ドンゴンのファンに袋叩きにあいそうですね・・・・)。弟役のウォンビンもいい。学生服姿ではナイーブで弱々しい少年風だったけど、参戦してからはだんだんとたくましくなっていく様を見事に表現している。難点としては、そうですねえ、時々BGMがわざとらしいほどのメロドラマ風音楽だったことと、大作にありがちな、上映時間がちょっと長め(2時間半)だったことぐらいかな。ムダに冗長な長さとは思わないけどね。ラストでは久しぶりに映画館で人目もはばからずに泣いてしまった。ヒューマニズムなら何でも礼賛するわけじゃないけど、兄弟や家族を大切にすること、親を敬うこと、そいう儒教的な教えって、いいものだと思った。それをいとも簡単に踏みにじることのできる国家体制やイデオロギーは、それがどんな主義主張であるにせよ、どんな時代であるにせよ、一般庶民にとってはとても恐ろしいだけのものなのだ。恐怖と狂気の朝鮮戦争。



「座頭市」(2003 北野武監督版)

遅まきながらやっと観た。北野映画だという以外にはとりたてて期待していなかった映画だけに、実際に観てみたらかなり面白かったのは収穫だった。観る前にあんまり偏見持たない方がいいという典型かもしれない。ありふれた言い方ですが、やはり北野武は映画人としてもただ者ではない。既に世間に浸透している勝新太郎の座頭市キャラのように、優しくて人間くさいところから離れて、人を斬ることに徹したクールな北野武なりの座頭市キャラを出せたのがこの映画の成功要因だろうと思う。勝新の座頭市とは全く違う人物設定でよかった。もし同じ土俵で比較されたらやっぱり勝新の座頭市の方がいいんじゃないかってことになりがちだからね。

浅野忠信を真上から撮ってワンカットで12人斬りさせるシーンはすごい。リズムに合わせて農民が畑にクワを入れるシーン、全体の色彩を抑え目にしたフィルムの質感なども素晴らしいと思う。色彩を抑え目のフィルムという言い方が正しいかどうか分かりませんが、業界の専門用語では「銀残し」という手法だそうです。「アカルイミライ」でもたぶん同じ手法が使われてたんじゃないかと思うんだけど、違ってたらすんません。タップダンスのシーンについては、映画のストーリー自体に何の関係もないとか、時代劇にタップダンスなんて意味が分からないという意見もあったようですが、これも人間の気持ちの高ぶり(=感動)を伝える手法としては大賛成のアイデア。ストーリーに一見関係なさそうでも、意味が分からなくても、何かを感じられれば作品としては成功だと思う。一見関係なさそうと言ったけど、絶対的に関係ないなんて誰にも断言できないだろうしね。ガダルカナル・タカがけっこういい演技を見せるヨ。



「カリフォルニア KARIFORNIA」(1993)

ロード・ムービー。アメリカ東部のカップルがフォトブックを創るための取材として全米にある殺人事件の現場を車で訪ねてまわろうとする。最終目的地はカリフォルニア。ガソリン代を節約するためにもう一組のカップルを募る。そこにやって来るのがブラッド・ピットとジュリエット・ルイス。この二人は何かにつけてハチャメチャである。特に行く先々で強盗&殺人を犯すブラッド・ピット。彼がこういう汚れ役をやったこともあるなんて、今のファンからは想像しにくいかもしれないですね。4人で旅をしていくのですが、乾いたアメリカの大地を映した映像がいい。ロードムービーならではの感覚。そして映画の観客さえも突き放したような理由なきバイオレンス行動。行き着く先は夢のカリフォルニアか、あるいはこの世の果てか(ネバダとカリフォルニアの州境の核実験場跡)。頭の悪そうな薄幸の少女を演じるJルイスが素晴らしい。若くして既に演技派の彼女。この作品だけでなく、「ケープ・フィアー」、「ギルバートグレイブ」、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」、「誘拐犯」などでの名演技もいいですよ。この映画の良くないところは、敢えて言えば、バイオレンスや狂気以外に何を描きたかったのか意味不明というところと、フォトブックを創ろうとした、まともな方のカップルはもうちっと早く逃げられたのでは、という映画の設定自体に対する現実的な疑問があるということでしょうかね。ま、それもいいのかも。一種の暴力的なおとぎ話ですからね、こういう作品は。



「ヘブン・アンド・アース 天地英雄」(2003)

中国映画。チアン・ウェン、中井貴一主演。7世紀唐時代の中国が舞台。捕虜にした女子供を殺せという将軍に逆らって西域に出奔した李(チアン・ウェン)を追跡し殺害するよう、皇帝の命を受けた日本人遣唐使の来栖(中井貴一)。シルクロードを舞台にした物語。

良いところ:
・戦闘シーンだけでなく、全体的に華やかで良いロケーションをしている撮影。一昔前の中国映画の映像にあるような、ダサさがない。
・中井貴一は本当によくやっている。存在感を出した名演技。好演。
・登場人物たちの着ている鎧がどれも現代的というか、デザインがかっこよくて色も鮮やか。時代考証が適切かどうかはさておき、ですが。
・トルコ人、日本人、中国人など、出てくる人物たちが国際色豊か。あの時代のシルクロードの国際性が出ていていいですね。

良くないところ:
・スローモーションを少々使い過ぎ、かな。
・安易にCGや特殊効果を使わなくても、この映画は良質の作風に仕上がったと思うのだがなあ。あのCG処理は返って興冷めだよ。



「女はみんな生きている」(2003)

仏映画。組織に追われて重症を追った娼婦を助ける主婦。物語は娼婦と主婦の、組織からのサバイバル・ゲームである。どこかコミカルでユーモアがあるヨーロッパ的な映画。退屈しない、メリハリの利いた展開。これは女性に特に受けるだろうなぁ。娼婦が自分の過去を独白するくだりはシリアスでとてもいい。その後の展開に説得力を持たせるのに充分なエピソードだ。主婦の夫や息子は、彼女を家政婦程度にしか思っていない。息子は自分の生活にも怠惰だし、二股をかけているガールフレンドたちに対しても不誠実。夫は夫で妻にアイロンがけや洗い物などを早くやれと言うだけであって、家族にも実の母親にも冷たい。主婦は内面的には爆発寸前だったのである。一方、娼婦の家族も男性を徹底的に悪く描いている。娼婦の父は結納金欲しさに娼婦やその妹をアルジェのおっさんと結婚させようと売り渡そうとするし、オトコの兄弟は姉(娼婦)や妹に偉そうに食事の用意を命令するだけである。そう、オトコはとんでもなく悪くてくだらない生き物という視点だ。これは女性監督による、アホな男性たちに反旗を翻す女性の痛快な物語だ。ほぼ同世代の、したたかで百戦錬磨の娼婦と、その日暮らしで遊びほうけるだけの息子のガールフレンドたちを暗に対比させているのも良い設定ですね。

あまり目立たない部分なのですが、主婦の暮らしているアパルトマン内のシーンで、壁に書画がかかっているカットがあります。その書は「福」という一字なのですが、上下逆さまにかかっている。これを作者が無意識にやったのだとしたら小道具の使い方が中途半端というかなってないわけだけど、もし意図的に逆さまにしたのなら、ユーモアたっぷりで秀逸だと思う。幸福の反対に位置する主婦の状況にぴったりの表現だからね。

この手の映画は、カップルで観るにはあまりオススメしないけど、一人で深夜にクスっと笑いながら、でも心のどこかで真剣に考えながら観てしまう、そういう傑作ではないかと思います(笑)。


「木更津キャッツアイ」

日本映画。単純に(ギャグも含めて)面白い。6歳になる甥っ子が僕の借りてきたビデオを気に入ってずっと観ていたほど。
特に編集が良いね。あるシーンから一定時点まで早送りで戻ってまた別の視点で描くところなどはタランティーノを意識しているのか?主演の岡田クンっていいねえ。V6なんかにしておくのはもったいない、と言ったらファンに怒られまくりだろうけどね。



「顔役暁に死す」(1961)

1961年東宝。カラー作品。原作・大藪春彦、監督・岡本喜八、主演・加山雄三。
ストーリー: アラスカから5年ぶりに倉岡市(架空の地方都市、出てくる車が「静」ナンバーだからおそらく静岡を想定?)に戻ってきた次郎(加山)。前市長だった次郎の父親が狙撃によって死亡したため、その真相を突き止めようとする。地元ヤクザの抗争を下敷きに、軽快かつスピーディーな岡本監督の演出が冴える。

実はこの作品、オススメ映画シリーズ第2弾で既にご紹介済みですが、僕自身、TV放映で一度観ただけでものすごく気に入ったもの。今までビデオ化もDVD化もされていないから、皆さんにご覧になって頂きたいと言ってもTV放映でもない限り実はほとんど不可能なのでした。すんませんね。それをまた性懲りもなくここでオススメしてしまうのは、最近、都内の某名画座まで足を運んでこの作品を観ることができたから。やはり、たいていの邦画なら今後も映画館で観るチャンスが意外にあるかもしれないと思ったわけです。この映画の出演者の1人、中谷一郎の追悼特集がその名画座で組まれてて、そのうちの一本でした。映画館で改めてフィルムを集中して観たら良い所がいっぱいありました。もちろん、ダサくて良くないところも。超オススメのアクション映画。昭和30年代の日本のアクション映画を今の時代に映画館で観ること自体、ちょっとオシャレだと思いませんか?

↓ ここからネタバレ注意 ↓

良い所:

・演出と編集がスピーディーで小気味いい。日本映画にしては珍しいくらいだらけた感じがしない、テキパキした映画。

・小道具の使い方やそれを撮るカメラのアングルがいい。ライター、写真(ネタバレになるので詳しくは書きません)、ライフルの薬きょうなど。

・根本刑事(堺左千夫)が手を震わせるシーンで手をアップで映し、過去に遡って「その手」がしでかした過ちをたどるシーン。

・次郎(加山雄三)が取調室によくあるような卓上ライトをがんがん叩いて本職の警部をやりこめるシーン。取り調べてるのは実質的に主人公の次郎だと暗示してる。

・次郎の父の後妻にあたる久子(島崎雪子)がすごく色っぽくていい女。昔にもいたんですね、こんなにフェロモンいっぱいの女優さん。この女優さんを映画館のスクリーンで観るだけでもこの映画を観る価値がある、と僕は独断と偏見で主張します(笑)。単にお前の好みなだけだろ、と言うなかれ。観ればその存在の良さが分かるはず。ちなみに島崎雪子は「七人の侍」にも出ているし、実生活ではあの神代辰巳監督と結婚していた時期もあります。

・中丸忠雄は今で言うと、ジョン・トラボルタ系の顔つき。笑ってしまうほど。トラボルタのファンには悪いけど、爆笑モンです。

・元ボクサーの用心棒役の俳優が、怖いぐらい「いってる」感じを出してて、その怪優ぶりというか気持ち悪い存在感がいい。

・田中邦衛の着ているスーツから少しだけ見えるベストの赤い色がステキ。鮮やかでいい「赤」です。

・トラックを修理しているヤクザの組員二人のシーン。上から撮っているのですが、二人で修理しているけど、1人は頭だけ、もう1人は足だけ出しているから、胴体の長い1人だけが修理しているように見えてしまう、冗談っぽいアングルの演出が素晴らしい。


良くない所:

・狙撃犯スナイパー役の中谷一郎はミスキャスト。顔つきが優しすぎて、暗黒街の人間に見えない。さらに脚本上の設定とはいえ、主人公と仲良くなりすぎ。気持ち悪い。

・セリフがわざとらしいのはこの手の映画によくあることとして我慢もするが、普通に話してるセリフの途中でいきなり大声で怒鳴るのはいかにも不自然。

・加山雄三のお坊ちゃま度はとてもいいのだけど、彼が主演じゃ、ハードボイルドな感じが出ずに、かえって青春してしまう危うさがある。しょせん、アクションは日活が最高なのだと思わせてしまっては元も子もないのだが、そう感じざるを得ない。(ただし、この作品自体は僕はすごく好きです。)


↑ ネタバレ注意 終り ↑


<オススメしない映画>


オススメ映画の場合には何でもほめれば(実際はそんなことはないんですけど)、とりあえず形にはなる。上の<オススメ映画>も良い点がクローズアップされがちの内容だと思う。でも観た映画を全部ほめてるわけじゃなくてその中から何本か厳選していること、決して甘口評価ばかりじゃないことをお分かり頂くには、時々オススメしない映画を出すのもいいかなと思って出しています。今回も出しましょう。ここからはオススメしない映画です。


「ハルク」

原作がアメリカン・コミックものは何でもダメってわけじゃないんですが・・・ダメな場合が多いような気がするなぁ。これもダメだった。特殊効果や音響はさすがハリウッド映画。そこは見事ですけど。科学技術の悪用というテーマをもう少し掘り下げて上手く描いて欲しかったのと、ハルクがあそこまで米軍に攻撃され、嫌われると、悲劇の主人公としてなんだか爽快感のないアクション映画、くらーい特殊効果映画になってしまうのですね。だからイヤ。


「女と女と井戸の中」

かなり業界では評判になったオーストラリア映画らしい。青を基調にした映像や、坂口安吾を思わせるような寓話的でシュールなストーリー展開はそれなりに高い評価をされてしかるべきだろう。しかし・・・・僕にとっては全体的に静か過ぎて退屈で、何を表現したいのかあまりよく分からなかった。芸術性は高そうですが、どうも観念的というか、主人公の行動に必然性や理由を見出しにくく、感じるところがなかった。分からない映画でも感じることのできる映画なら良かったのですが。せっかく勧めてくれた映画通の友人には悪いのですが、残念です。


「800 Two Lap Runners」

あまりにも魅力的だった川島誠の原作の良さを生かしきっていない。これではセックスと同性愛と近親相姦をスパイスにしただけの単なる青春メロドラマにしか見えない。製作スタッフはかなり頑張ったんだろうけど・・・。野村祐人はミスキャストかもしれない。図々しいほどの野性的男子生徒役としては悪くはないが、どうも原作のイメージに引きづられると、今ひとつかなあ、という気もする。本人がよくやっていたのは感じられたけど。野村祐人がやった龍二の役は例えば、20歳位の頃の高島政宏あたりなんかの方が良いんじゃないかと思った。女性ハードル競技者役も、ひいき目に見ても走るフォームがシロウトすぎる。さすがに走るフォームのきれいな陸上部出身の鈴木京香をキャスティングせよとまでは思わんが(「サトラレ」参照、明らかに演じる役とキャラが違うからねぇ・・・)、もっともっと陸上競技の経験ある役者をキャスティングして欲しかったなぁ。いや、実はあれでも陸上経験者を選んだんだと言われたら、もう返す言葉もないですが。 野村祐人が友人の妹とラブホテルでカラオケするシーンは、省けとは言わないけど、歌っているシーンをフルコーラスで流す必然性が分からなかった。あんなの途中で切れよ。主人公二人がトラックを走るシーンは、さすがにあれでは遅すぎるでしょう。周りの他の競技者役の方がホントはもっと速く走れそうという気がしてくるぐらいだ。でも良いところもあるよ。松岡俊介という俳優そのものを発掘できたことと、野村祐人が川崎近辺の夜明けの街中をひたすら走るシーンが秀逸だったこと。こういうのはいいね。


(注)
毎回言ってますが、僕も全ての映画を観てるわけじゃないので、こういう映画がオススメの全てではなくて、他にもいい映画はいっぱいあります。それに映画は人それぞれに好き嫌いがあって、別の作品を好む人もいると思います。そもそも映画なんてそんなに小難しく考え込んで観るものじゃないだろうからね。あくまでこのシリーズは、最近の映画や、少し昔の映画でもマイナーで注目されにくい作品などを中心に、皆さんのご参考までに一部をご紹介する、ということで。

そしてこれも毎回言ってますが、次のような映画はここでは除いています。
・既に有名なクラッシック作品(かなりの本数を観てはいますが、いろんなメディアで紹介済だから)。
・ミュージカル(セリフが音楽に乗って出てくるけど、そのセリフが聞き取れなくてもどかしいから)。
・ゴダールやW.アレンの作品(要するに好きではないから)
・その他、ポルノ、スプラッター、ホラー、戦争もの、ハリウッド的おばか大作映画なども除きます。


今回は以上です。皆さんも映画や音楽をお楽しみ下さいませ。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:40 | 映画言いたい放題

オススメ映画第18弾

オススメ映画&音楽 第18弾=ビート特集。

今回は自分の好みと独断でビート作家やビート映画の特集にします。既に飽き飽きするぐらい知っているヒトやビートが嫌いなヒトにはご迷惑なだけの内容かもしれませんが、少々お付き合い下さい&ご容赦下さい。


「ビート」ってなんだ? 
TVのコマーシャルで一時期流れてた「Feel the Beat 日産です」とか、三菱自動車の広告キャンペーン「ハートビート」とかのビートじゃないの?なんていう人もいるかもしれませんね。たぶん違います(笑)。

1944年ごろ、アメリカで後に有名になる作家の卵だった3人が出会います。小説「路上」のジャック・ケルアック、詩「吠える」のアレン・ギンズバーグ、「裸のランチ」のウィリアム・バロウズ。彼らは私生活においてハチャメチャなことをやっていきます。ドラッグ、スピード(車)、セックス(乱交や同性愛含む)、暴力、音楽(チャーリー・パーカーのうるさ型ジャズ)、酒(アル中に近いほどの酒飲み、酔いどれ)などに陶酔し、いくつものあてのない旅に出る。そういう彼らのライフスタイルそのものが、「ビートニク」だの「ビート系作家」などと呼ばれるようになります。

アレン・ギンズバーグは、beatとは、beatitude(至福)からきている言葉で、それは喜びの表現であると言っているらしいですけどね。ケルアックの「路上」の訳者あとがきでも同じようなことが書かれている。


とにかく「ビート」は1960年代から盛んになるヒッピー文化、サイケデリック、ロック、パンク、環境運動、反戦運動、ドラッグ、ポエトリー・リーディング(詩の朗読)など、現在に至るカウンター・カルチャーの全ての源(みなもと)となった、って言われているほど。今の若者文化の全てがビートから始まったのだと言っても過言ではないんだってさ(ビーター・バラカンのインタビュー記事による)。例えば、映画やTVの世界で「ロードムービー」というジャンルができたのは、ケルアックの小説「路上」にヒントを得て「ルート66」がTVドラマとして制作されたあたりから始まったもの。「ルート66」なんてまろやかで、お茶を濁したような作品かも知れませんが、「路上」自体は過激。よくもまあ、あの時代に同性愛やフリーセックス、麻薬なんかのことまで堂々と描いたもんですよね(注:書かれたのは1951年ごろ、初出版は1957年)。


あちこち旅をしてふらふら遊びまわっていても彼らの教養・知識はものすごい。半端ではない教養の広さ、深さだ。漢詩、インドや仏教などの東洋思想(カルマ、グルなんて単語が出てくる)、イスラム教に関連する単語(ラマダン断食 とか)などがこれでもかとばかりに並べ立てられる。例えば、確かバロウズの「裸のランチ」にはアメリカの9.11テロ事件前後で有名になった「炭素病」が出てきた記憶があるし(間違ってたらすんません、たぶん間違いないと思う)、ケルアックの「荒涼天使たち」の後半ではマレー語を語源とする「アモクamok」(てんかん、集団ヒステリー、暴れ狂っての意)という単語が出てくる。アモクについてはインドネシア、マレーシアなどに駐在したことのある人ならご存知だろう。「アモクamok」が元は英単語じゃなくてマレー語の「amuk」だったなんて知る人は少ないだろうけど・・・。実際に僕がマレーシア駐在中に顧客の工場で体験したアモクの話はヤバ過ぎるのでここでは割愛します。(興味ある人は、「ナマコの眼」や「アジアの歩き方」など、鶴見良行の一連の著作集をご一読ください。ほんの少しですが所々、マジメな文章としてさわりが出てくるはずです。) 僕自身はマレーシア駐在中に仕事上でアモクを調べてたら語源までいっちゃったっていうだけのことなんですけどね。


最近、ひいきにさせて頂いているカフェ・バーが帰宅途中の沿線某所にあります。作家性の強い映画が好きなイケメン男性A氏と、ジャズ好きの、これまたミュージシャン風のいい男B氏が二人でやってるお店。二人に共通して好きなのがビート作家。だからお店ではパーカーやマイルスなどのジャズがかかり、壁にはプロジェクターでビート系のロードムービーを流している。カウンターの隅にはバロウズやケルアックの本がそっと置かれていたりして、センスがいい店のつくり。ほんとにいい店なんですよ、隠れ家のようで。週末だとジャズや映画の話で盛り上がって明け方になることもしばしば。B氏はバロウズの「ジャンキー」は原書(英語)で読んだことあるって言ってたぐらいの大ファン。僕も時間を忘れて飲みながら語り合ってしまうのですね。それで、ちっとここらでビート作家に関連した映画なんぞをまとめてみるかという気になって。もちろん、ビート作家やその周辺カルチャーについてなんか、何冊も専門書が出ているのでここで全てを語ることなんてできないのですが、今回簡単にでもご紹介したくなりました。


では、前置きが長くなりましたが、やっとこさビート作家に関係のあるミュージシャンや映画作家などをここから紹介していきましょう。
なお、ここに挙げている映画や音楽、小説などの作品やアーティスト名は僕自身が実際に読んだり鑑賞したりしたものです。
まだ読んでいない小説、観ていない映画などは、必要な場合には仕方なく挙げてはありますが、自分が体験していないので(*)印を付けておきます。恐縮。そのうち鑑賞したいんですけど時間がなかなかとれなくて。


1. 文学・作家関係

ジャック・ケルアック(路上、荒涼天使たち、達磨行者たち(=「禅ヒッピー」又は「ジェフィ・ライダー物語」)、ビッグ・サーの夏、地下街の人びと)、
アレン・ギンズバーグ(詩「吠える」)、
ウィリアム・バロウズ(裸のランチ、ジャンキー)、
ゲイリー・スナイダー(*)(ケルアックの「達磨行者たち」の主人公のモデルでもある)、
ローレンス・ファーレンゲティ(*)(サンフランシスコのビート系本屋、シティ・ライツ・ブックスの店主)、
チャールズ・ブコウスキー(ブコウスキー・ノート、映画「バーフライ」の脚本担当)、
ジム・キャロル(*)(この作家をビートに入れない関係者もいるみたいですけどね)、
などなど。その他にもビート系作家は大勢います。

日本だと1950年代の石原慎太郎の「処刑の部屋」や「灰色の教室」などはビート作家の作風にすごく近いといっていいと個人的には思っています。過激で冷徹なまでの暴力や快楽を描いているしね。

現代の日本だと、辻仁成(*)、ナナオ・サカキ、翻訳の山形浩生や柳下毅一郎などの名前が浮かぶ(山形や柳下はビート作家というわけじゃないですけど、その世界に関連する人ということで)。
山形はバロウズの諸作品の新訳で有名。英米文学者でもない山形が書いたバロウズ研究書である「たかがバロウズ本」(大村書店)は英米文学の論文として博士号を楽勝で取れる内容だと言った大学教授がいます。この「たかがバロウズ本」はすごく面白い内容なので皆さんにもオススメ。もっと面白いのは山形浩生本人は英米文学に学問の価値を全く認めていないってところ(笑)。柳下は町山智浩と共著の辛口映画解説本「ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判」(洋泉社)などでも有名。この本もオススメです。山形と同じくバロウズの翻訳をやっている。ま、それだけじゃないけどね、彼らの仕事は。


2.ミュージシャン関係

モダン・ジャズの世界だと、ミュージシャンたち自身にビートの意識は全くなかったと思われますが、何かのイベントのBGMとして使われたりビート作家の小説に描かれたりしています。アルト・サックスのチャーリー・パーカー、トランペットのマイルス・デイビス、テナーのジョン・コルトレーンなどが浮かびますね。パーカーやマイルスはケルアックの「路上」でも描写されているジャズ・ミュージシャンです。特に1950年代はケルアックやギンズバーグの作った詩を朗読するイベント会場としてジャズのライブハウスが常に使われてたんだから、ジャズとビートの関係は深い。僕自身もジャズからビート作家に興味を持って入っていったようなもの。そもそも、今のポエトリー・リーディングのイベントでは詩人同士のバトルとして即興で詩を創作することもあるようですが、それこそジャズのアドリブと同じですね。推敲なしで猛スピードでタイピングしていくケルアックの創作スタイルはジャズのアドリブ演奏そのものと言ってもいいかもしれない。推敲しないということは、いったん演奏したら現実には後戻りができないジャズのアドリブにも共通するのだから。そして猛スピードでタイピングできるということは、「言葉」にリズムが出てくるから、生き生きして、文章を読んでいてもまるで(良い意味での)話し言葉のようなスピード感が生まれることに通じると思います。


ビートにはっきり影響を受けたミュージシャンは、ボブ・ディラン、トム・ウェイツ、ブルース・スプリングスティーン、ジャクソン・ブラウン、そしてジョン・レノンあたりでしょうか。
ボブ・ディランはケルアックの墓参りもしてて、お墓の前でギター弾き語りやってる写真が残ってる。ディランの歌詞はもろにビート作家の影響を受けているという気がするなぁ。
トム・ウェイツだと、自作曲に「ジャック&ニール」なんてものまである。アルバム「異国の出来事(Foreign Affairs)」(1977)に入っている曲。勘のいいヒトはすぐ分かるでしょうが、「ニール」とはケルアックの小説「路上」に出てくるディーン・モリアティのモデルとなった実在の人物ニール・キャサディを指し、「ジャック」とは同じく「路上」に出てくるサル・パラダイスのモデルとなったジャック・ケルアック自身を指しています。

ジョン・レノンは「beat」から「Beatles」を命名したらしいですね。まさか「カブトムシbeetle」からビートルズと名づけられたなんてこと信じてる無知なファンはいないと思うけど。単語のスペリング自体が違うもんね。

今の日本だと佐野元春がビート作家のファンということになっているらしいですね。この人の曲はあまり好きではないですし、それほどビート作家の影響を受けているような歌詞とも思えないのですが・・・。ビート作家を題材にしたドキュメンタリー映画「ビートニク」の公開キャンペーンの際にもよく佐野元春の名前が出てきてました。


3.映画・監督・俳優関係

ビート作家をテーマに据えた映画と、ビートに直接関係ないけどロード・ムービーとして多少は影響を受けているもの、等がある。特にロード・ムービー自体、常に自分探しやドラッグ、ドロップアウトにつながる展開が多く、直接にせよ間接にせよビート作家の影響を受けている映画のスタイルだと思う。


<ビート作家に直接関係する映画>

「裸のランチ」(バロウズの原作を映画化)

「チャパクア」(*) (サントラCDはジャズなので持ってますが映画は観ていません。観れないよ、マイナーすぎてチャンスがない。)

「死にたいほどの夜」(ニール・キャサディの青春時代を描く。ケルアックに相当する役はキアヌ・リーブスが演じてる。)

「バロウズの妻」(バロウズ役にキーファー・サザーランド、妻役にコートニー・ラブ)

「ビートニク」(ドキュメンタリー。Jタトゥーロ、Dホッパー、Jデップがそれぞれギンズバーグ、バロウズ、ケルアックの作品の一節を朗読するシーンがある。)

「バーフライ」(Mローク&Fダナウェイ主演、脚本はブコウスキー。酔いどれの生活を描く。)



<ビート作家に影響を受けた気がするロード・ムービー(独断です)>

「カリフォルニア」(Bピット主演)

「マイ・プライベート・アイダホ」(ガス・ヴァンサント監督)

「イージー・ライダー」(デニス・ホッパー制作&主演)

「スケアクロウ」(AパチーノとGハックマンがいい!)

「ドラッグ・ストア・カウボーイ」(ガス・ヴァンサント監督)

「パーマネント・バケーション」(*)(ジム・ジャームッシュ監督)

「ダウン・バイ・ロー」(ジム・ジャームッシュ監督)

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(ジム・ジャームッシュ監督)

「パリ、テキサス」(ヴィム・ヴェンダース監督)

「天国の口、終りの楽園。」

「俺たちに明日はない」

「テルマ&ルイ-ズ」

その他、カサベテス監督の作品群や、ロード・ムービーじゃないけど「タクシー・ドライバー」などもビートニクに関連する映画に入れていいと思う。


<ビート作家に影響を受けたと思われる俳優・アーティスト(独断です)>

ジョニー・デップ、
イーサン・ホーク(彼の監督作「チェルシー・ホテル」なんか、もろビートだという気がする)、
サム・シェパード(「ライト・スタッフ」等に出演、俳優にして劇作家・脚本家、かのチェルシーホテルで情事を重ねた話は有名)、
他にジョン・タトゥーロ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン、ヴィンセント・ギャロ、などなど。
アーティストとしてはアンディ・ウォーホールがバロウズと親交があった。


今回は以上です。そんじゃまた。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:38 | ビートニク

オススメ映画第17弾

オススメ映画&音楽第17弾。

今回は、オススメCD、映画関係のコラム、オススメ映画の3項目です。

1.<癒しのためのオススメCD>

映画どころか音楽ほど個人の好き嫌いが分かれる分野もないのでしょうが、たまにはこんなのもいかが、ということで。仕事に疲れてきた頃に気分転換として、あるいは夏の夕方や休日の昼間に適した、癒しのための優しいアコースティックな音楽を、という感じで選んでみました。
もちろん、ここに挙げたものが全てじゃないし、ここに挙げたものこそを嫌いという人もいるとは思いますが、まぁ、あくまでご参考までに。


アーティスト名/アルバムタイトル/発売年又は録音年(レーベル) の順です。

①Art Garfunkel / Watermark/ 1977 (Warner)
②Paul McCartney / Unplugged / 1991( Toshiba EMI)
③Michael Franks / The Art of Tea /1975 (Warner)


①:サイモン&ガーファンクルのガーファンクルがソロになって出した何枚目かのアルバム。ほとんどの曲をジミー・ウェッブが作曲。このアルバムの発売当時(僕が中学1年の時)、全曲をFMでエアチェックしてカセットテープでずっと聴いてた。大人になってからもなぜかLP、CDと聴きついできてる愛聴盤。なんでかって? たぶん、きれいな曲と優しい声のボーカルだから、だろうね、単純に。僕はアルバム全体が大好きなのですが、アルバムのタイトルにもなっている「Watermark」という曲の生ギターとボーカルは特に好き。夏の、休日の昼間のイメージかな。休日の夕方に車の中で聴いてもカッコイイと思うよ。ほんとに癒されます。

②:MTVでロック系ミュージシャンにアコースティックなアレンジで演奏させた企画モノ番組のライブ盤の一つ。皆さん、既にご存知とは思いますが、「アンプラグド」はエレキギターなどをアンプにつないでいる、そのプラグを抜いて、生楽器のサウンドを、という意味でつけられたタイトル。ポール・マッカートニーの曲とボーカルは、ビートルズ時代の曲も含めて生ギターがメインのサウンドに合うなあって、改めて思ってしまいます。特に「Here There and Everywhere」とか「And I Lover Her」なんかは生ギターでやるとヤバイぐらいイイですよね。これらの曲を昼間のカフェで大音量でかけたら、すごくいい雰囲気になると思うんだけどね。

③:マイケル・フランクスをジャズに分類する人もいますが、いつもアルバム参加ミュージシャンがクルセイダーズやデビッド・サンボーンなどジャズ系ミュージシャンが多いからでしょうね。ま、それはさておき、メロウで都会的なサウンドと銘打っているだけあって、音自体は聴き心地がいい。ゆるーい感じが特徴。深夜にある程度大きめの音量で酒飲みながら聴いてもいいのではないかと思いますぜ。




2.<映画フィルムの編集についてのコラム>

うちの近所にいくつか隠れ家的飲み屋があって、仕事で頭にきたことをクールダウンすべく、家に帰る前に時々一人で飲んだくれていることがあるのですが、そのうちの一軒にとても雰囲気のよいバーがあります。そのバーのカウンターでよく見かける男性がいます。彼も僕もいつも一人で来る。僕とたぶん同年代ぐらいで、よく映画やアニメ、広告関係の話で盛り上がってました。お互いの名前も素性も知らずに飲み屋でだけ話すのですから、まあ、いわゆる「飲み友達」といったところでしょうか。先日やっとこさ名刺交換したら彼は某CM制作会社の副社長だったとさ。それで詳しかったんですね、あの手のエピソードに。僕の方も広告業界の「回し取引」やら「媒体仕入れ」やらをしゃべってたから、彼も僕がシロウトじゃなくて、似たような業界の人だと思ってたらしいですね、光栄なことに。違うんだけど(笑)。実はシロウトです、僕。映画も広告業界も。で、ここからは彼から聞いた映画の編集、特に「コマ数」にまつわるお話です(彼の了解を得てご紹介しています)。

***

映画の編集って意外と知られていないだろうけど、1秒24コマなんですって。日本はね。皆さん、知ってました? 音と映像を記録するのに最低限必要なコマ数が1秒24コマ。これがヨーロッパなんかだと1秒25コマになる。なぜか?機材の周波数の違いだって。ほら、海外転勤で赴任するときに、日本のビデオデッキやTVがそのまま使える国かどうか調べるでしょ。使える国と使えない国(PALシステムね)とがあって。それですよ。機材の周波数が違うから、1秒あたりのコマ数が微妙に1コマ分違ってくる。そこで問題になるのが海外ロケ。大変なんだって。もし現地の機材で撮影して日本で試写すると、コマ数が違うから音がずれてることがある。フィルムには音の情報を記録していく部分があって、それを映画では「サウンド・トラック」というそうですけどね(勉強になったなぁ)。それと、昔のネガフィルムの編集は(ギョーカイでは「ネガ編」といいます)、今みたくデジタルじゃないから、実際にフィルムを切ったり貼ったりしてた。貼るときは液体セメントを使ってたんだって。セメントだよ。驚き。しかも、通常は偶数のコマ数ごとで編集していくんだと。偶数のコマ数でつなげていくと人間にとって受け入れやすいというか、心理的に安心して観ていられる状態になるんだって。これが途中に奇数のコマ数のカットを入れたり、奇数カットが続いたりするとおおかたの人間は不安感や嫌悪感みたいなものを感じるらしい。だからそれを逆手にとってユニークな編集をする人もいたとか。面白いね。まるで音楽でいう長調(メジャー)と短調(マイナー)の違いのようにね。今はデジタルだから、切り貼りせずにパソコンでいろんなことができちゃう。コンマ秒単位の指示を他の部署のスタッフに確実に客観的なデータとして手渡せるんだもんね。すごい時代になった。アナログが懐かしい面もあるけどねぇ。
以上、映画にまつわる編集、特に「コマ数」の奇数・偶数のお話でした。

***


で、映画ですが、今回は↓こんなのどうでっしゃろ? 


3.<オススメ映画>


「夏至」

某友人にすすめられて観ました。ほんとに偶然ながら今年の夏至の日にこの映画をレンタルビデオで観た。監督は「青いパパイヤの香り」と同じ。個人的には「夏至」の方が断然好きです。ベトナム=仏映画。夫の浮気と自分の情事に悩む長女、作家と結婚したばかりなのに倦怠期の次女、恋人との接し方が分からずにかえって一緒に生活する実の兄の方と仲の良い三女。このベトナム三姉妹の心の葛藤を描く。3人の女優たちはそれぞれに官能的。かといってハリウッド映画に出てくる白人女優の外見的エロチックさとは全然違う。内面のエロチックさ、かな。僕は特に次女を演じた女優の笑顔が好きですね。とにかく画面がすっごくきれいです。長女の着ている服の青、木々の緑、海の色、家の中の壁の色など、色彩が秀逸。そしてカメラのアングル、女優たちの表情から個々の小道具に至るまで、全てが美しい。美意識に囲まれた映像とはこういうのを言うのだろう。更に、この映画に何度か出てくる雨のシーンはステキだと思いました。これほど雨、スコールがロマンチックに撮られているアジア映画も珍しいのではないか。以前読んだことのあるサマセット・モームの南洋を舞台にした「雨」という短編小説を思い出してしまったほどです(この映画とストーリーは違うけどね。確か、モームの「雨」を原作にして、アメリカで’50年代に映画化されてたような記憶があったので、調べてみたらそれは 「雨に濡れた欲情」 リタ・ヘイワース&ホセ・ファーラー主演 でした)。 三女と兄が一緒に暮らす部屋のシーンがどれもかっこいい。それらのシーンのBGMで流す音楽も、ベトナムとは少し違うテイストの空間であること(=幻想的?)を演出していて好感。


「東京ゴッドファーザーズ」

今敏監督のアニメ。アニメといっても子供より大人向けの作品だろう。映画自体は今ひとつどうかなあという意見もあるようですが、僕はアニメとしては相当完成度高いというか、レベル高いと思ってます。押井守の「攻殻機動隊」と比べるには少々世界が違うので、難しいとこですけどね。ホームレス3人(オヤジ、オカマ、少女)が捨て子の赤ちゃんを拾い、その母親を捜そうと奔走する。その過程で描かれる3人のそれぞれの暗い過去と今における清算。東京の街の描かれ方が素晴らしい。アニメーターたちは優秀だなあと思いました。もちろんこういう作品でどこまで細部を描くかっていうのも製作費の多寡にとても影響されてしまうんでしょうけど。声優として、オヤジ役に江守徹、オカマ役にワハハ本舗の梅垣義明。この二人のアテレコが最高にいいです。はまり役って感じ。特に梅垣さんはいいねえ。この人、例えばミュージカルで「ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ」の主役でもやったらとても似合うんじゃないかと思うんだけど。そんなこと思うのは僕だけでしょうかね?


「インビジブル」

いわゆる透明人間の映画。題材や企画内容自体は古くて新鮮味はない。ただ、透明人間のキャラが、今回は一味違う。透明人間の役はケビン・ベーコン。ケビン・ベーコンって、アイドル路線拒否して脇役・性格俳優まっしぐらですが、それが大正解だったことは、ここ数年の彼の出演作を観ればよく分かりますよね。ヒトクセある役をやらしたらとてもいい。これからも見守っていきたい、個性あふれる俳優ですよね。この映画でも彼の「ワルぶり」が出てていいよ。エリザベス・シューも相変わらず色っぽくてセクシー。映画のストーリー展開も手際よく、サスペンス度、特殊効果などもレベル高い。お子様向けと勘違いしそうな、おバカなハリウッド大作とは少々感じが違う映画です。実際に観るまではけっこうこの手の映画をバカにしてたんだけど、この作品は観てみたら意外にすっごく頑張っていたということで、オススメ。ただし、日本でのタイトルはだめだよねぇ。こんな原題の英単語(見えない、という意味ですけど)そのままじゃ、一般の日本人は知らないっつーの。観に行こうなんて思わないだろうよ、このタイトルじゃ。興行成績を真剣に考えてんだろうか、と疑いたくなるような映画宣伝会社の怠慢又はセンスのなさ。ま、時代遅れと捉えられがちな「透明人間」としなかったことだけは救いなのかもしれないが。




(注)
毎回言ってますが、僕も全ての映画を観てるわけじゃないので、こういう映画がオススメの全てではなくて、他にもいい映画はいっぱいあります。それに映画は人それぞれに好き嫌いがあって、別の作品を好む人もいると思います。そもそも映画なんてそんなに小難しく考え込んで観るものじゃないだろうからね。あくまでこのシリーズは、最近の映画や、少し昔の映画でもマイナーで注目されにくい作品などを中心に、皆さんのご参考までに一部をご紹介する、ということで。

そしてこれも毎回言ってますが、次のような映画はここでは除いています。
・既に有名なクラッシック作品(かなりの本数を観てはいますが、いろんなメディアで紹介済だから)。
・ミュージカル(セリフが音楽に乗って出てくるけど、そのセリフが聞き取れなくてもどかしいから)。
・ゴダールやW.アレンの作品(要するに好きではないから)
・その他、ポルノ、スプラッター、ホラー、戦争もの、ハリウッド的おばか大作映画なども除きます。

絵や音楽を理解できる、とか、分からない、とかの前に(それも時には大切なことでしょうけど)、理解できなくても何かを感じとれたらいいなぁ、と言った友人がいます。まったく同感ですよね。そんなに複雑に考えないで、分からなくても分からないなりに何かを感じて、感動していたい。そういう感性やアンテナを常に持っていたいよね。感性は毎日の生活の積み重ねから磨かれるんだし――。


今回は以上です。皆さんも映画や音楽をお楽しみ下さいませ。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:37 | 映画言いたい放題

オススメ映画第16弾

オススメ映画第16弾。


<癒しのためのオススメCD>

オススメ映画の前に、ちっとばかし、夏の癒しのアコースティック系オススメ音楽、CDなんぞを。
普段は’50年代から’60年代のモダン・ジャズばかり聴いているのですが、こんなのもたまには良いよということで。
ここに挙げたCDは、住宅事情はあるにせよ、できたら一定以上の音量で聴いてもらえれば嬉しいです。
たぶん感じ方が違ってくると思う。
週末の休みの昼間からビールやワインを飲みながら、特に、風が吹いてる時に聴くといいかもしれんです。
あるいは夏の夜に一人でシングルモルトをやりながらとか、夏休みのリゾートアイランドで彼氏、彼女と一緒にお試しになってみてもいいかもよ。

↓ミュージシャン名/アルバムタイトル/発売年又は録音年(レーベル会社名) の順です。
レア物なんかじゃなくて、普通に今の日本で必ず手に入るCDです。ただ、もしかしたら③と⑤は探さないと少々見つかりにくいかもしれませんけど、ご了承を。

①Keali'i Reichel ケアリー・レイシェル/ Ke'alaokamaile/ 2003 (Victor Entertainment JVC Music)
②Affonsinhoアフォンシーニョ/ esquina de minas エスキーナ・ジ・ミナス もうひとつの旅/ 2003 (Bomba Records)
③鈴木康博/ BetterThan New / 1990 (Toshiba EMI)
④Dr.John/ Afterglow/ 1995 (Blue Thumb)
⑤various artists/ first filtration of the duplex brains/2000 (Beams Records)


①は、いきつけの近所のソウルバーで、週末にいつものように明け方まで飲んでる時にこのCDがたまたまかかってて、おや、ソウルじゃないけど、こういうのもかなりヤバイぞと思ってマスターに聞いてみたら、案の定、すっげえいいCDだから買えと勧められたもの(笑)。大きめの音量で聴いて欲しい。小さい音だと良さが充分に伝わらない気がする。ハワイアン系ミュージシャンの弾き語り。特に①の4曲目「Fields of Gold」は作者スティングも真っ青のいいデキ。同じく①の3曲目や14曲目もステキ。

②は新しいというか、ハードなボサノヴァというか、その割には’70年代フォークのテイストもありますぜ。5枚の中でも特にイチオシのCDです。旅先のリゾートや休日の昼間に聴くにはうってつけの内容。生ギターの音とアフォンシーニョ(男性)のボーカルの相性の良さ。歌詞が英語じゃなくてポルトガル語だからいいのかも。タワーレコードでの売り文句は「これぞ、ブラジルの喫茶ロック!」だとさ(笑)。でもロックじゃないよ。特に1曲目なんかはブラジルのカフェを感じさせるかも??(ブラジル行ったことないけど)。 僕なんか気に入って同じアフォンシーニョのアルバムをさらに2枚(「エスキーナ・ジ・ミナス」の第1弾と「ズンズン」)買ってしまったほど。今まで3枚しか世に出ていないから全部買ったことになるね。②のアルバムを聴きながら2歳の息子と遊んでると今の僕の至福の時だという気がする(苦笑)。親ばかですかね。なお、「エスキーナ・ジ・ミナス」というアフォンシーニョの同タイトルのアルバムは2つあって、このCDは第2弾の方なのです。お間違えのないように。第1弾もとても良いのですが、どちらかといえば第2弾のこのCDの方がオススメ。

③は元オフコースのギタリスト、鈴木康博のソロ・アルバムの一つ。全て英語の曲(スタンダードや有名ヒット曲など)で、生ギターで弾き語り。何年もアメリカに住んでた人がたまたまこのCDをミュージシャン名を知らずに聴いてて、ネイティブが歌ってるものだとばかり思ってたという、それぐらい英語の発音も良いらしい。きれいな声。

④はジャズです。ジャズは苦手だとか分からないというヒトにも、ボーカル入りのこういうアルバムならとっつきやすいかもね。休日の昼間というより、深夜に酒飲みながら、という感じでしょうか。シブイ曲ばかり。参加ミュージシャンも全員ジャズメン。Dr. Johnの他のアルバムはこのCDみたいに聴きやすいものばかりとは限らないので、最初にへんなのに手を出すよりは、このCDから入っていってはどうでしょうかね。

⑤はビームスの青野氏がプロデュースしたリミックス・コンピレーション・アルバム。特に1曲目が最高にカッコイイっす。富士五湖方面の某所にパスタやクラブサンドがとてもおいしいカフェがあって、僕は休日に時々車を飛ばしてそこに行きます。ランチのためだけに。時間とお金(高速料金とか)の使い方としてはちょっともったいないように思われるかもしれませんが、それぐらい美味しいのです。そのカフェは魅力的な女性二人が共同でオーナーをやっていて、このCDはそこで流してました。とてもかっこいい曲だったのでオーナーに聞いたところ、オーナーとビームスの青野さんが友達だそうで、ビームスの他のCDも販売してました。ここ数年はやっているカフェ・ミュージックの一つではありますが、素直にオススメですよ。

それと番外編的に、もしご興味あるならということで、この2枚も追加で書いときましょう。

⑥John Coltrane/ Africa Brass /1961(Impulse)
⑦Tom Waits/ The Heart of the Saturday Night /1974 (Asylum, Warner)

⑥はジャズのブラス・サウンドを聴きたいなら。基本編成がカルテットだからバディ・リッチみたいなビッグバンドの迫力あるサウンド(例えばバディ・リッチの「Time Check」なんかとてもカッコイイ曲だよ)とは違うけど、これもかなりレベル高い作品。コルトレーンはやはりすごい。ジャズといってもまあ、これはオーソドックスな方ではないのだけどね。特に4曲目の「Song of the Underground Railroad」なんかのメロディと威勢のよさを楽しまれてはいかが?’60年代の音楽を今聴くと、かえってカッコイイと感じることがありますが、これはその典型かな。

⑦は説明の必要もないほどの有名作。トム・ウェイツのボーカルのなんとシブイこと、シブイこと、これ聴き始めると、酒(特にラガブーリンとかアードベックとかのストレート)を飲みすぎてしまうほど、シブイ。夜の酒場に似合うアルバムですよね。こんなのを20代のときから、しかも深夜にだけ聴いてたんですが(苦笑)、ちと暗いか? これもジャズっぽい雰囲気があるよ。参加ミュージシャンがジャズ系だしね。個人的にトム・ウェイツは’70年代から’80年代初期までのアルバム群のデキが良いと思っています。

CDはこんなとこかな。

で、映画ですが、今回は↓こんなのどうでっしゃろ? 有名じゃないけど’60年代から’70年代の隠れた佳作を含めてご紹介いたします。


<オススメ映画>

「踊る大捜査線 The Movie 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」

上映時間が2時間20分はちょっと長い。この手の映画は2時間以内だろう。脚本に難がある。前作に比べれば犯人の描き方も、「本店のお偉いさん VS 現場の叩き上げ」という組織上の対立図式も、今回は表面的でちょっと浅い。ユースケ・サンタマリアのネゴシエーター役もかっこよすぎ。似合わない。説得力がない。この人は3枚目を下手に演じるダメ男の方が良いのに。ただ、全体をエンターテインメントとしてうまくまとめ上げている演出はさすが。単純に面白い。楽しみましょうよ、という映画だろう。北村総一郎たち3人組のおとぼけ具合も相変わらず最高に受けますね。面白い。そして、いかりや長介(刑事)と神山繁(警視総監)の友情と名コンビぶりは、NHK大河ドラマ「独眼流政宗」で政宗の家臣を二人が演じていたときの「掛け合い漫才」のような感じに共通する良さがある。この二人はいいですよねぇ。特にいかりや長介はいい。織田裕二や深津絵里らのはつらつとした役柄設定だけではこの手の映画は上滑りしやすいのだろうが、いかりや長介たちベテランの円熟味とか、年の功というものが、この映画にバランスを与えて救っている。真矢みき演じる女性捜査本部長もいいですね。役柄上、彼女のキャスティングは大成功だったと思う。ジェンダー論者やフェミニズム学者たちからはなんと攻撃されるかわかりませんけどね(苦笑)。


「ラストサムライ」

既に観た人が多いだろうし、今更ですが、僕も他に観るものが多くて最近やっと観れました。

良いところ:

・おおむね評判どおりでそれなりの期待に応えてくれる内容。意外と見かけ倒しではない。

・ハリウッドが「日本」や「日本人」を題材に描くと、今までは日本人としては違和感やこっけいさが感じられることが多かったけど、本作は日本人から観てもそれほど違和感はないはず。もちろん映画だから、フィクションだよなぁって思うところもあるけどさ。

・渡辺謙と福本清三の演技が素晴らしい。特にトム・クルーズを監視する役の福本清三はすごい。だてに東映で40年も斬られ役をやってないよ、という感じのベテラン。セリフがない寡黙な侍の役だが、圧倒的な存在感を画面に出している。本作における福本清三こそが、「映画の中での存在感の高い俳優」というのだろう。

・渡辺謙の英語の発音が予想以上によかった。これは普通に観てるぶんには目立たないことなんだろうけど、映画全体への影響が大きい点だろう。

・戦闘シーン。迫力あります。ニュージーランドロケも外国馬も「映画=エンターテインメント」だから許す。日本映画だと、同じ題材でもああも迫力ある映像にはならないだろう。ハリウッドならでは。
・子役の演技がいいんだよ、これがまた。
・衣装や室内美術、色彩などもかなり頑張っているのが分かる。素晴らしい。


良くないところ:

・主演がトム・クルーズではなく渡辺謙に見えてしまう。渡辺謙がクルーズを食っていたと言われているほど。日本人ファンにはそれでもいいのだけど、話の筋からすれば、焦点はクルーズの役にもっと当てるべきだろう。ある映画雑誌の解説によると、これは監督や編集の責任なんだってさ。両者とも非常にいい演技をしていても、編集によって印象や存在感が違って見えてしまうという、典型的な逆効果(??)の事例。映画の冒頭からして渡辺謙の瞑想シーンだからねえ。そりゃ主役は勝元(渡辺謙)だって思うわなア。編集ってかなり観客の印象を左右するんだね。

・勝元(渡辺謙)たちに捕らえられた米国人大尉(クルーズ)が、いつの間にやら「武士道」と彼らに共感していく、その変化の描写が今一つ、かな。武人であることは共通するにしても、なんでそんなに簡単に共感できるのよ? イージーすぎるような気がした。描写に要する時間は必ずしも多くかける必要はないけど、説得力を持ってそこを丁寧に描かないと、意味がないのにね。

・なぜ勝元たちが明治の新政府に反抗しているのか、それなりに日本人として理解(又は想像)はするけど、充分な描写があったとは言えない。そこらあたりをできるだけ単純化しようとした監督たちの努力は垣間見られるけどさ。なんで反抗しているのか? そもそもそこがこの映画のキーポイントなのにね。不十分な説明・展開だったと思う。上映時間や編集の都合でカットされたいくつかのエピソードにそういうのが丁寧に描かれていたとしたら(出演者のインタビューを読むとそうらしいけど)、ちょっと残念なことだ。

・人物設定にまで文句をつける必要はないのかもしれないけど、やはり勝元(渡辺謙)の役は武士にしては饒舌すぎる。個人的には侍は福田清三の演じた役柄のように、ある程度寡黙でいて欲しいものだ。もちろん、新しい「サムライ」の解釈方法の一つというか、英語ができて饒舌な人物設定だからこそ、この映画が面白くなったんだろうけどね・・・。それに外国だとああいう勝元の名誉観や死生観、忠義の尽くし方などはミステリアスなものとしてかえってウケるのかもしれないね。

・中村七之助の演技がまるでダメ。この人はホントに歌舞伎俳優か? たぶん下手くそではないのかも知れないけど、画面上は下手に見えてしまう。演出側が意図した「天皇の若さゆえの未熟さ」と「演技が下手に見えてしまうこと」は全く別問題のはず。そこがキチンと整理されていないように思えた。若き明治天皇という難しい役ではあるけどねぇ・・・未熟な若さを上手く演じて欲しかった、ということ。


ちなみに・・・・新渡戸稲造の「武士道」を読んだことがあります。
新渡戸に限らず、あの時代の日本人エリートはあれほどまでに教養が高かったのかと驚いてしまったほどの内容。そして新渡戸が書いたように、明治時代に武士はもういない。「ラストサムライ」と同じような感慨が・・・。「武士道」には武士のいろいろな価値観が考察されている。「名誉」、「誠(武士に二言はない)」、儒教からくる仁、義、忠義など、教えの数々・・・。例えば、「名誉」ですが、「ラスト・サムライ」の字幕スーパーでは「Honor」を「誇り」ではなく、やっぱり「名誉」と訳していたのは、新渡戸の「武士道」に倣ったものかもしれないけど、場面によっては「誇り」の方が日本語の語感としてしっくりくる気がした。「誇り」。僕だけでしょうかね、そんなこと思うのは。




<誰にとってもオススメとは限らないけど、ユニークなので挑戦してみてはどうかという映画>


「ブラック・サンデー」

ジョン・フランケンハイマー監督による「1970年代最高のサスペンス・アクション映画」といわれていた幻の作品。世に出ている映画ビデオデータブックには必ずカルト印がついているほどのできばえ。当時、小森和子や11PMという番組で今野雄二などが絶賛してた。ベイルートのパレスチナ開放活動家が米国スーパーボールを舞台にテロを仕掛けようとする。それを未然に阻止しようとするイスラエル特殊部隊&米国捜査当局の攻防。試写会も終わってるのに政治的理由でロードショー直前で公開中止。だから日本では劇場未公開。やっとTSUTAYAでビデオ借りて観ることができた。噂にたがわず、そして30年近く前の製作にもかかわらず、単純に面白い!今の時代にこの手の題材を使って映画を製作すると、決まって犯人はおバカで凶暴なだけのテロリスト、アクションや爆発シーンにお金と時間の大半をかける、みたいなパターンになることが多い気がします。けど、この映画はそうではない。良質の脚本と演出に支えられている、見ごたえのある「ドラマ」だ。その意味でこの作品は’70年代に生まれてよかったのだろう。ただ、願わくば当時にリアルタイムで観たかった。やっぱり30年も前のアクション作は多少なりとも色あせるからねぇ。
主演のロバート・ショウも悪くはないが、ベトナム戦争の傷を引きずったブルース・ダーンと、パレスチナ開放派「黒い9月」の女性メンバー役のマルト・ケラーの二人の演技が見事である。しかも犯人側の役どころであるにもかかわらず、映画は二人を人間としてとても丁寧に描いている。この時代はそれが当たり前のようにきちんとできていたんだろうね。

断っておきますが、イスラエルも、PLOも、どちらがどうだという宗教観や主義主張はこの際、無視してご紹介しています。この先ずっと、どちらが良い悪いなんて断言できる話じゃないだろうし。だけど少なくともサスペンス・アクションとして、エンターテインメントとしてとても優れている作品だと思うから。


「サブウェイ・パニック」

1974年製作の地下鉄乗っ取り犯罪映画。これも’70年代を代表するサスペンスアクション映画だ。傑作です。まあ、30年も前の映画だもん、多少は時代のズレを感じる部分もあるけどね。そこは値引いて鑑賞してもいいかな、と。
ただ、ギョーカイでの評判はとてもいいのだけど、一般的な知名度は今ひとつ。マイナーでなかなかレンタルビデオ店で置いていない。置いてあっても最近の同名リメイク作の方だったりする。僕も最近、やっとTSUTAYAで見つけて観ることができた。

それぞれ同じように帽子、黒ぶちメガネ、ツケヒゲ、コートに身を包んだ4人組犯人がNYの地下鉄を乗っ取り、人質をたてに100万ドルを要求する。犯人たちは互いをMrブルーとかMrグレーとか、色で呼び合う(・・・思わず「キャプテン・スカーレット」かよ、とツッコミを入れたくなってしまったよ・・・)。当時(今から30年も前)としてはすごくセンスのいい犯人像の設定だろう。地下鉄公安警察主任の役はウォルター・マッソー。詳しくはネタバレになるから言えないけど、ラストがすっごくいいよ!Wマッソーだからこそ可能だったラスト・ショットではないかなあ。さあ、最後に犯人はどうなるのか? 観てのお楽しみ。


「雨のなかの女」

1969年製作。コッポラ監督初期の隠れた傑作ロードムービー。地味だけど叙情的で、今で言うインディーズ系の雰囲気かな。この時代の”作家性の強いアメリカン・ニューシネマ”はむしろヨーロッパのテイストにも近い気がするなぁ。NYロングアイランドの主婦ナタリー(シャーリー・ナイト)はどこか満たされないものを感じ、突然ワゴン車で家出する。サラという偽名を使い、ペンシルバニア、ヴァージニア、ネブラスカなどへ、あてのない旅。途中、様々な人と出会っていく。サラと親しくなるのは心や体に傷を持ちながらも純真無垢な人たちだ。必ずしも社会一般や体制側に快く受け入れてもらっていない人たち・・・。ヒッチハイクで乗せたキラー(ジェームズ・カーン、若い!)は元大学フットボール選手で、試合中の事故で頭に障害を負っていた。そのせいかキラーは子供のように純粋な言動をとる。サラをスピード違反で停める白バイ警官ゴードン(ロバート・デュバル)は妻子を火事で亡くしていた・・・・・・。

当時の世相を反映し、ドロップアウト、反体制思想、自由や個人の尊厳とは何か、社会からの疎外感、などを直接的に描かずに、「雨」という詩的なファクターで包んでロードムービーとしてうまく表現しようとしている。若き日のアル・パチーノ&ジーン・ハックマン主演の名作ロードムービー、「スケアクロウ」に共通するところがあると思うなあ。途中、純粋無垢でまるで子供のようなキラーが言う。「知ってるかい? 雨でできてる人間がいるんだよ。泣くと涙になってたちまち溶けてしまうんだ・・・・」と。映画のラスト、果たして溶けたのは何だったのか?純真無垢な心が溶けて無くなったとすれば、この世の行き着く先は地獄でしかないのか。とても良質で見ごたえのある静かな作品です。梅雨どきや夏休みの夜に観る映画としてもオススメ。雨って状況によってはロマンチックなこともあるんだけどね。皆さんはどうお感じになるでしょうか。やっぱりこんなに静かで作家性の強い映画は単純じゃない分、訳がわからん映画だと思われてしまいがちなんだろうかねぇ。


「猟奇的な彼女」

韓国映画。ここでの「猟奇的」という言葉は、「おかしな」とか「変わった」とか、その程度の意味合いらしいです。地下鉄で偶然出会った二人。彼女は事あるごとに彼に何かを命令し、彼が拒否しそうになると「殺されたいの?」や「そんなに死にたい?」などのセリフを吐く。いや、言葉だけでなく、実際に、殴る。平手で打つだけでなく、殴る、のである。おかしなカップル。特に主人公の女の子が地下鉄で吐く場面にご注目。いいですねえ、この場面。吐くシーンそのものより、吐く前に我慢して、一旦出かかったアレを飲み込む演技、これがサイコウに受けます。主演女優の存在が、この映画を救っている。映画はサッカーの試合のように前半、後半、延長戦という章割りというか区切りを設けている。映画の冒頭からスピーディーでとても好感が持てるだけに、後半がありふれた(?)メロドラマになり過ぎているのと、「延長戦」はやや不要の感じがして惜しい。「延長戦」におけるいくつかの偶然は重なり過ぎで、わざとらしいしねぇ。けれど、こういうハチャメチャなキャラの人間が出てる映画ってすごく好きです。そしてそういうハチャメチャな人間も、実はとてもナイーブで傷つきやすい、というありふれた設定も、決して悪くはないと思ってしまう。韓国映画は最近、すごいのが多いですが、これも挑戦してみませんか?


「青いパパイヤの香り」

10年ぐらい前に製作されたベトナム映画。某友人がずっと前から観てみたらって勧めてくれてたんだけど、先日やっとビデオで観ました。これは表面的にはとても地味で静かな映画だけど、内面ではとてつもない情念が潜んでいそうな、鑑賞者の感性に訴えかける作品だと思う。ハリウッド大作と比べるような映画ではないけれど、挑戦してみませんか。1951年のサイゴン。10歳の女の子ムイはある家に奉公に出される。使用人として掃除や炊事をするムイ。その家の長男の友人である男性(音楽家)にほのかな恋心を抱く。10年後、その家の父親が亡くなったことをキッカケに暇を出され、今度は音楽家の家に使用人として雇われる・・・・・。フランスにセットを組んで撮影したというこの作品。光の具合で明らかにセットだとは判るのだが、その光(照明)が秀逸だ。東南アジアの雰囲気をよくつかんでいる。何より、ムイが視線を投げかける、昆虫や自然の素晴らしさ。ときおり何気なく挿入される、一見無意味ともとれる昆虫や葉っぱのシーン、フルーツの種をもてあそぶ手の動き、などは、どことなく官能的だと感じた。何より素晴らしいのは、映画に出てくる陶器、家具、絵画、小物や小道具などのセンスの良さだ。美術スタッフに敬意を表したい。室内美術と色彩が見事。



<前回までのフォローアップというか書き足し>

(ここからネタバレ注意)

「アナとオットー」

原題は「北極圏の恋人たち」という意味なんだって。監督のインタビュー記事を読むと、脚本の設定上、主役二人のキャラクターがパワフルすぎて、映画のクライマックスはそれにふさわしい舞台に持っていかないと、二人に負けてしまうような気がしたんだと。そこで選ばれたのが、さいはての地、フィンランド。映画でも「フィンランド」は普通にアルファベットをつづるんじゃなくて、確か「Fin-landia」?とか何とか意味深につづられているシーンが出てきたと思う。Finは終りと言う意味。さいはての地、この世の果て、だね。こってるというか、センス良いというか、考えすぎというか(笑)。そう、この世の果て(=北極圏)で恋人たちは最後に何を見、何を感じたのかってことだね。


(注)
毎回言ってますが、僕も全ての映画を観てるわけじゃないので、こういう映画がオススメの全てではなくて、他にもいい映画はいっぱいあります。それに映画は人それぞれに好き嫌いがあって、別の作品を好む人もいると思います。そもそも映画なんてそんなに小難しく考え込んで観るものじゃないだろうからね。あくまでこのシリーズは、最近の映画や、少し昔の映画でもマイナーで注目されにくい作品などを中心に、皆さんのご参考までに一部をご紹介する、ということで。

そしてこれも毎回言ってますが、次のような映画はここでは除いています。
・既に有名なクラッシック作品(かなりの本数を観てはいますが、いろんなメディアで紹介済だから)。
・ミュージカル(例外もあるけど基本的に自分があまり理解できないから)。
・ゴダールやW.アレンの作品(これらの作家たちもどこがいいのか、いまだに理解できないから)
・その他、ポルノ、スプラッター、ホラー、戦争もの、ハリウッド的おばか大作映画なども除きます。

今回は以上です。皆さんも映画や音楽をお楽しみ下さいませ。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:36 | 映画言いたい放題

オススメ映画第15弾

オススメ映画第15弾。


今回は偶然ですがスペイン映画の紹介が複数含まれていて、傾向も単館ミニシアター系の作品が多いと思います。長い内容ですので、お時間のあるときにごゆっくりお読み下さい。


<オススメ映画>

昨今のブラジル映画(「シティ・オブ・ゴッド」)、メキシコ映画(「天国の口、終りの楽園。」、「アモーレス・ぺロス」)、だけでなく、スペイン映画もスゴイですね。あなどりがたし。最近観るスペイン映画はなんでこんなに素晴らしいのだろうと思う。


「ルシアとSEX」

子供にはさすがにオススメできませんが、いわゆるおバカな「ポルノ映画」でもないので、とにかく観て頂きたい大傑作。

フリオ・メデム監督のスペイン映画。セックスシーンが過激なだけの単なるエロ映画だと思ったら大まちがい。セックスシーンは、ヘンにいやらしさを感じさせず、むしろ生き生きとした人間くささへの執着を感じさせる。そして決して難解過ぎず、つまらない映画でもないと僕は信じます。――

マドリッドのレストランでウェイトレスをしているルシア(パス・ヴェガ)は作家ロレンソと同棲している。悩みを抱えたロレンソは失踪する。ロレンソはルシアと同棲する前に、ある地中海の島で別の女性と知り合っていた。その女性との間にできた娘の名は「ルナ」という。ロレンソの小説の中の物語と、彼自身の告白が交錯する見事なストーリー。サスペンスタッチの展開。映画の後半では、お互いに知らない者同士だったはずの人たちがその島に集うことになる。島のペンションには訳ありの女主人(ナイワ・ニムリ)がいる。その島とはいったい・・・・。

単なるエロ映画だと思ったら大まちがいだと冒頭に書きました。確かに性器や陰毛なんかのシーンがいくつかあるし、セックスシーンはかなり過激です。そのためかどうか分かりませんが、日本では劇場公開されずにビデオ&DVDがスペイン初公開から2年も3年もたってやっとこさ発売されただけ。日本版ビデオでは陰毛は無修正で、性器はボカシを入れている。その点、この作品は「大人から子供まで皆で観ましょうね」的な家族向け一般娯楽作ではないけれど、もっと高く評価されていい芸術性があるとも思う。性器が映されるシーンは「それなりの」(あくまでそれなりの、ね)意味合いと理由があるのだと前後の脈絡から感じ取れるので、僕自身は嫌悪感や違和感はそれほど感じなかった。男がそういうエロチックなシーンを見て嫌悪感も何も、あったものではないのだけどさ(苦笑)。例えば、島のペンションに泊まっているカルロスという男性が、海岸で自分の裸体に泥を塗って寝そべっているシーン。そこにルシアも寝そべってくる。特にセックスしようとはお互いに会話していないが、カルロスの勃起した(注:映像的にはボカシが入っているけれど恐らく勃起していたと思われる)ペニスを見たルシアが、今はそんな気はないのよ、とカルロスにつぶやくところなどは、性器の描写がそれなりに必要な演出だったのだと理解できる。 もちろんあくまで表面的な理解の仕方ですけどね。このシーン前後におけるルシアの心理を読み取っていく方が意味があるかもしれませんけど・・・。

ありふれた言い方ですが、この作品は脚本のレベルがものすごく高い。巡り巡るストーリー、何かと何かが関係していそうな(あるいは逆に関係していなさそうな)設定。そしてそれぞれタイプの違う出演女優たちの個性的な魅力が画面を通して伝わってくる。女優たち自身の肉体、特に主演女優パス・ヴェガの美しい裸は、それだけで既に良質の演技の一部なのかもしれないとさえ思える。撮影も見事です。特に意図的なカメラの露出コントロールが素晴らしく、島における「太陽の光」がまぶしくてまぶしくて、もうサイコウです。地中海の島のロケは本当に大成功で、僕も是非行ってみたいと思いました。そんなことが頭をよぎったのは「グランブルー」や「ローカルヒーロー」のロケ地に感動して以来でしょうか。まだどこも行ってませんけど。白い砂浜や海の自然と、作家ロレンソがチャットするインターネット(=人工的なもの)の対比というか落差感覚もよい。インターネットで交わされるロレンソの話の内容、これはある意味で彼による別の物語(小説)ですが、この映画のキーポイントの一つでしょう。

出版社の男性編集者ぺぺは、作家ロレンソを同性愛的なまなざしで見ている(=「看ている」)、と僕自身は勝手に解釈しました(どこの映画解説にも載ってなかった点なので違うかもしれませんが・・・)。この映画におけるぺぺの献身的な、それでいて目立たない愛情を、そしてこの編集者の存在そのものを、映画の主題ではないにせよ、最後まで見落としてはいけないような気がしました。もしかしたら、編集者ぺぺはこの映画の観察者である観客、あるいはメデム監督の分身なのかも?? まさか、ね。考えすぎか。

太陽(ロレンソ)と月(ルナ)と、島の光・・・。海岸の穴ぼこ。
映画の表現手法として使われる様々なメタファー(暗喩)。
映画のクライマックスでナレーション的に語られるセリフがある・・・
「この物語のいいところは終りがないことだ。穴に落ちたら、またそこから戻って別の物語が始まるのだ・・・」
ネタバレにならないよう、これ以上は書きませんが、何のことかは映画を観てのお楽しみ。
この映画の監督って、他の作品(「アナとオットー」)でもそうだったけど、いくつかのキーワードと、巡り巡っていく回転ストーリーが好きなんだろうかね。



「アシッドハウス」

オススメ映画紹介に入れることの多い、ヒトクセあるUK映画。これもそうですが、ただこの作品は特に好き嫌いが分かれるかもしれない。だから、結果として内容がお気に召さなくても、音楽だけは楽しんで欲しいという気がします。「トレインスポッティング」の原作脚本と同じアーヴィン・ウェルシュが書いた短編が原作の作品。3つのオムニバスからなる。どれもこれも、うだつの上がらない、あるいは運の悪い?男たちの話。ブラックユーモアと言ってもいいエピソード内容。その作り方は音楽も含めてとてもスタイリッシュでクール(かっちょいい)です。これをMTV映像の焼き直しに過ぎない音楽プロモ映画だろと指摘されると、ちょっと反応に困るけどね(苦笑)。この映画の音楽に関して独断で言うとすると、アメリカ音楽のギターサウンドに比べてUKのそれって、どうしてああもシンプルでギター、ギターしてるのかと思うほど、ステキなのが多い(UK音楽史上、ストーンズしかり、ザ・フーしかり、Eクラプトンしかり)。楽器名で言うなら、レスポールよりもフェンダーの音って感じで。ザクザクとバックでシンプルに刻んでいくカッティングのスタイルが、ギターとしては好きだなぁ。サントラCDが欲しくなった。「トレインスポッティング」が嫌いだという人は、たぶんこの映画もあまり気に入らないかもしれませんが、ちょこっとお試しになってはいかがでしょうか。



「スモーク」

約10年ぐらい前の製作。主演ハーベイ・カイテル、ウィリアム・ハート。良い脚本だと思った。ブルックリンのタバコ屋を舞台に繰り広げられる庶民の日常を描く。タバコ屋の主人(カイテル)と近所の作家(ハート)が枯れた味を出して特にいい感じ。この手の映画は、映画のくせに過度な演劇・芝居調だったり、私小説風日常生活をスケッチ感覚で切り取っただけのセンチメンタル映画です、みたいな言われ方をされたりすることが多い。当たらずとも遠からず、ですが、それでも小作品のよさ、文学的な芝居のよさがあると思う。アメリカ人にしてはウェットで情緒的な部分もあってね。製作資金や製作者に日本(日本人)が入ってるのが理由か?? 分からん。いくつかのエピソードがありますが、最後のタバコ屋主人(カイテル)の10分間以上の独白的お話が秀逸。ここでのHカイテルは頑張って演技していた。それに対してWハートの方は、中年の良さが今ひとつ。なんでこの人、以前に比べて落ち目になって売れなくなっちゃったんだろうと思ってしまった。最近出演作も少ないしね。たぶん、Wハートの年の取り方が悪かったのかも。カイテルは悪ガキがそのまま大人になったような、色っぽさを出した不良オヤジですが、Wハートはそうじゃない。この映画中の作家の役作りイメージには合ってるキャラだと思うけどね。なお、この作品が売れたので続編(「ブルー・イン・ザ・フェイス」)も製作された。続編にはミラ・ソルヴィーノ、マドンナ、ルー・リード、ジム・ジャームッシュなど豪華な人たちが出演しているらしいけど、続編はまだ観ていません。どんなんだろ。



「裸足のマリー」

フランス・ポルトガル・ベルギー合作映画。「母を訪ねて三千里」系ストーリーの、ロード・ムービーの傑作だ。生命の尊厳と自立がテーマなんだろうか。 ブリュッセルの中学生(だと思う)マリーはベンの子を妊娠するが、別れたばかりのベンは取り合わない。生むべきか、中絶すべきか、悩むマリー。マリーに優しく接した別の男性が交通事故で死ぬ。マリーはその男性の息子トニオ(5~6歳ぐらい)を別れた実母に引き合わせようと、トニオを連れて実母のいるポルトガルまで、フランスやスペインを越えていく旅に出る。主演のマリー・ジランのみずみずしい存在感と演技が素晴らしい。当時は子役と言ってもいいぐらいのミドルティーンのジランだが、少女の純粋さと同時に、既に性的に魅力ある「オンナ」を表現できている。

望まれずに生まれてきたトニオを連れて行く旅の案内役(道連れ)として、マリーのような出産か中絶かで悩む女の子を選んだのは、作者の意図的な設定によるものだろう。映画の鑑賞者がクリスチャンではない典型的日本人である場合、もしヨーロッパのキリスト教的宗教観(特に中絶を是としないカソリック)の背景や教会の存在意義を少しでも理解できているならば、この映画への観方や思い入れも相当変わってくるものと思う。是非は別にしてね。そして旅によって意識される彼女の今後の採るべき道は? 結局自分の子を産むのか、自立できるのか、果たして・・・・。



「トーク・トゥ・ハー」

アルモドバル監督のスペイン映画。人間の本質や性(さが)、業(ごう)とはどういうものか。事故で植物人間になってしまった若きバレリーナと、同じく闘牛場で牛にやられて植物人間になってしまった女闘牛士。二人の女性は偶然同じ病院に収容されている。憧れのバレリーナの世話をしようと看護士になったベニグノと、女闘牛士の恋人マルコの二人の男性の奇妙な関わり合い。たとえ植物人間であっても可能性がゼロでない限り、ちゃんと言葉をかけてあげるんだとベニグノは主張する。雄弁、多弁である。片やマルコの方は女闘牛士が怪我をする直前に実はふられていたという設定。マルコはどこか屈折していて無口で、女闘牛士の体に触れることもできない。

ある映画雑誌の解説によれば、「一歩間違えばストーカー男とふられ男の傷のなめ合いに終わってしまう危険をはらんでいるのに、監督は見事なドラマに仕立て上げた」という趣旨のことが書かれてあった。同感でした。植物人間のバレリーナに、あきらめずに言葉をかけてあげようとするベニグノだが、そのベニグノ自身に語りかけてあげる周囲の人間はいなかったという、この世の皮肉が秀逸だ。ベニグノに言葉をかける存在に近いと期待されるマルコにしても、ベニグノとは一種の距離感がある。その心理描写も見事だ。

映画の中で挿入されている、エロチックなサイレント映画のシーンもこの映画のためだけに作られたもの。サイレント映画シーンの主演女優は、実は「ルシアとSEX」主演のパス・ヴェガです。いいでしょう?

テーマは決して軽くないけれど、映画自体はそれ程考え込んでしまうような沈うつな映像ではないし、展開も哲学的過ぎなくて分かりやすい。そしてスペイン特有の、赤、黄、青、緑、オレンジなどの色がすごく鮮やか。単純な原色ではなく、これも言葉ではちょっと言い表しにくい素敵な色合いだ。これはアメリカや日本の映画とは異なる特徴かもしれないね。もちろんアメリカ映画や日本映画にだってそれなりのすばらしい色彩や室内美術の世界があることはあるけどね。




「テープ」

アメリカ映画。独立系インディペンデントのプロダクションだからこそ、こういう企画が通ったのかもしれない、大いなる実験作?とでもいいましょうかねぇ。皆さん、この映画、挑戦してみませんか? イーサン・ホーク、ロバート・ショーン・レナード、ユマ・サーマン出演。といっても出演者はたったこの3人だけ。アメリカ・ランシングのモーテルの一室を舞台に、この3人の迫真の演技が繰り広げられる。ヤクの売人役Eホーク、映画祭のために地元のランシングを訪れた若手映画監督役RSレナード、地方検事補役Uサーマン。3人は地元の高校の同窓生で、10年前の高校時代のUサーマンへのレイプ疑惑を中心に物語は進む。全編モーテルの一室を一歩も出ない、舞台調の芝居を狙ったかのような監督の演出と、セリフを練りに練った脚本がいい。高校の同窓生が久しぶりに会って当時のエピソードをなぞるというノスタルジックな設定はありふれていて新鮮味はないけれど、密室の演劇に果敢に挑んだ監督・脚本家の姿勢には好感が持てる。汚れ役のEホークの熱演にもご注目。登場人物の会話をワンカットで交互に追いかけるカメラもよくやるよって感じ。音楽はほとんどなし。効果音はあるけれど、音楽はセリフの邪魔になるとでも考えたのか、極力そぎ落としたシンプルなサウンドだ。

映画本編が終わって、他の映画でもそうであるように、エンディングロールで出演者やスタッフのクレジットが流れますが、そのデザインやレイアウトがセンスいいなと思った。そう思う「変人」は僕だけでしょうかね(苦笑)。デザイン、良かったと思うなぁ、ホントに。

この作品も「ルシアとSEX」や「アシッドハウス」と同様、おそらく一般受けする映画でもないだろうし、賛否両論分かれやすい映画だろうけれど、変わってて歯ごたえのある作品を求める大人の男女にオススメです。こういう緊張感あふれる「演劇」は久々。だったら映画じゃなくて舞台でやれよって? うーん、そう言われたらちょっと苦しいですね。でも、いろんな国のいろんな人が自由な時間帯で楽しむには映画という表現手段も「あり」だし、第一、舞台でなく「映画」だからこそ挑戦作になっているのかもしれないしね。



「アナとオットー」

「ルシアとSEX」と同様、フリオ・メデム監督のスペイン映画。主演ナイワ・ニムリ(「ルシアとSEX」では島のペンションの女主人役、「アナとオットー」では成長したアナ役)。

生前のスタンリー・キューブリック監督から絶賛されたメデム監督。僕個人にとっては、ここ数年ではまれにみる最高傑作の一つ。まあ、この映画は内省的な雰囲気が強すぎて好きではないという人も世の中にはいそうだけど、だまされたと思って一度は挑戦して欲しい。それぐらい、超オススメ!

集中して観れば観るほど、それぞれの設定やセリフから小道具の細部に至るまで、時間軸を超えて何かが別の何かとつながっていることがわかるだろう。だから漫然と眺めるのではなく、気力体力を集中させて鑑賞すべき映画だ。メデム監督お得意の輪廻転生ストーリー。人生は偶然の積み重ね、そして積み重なった偶然は、もはやただの偶然ではなく必然(=運命)ではあるまいか・・・・・。時間と空間をいくつも交錯させ、次々と偶然を提示して巡り巡るストーリー構成をとった脚本と編集は本当にお見事です。かといって、観ていて決してややこしくて難解な構成ではない。映像技術や脚本構成だけでなく、芸術性やテーマも含めて、これほどまでのハイレベルな映画はここ数年では観たことがない。メデム監督に第一級の賞賛を贈りたい。

ストーリー: 8歳のアナとオットーは片親どうし。二人は運命的に出会い、お互いを今後の人生で最も必要かつ重要な相手と認識する。要するにお互いに「恋をした」んですね(笑)。それ以降、二人の間では会話は非常に少ないものの、濃密で情熱的なコミュニケーションがとられていく (注: 濃密なコミュニケーションって会話だけだと思ったら違うんだよね)。そしてアナの母親とオットーの父親が結婚し、二人ははからずも義兄妹になるのだが、やがてオットーの実母の死がきっかけとなってオットーは家を出る。二人は再会できるのかどうか・・・・。出会いからクライマックスのシーンまで、17年に渡る二人の愛の軌跡が、アナとオットーそれぞれの交互のモノローグによって語られる。アルファベットで書くとアナ(ANA)もオットー(OTTO)も左右対称の名前だ。右から読んでも左から読んでも同じ名前。これは、同じ事象を別の角度から眺めるということを意味するのだろうね。過去と未来、偶然と必然、女と男、嘘と真実、親と子、永遠と命の限界、それらの対象性を具現している(・・・と僕はお人的に勝手に思うんだけどね、皆さんはどう思います?)。

とにかく、ハリウッドの大作に比べると、どうしてもスペイン映画=ちょっとマイナー、かもしれませんが、食わず嫌いにならず、一度は観てみて欲しい傑作です。

以下はこの映画について、少々「ネタバレ注意」に近い内容で、映画で使用されているセリフ、小道具、設定等の話です。直接的ネタバレじゃないけどね。読んでもいい人はスクロールして進んで下さい。読みたくない人はそこを飛ばして(意識的に無視して)次へ、(どうやって次にいくのか知らんが)進んで下さい:

****「アナとオットー」のすこーしだけネタバレ注意に近いお話/開始****


映画中の各シーンやセリフ、エピソード、小道具などにも全て意味がある。時系列を超えてそれぞれが別のシーンに重なってくる設定。映画の後半のエピソードが映画の冒頭と重なって見えたり、その逆だったりね。例えば、森の中でオットーがアナを追いかけるシーン、紙飛行機そのもの、赤いバス(又は電車)に車が突っ込む交通事故、パラシュート降下で助かった祖父オットー、「勇気を出して窓から入ってきて」のメッセージ、ハート型のクリスマスプレゼント、北欧の地図にアナの名を書くシーン、などなど。全て注意して観て欲しい。似たようなのが何回か出てくるから。すごいよ、この映画。全てが何かに関係してくる。その全てを、一本の糸を編んでセーターを仕上げるように、あるいはオーケストラを指揮するように、メデム監督は一本の映画にまとめ上げた。賞賛!


****「アナとオットー」少しネタバレ注意に近い部分/終り*****


<あんまりオススメしない映画>

「秘書 セクレタリー」

自傷癖とSMを同列で描くことの難しさ、かな。そしてジェームズ・スペイダーのキャスティング自体がマイナスとなった映画だ。サドにしろ、マゾにしろ、その根底では高度な精神活動が描かれるべきだろうし、それをこの映画もやろうとはしているが、ちと遊び過ぎ(エンターテインし過ぎ)の感がある。こういう題材はもうちょっとマイナーな感じでインビにやる方が(売れないだろうけど)、的確な気がした。結局、売ろうとすると上滑りしやすい、難しい題材だってことだろう。Jスペイダーにしたって、彼自身は自分の出演作と比較され過ぎないよう気をつけて頑張っているみたいだったけど、やっぱりいつものエッチな映画に出てるやつか、だけで終わっちゃうような使われ方。これなら同じJスペイダーが出演した「セックスと嘘とビデオテープ」や「クラッシュ」などの方が数段上の評価になるだろう。監督のインタビュー記事を読むと、監督はそういう難点を分かっていて克服しようとしていたらしい。その努力は認めるけど、結果はあまりよくないように思う。ただし、この「秘書」役の主演女優だけはよい。かわいくて演技も体当たりで素晴らしい。魅力的です。この女優の今後に期待大。


「バッドボーイズ2バッド」

アクションはすごい。よく撮影したなって感じ。ただ「アルマゲドン」や「パールハーバー」と同じ製作者&監督のコンビで、彼らは好きではない。広告代理店出身者にありがちな、娯楽に徹し過ぎ、の作り方。確かにボケーッと眺めるには面白そうなアクションだし、カーチェイスとアクションシーンはすごいけど、それが意味するところや目的が映画の流れの中でそれほど明確に存在しない。脈絡がない。節操がない。何でもやりゃあいいってもんじゃないでしょ、ってこと。そこが単なる娯楽作だけどウケのいい「チャーリーズエンジェル」シリーズと違うところ。時間と金のムダ。時間のムダといえば、この映画のラストの30分間強は明らかに余分、蛇足、不要。もっと早くけりをつけて2時間以内にまとめるのが小気味いいアクション映画でしょう。2時間半以上のアクション映画なんて、観たくない。冗長だ。二人の黒人刑事の名コンビぶりはいいのだが、友情があつすぎてホモみたい。気持ち悪い。もはや売れに売れまくっているウィル・スミスが1人で主演を張らないなんて、そんな「無理やりコンビ」の不自然なシリーズは続けてもシラケルだけだ。


(注)
毎回言ってますが、僕も全ての映画を観てるわけじゃないので、こういう映画がオススメの全てではなくて、他にもいい映画はいっぱいあります。それに映画は人それぞれに好き嫌いがあって、別の作品を好む人もいると思います。そもそも映画なんてそんなに小難しく考え込んで観るものじゃないだろうからね。あくまでこのシリーズは、最近の映画や、少し昔の映画でもマイナーで注目されにくい作品などを中心に、皆さんのご参考までに一部をご紹介する、ということで。ここで挙げた映画以外にも何本も観てはいますが、ここで書き記すほどの映画でないものや、どうでも良いものはタイトルさえ挙げていません。観てはいますけどね(苦笑)。

そしてこれも毎回言ってますが、次のような映画紹介はここでは除いています。
・既に有名なクラッシック作品(かなりの本数を観てはいますが、いろんなメディアで紹介済だから)。
・ミュージカル(例外もあるけど基本的に自分があまり理解できないから)。
・ゴダールやW.アレンの作品(これらの作家たちもどこがいいのか、いまだに理解できないから)
・その他、ポルノ、スプラッター、ホラー、戦争もの、ハリウッド的おばか大作映画なども除きます。


今回は以上です。皆さんもいい映画をお楽しみ下さいね。
では。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:33 | 映画言いたい放題

オススメ映画第14弾

オススメ映画第14弾。

今回も最近観た数十本の映画の中から、いくつかオススメをご紹介いたします。長い内容ですので、お時間のあるときにゆっくりお読み頂ければと思います。


<オススメ映画>

「ザ・コミットメンツ」

この映画をまだ観ていなかった僕に、「アラン・パーカー好きなくせにまだ観ていないだなんて信じられないわ。絶対観てみてよ(笑)」と強硬に(!)すすめてくれた映画通の某友人に大感謝。観たら傑作でした。
アラン・パーカー監督。アイルランドのダブリンを舞台に、労働者階級の若者たちがソウル・バンドを結成する。バンド・メンバーの青春群像をドキュメンタリータッチで追う。音楽が最高にカッコイイ。映画が気に入れば、サウンドトラックCDもぜひどうぞ(笑)。僕はDVDもサントラCDも買ってしまった、珍しく。
演技はシロウト同然の本職ミュージシャンの人たちを、映画のためにオーディションで選んだという個性あふれるキャスト。シロウトにしてはみんな演技は上手。演奏シーンと演奏シーンの間が全く「まのび」していない、たたみかけるような編集。特にバンドマネージャー役の語りの「声」自体が気に入った。
「俺たちアイリッシュはヨーロッパの黒人だ、中でもアイルランドのダブリンは黒人中の黒人だ!」
すげえセリフ(笑)。いいねえ。
「だから黒人の音楽、ソウルをやるんだ!」
いいねえ。いいねえ。

アイルランドなまりの強い英語で、スピーディーに掛け合うセリフ。
会話が早くて面白い。日本でいう「江戸っ子」「江戸弁」かいな?

晴れてんのか曇ってんのかわかんないような空とか、深夜雨に濡れた路地とかもいい。
好きだなぁ、個人的に、とても(笑)。典型的なこの地方の風景。


「待ち伏せ」

自宅に引いたケーブルTVとは考えようによっては便利なものだ。時間的に興味を引く番組全てを観ることはできないけれど、意外な作品に接する機会を与えてくれる。(TSUTAYAなどを除く)たいていのご近所レンタルビデオ店にある映像ソフトは大昔の超有名作か、そうでなければここ数年程度の最近の映画しかなくて、中途半端に数年前の邦画や、洋画でもちょっとマイナーな佳作はあまり置いていないから。
そしてケーブルTVの影響からか、最近、1970年前後のカウンターカルチャーや音楽、映画などが改めて密かなマイブームになっています。日本映画ではこの時代の勝新太郎、三船敏郎、もう少し昔になるけど市川雷蔵などもいい。この映画もケーブルTVで観たのですが、三船敏郎(東宝)主演、脇役に石原裕次郎(日活)、勝新太郎(大映)、中村錦之助(東映、後に改名して萬屋錦之介)、浅丘ルリ子(日活)という豪華な顔ぶれ。五社協定のあった昔の日本映画界では考えられないキャスティング。もうこの頃はそうでもして力を合わせないと日本映画界自体が斜陽でだめになるという危機感があったんだろうね。ストーリーは、江戸時代、信州の峠の茶屋を舞台に、ヒトクセありそうな人間たちが集い、何かが起こるのをそれぞれの立場でひたすら「待つ」。何が起こるのか? 彼らは偶然出会ったのか、それとも必然か? それは映画を観てのお楽しみ。茶屋の中での人間模様とサスペンス度がいい。密室の推理劇というか芝居仕立ての良さが出ていて好感。日本映画でも結構見せるなあ、って感じ。特にこの時期の勝新は今見直すと最高にカッコイイ。脂の乗り切った頃で、存在感と男くささを発揮している。中村錦之助のわざと吃音気味にした台詞回しや演技が素晴らしく、やはり彼はさすがです。テーマ音楽もいいし、テンポ(編集)もいい。

ちなみにほとんど同じようなキャスティングで同時代にいくつかの映画が製作されている。「黒部の太陽」、「栄光への5,000キロ」、「風林火山」など。どれもオススメです。


「ハートに火をつけて」

賛否両論ある問題作なので、観たことのない人はまずは挑戦してみて下さいという映画かなぁ。1990年前後の製作。監督&主演デニス・ホッパー、共演ジョディ・フォスター。問題作というのは、アメリカでは公開されず、日本やヨーロッパで公開されたことと、編集内容に怒りまくったホッパーが監督クレジットを拒否し(だからビデオパッケージにもクレジットは架空の監督名になっている)、自分なりのディレクターズカット版をタイトル変えて発表したこと等から。マフィアの殺人現場を目撃したJフォスター。彼女を消そうと雇われヒットマンのホッパーがストーカーまがいに彼女を追いかけていく。ホッパーに誘拐され連れまわされる形のフォスターが、最初は嫌っていたホッパーに対して徐々にへんてこりんな愛情のようなものをかもし出す辺りからどうもよく分からない展開になる。なんで彼女はホッパーに惹かれるの?? ただし、やっぱりこの二人の俳優は魅力的。Jフォスターってよく見るとえらが張ってて取り立てて美人顔というのでもないのですが、なぜか魅力あるんですよねぇ。あの冷たそうな目つきとか。ストーカー的視点の映画にはもってこいの女優さんなのかもなぁ。誰にとっても感動作、という訳にはいかない映画ですし、ストーカー的視点自体を礼賛するつもりは毛頭ありませんが、皆さんもちょっと挑戦して観てみませんか?


「鮫肌男と桃尻女」

これも最近深夜のケーブルTVで観た。浅野忠信主演。ヤクザ組織の金を持ち逃げした鮫肌(浅野)と、プチホテルの支配人の若妻で不幸な生活から抜け出したい桃尻女(小日向しえ)との逃避行。それを追いかける組織の面々。僕の大好きなロードムービーのジャンルに入れてもいい気がする。衣装も美術も編集も、とてもポップでオフビートな感覚が漂っている。いいんだな、こういうの(何年かたつとそのポップな新鮮さがどこまで保たれるかは分からないけど・・・)。一部の台詞回しにはドキュメンタリー風のテイストもある。鶴見辰吾演じる追跡者キャラが最高にウケました。あのエキセントリックな役作りと衣装やセリフのユニークなこと。かなり笑えます。そして岸部一徳も個性的。この人、ホントにいい役者ですよねえ。キムタクとCM共演しているのもダテじゃない。ダサかったメガネ姿の桃尻の外見が変化していくのにもご注目。映画の途中で逃避行のための変装と称してメガネを外し化粧して服を着替えるのですが、そのあたりから彼女はものすごく生き生きしてくる。この映画は桃尻の「生」への脱出劇でもあるんだろうかね。


「パンチドランク・ラブ」

ポール・トーマス・アンダーソン監督。主演アダム・サンドラー、エミリー・ワトソン。映画の始め、大きなトラックが怒涛のように過ぎ去る演出効果で、のっけから期待させる。決して若くはない男女の、ちょっと変わったラブストーリーと申しましょうか。パンチドランク=イッパツ食らったような「一目ぼれ」の恋。主人公はちょっと変わってる。食品会社の広告宣伝のミスをついて食品ラベルに付いているマイレージをがんがん集めたり、普段は7人もいる姉たちに虐げられていて突然キレてガラスを割ったり、つまらないことでクレーム電話をかけたりする。その主人公になぜかエミリー・ワトソンのような「いい女」が興味を持つ。不思議な設定ではある。しかしその分、ハリウッド映画の典型である美男美女の恋愛ものより、こちらのちょっとダサい男女のぎこちない恋愛模様の方がよっぽど好感がもてる。

PTアンダーソン映画(「マグノリア」、「ブギーナイツ」)や、他の独立系映画(「ワンダーランド駅で」、「あの頃ペニーレインと」)などで常に一風変わった役を演じてるフィリップ・シーモア・ホフマンが本作でもいい役で出演しています(詐欺的なダイヤルQ2業者の元締め役)。いつもちょい役ですけど印象深いのでご注目を。彼って、デビュー当時には例えば「セント・オブ・ウーマン」(アル・パチーノがアカデミー主演賞獲得)で卑怯な高校生役を演じてたけど、その頃から既に印象度は強い。
この映画、とてもオススメなんですけど、ただ、音響効果で使われているドラムスや音楽は僕はあまり好きではないなぁ。どうも落ち着かない。そこが難点かな。監督にはそれなりの意図があってああいうサウンドを取り入れてんだろうけどね。


「フォーンブース」

今や売れっ子、旬の俳優コリン・ファレル主演。彼が演じるのは、NYのボックス公衆電話を日常的に不倫連絡用に使う、売れないタレントのマネジメントをやっているPR会社の男スチュ(もうニックネームからして何だかやな男、スチュだって)。ある日、その公衆電話が鳴ったので思わず取ると、知らない声で「ライフルで狙っている、言うとおりにしろ、電話を切らずにずっとボックスを離れるな、離れたら殺す」と脅される。その後はもうコリン・ファレルの大げさな演技の独壇場。犯人にいいようにもて遊ばれる。普段他人を見下した態度を取っていたことへの報いとばかりに、犯人の脅迫によって、スチュは不倫や、自分がいかに嘘つきでいい加減か等を公衆の面前で独白させられる。この辺りは緊迫感あふれて良質のサスペンス映画。犯人は声だけ。ずーっと公衆電話での会話で主人公に指示して脅すだけ。声だけだと余計不気味ですね。犯人は誰か、ラストはどうなるかは観てのお楽しみ。犯人役の俳優が誰かはここでは敢えて言いませんけど、犯人役へのキャスティングは大成功&最高に個性的。最後まで観てね。
携帯電話、他人とのコミュニケーション、果てはプライバシー問題など、現代人の諸問題を詰め込んでなかなかのサスペンス映画にした脚本は評価できる。しかし・・・・、刑事役のフォレスト・ウィテカーのタレ目と情けない顔つきはいただけない。人の良さは出ているけれど、サスペンス映画を台無しにしかねない、たるんだ個性だ。ミスキャスト、かなぁ。


<オススメ映画というより、ちょっと一言シリーズ>

「マトリックス・レボリューションズ」

あまりにも有名作ですのでここではオススメ映画として紹介というよりは、観ている最中に自分なりに気づいた点をいくつか。
「マトリックス・レボリューションズ」に出てくる大型戦闘ロボットAPUは、日本のアニメ「超時空要塞マクロス」(1983年ごろ?)の可変戦闘機バルキリーが変形したやつにクリソツでした(いわゆるパクリか?)。あるいは機動戦士ガンダム(1979年ごろ?)のモビルスーツのコンセプトと非常に似ている。主人公ネオやトリニティーの首の後ろにある2~3個の穴は押井守の「イノセンス 攻殻機動隊」のバトー刑事たちサイボーグの首の後ろとおんなじだ。いろいろ気になったので「マトリックス・レボリューションズ」を観た後でいろんなホームページや映画雑誌の記事等を覗いてみた。マクロスやガンダムの影響について直接触れた映画解説や映画雑誌は見つけられなかったけど、マトリックスの製作者ウォシャウスキー兄弟が日本のアニメ、特に攻殻機動隊の押井守などにかなり影響を受けているらしいことは分かりました。それなら当然といえば当然か。ただ、影響を受けたとしてもここまで完成度の高い映像を創出できるとはすごい才能と経済力ですよね。

まぁ、映画自体はオススメしてもいいけど、いくつか僕自身が批判的に思っている部分もありますねぇ・・・。例えば、APUだのセンティネルだの、マトリックス専門用語が多すぎる。それらを観客としていちいち理解(又は事前にお勉強)しといてあげないと、映画を観終わってもどうも消化不良の感をぬぐえない。その意味で本当によい映画なのかどうか少々疑問はあるなぁ。全て観客の力不足のせいだけではないような気もするし。あながち、理解不能部分自体に価値があったりしてね。昔、インテリの考えすぎ音楽、というのが白人ジャズの世界にもありましたけど。分からないのが良いことなのかどうかが分かりませんけどねえ・・・。なんだか禅問答みたいですね。それこそ預言者オラクルの思うつぼか(笑)?ちなみにキャプテン・ミフネ役の俳優の鼻の穴がやたらに大きい。すごいですね。


「閉ざされた森 Basic」

ジョン・トラボルタ、サミュエル・L・ジャクソン主演の謎解きサスペンスアクション。オススメというほどすごい作品ではないが、それなりにハラハラドキドキと楽しめるので一度観てみるのもいいのでは、という佳作。デキはそれ程悪くはないよ。パナマの米軍基地。山間部での訓練中に原因不明の射殺事件が発生し、2~3名が生き残る。なぜ訓練中に味方同士で撃ち合ったのか。生き残りを尋問するために元軍人で今は麻薬捜査官のトラボルタが呼ばれる。生き残りの隊員たちの証言は二転三転、人によってバラバラ。いったい真実はどうだったのか。・・・・・ここまで書くと皆さんも基本的プロットは「羅生門」とほとんど同じだと気づくはず。昔からよくある設定ですね。それ自体は悪くない。トラボルタとコンビを組む女性大尉役の女優も健闘している。
ただし、ボケーッと観る分にはそれなりに楽しめるこの作品を、敢えて自分のオススメ映画にできない理由、問題は主に2つある。まず、軍人でもない民間警察官がパナマの米軍基地に尋問プロフェッショナルとして呼ばれる設定自体、非現実的で受け入れられないこと。米軍の中にはMP憲兵やら軍属の弁護士だっているのにねえ。米軍ってとこはそれだけで完結し得る独特の世界じゃなかったのかよ。2つ目は、謎解きサスペンス映画によく期待される、「あー、なんだ最初の頃のこのシーンは後半のあのエピソードにつながってたんだ」、というような知的な驚きがあまり存在しないこと。あるのは、観客の推理や想像とは脈絡もないところで成立していて、かつ作者の独断で設定された動機や事実関係だ。ビックリ箱オープン、「実はこうでした」のようないきなりの展開は、事実関係の知的な積み重ねや物語の緻密な構築からはちょっと程遠い。あれでは視聴覚的に驚きはするが謎解きサスペンスの醍醐味は薄れよう。どんでん返しがいくつもあって、楽しめはしますがね。


「ミニミニ大作戦」

主演のマーク・ウォルバーグには「華(はな)」がない。頑張ってはいたけどね。共演のシャーリーズ・セロンやエドワード・ノートンたちの存在感に負けている。ウォルバーグのキャラクターでは知的でリーダーシップのある犯罪者集団の主役は難しかったのではないかなぁ。この人、「ブギーナイツ」でははまり役だったけど、個性がどうしても弱い(ように見えてしまう)。将来は伸び悩まないだろうか。売れてくれるといいけどね。映画自体は期待してなかっただけにその分ぐらいは楽しめた。全体としては意外に楽しめるB級娯楽作、かな。リメイクでもいい線行くことがあるんですね。



(注)
毎回言ってますが、僕も全ての映画を観てるわけじゃないので、こういう映画がオススメの全てではなくて、他にもいい映画はいっぱいあります。それに映画は人それぞれに好き嫌いがあって、別の作品を好む人もいると思います。そもそも映画なんてそんなに小難しく考え込んで観るものじゃないだろうからね。あくまでこのシリーズは、最近の映画や、少し昔の映画でもマイナーで注目されにくい作品などを中心に、皆さんのご参考までに一部をご紹介する、ということで。ここで挙げた映画以外にも何本も観てはいますが、ここで書き記すほどの映画でないものや、どうでも良いものはタイトルさえ挙げていません。観てはいますけどね(苦笑)。

そしてこれも毎回言ってますが、次のような映画紹介はここでは除いています。
・既に有名なクラッシック作品(かなりの本数を観てはいますが、いろんなメディアで紹介済だから)。
・ミュージカル(例外もあるけど基本的に自分があまり理解できないから)。
・ゴダールやW.アレンの作品(これらの作家たちもどこがいいのか、いまだに理解できないから)
・その他、ポルノ、スプラッター、ホラー、戦争もの、ハリウッド的おばか大作映画なども除きます。


今回は以上です。皆さんもいい映画をお楽しみ下さいね。
では。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:32 | 映画言いたい放題

オススメ映画第13弾

オススメ映画第13弾。

今回も長い内容ですので、お時間のあるときにゆっくりとコーヒーでも飲みながらお読み頂ければと思います。

毎回言ってますが、僕も全ての映画を観てるわけじゃないので、こういう映画がオススメの全てではないです。それに映画は人それぞれに好き嫌いがあって、他の作品を好む人もいると思います。それもアリです。そもそも映画なんてそんなに小難しく考え込んで観るものじゃないだろうからね。あくまでこのシリーズは、最近の映画や昔の良い映画でもマイナーで日の当たりにくい作品などを中心に、皆さんのご参考までに紹介する、ということで。

そしてこれも毎回言ってますが、次のような映画紹介はここでは除いています。
・既に有名なクラッシック作品(かなりの本数を観てはいますが)。いろんなメディアで紹介済だから。
・ミュージカル(例外もあるけど基本的に自分があまり理解できないから)。
・ゴダールやW.アレンの作品(これらの作家たちはどこがいいのか、いまだに理解できない)
・その他、ポルノ、スプラッター、ホラー、戦争もの、ハリウッド的おばか大作映画なども除きます。


<オススメ映画>


「人狼 JIN-ROH」

押井守(「攻殻機動隊」)が原作・脚本。第二次大戦終了から10数年後の架空の東京が舞台のアニメ。反政府都市ゲリラと公安の特殊部隊との攻防を背景に、主人公の特殊部隊兵士とテロリストの少女とのはかない愛を描く。「赤ずきんちゃん」のお話を上手く使用している。ある意味でこのお話はシュールで怖いよね。昭和30年代を思わせる都市風景は特筆すべきものがある。描くのにどれだけの予算と労力を使ったのだろうと思われるほど、素晴らしい。映画は昭和30年代の架空の東京を舞台にしているのに、何だか自分も子供の頃にそこにいたかのような、懐かしい気分にさせてくれる。特に路面電車が動いてきて停車し、乗客が降りるシーンは、アニメでは非常に描くのが難しかっただろうと想像されます。アニメーターたちを賞賛したい。市街戦や地下水道の場面に出てくる建物は、大阪の中ノ島図書館や阪神百貨店などを絵のモチーフにしてるんだってさ。無口な主人公がつまらないとか、ナレーションで設定やストーリーを説明しすぎとか、一般映画ファンの否定的意見はあるらしいけど、好き嫌いは別にして非常に完成度の高い映画だと思う。子供よりも、大人向けのアニメーション。


「ディナーラッシュ」

傑作です! 某友人に何ヶ月か前から薦められていて最近やっとこさ観たんだけど、これがヨカッタのなんの。ダニー・アイエロ主演。映画は冒頭を除いて全編NYのイタリアン・レストランでの忙しい一夜(=ディナーラッシュ)を描く。単なる群像劇ではない。ありふれた言い方ですが、どの登場人物もとても丁寧に描かれていて、俳優たちの人間くささやキャラクターの掘り下げ方が職人的。中でも、ギャンブル好きの副シェフ、絵描きの卵のウェイトレス、物知りバーテンダー、カツラをかぶった女性料理批評家とその連れの女性記者、アジア系の接客係の女性、偉そうに気取った画商の男性などはとても個性的で強い印象を残します。他にも個性あふれる登場人物は多いけどね。・・・という風に書くと、いかにも登場人物が多くて「ごった煮」のイメージを持つかもしれませんが、そんなことはない。繰り返しますが、どの人物も、とても丁寧に描写されてて理解しやすい。ラストは・・・・言えないなぁ。でもすごいよ。ちなみに、映画で使用されたレストランはこの映画の監督が経営しているらしい。あー、昔ながらの伝統的イタリアンが食べたくなってきた。パスタと赤ワインと、あれとこれと・・・・。


「暗黒街の顔役」

最近ケーブルTVの放映で観た。1959年、岡本喜八監督の東宝アクション。作品としては実はそれほど大したことはない。そう言ったらここでオススメする意味が薄れて身もふたもないのですが、作品の完成度よりもむしろ、今だからこそ感じて欲しい、あの時代の色使いやデザイン、心意気などの良さを、ということでご覧になって頂きたい映画。僕のお気に入りの監督である岡本喜八が「独立愚連隊」で大ブレイクする直前のカラー作。鶴田浩二、宝田明、三船敏郎、他の出演。小気味いいというか歯切れのいい演出。まぁ、映画全体のスピード感は同じ岡本監督の「顔役暁に死す」の方がすごいけどね。バーのホステス役・草笛光子がかなり色っぽい。美人。当時彼女はまだ20代半ばだっただろうけど、さすがです。平田昭彦もダンディ。それより何より・・・佐藤允っていう俳優は「怪優」だね。日本のリチャード・ウィドマークって感じ(・・・分かる?分かる人はすごく映画に詳しい人です)。 佐藤允の個性は日本人俳優には珍しいよね。それまでの東宝に、いや日本映画界自体にいなかったユニークなタイプ。そしてユニークと言えば、カメラのアングルもとてもユニーク。広げて立った両足の間から(下から上の角度で)相手を撮ったり、殴られた相手が画面のこちら側(映画を観ている人の目の前)に飛んでくる角度で撮ったり。この映画は一般的な意味では古くてマイナーなので(ギョーカイでは有名ですけど)レンタル店では見つけにくいかもしれませんが、ぜひ観てみて下さい。当時の外車や俳優の着ているスーツを見るだけでもいいです。色使いやデザインがカッコイイよ。新宿のジャズクラブのセット(?)もステキ。僕もあの時代に20代で楽しみたかったなあと思わせるほど。


「ラブ・アクチュアリー」

傑作!思いやりにあふれたラブコメ映画。試写会で観た(・・・なんて書くと、さも自分が映画業界にいるかのようですが、知人からタダ券頂いたので行っただけ)。たぶん、2004年中に観た(&これから観るであろう)新作映画のベスト5に、今から入れておきたいと思うほど大好きな作品。「ブリジット・ジョーンズの日記」や「ノッティングヒルの恋人」と同じ製作スタッフなので、作風は想像できるはず。女性には特にウケそう。この手の映画が嫌いな人(中年男性とか?)もいるだろうけどねぇ、そういう人はほっておこう。

ロンドンを舞台に19人の登場人物がおりなすいくつかの愛の物語が同時進行で描かれる。
いまだに同僚男性に告白できないOL、亡くなった妻の連れ子(息子)と父親、ロック歌手とXXX、首相と秘書、互いに言葉の通じない英国人作家とメイドのポルトガル人など、さまざまなパターン。
セリフがいかにもヨーロッパ的ウィットに富んでいて、全編にわたってユーモアのセンスが抜群。泣いたり笑ったりの連続の映画。9・11同時テロ事件・・・あの日、Eメールや電話などで飛び交ったメッセージは決して怒りや憎悪ではなく、大切な人の安否を心配したり、最後の愛情を伝えたりする内容がほとんどだった、という冒頭シーン。そう、テロ事件を契機に、単なる男女の恋愛にとどまらず、家族、恋人、親友など、大切な人を大切に思い、愛情を伝えようという、大きな人間愛が、この映画のテーマなんだろうねぇ。40代、50代以上の大人のカップルにも観て欲しい。そして、こんなストーリーなんてわざとらしいなどと思わずに、照れずに素直に観て欲しい。単なる映画なんだからさ。これを観ると、いくつになっても「恋」って切なくてステキなんだなと改めて思ってしまうよ。そして僕らの日常だって、考えようによってはその日その日がドラマチックなのだ、と。

まず・・・・音楽の使い方がうまい! うますぎる。単に映画の効果音としてだけではなく、映画の中の小道具として重要な位置を占める。特にビートルズの「All You Need Is Love」やジョニ・ミッチェルのCD、学校の発表会で少女の歌うマライア・キャリーの曲など。

登場人物たちはそれぞれ不器用で恥ずかしがりや。西洋人とはいっても愛情や気持ちを伝えるのは決して得意ではないシャイな等身大の人たちなのだ。率直な表現を売りにすることの多いハリウッド映画の人物設定と比べると、かえってアメリカ人の率直さが下世話で節操のないものに思えてしまうほどだ。英国首相(ヒュー・グラント)が米国大統領(ビリー・ボブ・ソーントン)に毅然とした発言をするシーンは、今のヨーロッパがアメリカに対して抱いている感情を現していていいですねぇ。ローワン・アトキンソン(Mrビーンの俳優)が出てくると、役柄に関係なくそれだけで映画館は爆笑になったよ(それでいいのかどうか?いいんだろうね)。ロック歌手のキャラも面白いし、英国首相と恋に落ちるお茶汲み秘書もミリョク的。そして、エマ・トンプソンがあれほど素晴らしい大人の女性だったとは。再発見でした。難点といえば、登場人物が多すぎるという意見があるのと(僕は上手くまとめてあったと思うけど)、試写会のせいか編集がぶつ切れになっていた部分がいくつかあったこと、ぐらいかな。あんまり気にならないといえばならない。

めでたく恋がかなったカップルも、残念ながらダメだった人も、皆、恋する相手がいないよりよっぽどいいのだという作者の主張が感じ取れる。その主張の良し悪しは別として、映画として超オススメ、です。


「美女と液体人間」

確か昭和33年(1958年)前後?の東宝&円谷英二の特撮モノ。基本的設定として液体人間が悪いやつなのか、元恋人の女性(白川由美)を守ろうとしているのか訳がわからない部分はある。そういう意味で話の展開にちょっと難があるなぁ。けれどカーチェイスのロケやカラー撮影、反核のコンセプトなど、当時の日本映画にしてはよくぞここまで頑張っているなという感じ。騙されたと思って観て頂きたい。出演者の佐原健二や平田昭彦はその後TV「ウルトラセブン」などにもウルトラ警備隊参謀役などで出るので当時の子供たちにとってはとても有名な俳優になっていきます。だから余計、ほほえましく観てしまいました。白川由美(現・二谷英明夫人)の美人かつ官能的なボディも日本人離れしてていいですよ。


*********


<ここからオススメしない映画、観たら損するゾと思う映画>

以下は忙しい人が少ない時間的余裕を削ってまで観る映画かどうか疑問符の付く映画。こういう映画を好きだという人も世の中にはいるのでしょうが、その場合はご自由にどうぞと言うしかない。↓こういうのより、観るといいなと思うような映画は他にもっとたくさんあると思うんだけどね・・・。なお、以下は多少のネタバレに近い内容を含みます。映画を観ていない人にとって迷惑にならないような範囲で書きますが、ネタバレ部分があったらご容赦を。対象作品名は以下の通りですので、そのあとはスクロールしない、というのも一つの手ですが。
「ニューヨーク 最後の日々」、「インソムニア」、「ターミネーター3」、「ワグ・ザ・ドッグ」:


「ニューヨーク 最後の日々」

アル・パチーノ主演。彼や脇役陣の演技自体は素晴らしいものの、基本的設定や脚本、演出などがまるでダメ。刺激的なら何でもいいわけじゃないだろうし、その刺激も生ぬるい感じがする。音楽もよくない。ライブ演奏シーンを除いて音楽の存在感すらない。サスペンス度が中途半端でどっちつかず。恋愛映画でもアクション映画でもないが、サスペンス映画としても消化不良。日本語タイトルもダメ。原題は「People I know」--俺は顔が広いぜ、という意味合いで、その顔の広さが仇になる映画なのに、この邦題はセンスなし。というより、こんなの売れるわきゃあないだろう、と最初っから高をくくったような「やる気のなさ」が垣間見られる邦題だ。いずれにしてもパチーノは出演映画を選ぶ目がないのか? 特に’80年代以降の出演作は「スカー・フェイス」や「セント・オブ・ウーマン」などの例外的名作を除いてほとんどが駄作ばかり(いちいち挙げるのも悲しくなる)。彼の代表作がおおよそ’70年代に集中するのは仕方ないにしても、僕としては寂しい限り。まあ、彼の場合、時々映画に出て稼いだお金を、好きな舞台(芝居)製作につぎ込んでいる、というのはギョーカイでは有名な話。パチーノ自身、映画の中身はどうでもいいとまでは考えていないんだろうけど、彼の大ファンなのでやっぱり惜しいと思ってしまいます。


「インソムニア」

アル・パチーノ主演。不眠症の刑事が主人公。パチーノのあの大きなぎょろ目で不眠症といっても、ちと説得力がないよなぁ。ミスキャスト。不眠症ならアラスカより北欧の白夜を舞台にした方がいいんじゃないかと思ったら、これ、もともとデンマークかスウェーデン?映画のリメイクなんだってね。それで納得。リメイクとしてアラスカを舞台に設定したのが全ての元凶とは思わないけど、白夜の北欧の方が、もっと不眠症と神秘的犯罪にマッチする舞台だろう。題材がいいだけに惜しい。


「ターミネーター3」

それなりに予算もかけているので安直に楽しもうと思えば楽しめるけどねぇ・・・。このシリーズは悪い意味で「猿の惑星」シリーズに似てきている。続編のために無理やりストーリーを捻出しているという点で。「猿の惑星」シリーズは成功した部類だけど、「ターミネーター」シリーズは違う。特に「T-3」は。「審判の日」は結局回避することができなかったのかも、だと? なんだか安易な展開だなぁ。今までのストーリーを自分で否定するようなことして悲しくないか? 女性ターミネーターには「怖さ」が感じられないし、こういう役柄に求められやすい冷徹なセクシーさもない。シュワちゃんは相変わらずいいけど、主人公の男の子はダメ。ヒゲ面だから悪いんじゃなくて、なんだか「華(はな)」がない。いいオッサンという感じ。エンターテインメントとしてはある程度興奮はさせてくれますが、コンセプトはだらけきった駄作。


「ワグ・ザ・ドッグ」

ダスティン・ホフマン主演の政治ドラマ。どこが悪いのか上手く言えませんが、ストーリー展開といい、ホフマン自身の覇気のなさといい(覇気がないように見える)、全体がぼんやりとした駄作。外国の人は楽しめるのかもしれないけど、僕のような典型的日本人にはつまらないと思ってしまう。あまりオススメできない。


****

今回の映画は以上です。皆さんもいい映画をお楽しみ下さいね。僕が一番言いたいこと、それは「皆さんも自分なりにいい映画を楽しんでね」ってことさ。「楽しむ」ことは決してイージーでお気楽な受身の立場では成立しないと思う。忙しい毎日の生活で、お店の場所や相手、時期、対象物などを自分自身が能動的に判断し、選択していって初めて「楽しむ」ことができる、はず。「楽しんで生きることは戦いだ」って言ったのは村上龍だけど(小説「69」のあとがき)、まあ、それに近いものはあるね。映画だって忙しい中でなんとか時間を捻出し、数多い作品からこれだっ!てやつを自分が能動的に選ぶことから始まるんだから。「楽しむ」ためにさ。しっかし・・・・村上龍さんも経済コメンテーターやってないで、もうちょっと普通に小説書いてくれればいいのになぁ、と思うのは僕だけでしょうかね(笑)。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:30 | 映画言いたい放題

オススメ映画第12弾

オススメ映画第12弾。

長い内容ですので、お時間のあるときにゆっくりとコーヒーでも飲みながらお読み頂ければと思います。

今回はいくつかのオススメ映画のご紹介と、オススメではないのですが特定の映画に関したちょっとしたウンチクや個人的なエピソードなどを書きます。
毎回言ってますが、僕も全ての映画を観てるわけじゃないので、こういう映画がオススメの全てではないです。それに映画は人それぞれに好き嫌いがあって、他の作品を好む人もいると思います。それもアリです。そもそも映画なんてそんなに小難しく考え込んで観るものじゃないだろうからね。あくまでこのシリーズは皆さんのご参考までに。

そしてこれも毎回言ってますが、既に有名なクラッシック作品は(当然観てはいますが)、ここでは敢えて除いています。いろんなメディアで紹介済だから。また、いつものように、ミュージカル(例外もあるけど基本的に自分があまり理解できないから)、ゴダールやW.アレンの作品(これらの作家たちはどこがいいのか、どうも理解できない)、ポルノ、スプラッター、ホラー、戦争もの、ハリウッド的おばか大作映画なども除きます。


<オススメ映画>

「マイ・ネーム・イズ・ジョー」

ケン・ローチ監督。失業中で、草サッカーチームのコーチ(元アル中患者)の男性が主人公。底辺の生活レベルにあるサッカーチームの選手たち。ドラッグ、酒、貧困。ローチ監督がいつも題材に用いる要素がそろってる(同監督の「Sweet Sixteen」にも通じる)。貧困やサイテーの状況から抜け出ようとしてなかなか抜け出せない主人公たち。これは秀作です。相変わらず人物描写が丁寧で、どの登場人物も人間くさくて印象深い。底の浅い、単なる二枚目ヒーローやスタイルがいいだけのアホな美人が出ていないのが良い。カンヌ映画祭主演男優賞受賞。



「ゴースト・ワールド」

これは傑作!超オススメ!こういう作品を生真面目に観て怒りだすのではなく、クスッと笑いながら楽しみたいものだ。これ、単なるおバカなコメディ作品だと思う人も多いだろうけど、意外と奥が深い気がする。僕にとっては大ウケの映画でした。高校を卒業してフラフラしてる主人公の女の子(ソーラ・バーチ)は最高にユニーク!彼女なりの「ダサい、ダサくない」の価値基準が面白い。こういう女の子、成長したら出版とか広告の業界でいそうな女性のタイプかも?(あんまり言い過ぎるとどこかからツッコミを入れられそうなのでこの辺で止めときますけど。)

まあ、注目して欲しいシーンとして、廃止されて来ないはずの路線バスを、ベンチに座ってずっと待ち続ける男性。この作品の象徴的な部分と言えなくもない。これを踏まえて最後まで観てみて下さい。それにしてもソーラ・バーチとスカーレット・ヨハンソン、そしてスティーブ・ブシェミの3人はいいですねえ。個性丸出しな俳優とはこういう人たちを言うのだろうね。特にソーラ・バーチのメガネとヘアスタイルは大ウケです(笑)。


「金環食」

意外なオススメ映画発見。仲代達矢、宇野重吉、三国連太郎他の出演。昭和40年ごろに実際にあったダム建設汚職事件が題材。骨太でテンポのいい作品。2時間半以上の上映時間を全く飽きさせない。ケーブルTVで放映されてて、期待してなかったのに気がついたら最後まで観てしまってた。左翼監督として有名な山本薩夫会心の作。30年ぐらい前の作品だろうけど、それにしても出ている俳優がみんなすごく個性的。宇野重吉や西村晃、仲代達矢、山本学などは秀逸。特に宇野重吉に注目! スゴイよ、この人は。ああいう俳優たちはいかにも昔風の人間だけど、味がある。もう現代においてはあれほど個性のかたまりのような俳優たちはいなくなったような気がする。安田道代(現・大楠道代)や夏純子(現在・松方弘樹の弟の目黒祐樹夫人)なども懐かしい。題材が題材だけに今後DVD化はスムーズにされるのだろうかね?どっかからの圧力があると、ちと難しいかもねえ。映画を観終わった後、インターネットで検索してみても、この映画、他の一般映画ほど積極的に紹介されていないように見えるし(考え過ぎ?)、モデルとなった実際の汚職事件がどうだったのかも特に触れられていないHPばかり。いずれにしてもこれは一級の社会派映画です。


「戦争と人間」三部作

山本薩夫監督と言えばこの作品。’70年代初頭の製作。昭和初期の日本と中国大陸、特に満州やソ満国境が舞台。どの作品も各3時間ぐらいあるからホントに「大作」。冒頭で断ったように基本的には戦争をテーマとした映画は除きたかったのですが、やはりこれは骨太のしっかりしたものなので例外的に。これぐらいのハイレベルな大作を作れる技術や情熱があるとするならば、日活もなんでこれを最後にロマンポルノに移行せざるを得ないほど業績悪化してたのかが、シロウトにはよく理解できなくなってくるけどね。大作にありがちな、歴史や大事件ばかりを追っていって登場人物の描き方が雑になるということもなく、人物描写がそれぞれ丁寧です。ここでも若き日の北大路欣也や山本圭などの芸達者が、この手の大作映画を華のある人間ドラマとして幅を持たせている。かなり左翼系の映画。俳優座(?だったと思うが間違ってたらごめん)などの左翼系劇団が協力してるのも当然か。昔も今も共産主義をこれほど肯定した日本の反戦映画も珍しいのではないか。僕は右翼がいいとも左翼がダメとも思わないけど、自分なりの思想的な基礎はしっかり持って観た方がいい映画だろうと思う。音楽もスケールの大きいテーマ曲で秀逸。第3部のクライマックスは旧ソ連軍とモスフィルムの協力を得た(だったと思う)ノモンハン事件の戦闘シーン。なにせ僕が中学生ぐらいの時にTV放映で観ただけだから、記憶が不確かなところはご容赦下さい。


「ビューティフル・ガールズ」

ティモシー・八ットン主演。NYでピアニストをしている主人公が10年ぶりに高校の同窓会で故郷に帰ってきて高校時代の友人たちと再会する。何をやればいいのか自暴自棄になっている主人公。マット・ディロン、ミラ・ソルヴィーノ、ナタリー・ポートマン、ユマ・サーマンなど出演人も多彩。雪景色やスケートのシーンがいい。何の変哲もない、ただのB級青春ノスタルジー映画かもしれないけど、なぜか最後まで観ちゃう映画。脇役も含めて登場人物を丁寧に描いているからだろうね。女性にファンが多そうな映画。


「青の稲妻」

中国の大同が舞台の、一種の青春映画か。19歳の無職の少年二人と、一人の少女のけだるく虚無的な毎日を描く。これは賛否両論アリで、こういう作品を嫌う映画ファンもいると思う。1シーン1カットの長回しが多用されてて、一見退屈だしね。全体的な印象として、ゴダールの「勝手にしやがれ」を連想してしまった。自転車で1回転するシーンや、バイクのエンジンがかからなくて何度も挑戦し、やっと上りきったところには何もなかったというシーンなどはまさしくゴダール的。欧米の映画人がこの作品を絶賛してるとは言うけど、ちょっと癖のある映画かもね・・・・。観るか観ないかは皆さん次第だけど、挑戦してみますか?


「マッド・ドッグス」

リチャード・ドレイファス、ジェフ・ゴールドブラム、カイル・マクラクラン、バート・レイノルズ、ガブリエル・バーン、ダイアン・レイン、エレン・バーキン、グレゴリー・ハインズ他多数出演。一見ハードボイルドなギャング映画だろうと思ってクソ真面目に観て、もし憤慨する人がいたとしたらそれは筋違いだろう。「キル・ビル」なんかもそうだろうけど、この手の映画を妙にマジメに観るからだよ。一種のパロディとして余裕を持ってクスッと笑いながら観た方がいいのではないかという気がする。ほんとに面白いよ。プロが書いたこの映画の解説書には「タランティーノ的な部分がある」という、よくある決まり文句があったよ。確かにその手の雰囲気はあるが、それを言い過ぎるとかえって引いてしまう映画ファンもいるからなぁ。難しいところ。単純に面白がって観てくれれば、という気がする。


「DRIVE」

傑作です!SABU監督、堤真一主演。相変わらずこのコンビはいい! 昔のJフォード監督&Jウェイン、黒澤監督&三船敏郎、今ならスコセッシ監督&デニーロなど、監督と主演俳優の名コンビぶりは古今東西たくさんあるけど、今の日本でもあるんですね。脇役の寺島進や筧利夫などもすんごくいい演技です。特にこの二人のキャラはバカウケ。ストーリーは銀行強盗やった後で仲間割れが起き、金を持ち逃げされた残りの3人が堤真一運転の車に乗り込んできて追いかけろという。まあ、これも一種のロードムービーと言えなくもない。SABU監督の一連の作品と同様、終始走りまくり、の映画です。柴崎コウの使われ方(登場シーン)と、彼女が持っている赤い傘にもご注目。


「アメリカンヒストリーX」

エドワード・ノートン主演。白人至上主義者のリーダーだった主人公が服役をキッカケに考えを変える。人種問題を真正面からとらえようとした問題作。決してこの映画の内容を賞賛しきれるものではないし、誰にとっても受け入れられるテーマではないだろうけど、ノートンのマッチョな体とスキンヘッドの名演技は特筆モノです。それまでの彼のイメージを全く変えた。彼の演技は高評価されてしかるべき。


「ザ・ロイヤル・テネンバウムス」

この映画を観た人は「ホテル・ニューハンプシャー」を思い出すのではないでしょうか。各自強烈なキャラをもった家族の物語。隠れタバコの不良グウィネスもいいが、ベン・スティーラーとその息子たち(双子)計3人の赤ジャージー姿が笑える。


「イノセンス」 (攻殻機動隊2)

これを書いている時点では実はまだ公開されていない。自分が観ていない作品を早くもオススメに入れるのは暴挙ですが、よっぽどの期待があるということでお許しを。保障はしませんけど。ま、1作目がよかったからね。2004年3月公開予定。タイトルは最初「攻殻機動隊2」だったらしいけど、監督が「イノセンス」に変えたんだとさ。

まず、映画「攻殻機動隊」は日本アニメ史上最高レベルのアニメの一つだろう。これはスゴイ。そもそも攻殻機動隊のTVシリーズは通常アニメの2倍の制作費だったそうな。うーん、納得せざるを得ない・・・。素晴らしい。完成度高し。カメラのアングル(アニメでこういう言い方をするかどうか知らんが)、人物の顔の表情、構図、セリフ内容のオトナっぽさ、どれもこれもすごすぎる。

で、「イノセンス」。インターネットで予告編をダウンロードしてみたら、テーマ内容も高尚のよう。この手の映画はテーマが幼稚では成り立たないからね。主題歌は伊藤君子の「Follow Me」・・・学生時代からよく聴いてた曲なので懐かしいと同時によくもまあ、予告編の雰囲気に合っているものだと選曲自体に感心した。いい曲だよねえ。僕の友人でJAZZミュージシャンをやってる人が、伊藤君子さんのボーカルレッスンを受けていたことがあって、その友人に数年前に某ライブで客席に来ていた伊藤さんを紹介してもらったことがある。もう涙モノでした。昔から伊藤さんのファンだったから。

この手の映画をアニメでなく、なぜ実写でやらないのか、と疑問を呈する人も中にはいるだろう(疑問じゃなくて愚問だよ、はっきり言って)。確かに、「キューティーハニー」、「デビルマン」、「鉄人28号」など、昔はアニメだったのを最近は実写で映画化されている傾向が日本では強いですが。でも、そういう人に言いたい。そういう人は、実写=高度で価値があるけど、アニメ=単なる子供向けで幼稚、という昔ながらの価値観しか持ち合わせていないのではないかと。今じゃ、たとえ実写で表現できる技術があったとしてもアニメでやる人はいるよ。アニメで表現したっていいじゃないの、そうしたいんだから。実写が上でアニメが下だなんて思ってる人は、アナクロニズムの偏執狂だろう。

ちなみに蛇足ですが1作目のタイトルは「甲殻・・・」でも「功殻・・・」でもなくて、「攻殻・・・」ですからね、念のため。


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<オススメじゃないけど、マレーシアに関連する映画&その他の映画のウンチク>

以下は多少のネタバレに近い内容を含みます。映画を観ていない人にとって迷惑にならないような範囲で書きますが、ネタバレ部分があったらご容赦を。対象作品名は以下の通りですので、そのあとはスクロールしない、というのも一つの手ですが。
「ハリマオ」「女衒 ZEGEN」「エントラップメント」「熱い絹」「サンダカン八番娼館 望郷」「ラッフルズホテル」「アンナと王様」。


「ハリマオ」

陣内孝則主演、和田勉監督。太平洋戦争当時のマレー在住の日系人で、谷豊という実在の人物の半生をモチーフにした映画。ハリマオとはマレー語で虎を意味し、彼の別名として知られている。谷豊が旧日本軍のマレー侵攻作戦に協力するくだりを描いていて、このアクション作品はかなり実話に忠実に映画化しているけど実際の事実関係とは少々異なる設定になっている所もいくつかある。映画だけをご覧になった方は、(映画自体は面白くてなかなかの出来だとは思うけれど)中野不二男著のノンフィクション・ルポルタージュ、「マレーの虎 ハリマオ伝説」(文春文庫)をお読みになることもお勧めしたい。舞台は映画も本も、クアラトレンガヌやクアラカンサー、マレー半島全域、バンコク、シンガポールなどだ。谷豊が入っていたというプードゥー刑務所は現存している(使用されてはいない)。僕のマレーシア駐在中、日本商工会議所の会議に出るために車で刑務所の前を何度も通りかかったなあ。この刑務所のすぐ近くに、夜だけ開いているお粥の店がある。潮洲(テオチュウ)粥の店で、お粥のおかずになるトッピングがどれもこれもすごく美味かったのを覚えてる。よく食べに行ったもんです。タクシー運転手やお店がはねたあとの華人系ホステスさんたちも食べに来ているぐらいだから、ホントに美味い店なんだよね。


「女衒 ZEGEN」

緒形拳主演、今村昌平監督。東南アジアでその名を馳せた平岡伊平治の、伝記的な映画。平岡伊平治は20世紀初頭、香港からフィリピンに渡って日本人娼館を営んでいた人物であるという。困っている在留邦人の世話もよくしたとかで、その人物像は侠客のような存在として知られている。映画では設定を少し変え、香港の次はマレーシアのポートスエッテナム(現ポートクラン)で娼館を経営する形になっている。この映画のマラッカ・ロケの撮影に助太刀として加わったマレーシア在住の日本人カメラマン多賀谷氏を、僕がマレーシアに駐在している時に共同テレビのH氏から紹介されて、2度ほど夕食を共にさせて頂いたことがある。多賀谷氏はマレーシアで既に20年以上も暮らすベテラン映画人で、マレー系女性と結婚してムスリムになっていた。僕に昔の東映、日活時代のエピソードなどを話して下さった。新宿でヤクザ映画を撮影する時に、あの筋の人たちにどうやって話を通しておくか、とかね。嬉しかったなぁ、いろんな話を聞けて。多賀谷さんも僕があまりにも楽しそうに映画の話を聞いているので、「君もホントに映画が好きなんだなぁ」と言ってたっけね。


「エントラップメント」

ショーン・コネリー、キャサリン・ジータ・ジョーンズ主演。クアラルンプールにできたばかりのペトロナス・ツイン・タワーをロケに使用した映画。マレーシア政府はこの映画の撮影に全面的に協力したそうだけど、映画公開後は遺憾の意を表明した。問題になったのは、このペトロナス・ツイン・タワーがスラム街の中心にそびえ立っているように見える点。これは合成映像で、スラム自体はマラッカ州でロケ撮影されたものだという。実際のツイン・タワーは市内の中心部に位置し、スラム街の中にはない。1999年6月26日付の日本経済新聞では、マハティール首相が映画名こそ出さなかったものの、「先進国の観客はこの映画を見てマレーシアが公的資金を浪費していると思い込んでしまう」と批判したことを伝えている。映画自体はエンターテインメントとしてはとても面白かったけどね。


「熱い絹」

映画というわけじゃないんだけど、松本清張の「熱い絹」という小説が原作で、1998年に主演鈴木京香、村上弘明で2時間のスペシャルTVドラマとして製作された。これは、実際に1967年にマレーシアの高原、キャメロンハイランドで起きた、タイ・シルク王ジェームズ・H・W・トンプソン(小説ではジェームズ・ウィルバー)の失踪事件を題材にしている。ロケはマレーシアで行われた。当時の日本人会の会報にはエキストラで出演した日系人のエピソードも載っている。鈴木京香のコメントで、「マレーシアでジャランという単語が多いのはなぜですか? ああ、道路だとか、通りの意味だからなんですね」なんていう内容の記事も載っている。僕がマレーシアに駐在している時、週末に車をとばしてキャメロンハイランドに何度か行ったことがある。東京の5月初旬ぐらいの気候かな。涼しい。小説やドラマに出てくる「月光荘」(ムーンライトコテッジ)は現存していた。華人系の女性管理人がいて、見学をお願いしたけど、あっさりと断られた。 そしてキャメロンハイランドのお茶畑は圧巻!緑がとてもきれいな段々畑でした。日本から行くにはちょっと手間ヒマがかかるだろうけど、機会があれば是非一度は行ってみることをオススメしたい。ここの紅茶ブランドは「BOH(ボー)ティー」というんだけど、「Best of Highland」の略です。また、ここは蝶の愛好家の間ではものすごく有名なところ。マレーシアの国名は知らなくてもキャメロンハイランドの地名はよく知っているという日本の蝶愛好家は多いんだってさ。キャメロンに僕を誘って一緒に行ってくれたことのある、蝶の愛好家でもあるT社マレーシア社長のS氏がよく言ってた。ラジャブルックはマレーシアの国蝶。「熱い絹」では蝶もキーポイント。ネタばれになるからこれ以上は書かないけど。


「サンダカン八番娼館 望郷」

山崎朋子のノンフィクション作品、「サンダカン八番娼館」を社会派の熊井啓監督が映画化した。ロケもマレーシアで行われたそうだ。主演はこの作品を最後に他界した往年の大女優、田中絹代。からゆきさんを演じた。女性史研究家役は栗原小巻。田中絹代はこの映画の名演でベルリン映画祭女優演技賞を獲得した。僕がマレーシアに駐在していた時、中国旧正月(チャイニーズ・ニュー・イヤー)の休暇で、ボルネオ島(インドネシア側では同じ島をカリマンタン島と呼ぶ)のコタキナバルやサンダカンを訪れたことがある。ノスタルジックな感傷以前に、雨(スコール)が降って大変だったのを覚えてる。この映画を知らなかったら、わざわざサンダカンまで行くことはなかったと思うなぁ。 ・・・「ボルネオ」って明らかにマレー半島内の雰囲気と違ってて、なんとなく文化圏が違うような気がしました。マレー半島からボルネオに行く場合は、今でもパスポートが必要なんだよ。独立志向のボルネオ(サバ州、サラワク州)にとっては、それが連邦制に加入する条件というか、一種の自己主張だったとか。


「プロゴルファー織部金次郎5」

オススメ映画シリーズ第7弾を参照。


「ラッフルズホテル」

村上龍監督作。シンガポールのラッフルズとマレーシアのフレイザーズヒルが舞台。内容は全くオススメではない。駄作。藤谷美和子は演技下手だし、とりたてて特筆するテーマもないと思う。ただ、僕がマレーシアに駐在していた頃、福建系シンガポーリアンの大親友を訪ねてシンガポールに何度か行ったのを思い出す。たいていは家族ぐるみでクリスマスシーズンだった。何度か彼の実家で母上に食事をご馳走になったっけね。彼とはこれまでにプーケットやペナン、六本木、KLなど、いろんなところで飲んで遊んだけど、シンガポールではラッフルズ内のロングバーで時々飲んだことがある。映画でもラッフルズホテルが舞台で、ロケに使われてた。ここのバーの床にはつまみのナッツの殻が一面に捨てられている(そうするのがここでのマナーらしい)。天井には大きなファン(扇風機)が回ってて、いかにもコロニアル風のノスタルジックな雰囲気を出してたなぁ。たぶん、今はファンじゃなくて、大き目のウチワになっているんじゃないかと思うけど。ちなみに、その大親友も今じゃ3児の父親だ。僕も2児の父親。最初に彼と知り合った頃はお互い独身の20代だったけどね。今も絶えず連絡を取り合ってる。


「アンナと王様」

僕がマレーシアに駐在していた時、1999年の初め頃?から、往年の名作「王様と私」のリメイク版として、マレーシアのペラ州(イポー)とペナン州で撮影された。主演はジョディ・フォスターとチョウ・ユンファ。元々はオリジナル作品と同じようにタイ(旧シャム)でのロケが検討されたけど、前作でシャム王が不当に描かれていたとかで、タイ政府が撮影許可を出さなかったらしい。そこで代替地として隣国マレーシアに白羽の矢が立ったんだってさ。リメイク版に出演する象さんたちも、マラッカ動物園からペナン、イポーに移送されたという。当時のマレーシアの地元新聞によると、イポー市内にあるバンガローハウスを撮影隊の宿泊に使用するために20世紀フォックスが高値で借り受けたいと申し出ていたらしい。バンガローハウスの持ち主はティミー・リーさんという。ティミーさんの姉、キャシー・リーさんは、オリジナル作「王様と私」に主演した故ユル・ブリンナーの奥さん。縁があるんだろうかね。

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今回は以上です。皆さんもいい映画をお楽しみ下さいね。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:28 | 映画言いたい放題

オススメ映画第11弾

オススメ映画第11弾。

最近、某映画関係のコンサルティングの仕事が偶然僕に入ってきて、趣味として好きな映画を仕事にはしたくない反面、このギョーカイの勢力関係図やビジネス慣行をある程度知ってて助かったと思うこともしばしば。ワンソース・マルチユース、権利ビジネス、総合芸術、バクチ性・・・この手のフレーズがこのギョーカイのキーワードなんだってさ(経済産業省の某研究HPによる)。やっぱり特殊なビジネスだもんねぇ。それに製作者(プロデューサー)の仕事がいかに大変か、わかってきた。アカデミー賞でも、作品賞をプレゼンターが授与する相手は監督でも主演俳優でもなく、製作者(プロデューサー)に対してだもんね。

ということで、今回も最近(又は何年か前に)僕の観た映画の中からいくつかご紹介いたしましょう。

毎回言ってますが、僕も仕事を持っていてそれほど暇ではなく、それゆえ全ての映画を観てるわけじゃないので、こういう映画がオススメの全てではない。子供の頃に観た作品を紹介したり、個人的に不眠症の時間を使って観たりしてるだけ。映画に限らず嗜好品は読んで字のごとく、そもそも人それぞれに好き嫌いがあって、他の作品を好む人もいると思います。マイナー作品がいいとは限らないし、ハリウッドの大作映画が悪いばかりとも限らない。なにより映画なんてそんなに小難しく考え込んで観るものじゃないだろうからね。あくまでご参考までに。このシリーズ原稿も細切れの時間(1日10分とか)を使って少しずつ書き溜めているので、ほんとに暇でやってるんじゃないからね、念のため(笑)。好きでやってる。それだけ。

そしてこれも毎回言ってますが、既に有名なクラッシック作品は(当然観てはいますが)、ここでは敢えて除いています。いろんなメディアで紹介済だものね。また、いつものように、ミュージカル(例外もあるけど基本的に自分があまり理解できないから)、ゴダールやW.アレンの作品(これらの作家たちはどこがいいのか未だに理解できない)、ポルノ、スプラッター、ホラー、戦争もの、ハリウッド的おばか大作映画なども除きます。


<オススメ映画>


「めぐりあう時間たち」

異なる3つの時代に生きる3人の女性の、ある一日を同時に描く。原作はかなりの文学的作品らしくて映像化は難しいとされてたらしい。苦悩、人生や幸福の意義、自殺願望、それぞれが抱える避けて通れない問題。二コル・キッドマン(作家ヴァージニア・ウルフ役)、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープの主演3人がいい演技をします。決してセリフをしゃべりまくるだけの単純なものではなく、抑制し、寡黙な心理描写を伴った演技。キッドマンなんか画面ではキッドマンの顔と最初は分からなかったほど、役に入れ込んでたみたい。Mストリープは確か50歳代前半のはず。素敵です。いいですよねぇ、魅力的な小じわのある、中年女性って。好感。僕の年齢が十代の若造だったらこういう中年女性の魅力はもしかしたら感じ取れなかったかもしれないけど・・・。この映画でキッドマンはアカデミー主演女優賞を受賞。でも3人のうちのどの人が主演賞をとっても不思議ではなかったと思う。そして目立たないけど脇役陣も見事。エイズ感染者役のエド・ハリス、メリル・ストリープと同居しているレズビアン・パートナー役のアリソン・ジャニーなどは出番はとても少ないのですが、強い印象を残す存在感があります。しかも、俳優だけでなく脚本や演出、撮影などもいいと思う。3つのエピソードごとにフィルムの質感を変えている撮影は秀逸です。異なる時間軸ドラマをうまく編集した編集者の能力も相当レベルが高いのではないか。派手なアクションや大仕掛けのCGがなくても、これだけ質の高いドラマができるというのは、今の時代なら、なおさらいいですよね。でも、こういう作品を嫌う人も、世の中には結構いるだろうなと思うことも付け加えておきます。



「シティ・オブ・ゴッド」

ブラジル映画。以前、このオススメ映画シリーズでサントラCDを紹介していたので既に観た人もいるはず。これはスゴイ。ブラジル・スラム街の「仁義なき戦い」子供版って言えるかも。少年たちの演技がうまい。ソウルやファンクの音楽もかっこいい。バイオレンスシーンではちょっと過激かなと思うけど。カンヌ映画祭ではかなり注目を集めたらしい。最近の中南米の映画ってホントにあなどれないね。



「アモーレス・ぺロス」

メキシコ映画。今回のイチ押し、かな。原題は「犬のような愛」っていう意味だってさ。映画に詳しい某友人(いつもの飲み仲間)に数ヶ月前から勧められていて、やっとビデオ借りて観ました。観た後も原題の意味合いはよくわからんかった。「メキシコのタランティーノ映画」みたいな事がビデオパッケージには宣伝してあったよ(注)。確かにそれらしき脚本構成。じゃあタランティーノが嫌いな人はどうすんじゃい?ってな感じもあるけどね。でもね、そろそろ、ブラジル映画なのに、とか、メキシコ映画の割には、なんていう偏見フレーズは使わないようにしたいと思わせてくれるほど、デキのいい作品だと感じました。ただ、この映画の表現手法に嫌悪感を持つ人もいるだろうけどね。

3つのエピソードから構成され、「犬」を共通項(というか、何かのメタファー=暗喩)に使用している。犬を実際には傷つけていないという「お断り」が出るけど、映画を観ると、そうとは思えないほどリアルに犬が傷つくシーンがある。犬や動物全般を好きな人は観ない方がいいかのかもなぁ。それぐらいどぎつい場面や暴力描写のオンパレード。性交場面もそれなりに過激。だけど脚本や人物描写がすごくしっかりしているということは言えるわけで、冒頭シーンからかなり引き込まれ、魅せられます。各登場人物はそれぞれのエピソードに共通して出てくるし、微妙に関係がある(又は関係が生まれてくる)設定。同じ場面を違う角度から違う登場人物の目で描く・・・。そこがタランティーノ的なのね、たぶん。

(注:もし’50年代ならキューブリック的と言って欲しいところ。どういうことか分からない人はキューブリック監督のモノクロ映画「現金(げんなま)に体を張れ」をまず観るべし。タランティーノもキューブリックをサンプリングしただけってことが分かるはず。)

愛に餓え、大切な何かを失くした人たち。難しいのは第2話の不倫カップルの心理芝居か。これがわかりゃあ、少年少女は卒業してオトナかもね。第3話の仙人のような殺し屋はこの映画をどう締めくくるのか。



「ヴァニラ・スカイ」

スペイン映画のハリウッド・リメイク版(だったと思う)。トム・クルーズもこういう映画に首を突っ込むとは、単なる二枚目アイドル俳優では終わらないぞという根性というか、見上げたところがあるとは思う。睡眠、白日夢、現実逃避?がテーマか。けど、「結論は何だよ、わからない終わり方だなあ・・・」的な部分はあるから、賛否両論アリの映画だろうね。クルーズの意欲は買おう、という映画。オリジナル映画の方がいいと言われると、ちょっと苦しいかも。 題材に不足して外国映画をリメイクし過ぎの感のある最近のハリウッド。Tクルーズよ、そこは自覚してるのか?



「突入せよ! あさま山荘事件」

当時の長野県警と警視庁のそれぞれの描き方について、実際の当事者たちからしてみれば異論反論はあるみたいだけど、確かに「警視庁からきた現場のリーダー役所広司のジレンマ VS 愚鈍で間抜けな地元県警」という対立図式は映画を成功させるのに役立っている設定だろう。全編、ハードでストイック、冷徹でドキュメンタリーな感じを押し出した作品に仕上がっている点は評価していいと思う。特に、警官が頭を撃ち抜かれるシーンや、犯人たちを冷静なカメラの目でできるだけ客観的に(報道番組的に?)見ようとしているところ、などは特徴的。この映画のドキュメンタリータッチなテイストに一役買っている。日本映画でも頑張っている作品があるということ。原田監督はよくやっている。そして遠藤憲一、伊武雅刀、宇崎竜童、豊原巧輔、椎名桔平などの脇役陣がとてもいい味を出している。こういう脇役陣にも注目。


「GONIN」

もう10年近く前に観た松竹の奥山プロデューサー渾身の作品。主演の佐藤浩市もいいけど、本木雅弘や椎名桔平などもいい役で出てる。この手のバイオレンス映画は苦手な人もいるだろうけど、一度だまされたと思って観ていただければと。ホントにだまされたって言う人も出てくるだろうなあとは思うが。全編バイオレンスの底に流れるこの映画の静かなテーマは、もしかしたら人間の「業(ごう)」や「性(さが)」だったのかもね。



「アイズ・ワイド・シャッド」

Tクルーズ&Nキッドマン主演。スタンリー・キューブリック監督(遺作)。キューブリックというだけで無条件に高い評価をするわけじゃないけど、やはりこの監督の感性は凄いと思う(―「時計じかけのオレンジ」しかり――)。
ロンドンの郊外で夜ごと開かれる秘密の性的仮面パーティー。性の倒錯と呼ぶか、はたまた崇高な精神世界と取るか。ハリウッドのおばか大作映画ばかりに出てないで、こういう作品を選ぶ目があるということで、今後もTクルーズには少し期待を持てそうと言うべきか。



「スナッチ」

ガイ・リッチー監督。ダイヤモンドを強奪(スナッチ)するお話。これは面白いよ。オススメ。小気味いい演出。ワンシーンごとにスポットが当たる役がそれぞれ違うのはタランティーノ的な部分があるような気もする。特にブラッド・ピットがどこの国の言葉でもないセリフをしゃべったり、ベニチオ・デル・トロがかっこよかったりする。集団での犯罪やストーリー展開には「ロック、ストック&ツースモーキンバレルズ」に通じるテイストがあるかもね。


「失踪」

キーファー・サザーランド、ジェフ・ブリッジス、ナンシー・トラビス、サンドラ・ブロック出演。何年も前に観たのだけど、たぶんカルト作になっているかもしれない。ドライブインで忽然と消えた(失踪?)妻を捜す夫。それを助ける女性役のNトラビスがとてもいい。この作品で一挙にファンになったほど。まぁ、場末のレストランのウェイトレスにこれほど頭が良くて性格のいい人がいるとは驚きだ、と言ったら偏見か。



「ぼくは5歳」

1970年前後?の日本映画。宇津井健主演。ビデオ化されていなかったと思う。だから今はテレビ放映でもされない限り永遠に観る事ができないかもしれないけど、敢えてオススメに入れときます。いい作品だと思うから。僕が小学生か幼稚園ぐらいのときにテレビ放映で観た。四国から5歳の男の子が大阪に出稼ぎに出ている父親を訪ねて一人旅をするという、「母をたずねて三千里」系のストーリー。男の子が父親との思い出の場所をいくつかスケッチブックに描いていて、それをたどりながら旅をする。僕は四国に住んでいたし、当時は存在した宇高連絡船(香川の高松と岡山の宇野港を結ぶ定期船)や大阪万博などの時代背景も懐かしいけど、なにせ男の子の演技がとても上手かったのを覚えてる。宇津井健はあの頃も今も大根役者。

私事ですが、当時、この映画のテレビ放映の前後に祖母は僕にモノクロの大きな写真を見せてくれた。宇津井健とこの作品の男の子がプライベートで写っていた。男の子は祖母の親友のお孫さんだったんだって。映画撮影中に撮った写真だとか。今はどうしてるんだろうなあ。男の子はその後いくつかの映画に出演したらしいけど。


<オススメしない映画>

ここから、一般的にはヒットしたように見えるけど、その実、駄作だろうなあと思ったり、観たら損するぞと思ったりした映画。
「ソラリス」(リメイク版)、「アルマゲドン」、「パールハーバー」、「Kids」・・・
もちろんこういう映画↓↑を好きな人も世の中にたくさんいるだろうから、そういう人を止めも反対もしないけどね。
以下は「ネタばれ」部分が若干含まれますので、映画を観ていない方はここからはご遠慮くださいませ。


「ソラリス」

駄作なのはGクルーニー主演のリメイク版の方。恋愛映画にしたいのか、惑星ソラリスの神秘性に挑みたいのか。この映画は前者に思えるけど、それでいいんですか?って感じ。メロドラマならソラリスのリメイクじゃなくても良かったのでは? オリジナル作のソ連製タルコフスキー監督バージョンは、確かに難解で哲学的と言われ、それほど一般ウケしなかったけど、その分、何年も語り継がれているし、いくつもの論争に耐えうる内容だったんだと思う。オリジナル作の「惑星ソラリス」はオススメだけど。この題材は、惑星ソラリス自体をもっと哲学的に深く描かないと映画製作する甲斐がないような気がする。


「アルマゲドン」&「パールハーバー」

この映画の製作者&監督のコンビは最悪。前回(オススメ映画第10弾)で「パールハーバー」のところでも書いたけど。「パールハーバー」なんて戦争映画や歴史映画で避けて通れない「時代考証」をけっこうすっ飛ばしてるもんね。エンターテインメントに徹し過ぎ。こういう題材を扱う時はもっとまじめにやれと言いたい。勝者と敗者のどちらが正しいか、なんて無益な論争は別にしてさ。根拠があろうとなかろうと白黒つけたがるのはアメリカ人の特徴かもしれないけど・・・。
で、「アルマゲドン」は、世紀末思想に端を発する基本設定はよしとしても、何かにつけて大げさ。これではエンターテインメントとして観ても引いちゃわないか? エアロスミスの主題歌をバンドメンバーの実の娘が出演してるシーンで使われると返って興ざめ。この女優も最悪なら、一度は行方不明になったベン・アフレックが救世主のように現れて、それまで困難だった掘削作業がすぐに解決するにいたっては、脚本が安直すぎ。でもこの製作者&監督って、「ザ・ロック」や「バッドボーイズ」シリーズも作ってんだよね。あれは、まあ、エンターテインメントとしてはいいかな、と。


「Kids」

今や有名女優となったデビュー当時の少女クロエ・セビニーの存在感は最高です。「タクシー・ドライバー」における14歳の娼婦役ジョディ・フォスターの存在をほうふつとさせる。ただ、エイズとセックスとドラッグと酒を題材にしたティーンの映画なら、どんな作品でも刺激的になり、刺激的だから注目作となる・・・という安易な図式はもういい加減にしろと言いたい。注目すべき衝撃作がいつも良質とは限らない。製作はかの有名なガス・ヴァン・サント(グッドウィルハンティング、マイプライベートアイダホ等の監督)だけどねぇ・・・。この映画の監督は写真家出身で、初監督の本作でかなり注目されたらしいけど、僕としては生理的に吐き気がする作品。観客に吐き気をもよおさせるのが作者の狙いなら成功と言えなくもないが、そんなのはやっぱりちょっと避けたい。ドキュメンタリータッチで主人公たちの24時間をハンディカメラで追うコンセプトはいいと思うし、子供に近い若手俳優たちに自然な演技をさせているところもいい。確かにいいところがいくつかある。冷静に鑑賞するとね。けど、クロエ・セビニーの存在以外は、やっぱり吐き気がするんだよ、全体的に。多分、映画の冒頭でディープキスしてる主人公役の男の子の風体が生理的にダメなんだろうな。とても気持ち悪い顔つき。ソイツが元凶だったのかも。


今回は以上です。皆様もいろんな映画をお楽しみ下さいね。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:27 | 映画言いたい放題

オススメ映画第10弾

オススメ映画第10弾。

今回はドラッグやロードムービーなどがテーマのちょっと変わったインディーズ系を中心にご紹介します。
毎回言ってますが、僕も全ての映画を観てるわけじゃないので、こういう映画がオススメの全てではないし、そもそも人それぞれに好き嫌いがあって、他の作品を好む人もいると思います。マイナー作品がいいとは限らないし、ハリウッドの大作映画が悪いばかりとも限らない。それに映画なんてそんなに小難しく考え込んで観るものじゃないだろうからね。あくまでご参考までに。

ただし、既に有名なクラッシック作品は(当然観てはいますが)、ここでは敢えて除いています。いろんなメディアで紹介済だものね。日本映画でも、小学生時代から今までの間で、大映の座頭市シリーズや悪名シリーズ、日活アクション、松竹メロドラマ、東宝社長シリーズなど、かなりの本数を観てきましたし、「ローマの休日」や「スミス都に行く」なんていう洋画のクラッシックも何度も観ていますけどね。

また、いつものように、ミュージカル(例外もあるけど基本的に自分があまり理解できないから)、ゴダールやW.アレンの作品(これらの作家たちはどこがいいのかあまり理解できない)、ポルノ、スプラッター、ホラー、戦争もの、ハリウッド的おばか大作映画なども除きます。


「ドラッグストアカウボーイ」

ガス・ヴァン・サント監督、マット・ディロン主演のインディーズ系映画。
10年ちょっと前ぐらいの制作だった記憶がある。
ジャンキー4人組グループがあちこちのドラッグストアでクスリを強奪して回るというロードムービー的なストーリー。
どこかの映画解説には「俺たちに明日はない」の麻薬中毒者版だと書かれてあったと思う。破滅に向かって走り去ってゆくジャンキーたち。
舞台は確か’70年ごろのオレゴン州ポートランド。
この映画の俳優たちの演技に注目。監督の演出が良いせいでしょうか。ケリー・リンチやへザー・グラハムなど、当時はそれほど有名ではなかった女優さんたちはとても存在感があるし、何よりアイドルを脱皮しようともがいていたはずの「役者(ヤクシャ)」マット・ディロンが深みのある渋い演技を見せます。
「裸のランチ」や「ジャンキー」などの小説を書いたウィリアム・バロウズがジャンキーの神父役でゲスト出演。彼は俳優業なんかシロウトのくせに、これがまた味があっていいのです。
誰にでもウケル映画じゃないだろうけど、破滅型インディーズ系映画を好きな人や、ビートニクス&ドラッグに興味のある人にはオススメの映画。



「マイ・プライベート・アイダホ」

これもガス・ヴァン・サント監督のインディーズ系ロードムービー。インディーズにはロード・ムービーが多く、個人的には僕の好きなジャンル。これは「母を訪ねて三千里」のアメリカ映画版か?主人公(リヴァー・フェニックス)が行方不明の母親を捜し求めて、その友人(キアヌ・リーブス)と旅を重ねていく。舞台はシアトル、ポートランド、アイダホ、イタリア、再度ポートランド。二人はもともとポートランドのストリートでオトコに体を売る美少年仲間。ヘアスタイルもそれぞれカッコイイ。こんなの単なるドラッグ&ロード・ムービー版「モーリス」だろ?なんて否定的に言う人もいたとか。好き嫌いは分かれる映画かもしれない。ただ、カメラ(撮影アングル)やフィルムのコマ送り調整、色彩(荒涼感と寂寥感あふれるアイダホの大地!)なんかがすごくよくて、哲学的な章割りも含めて’70年前後のアメリカン・ニュー・シネマに近いものがある。狙ってたのかも。結局主人公の彼は何を探していたんでしょうね?(母親を「捜す」だけではなくて、何かを「探す」旅だったのかもしれない・・・・)
この映画の2、3年後、主演のリヴァー・フェニックスはドラッグで死んだ。Jディーンもそうだけど、生き急ぐアーティストには何かしら共通する雰囲気と妖しい魅力があるような気がする・・・。惜しい才能だと思う。



「バタフライ・キス」

いつもの映画通の某友人に勧められて観たら、やっぱり凄かったUKのロードムービー(苦笑)。これはシュール。ぶったまげた。おどろおどろしい所もあるから、この映画に嫌悪感を持つ人がいたとしても不思議ではない。へんてこりんなインディーズ系映画に挑戦したい人向けに。北イングランド(ランカシャー地方)を舞台にしたロードムービー。「テルマ&ルイーズ」のアングラ系&暗めの映画UK版か。高速道路でヒッチハイクする度にドライバーやガソリンスタンドの店員たちを殺して回る女主人公(アマンダ・プラマー)と、それに引き寄せられるように行動を共にする女性。ビョークなどの音楽を効果的に使っている。特にラストは秀逸。フィルムの粒子や色彩を変え(カラー抑え目)、音楽もかぶせて神秘的なクライマックス。何の為に連続殺人を犯したのか、映画では特に語られない。生死や罪という概念を哲学的に考えたいならこの映画を。そんなの難しくて要らないよ、という人は、できれば雰囲気や不思議さだけでも味わって頂きたい。ちなみに主演のA.プラマーは名優クリストファー・プラマーの実の娘。「パルプフィクション」などで強烈なオトナ子供を演じて注目の女優。



「裸足の1500マイル」

これも一種のロードムービーと言っていいのかどうか分かりませんけど。時代は1930年代。オーストラリアでアボリジニの混血児を特別施設に入れて教育すべく、白人たちが実の母親から強制的に引き裂く。こんなのほんとに法律だったのかと思うほど。少女3人は家に帰ろうと施設を脱走し、執拗な追っ手を振り切りながら1500マイル(?)を歩いて旅する。歩いて帰るだけの、よくある実話もの映画だろ、とだけ思ったら大間違い。けっこう緊迫感のあるストーリー展開とオーストラリアの自然を捉えた撮影が見事。文化や宗教に優劣があると思ってんのかよ、白人さん、と今更ながら考えさせられる白豪主義。第二次大戦までの日本だって、朝鮮半島や中国大陸等でしてきたことを考えれば、ヒトのこと言えないだろうけど。撮影はクリストファー・ドイル(恋する惑星、ブエノスアイレスなどW.カーウァイ監督作の常連カメラマン)。さすがですね。いつもながら見事な撮影です。音楽はピーター・ガブリエル。保護局長役でシェークスピア俳優・演出家のケネス・ブラナー。



「8 Mile」

白人ラッパー、エミネムが主演の半自伝的映画。
舞台は’95年のデトロイト。
ラッパーとしてメジャーデビューを夢見る主人公の、売れない下積み時代の悲惨な生活や仲間たちとの交流を描く。
この手の映画でよく使われる材料(麻薬、殺人、売春、強盗など)は、この映画では殆ど使用せずに、あくまで貧困生活だけで階級問題を描いているのはおみごと。エミネム演じる主人公は白人だから、人種問題がメインというわけじゃない(もちろん多少は人種問題が出てくるけどね)。

ただ、正直言って僕はこの映画を観る前も観た後も、相変わらずヒップホップやラップは苦手。全く好きではないです。こういうのは音楽というより、フリースタイル(つまりは即興)のポエトリーリーディングをビートやリズムに乗せてやっているパフォーマンスと言った方が僕の実感に近い。ヒップホップ好きのヒトには悪いけど、個人の音楽的な好みだから仕方ないものね。しかし、である。ラップをやる人のボキャブラリーや即興での作詞能力には脱帽。それぐらいはシロウトの僕でも分かった(と思う)。ジャズのアドリブにも通じる即興作詞!そういうスキルや才能がないと、明確にラップのバトル勝負で負けてしまうという非常な世界。「才能」の優劣ってああいうバトルの場面で実感させられますよね。

この映画は構成も脚本もしっかりしているし、脇役陣の細かな人物描写も丁寧です。
デトロイトのロケも、荒廃した街並みを上手にハンディカメラなどで撮っている。
何より、映画初出演のエミネムがそうとは思えないほど、自然に、上手に演じている。この人、ホントに演技初体験?ウソでしょう(笑)?高名な大根役者たち(Hフォードやスタローン?)に爪の垢でもせんじて飲ませてあげたいくらい(笑)。エミネムみたいな人って、ジャンルは違えど必ず存在感や一定の「結果」を出せるんでしょうね。それこそがアーティスト。スゴイ。
更に、主人公が後に大成功するであろう部分を全く描かずに、下積み時代だけに焦点を当てているところは何となく好感が持てる。粋な映画です。



「過去のない男」

少々ユニークで変わった映画に挑戦したいという人向けに。たぶん一般ウケはしないだろうと覚悟の上ですが、でも深みのある映画だと思う。フィンランド映画。暴漢に襲われて記憶をなくした男の物語。自分ってだあーれ?というアイデンティティを皮肉的な視点で捉え、考えさせられる映画。静かな雰囲気で、ぶっきらぼうなセリフばかりで、ハリウッド映画に慣れた人たちにはウケにくいかもしれませんが、評価は高くてカンヌ映画祭特別賞?&主演女優賞を取ったらしいです。ま、個人的には賞の権威はどうでもいいのですが、人間描写というか人間観察が鋭い。日本語の挿入歌もかえってユニークで面白いよ。


「Sweet Sixteen」

UK映画。カンヌ映画祭脚本賞。内縁の夫の罪をかぶって服役中の母を迎えようと、麻薬の売人をやって金を稼ぐ15歳の少年が主人公。母親は主人公の16歳の誕生日の前日に出所してくる予定。はたして16歳の誕生日をこの少年は迎えられるのか? --この少年たちの演技がいい。特に主人公役の演技が上手い!(後で調べたらこの俳優、カンヌ映画祭で主演男優賞にノミネートされてたそうな。やっぱりね。その前はスコットランドのプロ・サッカーチームと契約してたんだってさ。)
映画の舞台である北イングランド、正確にはロケ地はスコットランドのグリーノック、の暗い雰囲気も、僕にとってはとても魅力的。ああいうの、好きですねぇ。あの地域特有の陰惨な「緑」がきれい。カメラが秀逸だよね。そしていつもながらケン・ローチ監督の感性ってすごく好きだなぁ。ラストは映画を観る人によっては、もしかしたら中途半端で消化不良に思えるかもしれないのが難点か。音楽も良い。



「24アワー・パーティー・ピープル」

いわゆるマンチェスター・ムーブメントを描くUK音楽映画。ドキュメンタリータッチ。
’70年代のセックスピストルズから始まり、’80年代の「レイブ」現象とその終焉までを描く。
ハッピー・マンデーズやジョイ・ディビジョンなどのバンドが好きなヒトにはたまらん映画。
こういうギョーカイものってすごく好き。



「マトリックス」シリーズ

このシリーズはバカ売れに売れまくり、超有名作になってしまったし、2作目以降はとてつもなく多額の制作費もつぎ込んでいるハリウッド作品なので、わざわざ僕がここで敢えて紹介することもないのでしょうけど・・・やはり紹介に入れたい。相当マニアックなSF映画ファンもうならせる完成度と内容だからねえ。そもそもSF映画のありようを根本からくつがえしている。「スター・ウォーズ エピソード1」の少し後に公開されたマトリックス1作目を観た観客には、「スター・ウォーズ エピソード1」なんて、もはや時代遅れのアナクロ&陳腐な映画じゃないかとさえ印象付けたほど、マトリックスは革命的で前衛的な作品。
しかも、このシリーズの映画を観てるだけで、単純に俳優って役作りからアクションの振り付けまで、覚えることがホントにたくさんあって大変なハードワークなんだろうな、と分からせてくれるのも嬉しい。

弾丸がゆっくり動いて、キアヌ・リーブスたち俳優もゆーっくりかわすシーンがあるでしょう? それはある人(飲み友達)から聞いた所によると、ギョーカイでは「ブレット・タイム」っていう手法なんだって。100台以上ものカメラで同じシーンを違う角度から連写して、すき間はデジタル処理で埋めるらしい。ものすごい根気とお金のかかるシーンなんだとさ。2作目以降は、シーンによってはその手法さえも時代遅れというか、場面にそぐわない手法なので、別の手を考えたらしいほど。ホント、この映画は脚本や設定の斬新さだけでなく技術的にもすごい革新性があるよね。

ちなみに、船の名前「ネブカドネザル号」は聞き覚えがあったので高校の世界史の教科書を調べてみたら、大昔にバビロン捕囚をやった王様の名前らしかった。トリニティーはキリスト教で言う「三位一体」のことなのかなぁ(父と子と精霊の・・・・のアレ)。用語や名前も面白いよね。



「ショーシャンクの空に」

少し古いけど、これは有名作で既にあちこちで評価されている映画です。ま、今まで僕のオススメ映画で書いてなかったのは、古すぎて避けてたんじゃないし、有名すぎて必要ないと思ってたんでもなくて、単にあれもこれもと欲張って肝心なのを忘れてたから。それだけ。
ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン出演。数ある刑務所映画の中でも秀作でしょう。
観終わったあと、なんとなくすがすがしい気分になりませんか?


「私の小さな楽園」

ブラジル映画。機会があって先日試写会で観た。
タイトルは原題「私、あなた、彼ら」の方が良かったような気もする。
主人公の女性がひとつ屋根の下で男3人と暮らす、不思議なおとぎ話のような映画。
オトナのための寓話といってもいいのだろうね。
主人公の女性は美形では決してないのだけど、なぜか魅力的。博愛ってこういうこと??
撮影がいい!ブラジルの大地を映し、光と影の使い方が見事です。
そしてジルベルト・ジロの音楽もいいです。
最近、ブラジル映画ってあなどれないですね。


「新・仁義なき戦い 謀殺」

こんなヤクザ映画をオススメするのはちと勇気がいるのですが。
主演の高橋克典はとても頑張っているけど、ヤクザ向きではない。ミスキャスト。かっこよすぎ。
それより渡辺謙や夏木マリなんかの演技を見ていると、もう脱帽って感じ。
特に渡辺謙はヤクザ役がはまってる。ただ者ではない。
小林念持は、昔の金子信雄が演じた組長キャラを引き継いだようだけど、その意味では大根役者ぶりが生かされている。

僕はこのシリーズは全部観てきたけど、何といっても2作目の「仁義なき戦い 広島死闘編」(1973年ごろ?)が最高傑作だと思う。深作のハンディカメラを多用した演出(それまではハンディカメラ自体が珍しかったはず)、ラストの粒子の粗いフィルムシーン、そして北大路欣也と千葉真一の大熱演のお陰で、広島死闘編がやっぱりサイコウ。
ということで、この「新・仁義なき戦い 謀殺」は、シリーズ最高作とは言えないかもしれないけど、しかし、他の東映Vシネマシリーズ程度のヤクザものより、よっぽど気合入れて丁寧に作ってるのがわかる。
しかもこの監督はこの「新・仁義なき戦い 謀殺」が初監督作だとか。初にしては良いデキ。

信じるべき人間をだんだん信じられなくなっていくヤクザたち・・・これはある意味シェークスピア悲劇のプロットにも通じるのでは?




<個人的番外編: まだ観ていない惜しい(と思われる)映画>

以下は’70年代にかなり高い評判をとった名作(と言われている)アクション又はサスペンス映画ですが、オススメ映画というよりは、僕自身がまだ観ていない注目作。アー早く観てみたい。

「サブウェイ・パニック」

ウォルター・マッソー、ロバート・ショー出演の地下鉄ハイジャックもの。
’70年代の隠れた名作らしい。うーん、ぜったい観てみたいが近所のレンタル店には置いてないゾ。
タワーレコードでもこの映画のサウンドトラックのCDが販売されてた。ジャケットがカッコイイ。

「フロント・ページ」

ジャック・レモン、ウォルター・マッソー出演。この二人とくれば、名コンビの有名作がいくつかありますよね。
時代設定は’20年代。マスコミのギョーカイもの。
これも観てみたいのに、近所のレンタル店には置いてないゾ、と。



<オススメしないシリーズ>

最近、いくつか観た映画の中で、イケてない作品をご紹介。
あまりにも駄作ですが、それを敢えて(お金払ってでも?)楽しんでみるのも逆に自虐的でいいかもしれません。
時には駄作も観ないと、良質な作品かどうか分からないという意味では、こういう映画を観るのもたまにはいいか?
ただ、こういう映画だって好きだという人は世の中にたくさんいるわけで、その場合はごめんなさい、と言うしかない。

「ザ・コア」

これじゃあ、お金かけたのがもったいない。
エンターテインメントとしてはそれなりに面白いが荒唐無稽すぎる。
文系の僕が観ても、あれ?ってなところがあるし。
「アルマゲドン」と昔の「ミクロの決死圏」を足して2で割ったような感じ。
それなら「ミクロの決死圏」の方が古典的に素晴らしいと思うのはひいき目か。
ヒラリー・スワンクはアカデミー主演賞とった後もこんな映画に出るしかないのは、どういうことだろう?
売れてないのかぁ??

「デアデビル」

悪いやつは悪いやつ、良いやつは良いやつ、として徹底的に描けよ。中途半端な設定だし、悩みぬく主人公なんてヒーロー映画ではかえって気分が悪くなる。
こんなことだから、コミックが原作の映画はダメなんだ、となめられてしまうのだ。

「パール・ハーバー」

天下の大駄作。日本軍が原っぱで作戦会議やったり、ゼロ戦パイロットが口髭はやしてダンディだったりで、あきれるばかり。
メロドラマとしてだけ観ようとしても、それでも駄作。だいたいメロドラマで3時間近くも持たないよ。
この映画の製作&監督のコンビは他の作品でも最悪(と僕は思っている)。


「ウォーターワールド」 & 「ポストマン」

両作品ともケビン・コスナーの世紀の駄作。何をとち狂ったか、自分なりの見る目がないのか、どうしてこんなあきれたストーリーや題材を選んでまで大金かけて制作するのか、Kコスナーの真意が僕には理解できない。これ、まじめに作ったんじゃなくて、おちゃらけ&ギャグ?それなら分かるけど、それでも道楽が過ぎないか?まじめにやれ、と言いたくなる作品群。


今回はこれで。皆様も良い映画をお楽しみ下さいね。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:26 | 映画言いたい放題

オススメ映画第9弾(オススメ サントラCD)



今回はオススメ映画というより、オススメのサントラCDをご紹介します。
基本は、ここ10数年ぐらいの間に公開され、かつ自分が観たりサントラCDを買ったりした一般映画の中で、わりあいに良かったサントラや、使用している曲が注目される作品を。
今までにオススメ映画シリーズで紹介済の作品も二重に出てきます。
もちろんこれが全てではなくて他にもいい映画音楽やサントラCDはあるだろうし、人によって好みは違うでしょうから、あくまでご参考までに。

但し、今回オススメするサントラCDは、以下のジャンルを除きます:
・CD自体が発売されていないもの。
・ミュージシャンや作曲家を主人公にした映画(バード、アマデウス等)。
・ミュージカル(MGM系やウェストサイド物語から始まって、ロッキーホラーショウやヘドウィグ&アングリーインチ等のロックミュージカルまで)。
・’50年代から’70年代のハリウッド西部劇、マカロニウェスタン、戦争映画、アクション、いわゆる大作映画など。

↑そんなの語り始めたら、本が一冊できちゃいますからね。今回は省略します。
興味ある人は個別に語り合いましょ(笑)。プロ・アマ問いません。

それと、上でも書きましたが、映画音楽なんて、本来はここで紹介しきれるものではないということは百も承知。
それに映画音楽の基本、王道は、ミュージカルを除けば、CD時代であっても、やはり’50年代から’70年代の、米西部劇、マカロニウェスタン、戦争映画、アクション、いわゆる大作映画など、テーマ曲(旋律)を大切に作曲してきた作品群にあると思います。今はクエンティン・タランティーノが映画界にサンプリングという手法を持ち込み、ある意味で貢献していますが、これも’60年代から’70年代の映画や映画音楽に関する経験・知識(注:洋画だけでなく邦画も)があると、見方がとても違ってくると思う。好き嫌いは別にしてね。「キル・ビル」が良い例でしょう。

’60年代後半から’70年代の、田んぼしかない四国のド田舎で育った僕にとっては、身近に文化的な刺激や娯楽が極端に少なくて、その意味でTV放映される映画や映画音楽はかなり大切な存在でした(←同じ’70年代でも、東京の’70年代はそりゃ刺激的だったろうと想像するけどね)。で、四国での小中学生時代に僕は日本のフォークソングやUKロックも聴いていましたが、同時に、TV放映の映画を観たりFMでかかる映画音楽を録音してモーリス・ジャールやジョン・バリー、ジェリー・ゴールドスミスなんかのきれいなオーケストラ・サウンドをホントによく聴いていました。これが今思うとよかった、偏らなくて。いや、充分映画音楽に偏ってるというか、やっぱり「オタク」系でしょうかね(笑)。ともあれ、僕の映画や映画音楽の昔の知識は、この小中学生時代にリアルタイムで吸収したものが殆ど、と言っても過言ではないくらいなのです。少年時代は記憶も鮮明ですしね。


前フリが長くなって恐縮。では、ここから最近の映画のオススメのサントラCD。

「シティ・オブ・ゴッド」

ブラジル映画。’70年代のソウルやファンクが好きな人はこれを聴くと共感できるだろうね。
ブラジルのソウルやファンクだけど。かっこいいサウンドですよ。
本国ブラジルでは売れすぎて、このサントラ自体のサンプリング(クラブ用リミックス?)・バージョンまで発売されたとか。

「死にたいほどの夜」

ハードバップ・ジャズのコンピレーションアルバム。
このCDのジャケットは、同じブルーノート・レーベルから1957年に出ているジャズサックス奏者J.Jenkinsのアルバムジャケにそっくりのレイアウトです。自分でJenkinsのCD持ってるから比べてみたらレイアウトも色選びも殆ど一緒でした(笑)。
制作者の意図はそこにあるのでしょうね。あの時代の、バップ・ジャズの雰囲気を映画でも意識して使ってる、ということでしょう。

「あの頃ペニーレーンと」

’70年代のアメリカ、UKの懐メロたちをホントにうまく使ってます。
たぶん監督のキャメロン・クロウが選曲したんだろうね、自伝的な映画だし。
タワーレコードの売り文句だと、「ヴァージン・スーサイズ」のサントラCDを好きな人はこれも好きになるかも。

「ヴァージン・スーサイズ」

AIRの書き下ろしアルバム。’70年代の雰囲気。
アメリカのガーリー・カルチャー(少女文化って訳すのか??)を代表するソフィア・コッポラ初監督作の映画。
タワーレコードの売り文句だと、「あの頃ペニーレーンと」のサントラCDを好きな人はこれも好きになるかも。

「トレインスポッティング」

これもかっこいいサントラです。’90年代のUKサブカルチャーを代表する作品だろうと思う。
CDは#1と#2と2つに別れて売られていますが、どちらも買って聴いて頂きたい。
#1にはブラーのデーモン・アルバーンの曲が、#2にはDボウイの曲が入ってる。
さすがUKサウンド。


「ロック、ストック&ツースモーキンバレルズ」

曲数多いですけど、センスいい曲ばかりです。聴いたら1時間以上かかるけどね。
これも、さすがUKサウンドですね。


「私が愛したギャングスター」

ブラーのデーモン・アルバーンが数曲提供している。UK音楽シーンは懐が深くてすごいね。
映画自体はアイルランドが舞台。
「ルパン3世と峰不二子が結婚して所帯をもったら、こんなスタイリッシュな映画になるんじゃないか」、というルパン3世の原作者、モンキーパンチの言葉はサイコウですよね。

「ブギーナイツ」

’70年代の米国西海岸のポルノ映画産業界を描くインディーズ系映画。
なので、’70年代のディスコサウンド、ソウルが好きな方は是非どうぞ。
最近、大人向けのクラブシーンで使われてる曲があるらしい。そりゃそうだろうね。

「パルプフィクション」

タランティーノはこういうサントラCDみたいに音楽をサンプリングするだけじゃなく、映像や脚本設定自体もサンプリングしている映画オタク。この功績は大きい。賛否両論あるだろうけど。ともかくCD内容はセンスいい曲ばかりだと思います。

「ナチュラル・ボーン・キラーズ」

O.ストーン監督もタランティーノに負けず劣らず音楽を映画に使うのがウマイ。見事です。
マレーシア駐在時代にこれ聴きながら南北ハイウェイを高速で飛ばしてマラッカやイポーなんかに出張に行ったなあ。

「Uターン」

O.ストーン監督作。ロックならどんな曲でもいい訳じゃなく、ちゃんと映画のシーンに合う必要があるのだと、この映画を観ると分かるような気になりませんか。とても映画の映像にマッチしたサウンド。

「オーブラザー!」

コーエン兄弟の映画。アメリカ南部(特にディープサウス)の雰囲気が良いですよね。
サントラCD、かなり売れたそうです。

「ハイフェデリティ」

’80年代のロック、ポップスサウンドが好きな人は絶対これを!映画も観て、CDも味わって下さい!
あの時代に学生だった人は特に思い出深いと思いますよ。

「天国の口、終りの楽園。」

メキシコ映画。17歳の男の子2人と訳あり人妻の計3人のロードムービー。
乾いたメキシコの大地をうまく撮影している。
ラストには感動的なオチが。
青春映画には良い音楽がつきもの。かっこいいサウンドですよ、これも。
CDのラストから2曲目が特にイイ。ラストのフランクザッパもサイコウです。



<いつもの番外編&個人的なカルトCD>


昔の映画のサントラや思い入れのある映画音楽を。

「さらば青春の光」(ザ・フーの「四重人格」)

もともとザ・フー(知らない人いる?まさか? UKの’60年代から’70年代のロックバンドですけどね。)の「四重人格」という2枚組み大作アルバムを原作に映画化。だからサントラCDでなく、フーのアルバムを聴いてもいいかも。
30年たってもいまだにかっこいい曲ばかり。これは凄いことだと思う。
ちなみに、「四重人格」というアルバム中の、ある1曲は森山達也率いる「モッズ」の「NoReaction」という曲のアレンジにそっくりでした。どちらがパクッたのやら。いいなあ、そういうの。僕はバンドでモッズの曲をコピーしてたので、両方好きですけどね。

「青春の殺人者」

ゴダイゴのデビューアルバム=この映画のサントラ。映画制作予算が少なくて、デビュー当時のゴダイゴの曲を使うことになったのだけど、結果として映像にぴったりだったと思う。わりとビートルズのサウンドに近く、全編英語の歌詞。今聴いてもダサくないですよ、ホントに。特に「イエローセンターライン」は秀逸!名曲です。CDを見つけるのは難しいかも知れませんが、是非トライを。僕もやっとこさ見つけて買いました。

「卒業」

サイモンとガーファンクルを一躍スターダムに押し上げた記念すべき映画。こんなに美しいメロディとハーモニーは後にも先にも聴いたことがない。小学生の時、ものすごく感動したのを覚えてる。これをきっかけに僕も多くの男の子同様、生ギターを弾き始めるわけですけどね。「サウンド・オブ・サイレンス」や「スカボローフェア」、「早く家に帰りたい」などは中学生の頃、よく生ギターで弾いてました。英語の歌詞も分からないまま殆どの曲の歌詞を暗記してた。好きだからね。けど、いまだに「ミセスロビンソン」という曲は僕はうまく弾きこなせないなぁ。楽器のセンスなし。とほほ。

「小さな恋のメロディ」

アラン・パーカー脚本。UKでは売れなかった映画だけど、Aパーカー関連で外せない映画。
主題歌はビージーズやCSN&Yなど。特にビージーズの「イン・ザ・モーニング」が最高です。
ちなみにこの映画のサントラ、日本でしかCD化されてません。それぐらい、本国UKでは当たらず、日本でだけ当たった映画なんですねえ。昔はアナログ・レコードのアルバムを買って聴いてましたけどCD買いなおしました。

「アラビアのロレンス」

当たり前すぎて、(誰かがどっかの雑誌でいつの時代にも紹介してるだろうから)オススメに入れるまでもない最高傑作。
だけど、やはりいい音楽なのです。荘厳でスケールの大きいテーマ曲。
これを映画館のスクリーンで観ると、砂漠のシーンと映画音楽がうまくリンクして感動。
小学生高学年位の時TV放映でも観たけど、大学生になって再度リバイバル公開で映画館で観たら、やはりこういう大作は映画館の大きなスクリーンで観るものだと思いましたね。

「八甲田山」

日本映画でもバカにできない。キチンとオーケストラのスコアを書き、指揮した芥川也寸志はすごい。
いいテーマ曲ですよ。中学生のとき、わざわざアルバムのレコード買って繰り返し聴いていました。

「空軍大戦略」

第2次大戦当時、ナチスドイツのメッサーシュミットに挑む「イギリス空軍16週間の戦い」を描く(・・・だったと思う、当時のキャッチコピーは。違ってたらごめんなさい)。
このブラスサウンド、サイコウですよ。中学生の時の大フェイバリットのテーマ曲。
あんまり知られていないけどね。

「帰ってきたウルトラマン」

1971年円谷プロ製作のTV番組のテーマ曲で、映画関係じゃないんだけど、あまりに良い曲だし、番外編なので紹介に入れますね。
最近、某TV局をチェックしていると、バラエティや特番のBGMに、何度かこの作品の主題歌のイントロが使われてました。
当時(’70年前後)のシカゴというロックバンドに代表されるブラスロックのテイストを取り入れている(というかパクってる)かっこいいイントロ。
いいんだな、これが。
特にベースラインはカッコイイです!さすが作曲のすぎやまこういち先生。
MAT(モンスター・アタック・チーム)隊の攻撃時のテーマ曲もかっこいいですよ。
これも某TV局の特番で使われてた。


今回は以上です。皆様もぜひ良い映画音楽をお楽しみ下さいませ。
繰り返しますが、こういうのが全てではなくて他にもいい映画音楽やサントラCDはあるだろうし、人によって好みは違うでしょうから、こういうのが好きじゃない人もいると思います。それはそれでいいと思う。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:24 | Music Bang Bang

オススメ映画第8弾

オススメ映画第8弾。

今回は有名作、無名作など、バラエティに行きます。
なお、超有名作、小津や溝口、黒澤から始まって、ゴダール、チャップリン、Fキャプラ、ヒッチコック、Jフォード、大昔のクラッシクなどもかなり観ていますが、①それらは今観ても普通に楽しめるほどじゃなかったり(時代が違うし、要するに文化的遺産の色合いが強すぎ)、②あるいはたとえオススメしたい作品でも、既に一般的な映画紹介欄で嫌というほど多く取り上げられていたりするだろうから、例外を除いて僕のオススメ・シリーズでは基本的に外しています。あしからず。


ここからオススメ映画。

「マルホランド・ドライブ」

ディビッド・リンチ監督。カンヌ映画祭監督賞。LAのマルホランド・ドライブで起きた交通事故で記憶を失った女性(ローラ・エレナ・ハリング)。なぜ事故が起きたのか、彼女は何者なのか、ひょんなことから彼女を助けて、記憶をたどる手伝いをする女優の卵の主人公(ナオミ・ワッツ)。さあ、二人が探し当てようとする謎の正体は?

下手なホラー映画よりよっぽどドキドキするこわーいサスペンス映画。暴力シーンや流血は殆どないのに、観客はかなりの精神的恐怖を味わえるのではないだろうか。
しかも映画の後半で、謎を解く小箱を開けたとたん、それまでの登場人物たちがそれぞれの役柄を変えて全く別の(けれど関連する)ストーリーが展開していく・・・・・・・・。何なんだ、この展開は。かなり凝った構成内容。一度観ただけではわからなくて、映画館ではリピーターが続出したとか。単なるミーハー気分だけでリピーターが出るのとは訳が違う、それこそ良い意味でこの映画にパワー、魅力があるんだろうね。

ここ数年では1、2を争うほど見ごたえのあるサスペンス映画だと思う。2時間半近く、息をもつかせぬ展開。訳がわからない部分の多い作品だとは思うけれど、それを観客としては積極的に楽しみたい。だから、「何回観てもわかりにくい作品」というよりはむしろ、「何回か繰り返してみると、その度に新たに気づく所の多い映画」と言いたい。(ネタばれになるのであまり詳しくは書けませんが)ストーリーだけでなく、小道具の使い方やセリフにも気を配ると、楽しみは倍増するはず。映画の冒頭、空港で主人公と言葉を交わす仲の良い老夫婦の、必要以上に不気味な笑顔。正体不明のカウボーイ。新作映画のオーディション会場にいる一連の怪しげな人たち。主人公のアパートの管理人。どれをとっても後で何かの伏線になるのでは、と思えてしまうほど。実際に何かの伏線になるのかどうかは観てのお楽しみ。伏線にならないかもしれないしね。記憶喪失や変身願望という下敷きは、ヒッチコック監督の’50年代の名作サスペンス「めまい」へのオマージュだということは明らかだけど、それはあくまできっかけ程度の材料。この作品、将来はビデオ紹介本で必ずカルト印がつくと思うよ。

だから皆さんも「えー、わかりにくいのぉ?難しいのはヤダなあ」なんて敬遠せずに、是非、果敢に挑戦して欲しいです。わからなくても恐怖感は感じられると思うし。「映画を観た人の数だけ解釈が成り立つ映画」とでもいいましょうかねえ。リンチ監督はこの作品を映画ファンのために、映画ファンを考えさせ、楽しませるために作ったんだろうね。

ちなみに難しい役どころで名演技を見せるナオミ・ワッツは、かつてピンクフロイドのサウンド・エンジニア兼ツアーマネージャーだった「何とか」ワッツの実の娘だとか。彼女はこの映画での演技が認められて「リング」リメイク版などに主演&売り出し中。記憶喪失の女性役のハリングはメキシコ系で、元ミスUSA(ラテン系では初&唯一のミスコン女王)なんだってさ。妖艶ですね。この二人のレズシーンも見事です。アパートの管理人役アン・ミラーは80歳くらいだと思うけど、映画界では昔から活躍する、知る人ぞ知る有名人。ハリウッドの生き証人、って感じの人。

どうだろう、秋の夜長にサスペンスの傑作をいかがでしょうか。


「クラッシュ」

カンヌ映画祭特別賞。これもクロウト受けする映画かなあ。D・クローネンバーグ監督のカナダ映画。車の衝突事故で快感を覚える性向を持つマニア集団の物語。当然の帰結として故意の交通事故の前後には、人の生死に関するメタファー(暗喩)も描かれる。ジェームズ・スペイダー(セックスと嘘とビデオテープ)、ホリー・ハンター(ピアノレッスン)などが出演。Hハンターの官能シーンは珍しいけど良い出来だと思います。ポルノに近いことをこのまじめそうな女優さん、よくやったなあという感じ。


「ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ」

オフ・ブロードウェイでヒットしたロック・ミュージカルの映画化。これは将来絶対にカルト作になると思う。東ドイツ出身の、性転換に少し失敗して「怒れる1インチ」ぶんだけ、アレが残っちゃった女性(元は男性)ミュージシャンの悲しくもたくましい物語。映画で使用されている曲の中でも、「Origin of Love」が秀逸です。なんでもこの曲の歌詞の内容は、プラトンの神話(哲学?)にも関連するとか。アニメーションも音楽も衣装も、そして監督・脚本・主演をした俳優(名前忘れた)も、全てお見事。主人公の外見(衣装やメイク)を見ると、「ロッキーホラーショウ」の”あの人物”を思い出す映画ファンも結構いるのでは?


「バージンスーサイズ」

ソフィア・コッポラ監督。この監督、「ゴッドファーザーⅢ」に父親(Fコッポラ)の七光りで出演した時は、なんて道を間違えてるバカヤロウなんだろうと思ってました。だって演技もヘタだし、そもそも俳優としての存在感もなかったから。しかし、この初監督作では演出家としての才能はあったのだと、証明しています。さすが。


「穴」

ジョゼ・ジョバンニ脚本。犯罪者だった彼が、映画界にデビューした記念すべき作品。刑務所にいた頃の経験を踏まえて脱獄ものの脚本を書いた。傑作です!この後、ジョバンニはアラン・ドロンとコンビを組んで数多くの作品を手がけます。脚本家として「冒険者たち」、「シシリアン」等、監督として「暗黒街のふたり」、「ラ・スクムーン」等。この作品はモノクロ映画で、舞台の芝居のように緊張感あふれる一級のサスペンス&脱獄犯罪映画となっています。

なお、ジョバンニの自伝的な作品として2~3年前に公開された「父よ」というのがあります。(ジョバンニ自身がモデルと思われる)息子の釈放を願い、支援活動を続ける(ジョバンニの実父と思われる)父親の姿を描く。ご参考までに。きちんとしたいい作品ですよ。「穴」と「父よ」をセットで観るといいかもしれない。「父よ」ができる前はできなかった鑑賞方法ではないでしょうか。


「十三人の刺客」

昭和40年ごろの制作だと思う。東映チャンバラ映画の中でも異色作。モノクロで、しかも暗殺を仕事とする集団の活劇。これは業界では有名作ですが、一般的にはあまり知られていないと思う。でもいい作品ですよ。それまでの東映時代劇は市川右太衛門や片岡千恵蔵などのヒーロー1人が悪をやっつける典型的なパターンだったけど、この作品以降、主人公が複数いる集団活劇の様相を帯びてくる。その流れは、ヤクザ映画においても、高倉健や鶴田浩二の任侠モノ(=いわゆるヒーローもの)から、数年後の「仁義なき戦い」などの集団&実録ヤクザものへの変遷に受け継がれていると思う。


「黒部の太陽」

石原裕次郎製作&主演。困難を極めた黒部ダム建設を描く。スケールの大きい映画を撮りたいという裕次郎の熱意により、当時の「5社協定」を打破して、東宝の三船敏郎と組んで作ってしまった。その意味でエポックメイキングな映画。当時、兄の石原慎太郎も某企業に出向いて側面から応援したとか。それはそれで評価できる。しかし。しかし、だ。文句がある。裕次郎の遺言だかなんだか知らんけど、「この映画はぜひ大きなスクリーンで観て欲しい、だから今後もビデオ化もテレビ放映もしないでくれ」と。アホか。この時代に。映画は裕次郎だけのものじゃないでしょ?時代は変わってる。この映画を観たことのない世代もすごく多い。だったら石原プロは責任もって、金がかかってもキチンと数年ごとに映画館で公開しろよ。できないなら今すぐにTV放映すると共に、ビデオ&DVD化をしなさい!良い映画が埋もれてしまうよ、もう。裕次郎の十七回忌で抽選で招待客を選んでホテル?で上映するだけなんて、ごまかすなよって感じ。

(注)「5社協定」:東宝、東映、日活、松竹、大映のメジャー5社が、お互い他の映画会社に自分とこの俳優を出演させない、出演した俳優はほされる、という日本の映画ギョーカイの心のセマーイ?掟のこと。


「栄光への5000キロ」

石原裕次郎製作&主演。日産のブルーバード510を駆ってサファリ・ラリーに出る主人公。国際的な、スケールの大きい映画を撮りたいという裕次郎の熱意が結実。僕が大学生の時、同じゼミの友人が、父親の代から乗り継いでいる510に乗ってて、その510のクラブ(510は当時からクラッシクですからネ)に入っていた。だから彼とはよくこの映画の話をしたし、同乗させてもらって富士スピードウェイや筑波サーキットにも一緒にファミリー走行に行った。お互いの話によく出てきた思い出深い映画。だけど個人的には僕は小学生の時にTVで観ただけ。大学時代のその友人は、510の持ち主でこの車のファンなのに、この映画を観たことがない、観れないって嘆いてた。理由は「黒部の太陽」と同様の状況による。裕次郎の遺言だかなんだか知らんけど、「この映画はぜひ大きなスクリーンで観て欲しい、だから今後もビデオ化もテレビ放映もしないでくれ」と。アホか。この時代に。映画は裕次郎だけのものじゃないでしょ?時代は変わってる。この映画を観たことのない世代もすごく多い。だったら石原プロは責任もって、金がかかってもキチンと数年ごとに映画館で公開しろよ。できないなら今すぐにTV放映すると共に、ビデオ&DVD化をしなさい!良い映画が埋もれてしまうよ、もう。裕次郎の十七回忌で抽選で招待客を選んでホテル?で上映するだけなんて、ごまかすなよって感じ。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:22 | 映画言いたい放題

オススメ映画第7弾

オススメ映画第7弾。

今回はどちらかというと一般ウケする有名作よりも、少々マニアックかもしれないけど注目して欲しい佳作をご紹介します。

いつものことですが、オススメ映画といっても賛否両論あるだろうし、他にも良い映画はたくさんありますから、こういうのが絶対的じゃないよ。



「恋人までの距離(ディスタンス)」

イーサン・ホーク主演。欧州旅行中のアメリカ人青年が、パリ行き列車の中でフランス人女子大生と知り合う。意気投合した二人は途中駅のウィーンで降り、翌朝の、青年の帰国便の時間まで、限られた10数時間を一緒に過ごす。映画は二人の会話を中心に進む。ほとんど二人の語り合いだけの映画と言ってもいい。ずーっと語り合ってるだけ。かといって会話内容や間合いに飽きることがなく、とてもおしゃれでウィットに富んだ会話なのですよ。教養があって、相性の良い相手と出会うと、会話自体がとても楽しくなるっていう良い例だね。さあ、ラストで二人は本当に予定通り別れるのか、それとも? 実は、この作品も映画通の某友人に勧められて観たら、大ウケしたという作品。映画通の某友人よ、いつもサンキュー。その友人が言いましたとさ。「観てみてよ。この映画の主人公はね、語りまくるわけよ、朝まで。あれはさあ、映画とかジャズの事、ずーっと楽しそうに話してるあなたのキャラにクリソツだと思うわよ」と。へえ、そんなもんかね、と思って観たら、確かに語りまくるところは似ている、と思う・・・。なんだかなあ。Eホークみたいにかっこいい二枚目ではないし、映画のように女性にはもてないけれどねぇ、僕は。でも、改めて語り合うっていいなと思いました、この映画観て。



「チェルシーホテル」


イーサン・ホーク初監督作。出演はしていない。彼がアーティストとしての感性に挑戦した意欲作。ビート系作家やサブカルチャーに興味ある人はぜひ観て下さい。NYに現存するチェルシーホテルを舞台に、複数のエピソードがオムニバス的に同時進行で描かれる。チェルシーホテルというのは実際に俳優や作家、芸術家の溜まり場のようになっていた、一種の伝説的な場所。日本の漫画家の世界で言う「トキワ荘」か?と問われれば、まあ当たらずとも遠からず。けど、チェルシーホテルはダサくはないよ。カッコいい。ここでウィリアム・バロウズが「裸のランチ」を書き、セックスピストルズのシドがナンシーを刺殺し、Aクラークが「2001年宇宙の旅」を書いた。Aウォーホールも滞在したし、サム・シェパードが情事を重ねたところ。面白いでしょ、聞けば聞くほどに、このホテル。映画はエピソードごとに基本の色彩が変わる(青、赤、など)ので画面自体にもご注目。



「アカルイミライ」


タイトルがいいよね。「明るい未来」じゃなくて、「アカルイミライ」。主人公の青年(オダギリ・ジョー)は親友(浅野忠信)を兄貴分のように慕っていたが、その親友が勤務先の社長家族を殺し、拘置所で自殺をする。「行け」のサインを残して。主人公は親友の父親(藤竜也)と奇妙な同居生活を始める・・・。この映画、訳がわからないという映画評論家もいて、賛否両論ある。ただ、シロウトの僕にもわかるのが、3つ。某映画雑誌にも同じことが書いてあったけど、オダギリ・ジョーの名演技、衣装の奇抜さ、フィルムの色彩。オダギリ・ジョーは仮面ライダーで子供と主婦層に人気が出ただけのアホ俳優と思っていたけど、なかなかどうして、上質かつ迫真の演技を見せますよ。衣装もすごくカッコいい。フィルムの色彩は、カラーなんだけど普通のカラーじゃなくて、色を抑え目にして黒色を強調している。ラストの内容は言えないけど、このラストの表現をあなたはどう受け取りますか?って感じ。「行け」のサインが意味するところとは、一体何だったのか?「ミライ」は「アカルイ」のか? アカルイミライに向かって行くのか、違うのか?教えてくれよ、浅野忠信!

ちなみに、佐賀県の歌で有名になったはなわが、主人公の妹の恋人役で出てる。気づくと面白い。



「青春デンデケデケデケ」

香川県観音寺市を舞台に、高校生がロックバンドを結成して文化祭で演奏するまでの青春物語。僕の出身地も、原作者の芦原すなおと同じ香川県だったこともあって、けっこう思い入れのある作品。原作(ノーカット版の方)もとても面白いです。ポップスやロックなどの音楽ファンは映画観るだけでなく原作も読むべし。なお、デビューしたての少年の頃の浅野忠信が高校生役で出演していますが、どの人かわかりますか?わかったあなたはエライ!かなり重要な役どころなんだけど。え、これがあの浅野さん?って感じだもんね。



「踊る大捜査線」

文句なく面白い。久々でしょう、日本映画でこれほど痛快でヒットしたのは。「事件は会議室で起こってんじゃない、現場で起こってんだ!」と叫ぶ織田裕二。いいねえ、いいねえ。一般企業の会社組織と比較できる面白さがある。いるよね、皆の会社にも。現場を知らないお偉いさんがさ、訳のわからない指示を出して現場の担当者をかき乱す、ということがさ。無責任、というより、ずれてる感覚の上司。映画じゃコミカルに笑える上司3人組で、良い味出してますよね。



「ラ・マン 愛人」

デュラスの自伝的な原作を映画化。フランス領インドシナ(現ベトナム)で、フランス人少女が現地中華系の金持ち男の愛人になる。少女の家族一同が、愛人にディナーをご馳走になるシーンは印象深いものがある。植民地として支配しているのはフランス人側のはずなのにね。当時の街並みの映像がいいです。


ホーチミンに駐在していた友人を訪ねて、僕は数年前にベトナムを一人旅したことがあるのだけど、その友人のアレンジがよかった。彼の知り合いにバイクを持ってるベトナム人の女の子がいて、街を案内してくれるという。だからHCMに着いて2時間後には、僕はもうその現地の女の子のバイクの後に乗っけてもらってたってわけ。トーゼン、リクエストはチョロン地区を回ってもらうこと。チョロン地区(チャイナタウン)はこの映画の舞台になったところ。2時間ぐらいバイクに乗ってたかなあ。ああいうのが旅の面白さ。この地域の建物はコロニアル・スタイルでノスタルジックですしね。その女の子とベトナム戦争記念館にも入った。どぎつかった。ホルマリン漬けの死体とかね。この映画の何十年かあとには、こんなことが起こるなんてね。元凶というか、フランスの植民地支配が始まりだったことは誰も否定できまいが・・・。フランスとインドシナ。うーん。考えるなあ。



「ニューシネマパラダイス」

もう説明不要の名作ですね。映画ファンには永遠の作品といえるだろう。主人公の映画好きの少年が村の映画館に入り浸り、その映画館のおじさんと仲良く過ごす毎日が描かれる。やがて成長した少年は村を出て行くのだけど・・・。ラストは感動的。ネタばれになるから言わないけど。ちなみに僕の田舎にも大映系列の映画館が一軒あって、よく通ってたけど、残念なことに小学4年生ぐらいの時に閉鎖された。そこでの最後の上映作品は少し遅れ目ロードショーの東宝「日本沈没」だった。そういうことまで思い出させる映画。



「プロゴルファー織部金次郎 5 アジアツアー(?だっけ?)」



武田鉄矢主演。映画自体はあえてオススメはしないけど、印象深いエピソードがあるのでご紹介を。まあ、暇があったら気晴らしに観て下さい、という程度の映画だろうけど(ごめんなさい、武田さん)。実は僕がマレーシアのクアラルンプールに駐在していた頃、自宅から車で15分ぐらいのところにテンプラーパークというゴルフ場によく行ってました。なんでもジャンボ尾崎の設計によるらしく、日本人駐在員には馴染みのゴルフ場のひとつ。ある日、そこでゴルフ中に、友人が僕に言いましたとさ。「あの映画知ってる?ここがロケ地でさあ、僕ら夫婦や日本人会の人が大勢、エキストラ出演したんだよ」って。へ?ここが?彼が言うには、当時日本人会にもエキストラ出演の打診があったらしく、皆で出演したんだって。この映画のロゴをあしらったTシャツやらタオルやらの記念品をもらい、武田鉄矢と写真とってサインまでもらったそうな。で、どこに出てんの?って聞いたら、いやあ、画面じゃ僕の顔は小さくぼけてて全然わからないんだけど、このシーンだっていうのははっきりわかるよ、とのこと。そうか、そうか。で、僕も観てみた。確かにテンプラーゴルフ場の特徴でもある岩肌むき出しの風景が出てきました。ここがロケ地だとよくわかった。なお、ゴルフ場一帯は第2次大戦中、旧日本軍とのかなりの激戦地だったところだそうです。このゴルフ場が昔、ナイターをやっていた頃、まことしやかに噂があったんだってさ。出るんだって、あれが。そのうちナイターやらなくなった。お客さんが怖くなったらしくて。本当のところはどうなんだろうね。


<どうでもいいウンチク(注:オススメ映画というわけではない)>


「ロード・トゥ・パーティション」

この映画、全然だめ。駄作です、僕にとっては。これを感動作だという人が大勢いるのは知っているけど、どういう神経なんだろう。実はこの映画の元ネタは、日本のコミック「子連れ狼」。この映画の原作はアメリカンコミックなんだけど、その作者自身が日本の小池一夫(子連れ狼の原作者)たちに影響を受けた旨を書いてるんだってさ。でもオガミイットウ(漢字知らない)の役に該当するトム・ハンクスが演じた主人公は、優しすぎ。殺人を職業としている人の凄みがないというか、良識ありすぎって感じ。



「ラ・マン」のロケ地

ロケ地は実はベトナムではなく、マレーシアのイポーだという噂がある。本当だろうか。’90年代にマレーシアに駐在していた銀行員から聞いた話なので、たぶん本当なんだろうな。イポーはジョディー・フォスターの「アンナと王様」のロケ地でもあるし(これは僕自身のマレーシア駐在時にロケが行われたので確実に本当)、また「007トゥモローネバーダイ」のボンド・ガール、ミッシェル・ヨーの出身地でもある。イポーは華人系の多い、錫(すず)鉱山事業で有名な土地です。


以上。今回はこんなとこで。皆様もぜひ良い映画をお楽しみくださいませ。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:18 | 映画言いたい放題

オススメ映画第6弾

オススメ映画第6弾。


「さらば青春の光」 1979年。


最近、某友人(他社同世代、女性、独身)が音楽関係にコネのあるオトコに連れられて、あるライブに行ったそうな。そこでのエピソードはそれはそれで面白かったんだけど、そこから、モッズ(森山達也)やロッカーズ(陣内孝則)なんかの話に及んだんだって。そういえば僕らも学生時代にモッズのコピーをバンドでやってたなあ、って思い出した。僕の外見や音楽センスは明らかにズレてたけど(苦笑)。博多の明太ロック、70年代UKのグラムロック、もう好きなヒトにはたまりません。(こら陣内、音楽やれよっ、音楽!!)


で、モッズやロッカーズとくりゃ、このUK映画でしょう。大学生時代にビデオで観ただけだったので改めて今、調べなおしてみると、1979年の製作だって。カルト印がついてる。ザ・フーの四重人格っていうアルバムをベースにした、UK音楽好きの為だけのキワモノ映画。スティングが渋い脇役で出てる。皮ジャンにリーゼントのロッカーズ、アイビールックに米軍払い下げのコートのモッズ。ロンドンから港町ブライトンを目指して暴走するバイクの集団、対立するモッズ対ロッカーズ。ロケ地はもちろんブライトン。1981年、16歳だった僕はブライトンで少々フラフラしていて、偶然、「もうすぐモッズたちがまた暴走してやってくるから外出しないように」、って何人もの大人たちから言われたんだけど、当時はモッズもロッカーズも知らなかった。怖いもの見たさの16歳のガキは昼間っからビール飲みながらふらふらと外出。でも、なーんも起こらずに拍子抜けだったなあ。何年かたって、ブライトンが懐かしくてこの映画を観たもんです。UK特有の陰惨なテイストと、暴走族の生き生きした行動がうまく描けていると思いますよ。オススメ。



蛇足ですが、音楽で言うなら、1981年、ロンドンのマーキーで見たガールというバンドは最高でした(オジサン、歳いくつよぉ、古い話ねぇ、とか言わないでくれよ、頼むからさ。)。81年当時はまだロンドンのピカデリーサーカス近くにあった「マーキー」というライブハウスは、日本でも音楽関係者なら知る人ぞ知る超有名なハコ。今はもう、つぶれて存在しないらしい。そこでこれまた知る人ぞ知る「ガール」というヘビメタバンドのライブを見た。ライブハウスん中じゃ、へたりこんでハッパやってラリってるように見える、おかしな(というかその場所ではとてもマットウな)やつらばっかりでした。マーキーにガールを観にぜひ行ってみたいという京都の女子大のお姉さんたちがいたので、彼女たちをボディガードするみたくお連れしたんだけど、その人たちも会場内の雰囲気にびっくりしてたな。でも音楽にはもっと圧倒された。一定の大音量って意味があるんだな、と。



「さらば青春の光」を語ると、こんなことまで思い出してしまうのです。今はハードロックはほとんど聴かず、それよりジャズやボサノバ、ラテン(キューバ、サルサ)なんかの方が大好きですけどね。



「ギルバート・グレイプ」1993年。

ジョニー・デップ主演。青春映画の佳作。これも友人の某映画通から「いいよ、いいよ」と勧められてしぶしぶ(?でもないけど)観た。最初は単なるお涙ちょうだいの、ファミリー映画だろ、ってバカにしてたんだけど、あなどれません。これも、だまされたと思って観ていただきたい1本です。ラッセ・ハルストレム監督は後に「サイダーハウスルール」なんかを撮るんだけど、そのテイストに近いものがあるな。「ギルバート・グレイプ」はハルストレム監督のアメリカでの実質的デビュー作。デップと不倫する主婦役のメアリー・スティーンバーゲンが色っぽい。ジュリエット・ルイスの印象的な役どころはこの映画のキーポイント。彼女の”目つき”もいいです。ただ、何よりすごかったのは、どうせ演技なんか下手くそで、単なる二枚目アイドルだろ、とバカにしていたレオナルド・ディカプリオの、障害者の少年役の演技がとてもうまかったこと。バカにしてはいけませんでした。意外に(失礼)というか、かなり上手な障害者役の演技。ディカプリオのファン必見。



「戦場のピアニスト」&「死にたいほどの夜」

「戦場のピアニスト」は最近の映画だから内容紹介省略。第2次大戦では汚いユダヤ人も理解あるドイツ人も両方いたのだと公平に描いている点は、「シンドラーのリスト」やその他の駄作ホロコースト映画より好感が持てるし、経験者でないと描けないだろうというシーンもあって、真摯な佳作です。ユダヤ人を生きて椅子に座らせたまま窓から放り投げるシーンとかね。ただ、欲を言えば、エイドリアン・ブロディの演技はそこそこ上手いのだけど、もう少し、あともう少し頑張って欲しかった。飢餓感は伝わってくるけれど、あの垂れ目だけじゃあ、飢餓感の伝わり方がワンパターンかなあ、と。この映画でアカデミー主演男優賞をとったほどの演技なのだから、けなすわけじゃありませんよ、もちろん。観ていただきたい佳作映画だとは思います、はい。



エイドリアン・ブロディに興味ある方は、又はビート系作家に関心のある方は、「死にたいほどの夜」をご覧になってみてはいかがでしょうか。ブロディも脇役で出演しています。マイナーで、決してヒット作ではありませんが、小説「路上」に代表されるビートニク、ジャズ(の雰囲気)、スタイリッシュなクレジットデザイン、ヒッピーやバックパッカー文化の一端、などを垣間見ることができる、マニア向けカルト作かも。この映画は、小説「路上」に登場するディーン・モリアーティのモデルとなった実在の人物、ニール・キャサディの青春時代を描く。「死にたいほどの夜」に出演したキアヌ・リーブスは、「スピード2」の撮影と重なる時期だったために「スピード2」を蹴ったらしい。彼は「スピード2」を蹴ってまで「死にたいほどの夜」に出たんだ、というのがこの映画の「売り」です。それぐらいしか「売り」がないのかよ、ってな感じもするけどね。原題は 「The last time I committed suicide」で、邦題は原題に近い意味を維持しつつ、めずらしくセンスのよさを発揮してます。



今回は以上です。これらに限らず、皆様もぜひ良い映画をお楽しみくださいませ。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:16 | 映画言いたい放題

オススメ映画第5弾

オススメ映画第5弾。


「グランブルー」

(これ観る度に、シーフードパスタ&ジントニックかビールが欲しくなる。海へのオマージュと、男2人女1人の良い雰囲気の三角関係。え、これって昔の「冒険者たち」の基本的設定じゃ?そう、ギョーカイではAドロン主演の「冒険者たち」にインスパイアされて製作した部分が少しはあると言われてる。ストーリイは違うけど。夏休みに最適な映画かもね。こういうのをロマンチックで、切なくて、心に残る映画という。ソプラノサックスの音楽がこれまたいいのです。)



「12人の怒れる男」

(ヘンリー・フォンダ主演。陪審員12名が有罪か無罪かをめぐって討論する室内劇。登場人物には固有名詞はなく、全て陪審員番号で呼ばれる。モノクロ画面が効果的。米国でリメイク作もあるし、三谷幸喜が日本でパロディ作も作っているという、それらの元ネタとして有名な作品。)



「ミスタア・ロバーツ」

(ヘンリー・フォンダ主演。太平洋戦争時の米軍オンボロ輸送船?内の人間模様。ブロードウェイの舞台劇の映画化。だから画面のカメラアングルもどこか芝居の舞台調。Jレモンがこの映画で印象的な役を演じてる。50年代の映画にしてはカラーもきれい。夏に観るには最適な佳作です。)



「大いなる西部」

(先ごろなくなったGペックの代表作。これを小学生の時TVで観て、牧童頭役のCへストンが、Gパンを音を立ててはく有名なシーンを真似したくなったものです。ロングで引いたカメラで、延々とGペックとCへストンの殴り合い決闘シーンが映される部分は映画の宝ともいうべきシーンでしょう。西部はやがて開拓されきってしまう、西部の男も時代遅れになりつつある、その時点での西部という世界での出来事。なお、この映画の有名なテーマ曲は、僕が小学生の頃、読売テレビ系の夕方のニュース番組でオープニング曲に使われてました。よく覚えてる。でも使用料払ってたのかなあ?たぶん払ってないだろうけどね。)



「Go Go LA !」

(ビンセント・ギャロが脇役で出演してたんで観たインディペンデント系の雰囲気の映画。目立たない作品だけど、これスゴクいいです!原作者&脚本家の自伝的な内容。作家志望のスコットランド人がUKから、一目ぼれした売れないアメリカ人女優の卵を追いかけて、LAにまで来てしまう。そこで巻き起こす、すったもんだのトラブル&爽快なシーン。アメリカ人の目ではなく、スコティッシュから観たLAの脳天気な雰囲気が面白いです。ギャロのとぼけた演技も最高!この映画では、売れない脚本家の主人公に、あるバーテンが、”Hフォード主演で潜水艦映画の企画があるから、その内容を売ってやろうか”、と言うシーンがある。これってのちのK-19のことなんだろうね。)



<オススメ潜水艦映画特集>



もともと潜水艦という限られた室内での人間ドラマ以外に、取り立てて描くテーマは見つけにくい。

だからこそ俳優の演技力や脚本構成、監督の演出力が問われる。

そして、そういう意味でここでお勧めの潜水艦映画は、本当に映画としての完成度が高いものです。



「U-517」

(O157と混同してタイトルをなかなか覚えられなかったが、内容はすごく面白いアクションに仕上がっている。Mマコナヘイって意外に演技うまいです。K-19なんかより、よっぽど共感できる映画。)



「眼下の敵」

(これこそ潜水艦映画の古典!米ロバート・ミッチャム(米海軍駆逐艦艦長)と独クルト・ユルゲンス(ドイツUボート潜水艦艦長)の、2大有名俳優の、海上と海中のあいだでの駆け引き。この駆け引きがいいななあ。カラー作品で、古さも感じさせない古典。)



「Uボート」

(ドイツ映画がこれほど当たったのは何年ぶりだったでしょうか。演出も見事です。)



以下はあんまりお勧めしない潜水艦映画(もちろん各自で観て感動するなら止めはしないけど):



「K-19」

(ロシア人を米国人のHフォードや・・・元は彼もアイルランド系だろうけど・・・アイリッシュのリーアム・ニーソンたちが演じてる。悪いとは言わんが映画も文化の一つでしょ?映画の中にはコサックダンスを踊る典型的なロシア人のシーンも出てくるんだからさ、やっぱり違和感ある。説得力がなくなるよ。だいたい、Hフォードみたいに自分の芝居のデキには全く興味ない、儲けるだけの大根役者なんて、人気あるのは認めるけど、演技ヘタだし、映画文化を背負うことはできないよ。それなりに見せる作品だけど、これをハリウッドが製作する必然性があるのかね・・・・日本映画もリメイクの材料にされる時代だから、やっぱネタ切れなんだろうね。)



「クリムゾンタイド」

(惜しいところです。GハックマンとDワシントンは良い演技してますし、サスペンス度も良い線いってる。ただ設定が当初はまあまあリアルに思える割には、映画を実際に見終わると荒唐無稽で現実味に乏しかった。)



「レッドオクトーバーを追え」

(これもロシア人艦長をスコットランドなまりで話すSコネリーが演じてる。違和感あり。なんでコネリーがロシア人なのよ?彼の演技力&人気は認めるが、そうじゃないでしょ、映画の設定って。アクション&サスペンス映画としてはがんばった作品だけど、ロシアを米国側から安易に描きすぎ。大国病か?)





<個人的なカルト作品>



「メメント」

(意欲的な脚本構成。かなりレベル高いです。時間の流れと記憶の相互の逆転という難しいテーマに人間はどこまで迫れるのか。

ガイ・ピアースの演技も脚本の質の高さと共に賞賛されるべきレベルの高さ。理解するにちょっと難しいだろうけど・・・。)



「12モンキーズ」

(BピットもBウィリスも、出演映画を選ぶ目が肥えていると思わせてしまう作品内容(実際に目が肥えているかどうかは別として)。カルトな雰囲気を持つ「時間」がテーマの変わった近未来映画。でも完成度高いです。テーマの本質を理解しようとするのは、一見やさしそうに見えて、実は難しいかもね。)



「火垂の墓」

(高畑勲のアニメをここで出すのは反則? この映画をTV放映で見た僕の母が生前、語ってました。実際に大阪大空襲の中を妹と共に逃げ回った母は、焼夷弾の落ちてくるシーンや、阪急電車の描かれ方がとてもリアルだったと。ホントにあんな感じだったんだって。その意味で個人的なカルト作。いつものスタジオジブリのテーマであるヒューマニズムがここでも溢れる佳作。)



「バグダッド・カフェ」

(太っちょのドイツ人女優はチャーミング。音楽もヒットしましたね。でも、わかりにくい映画と思われるので一般受けはしないだろうなあ。)



「ホテル・スプレンディッド」

(これも理解しにくいイギリス映画かも。衣装、撮影、美術は秀逸なのでそれだけ観ようとするのもいいかもしれません。でも、いいセンスがあちこちに出てると思う。孤島に立つホテルで健康維持やリハビリのために過ごす客とホテル従業員たち。それぞれのキャラがエキセントリックです。)



「ホワイトアウト」

(別に織田裕二のファンでも松島菜々子の追っかけでもない。僕がマレーシアに駐在していた‘90年代後半、飲み友達に共同テレビマレーシア社長のHさんがいた。当時アジアバグースというアジア数カ国で共同制作のTV歌番組をやっていたHさん。僕たちと飲んでる時に、東野圭吾と真保裕一という対照的な二人の作家が銀座で飲んでる際のエピソードから始まって、そういや真保のホワイトアウトって小説、どうにか共同テレビ系で映画化できないかなぁって言ってたっけ。もうキャストも織田裕二で決まってるんだけど、制作費や寒冷地撮影のいろんな問題でなかなか進んでないって。99年に僕が帰国して間もなく、この映画が公開された。携帯電話でおめでとうございますとHさんに言ったら、君の仲間内に映画館で観るようにススメテくれって言われた。思い入れのある作品。でも実は僕、ビデオで観ただけでした。ごめんなさい、8チャンネル関係の皆様。でも、とても頑張ってるのがよくわかる、日本映画にしては良いアクション映画。)



<すごく観たいけどまだ観ていない作品>



「ブラックサンデー」

(70年代最高のアクション映画、らしい。中学1年の時、TVで小森和子や11PMの今野雄二など、著名な映画評論家がこぞって絶賛してた。今もビデオ紹介の本にはカルト作と印がついているほど。なぜ観れなかったか?当時、中東だかベイルート?だかの紛争があり、政治問題化するのを恐れた日本政府が、試写も終わってるのに公開直前で上映中止したから。バカヤロウ。この間TSUTAYAで借りたら、そのビデオのテープが切れてて結局1カットも観れず。係りの人にはレンタル料金かえしてもらったけど、いい作品だから再仕入しろといったら、このビデオは現在発売中止で入手が難しいんだってさ。あくまで僕にはなかなか縁のない映画。誰か貸してくれって感じ。)



「パンチドランク・ラブ」

(ポール・トーマス・アンダーソン、ロバート・ロドリゲス、このあたりの独立系監督の作品は、何かしらいいところがあると思う。賛否両論の作品も多いけどね。早くみたい。)



「フレイルティ 妄執」

(地味で目立たない俳優、ビル・パクストンの監督作。週刊文春でオスギが珍しく満点つけて、絶賛してた。よほどいいサスペンス作品に違いない。だから観たい。既にビデオレンタルまでされてるのに、まだ観てない。)


・・・・・今回はこんなとこです。

材料不足で日本映画までリメイクしていくハリウッド。

映画は永遠に不滅です、なんて、どっかの野球選手が引退するときに言ったみたいな台詞は、もう通じないだろうけど。

皆さんも、ぜひ良い映画を楽しんでくださいませ。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:14 | 映画言いたい放題

オススメ映画第4弾

オススメ映画第4弾。

最近ネタ切れになってきつつあるので、こんな映画絶対観るなという「オススメしない映画」特集でもやろうかと思ってしまうこともある。

今回は製作年度に関係なく、(といっても、古すぎて一般には現時点で楽しみにくいクラッシク作品を除いて)、アトランダムに選んでみました。相変わらず、ハリウッドの大作おバカ映画、ホラー、スプラッター、ポルノなどは除いています。これらの分野に興味ある場合は自分で当たってみてくれい。





<今回のオススメ映画>



「アマデウス」

(クラッシク音楽に詳しくない僕でも楽しめた。Fマーリー・エイブラハムの演技は舞台役者の良さが出てていいねえ)



「旅情」

(先日老衰のため亡くなったキャサリン・ヘプバーン主演のメロドラマ。小学生のときTVで観て感激した。不倫という概念も小学生にもよく理解できた。不倫でも純粋な恋。ちなみに同じヘプバーンでも、世間的にはオードリーの方が好きっていうヒトが多いみたい。だけどオードリーよりキャサリンの方が好きだという映画ファンでいて欲しい、といつも思っています。そりゃオードリーの方がかわいらしいけどさ、演技力は段違いにキャサリンが上。)



「バルスーズ」

(最近、ある映画通にすすめられて観た。’75年前後ぐらいの仏映画。無修正版。これは凄い!オススメ。エッチすぎるけど・・・。当時、エマニュエル夫人と興行収入の1位、2位を競ったんだって。男2人、女1人計3人のロードムービー。仏版「俺たちに明日はない」って感じか?不感症、3P、自殺、同性愛的アプローチ。当時の日本の映倫じゃ、そのまま公開されなかったのもうなずける内容。映画冒頭のクレジットのデザインや色使いも含めて、映画全体が今観てもまったく古臭く感じないということは、当時は前衛的過ぎて、衝撃的内容だったんだろうね。やっと時代が作品に追いついた感じ。センスいい映画です。今や大スターとなったデビュー当時のJドパルデューやミウミウの出世作。それにJモローとBフォッセーという2大女優の使い方が上手。特に列車の中で官能的シーンを演じる赤ん坊連れの主婦役のBフォッセーは魅力的。セックスしてるシーンじゃないのにあそこまで官能的な感覚を出せるとは驚きダ。Bフォッセーも子役時代は「禁じられた遊び」でかわいかったのに、成長して妖艶になりましたねえ。)



「ロック、ストック&ツー・スモーキン・バレルズ」

(ガイ・リッチー監督、やってくれました。この映画もセンスいいです。ロック・ストック・バレルズで「一切合財」の意味らしいけど。音楽も良い!サントラCD、かっこいいですよ。)





「天国の門」

(Mチミノ監督。ワイオミング大虐殺を描く4時間弱の大河ドラマ。骨太です。公開から数日で上映中止でオクラ入り。お陰で膨大な製作コストが回収できなくなった製作会社は倒産。僕はこの映画、長時間過ぎること以外に上映中止の理由がわからないほど、質の高い作品だと思う。ま、題材が題材だけに横やりが入りやすいのかもね。)



「ワイルド・スピード」

(B級どころかC級映画だろうと思って、最初はバカにしながら観てみたら、意外に傑作!あなどれないよ。脚本がしっかりしてる。拾い物です。だまされたと思って観て欲しいカーアクション映画。この映画が当たったお陰で、最近続編が製作されているらしいよ。)



「ベティ・サイズモア」

(ノウテンキなアメリカ映画には珍しい話の内容。家族よりも個人を突き詰めていくテーマだからだろうか。「エリン・ブロコビッチ」の時と同様、タイトルのセンスのなさに惑わされてはいけない。内容はとても良質。夫の惨殺シーンを目撃した主人公の主婦が、ショックのあまり大ファンの昼メロドラマの内容に自分を重ね合わせて現実逃避。果たして現実とは?1人で生きていくということとは?・・・。主演レネー・ゼルウィガーの個性がここでも生かされている。)



「ガタカ」

(スタイリッシュなSF映画。これは後世までカルト的な作品として記憶されるだろう。かといって一部のマニアだけに支持されるような映画でもなく、一般ウケします。遺伝子や細胞情報で適格者(=優秀)とそれ以外の人間に分けられている近未来社会。宇宙飛行士になりたい不適格者の主人公が果敢に挑戦していく。ガタカとは宇宙局の施設名。ラストの数分間は言えないけど、とても、とても切ない。ジュード・ロウがいい味出してます。イーサン・ホークとジュード・ロウの不思議な友情感覚。SF映画といわれているけど、これは立派な青春映画! この映画が縁で主人公を演じたEホークとUサーマンは実生活では結婚したよ。そう、やはりこれは青春映画のケッサクなのだ!)



「チャーリーズ。エンジェル」

(こういうノウテンキなアクション映画って、映画マニアからはバカにされるだろうけど、「楽しむ」という原点に戻れば、決してバカにできないと思う。単純に面白い映画っていいもんです。Cディアスってカワイイ!)



「バーバー」(監督&脚本コンビのコーエン兄弟はセンスいいです。映画公開時はモノクロ、ビデオレンタル時はカラー又はモノクロの選択可能パターン。それについては作者の意図がよくわからんけど。)



「オー・ブラザー」(監督&脚本コンビのコーエン兄弟はセンスいいです。何十年も語り継がれる命題かも・・・宗教なんて、ね。)







<”一芸”映画>



映画作品としてあまりオススメってわけじゃないけど、どれか一箇所ぐらいオススメできるものがどんな映画にもあるはず。

小さくてもキラリと光るシンガポールみたいに。

そういう視点で選んでみた。

もちろん、こういう映画自体を好きだというヒトも世の中にはいるだろうから、それはそれでいいと思う。



「ボーイズ・ドント・クライ」の、クロエ・セビニーの透明感のある存在そのもの。脇役の彼女のお陰で、性同一性障害というこの映画のテーマがおかしな方向に行かなくて済んでいる。Hスワンクの演技なんか問題じゃなくなるほど、クロエの存在自体がすごい。



「遠すぎた橋」のパラシュート効果シーン(カメラマンも撮影時に一緒に降下したらしく、息づかいが聞こえてリアル)と、若き日のAホプキンスの渋い演技。Aホプキンスは「羊たちの沈黙」で大ブレイクする20年も前から既にUKでは大スターだったけど、中学1年でこの映画を映画館で観た僕には、Aホプキンスはカッコよく新鮮でした。



「殺しの烙印」(日活アクション、鈴木清順監督)で、暗殺者の主人公(宍戸錠)が、ご飯炊いてる時の炊飯器から出る蒸気にフェチするシーン。これはシュール。今思うとホントにスタイリッシュな映画。一般的にはウケない映画だろうけどね。わけがわからない、売れない映画ばっかり作って、ということで鈴木監督はこの映画の後、日活をクビになったらしい。けど、その後の鈴木監督の活躍で、クビにしたのは間違いだったってことは明らか。





<番外編&個人的カルト・シリーズ>



(相も変わらず番外編が好きですけど、この辺に私目の本音が良く出ますので、興味があったら観てみて下さい。)



「怪奇大作戦」

(’68年円谷プロ製作のTV番組シリーズのビデオ化。この時代(=’60年代)の円谷プロの作品はどれもこれも世界に誇るべきレベルの高さ。この番組、僕は3歳の時にリアルタイムでTVで観てた。よくこんな怖いTV観てたもんだけど。うちの娘は今5歳ですが、レンタルビデオで借りてきても怪奇大作戦なんか恐ろしくて恐ろしくて、とても観れないってさ。そりゃそうだ。今考えると、「Xファイル」の約30年近くも前に、こんなもの作ってたんだな、と。「Xファイル」なんか「怪奇大作戦」のパクリじゃないのかと思うほど。ラストで必ず流れる主題歌もいいです。)



「バスキア」

(ポップアート画家バスキアの伝記映画。Aウォーホール役をDボウイが演じてる。)



こんなとこかな。

次回はオススメ映画ではなく、オススメしない映画でもご紹介しましょう(あくまで予定)。



以上。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:11 | 映画言いたい放題

オススメ映画第3弾

オススメ映画第3弾。

いつものように自分が実際に観た映画の中からオススメのものを考えてみました。
今回は昔の映画を中心に、有名作品、ビデオ化されていない作品などを含む。
他人にはあまりオススメしない(できない)が、自分だけは気に入っている<個人的カルト作品>も入れてみました。
<個人的カルト作品>にはおバカな作品も含まれますが、まぁオチャラケだと思ってください。
でも自分の正直な好みというか、本質をついてるところはあります。

但し、<個人的カルト作品>部分は別としても、相変わらず、有名作、話題作、アカデミー受賞作の中でどうしようもないもの、ハリウッドのおバカな大作映画などは除いています。
ホラー映画、スプラッターもの、ポルノ映画も除く。
古典的な映画(チャップリン、ヒチコック、Jフォードなど)はもう当たり前過ぎるので、特別にここで紹介したい場合を除いて、基本的に対象外。
ミュージカル、ウッディ・アレンやゴダール等の映画も分からないことがとても多いので、いくつか有名な作品はあるけど、ここではオススメに入れていない。
いくら評判が良くて完成度が高いと言われていても、自分が観て面白くなかったもの、単なる自己満足的芸術論で終わりそうな映画も除く。
第1弾、第2弾で紹介済みの映画も基本的には除く。


尚、手元にメモや資料がなく、全て記憶に頼っているので(映画の感想メモなんて例外を除いて一切書かない、残さないから)、タイトルや内容に正確でない部分があるかもしれないですが、そこはご容赦を。
もちろん、ここにあるのがオススメ映画の全てではなくて、他にもいい映画はいくらでもあるだろうから、そこんとこよろしく。


<フレンチ(ヌーベルバーグ含む)>


「現金に手を出すな」(Jギャバンはなんてカッコいいオヤジなんだろう。こんな威勢のいいオジイちゃん欲しいぜ。フィルム・ノワールの代表作。リノ・バンチェラも存在感あり)

「勝手にしやがれ」(ゴダールの作品だけど。これはスタイリッシュ。JPベルモンドがいいですなぁ。モノクロの良さが出てますね)

「死刑台のエレベーター」(今観てもとてもスタイリッシュ。Mデイビスのジャズ。メルセデスのガルウィングは当時石原裕次郎も持ってたそうだけどカッコいいですな)

「冒険者たち」(小学生の時TVで観た永遠の青春映画。今はちょっと時代が違う?かなぁ。男2人女1人の不思議なグループ感覚は今の日本でもあり得るけどそのハシリか。軍艦島のロケはよかった。Jシムカスは実生活では後にSポワチエと結婚したよ)

「太陽がいっぱい」(これは今観ても鮮烈&強烈。フィルムの色彩もいいし、Aドロンの貧乏人ならではのギラギラした目つきがサイコウ)

「さらば友よ」(ラストでAドロンとCブロンソンがタバコの火をつけ合うシーンはシブイ。寡黙な男たち。これも小学生の時TVで観て感激)

「男と女」(音楽、キャスト、脚本、モノクロフィルムとカラーフィルムの効果的な対比、すべて魅力的。僕もホテルのレストランで店の人に聞かれたいねぇ、「他にご注文は?」って。映画観てない人には詳しく言えないから、とりあえず映画観て何のことかチェックして下さい。)




<ATG系映画>--

当初、一律制作費1千万円で監督・作家の感性を重視した作品を供給するという方針のもとで設立されたアート・シアター・ギルド。
この映画会社も一時期注目を浴びましたね。


「サード」(暗い映画だけど、森下愛子と永島敏行がいい。ラストまで見せますよ)

「帰らざる日々」(これも暗い映画。永島敏行主演。でも主演俳優の存在感がとてもある映画で、共感する部分の多い’70年代の青春ですかね)

「青春の殺人者」(長谷川和彦監督はすごい。デビュー作でもうこれかよ。すごすぎる。音楽もいい。ビートルズみたいなサウンドのデビュー当時のゴダイゴが音楽担当。サントラとしてゴダイゴのデビューアルバムまで買わせてしま
うなんて。)

「ヒポクラテスたち」(大森一樹監督、最近自殺した古尾谷雅人の出世作)

「遠雷」(根岸吉太郎監督、これポルノ?まぁまぁ。違うだろうけど。石田えりは魅力的。実はジョニー大倉の名演技も忘れてはならぬ)

「転校生」(大林カントクって、あまり好きではないが、この映画は好き。尾道のノスタルジックな町並みをうまく使っている)

「もう頬杖はつかない」(桃井かおりがいい!これで都の西北大学に入りたいと思った人もいるのかねぇ。奥田瑛二のだらしなさは当時からイケテル。)

「家族ゲーム」(森田芳光監督。松田優作の新境地)

「お葬式」(伊丹十三監督。高瀬春奈はこんなに色っぽかったんですね。山崎努もいい味出してるし。)


<RKOラジオピクチャーズ社の映画>--この映画会社のテイストが好きなので。


「拳銃の報酬」(確かこのタイトルだったと思う。ハリー・べラフォンテが製作&脇役出演。Rライアンが男くさい主役を。ジャズの音楽が似合っているモノクロ映画)

「汚名」(ヒチコック映画。有名すぎて今さら説明不要ですかね。)

「市民ケーン」(Oウェルズのこの映画も有名すぎて、説明不要。)

「十字砲火」(原作は同性愛ホモがテーマだったらしいが、当時のコード規制でユダヤ人差別映画として製作。赤狩りも重いけど、映画自体は立派。佳作です。)




<それほどおバカでないと思われるその他のアメリカ&ヨーロッパ映画>


「ブラックホークダウン」(淡々とドキュメンタリータッチで仕上げたのが良かった。直接的なメッセージはこの映画に要らない。但しアメリカの戦争を肯定するからすすめているのではない。あくまで映画・映像としての完成度から。)

「プライベート・ライアン」(日本語タイトルはもっと考えて欲しかった。これじゃ意味通じないよ、一般の日本人には。頑張った作品なのにね。でも「ライアン二等兵救出作戦」じゃあ客は入らないかね、やっぱり。これもアメリカの戦争を肯定するからすすめているのではない。あくまで映画・映像としての完成度から。)

「ハスラー」(ミネソタ・ファッツ役の俳優はPニューマンを完璧に食ってたと思う。Pニューマンもいいけど。モノクロで撮って正解。よかったね)

「ゲッタウェイ」(Sペキンパー監督の暴力描写。ショットガンぶっ放すSマックィーンがカッコいい)

「捜索者」(ニュープリントだったら色彩もきれいなはず。Jウェインは相変わらず。先住民族の問題は根深いけどね、一応西部劇の中でも社会派的な雰囲気のある映画。)

「裏窓」(舞台劇の映画化とわかっていても、その設定とカメラ・アングルはいいですね)

「スティング」(ラグタイム・ピアノの音楽もいいし、衣装デザインも脚本も演出もいい。Pニューマン&Rレッドフォードの名コンビぶりもさすが)

「パピヨン」(マックィーンには悪いけど、Dホフマンがいてこそ存在感が高まった映画では?マックィーンの演技もシブイけどさ)

「アラビアのロレンス」(アカバの港のシーンがキレイ。砂漠は清潔だから好きなんだってさ、ロレンスが言うには。音楽も撮影も編集も見事)

「情婦」(脚本&演出の完成度が高く、時代が変わってもいまだ鑑賞に耐え得る。ラストの大どんでん返しはヒミツ。Mデートリッヒの脚線美は当時既に50代だったという年齢をまったく感じさせない。スゴイです。)





<個人的カルト作品>


あくまでマニアック又は個人的思い入れだけの映画。
一般受けしないことから他人にはあまりオススメはしない作品や、おバカなアメリカ映画もいくつか含まれているけど、自分は諸事情から気に入っているもの。


「小さな恋のメロディ」(若き製作スタッフたちの当時の平均年齢は20歳代だったとか。Aパーカー脚本、Dパットナム製作。・・・今考えるとスゴイ陣容)

「花様年華」(「欲望の翼」の続編というか姉妹編。それを観ていた方が分かりやすい部分もあるけど。ノスタルジック&けだるい雰囲気が好き)

「バロウズの妻」(ビート系作家に興味あるならば、ということで。誰にとっても面白い映画とは全然言えないでしょうね。)

「裸のランチ」(ビート系作家に興味あるならば、ということで。誰にとっても面白い映画とは全然言えないでしょうね。原作よりもWバロウズの略歴を知っていると理解しやすい構成の映画です。)

「ビートニク」(ビート系作家に興味あるならば、ということで。誰にとっても面白い映画とは全然言えないでしょうね。)



「死にたいほどの夜」(ビート系作家に興味あるならば、ということで。誰にとっても面白い映画とは全然言えないでしょうね。Kリーブスがスピード2出演を蹴ってまでこの作品に賭けた!)

「狙撃 The Shootist」
(仲村トオル主演。ロケは田町駅のすぐ横のレンガビル。今でもあるはず。タイトルのshootistは和製英語だろうけどカンベンしてあげて。敢えてサブタイトル入れるならスナイパーとかシューターですかね。僕の結婚式の立会人というか仲人的な役割をお願いしたご夫婦がいるのだけど、そのご夫婦の姪御さんに鷲尾さんとい
う女優がいて、その人と仲村トオルは結婚した。私たちのバリ島新婚旅行のすぐ後で、この俳優2人も同じホテルに宿泊したそうだと、そのご夫婦から後で聞いた。仲村トオルに会ったことなんてあるはずないけど、その意味で私のミーハー度は最高潮。)

「ボディースナッチャーズ」

「パラサイト」(題材は同じ)

(子供の頃、一峰ダイジさんのカルト読切り漫画「西からのぼる太陽」:これは有名です!--を偶然読んで、その後これらの映画観たらぶったまげた。同じだ。よく使われる古典的題材だからどっちが真似したなんて言えないだろうけど。この映画も元々リメイクなんだからね。)

「めぐり逢い」(ケーリー・グラント&デボラ・カー版。単なるメロドラマだけど、これも小学校低学年で観て以来のフェイバリット)

「犬神家の一族」(室内美術、撮影の色合いがよいですよ)

「仁義なき戦い・広島死闘編」(北大路欣也と千葉真一のド迫力。この2人のお陰で映画も成功。ラストはわざとざらつかせた粒子の粗いフィルムで。北大路の鬼気迫る殺戮マシーンぶり)

「ロッキーホラーショウ」(米ばらまくのが好きな先輩がいたっけ、この映画観ながらさ。若き日のSサランドンの初々しいこと)

「白い恐怖」(ヒチコック監督作という意味もあるが、サルバドール・ダリのシュールなデザインがよかったので)

「ベンハー」(小学3年の時TVで観て以来のファン。有名なラストの古代戦車競争シーンのフィルムはNY近代美術館に所蔵されているんだってさ)

「エレキの若大将」他若大将シリーズ(同じエレキギターを弾いてもお坊ちゃま加山雄三は好感がもてる。根っから歌もうまいし作曲能力もある。言わば加山の才能映画)

「鷲と鷹」(若き日の三国連太郎の男くささ&存在感。裕次郎もいい。西村晃はどうしてああも憎たらしいのかねぇ。いい味出してるよなぁ)

「愛の狩人」(不能のJニコルソンは笑える。Aマーグレットは妖艶。’50年代ニューイングランドの大学寮に行ってみたくなったわい)

「セント・オブ・ウーマン」(アメリカン・トラッドのレジメン・タイやツィードジャケット、チノパン、BDシャツなど、この手のファッションが大好きなので)

「あなたがいたら 少女リンダ」(その昔ちょこっとホームステイしていたイングランドのブライトンが舞台なので。主演のE.ロイドは存在感ありますよ。)

「モナリサ」(その昔ちょこっとホームステイしていたイングランドのブライトンが舞台&ロケ地なので)

「ピンクフロイド ザ・ウォール」

(説明不要ですね。ピンクフロイドもAパーカーも天才。当初は公開しても売れないとバカ配給会社に思われていたが、坂本龍一たちの早く公開しろ運動でやっとこさ公開されたので、私もやっとこさ18歳の時、新宿の映画館で観た。)

「戦争のはらわた」(これは傑作!これ、人間の業というか、性サガをえぐりだしてる。日本語タイトルはちょっとねぇ。誰がつけたんだよ、って感じのセンスのなさ)

「愛と青春の旅立ち」(Dウィンガーが魅力的。これも日本語タイトルは誰がつけたんだよ、って感じのセンスのなさ。売れりゃあ何でもいいのかね。売れたけどさ)

「ブレードランナー」(これはかなり多くの人が自分のフェイバリット作に入れるでしょ。これこそカルトだ)

「惑星ソラリス」(これはGクルーニーのリメイク版じゃなく、ソ連製Aタルコフスキー監督のオリジナル。東京の首都高をロケして、一種の未来都市として使用したのはいい発想ですねえ)

「野のユリ」(小学校の時TVで観た。地味だけどね。Sポワチエの”エ~メン”っていう教会の歌が今も頭をぐるぐる回ってる)

「ダイハード」(1作目のみ許す。面白かった、単純にね。ばかばかしい設定もあったから、こういうアクション映画を他人にはおおっぴらにオススメしたくないけど、実は結構好きな映画。テロリストのAリックマンはとてもはまり役)

「グッド・ウィル・ハンティング」(ラストシーンだけは凄く気に入っている。本当に秀逸!ラストだけで永遠の青春映画と言える。だけど・・・これも日本語タイトルは何とかならんかったのかね。センスなし)

「パルプ・フィクション」(タランティーノ監督は音楽を一つの商売道具として売るのがうまいね。サントラCDまで買ってしまったよ。)

「ナチュラル・ボーン・キラーズ」(これも。Oストーン監督は音楽を一つの商売道具として売るのがうまいね。サントラCDまで買ってしまったよ。)

「Uターン」(これもこれも。Oストーン監督は音楽を一つの商売道具として売るのがうまいね。サントラCDまで買おうとしたけど、今度はやっぱり止めた。)

「エデンの東」(高校生の時、学校をサボって映画館でリバイバルを観たら、評判どおり良かった。その時の印象が強いからかなぁ。)

「理由なき反抗」(これも。高校生の時、学校をサボって映画館でリバイバルを観たら、評判どおり良かった。その時の印象が強いからかなぁ。)

「静かなる男」(アイルランドが好きで、ケルト文化に興味あったから。ケルトの十字架も映画には出てくる。Mオハラのアネゴ的威勢の良さもいい。仕方ないけど古くさい映画だよね)

「バード」(ジャズ界の巨匠、チャーリー・パーカーの伝記。映画自体はそれほど面白くないが、監督のCイーストウッドはジャズを愛し、ジャズをキチンと理解しているということがよく分かる作品)

「ラジオデイズ」(Wアレンの作品はどこがいいのか未だに理解できないでいるが、これはノスタルジックな雰囲気がいいし、スウィング・ジャズも一応好きなので)

「7人の挑戦者」(日活映画。二谷英明主演。ビデオ化されてません。TV放映でもなければ永遠に観ることができないかもしれない、ホントにマイナー作品。ジャズ・バンドの7人が悪人たちと闘うっていう筋なんだけどね。コルトレーンに似たテーマ曲とかジャズ音楽をうまく使ってて、さすがにいいんだわ。)

「ファビュラス・ベーカー・ボーイズ」(これも理由はジャズ。ミュージシャンの生活ぶりが分かる。Mファイファーは言うまでもなく魅力的ですが。)

「ブリジット・ジョーンズの日記」(売れましたねえ。でも時代が変わると全然受けないかもしれない映画です。主人公を演じた太めの女優レネー・ゼルウィガーはとても好きなので、ここであげとこう。)

「好奇心」(ルイ・マル監督。母と息子の近親相姦。チャーリー・パーカーのアルトサックス・ジャズを聴いてる主人公の少年はかつてのマル監督か。)


以上。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:08 | 映画言いたい放題

オススメ映画第2弾

オススメ映画第2弾。

ここ数年又は10年ぐらい前から20年ぐらい前までの間で公開された映画の中で、(いろいろ異論はあろうけれど)ギョーカイの筋の人たちからも、まぁまぁいけてると思われている映画。
独立系インディペンデントな雰囲気のある映画。
あくまで今、レンタルビデオ等で入手しやすい映画。
他にもいい映画はいっぱいあるので、これが全てではないことは当たり前。
尚、タイトルや製作年度は手元に資料やメモが一切ないから(メモなんてとったことないから)、記憶に頼るのみ。
いいかげんなところはご容赦を。

ただし、以下のような映画を除く。
マニアックに過ぎて一般にあまりなじまなさそうなキワモノ映画。
ビデオレンタルされていそうにないマイナー過ぎる作品(→番外編他の項を参照)。
ハリウッド製作の典型的おバカ大作映画。
既にクラシックの域に入っている有名な古典作品(チャップリン、ヒチコック、J
フォードその他)。
あまりに誰でも観ていそうなハリウッド大作、アカデミー賞受賞作、アクション、
西部劇、ミュージカル等。
オカルト映画、スプラッター映画、ポルノ映画なども除く。

↓ここからオススメのリスト。順不同、製作年度不同。


「スリング・ブレイド」(BBソーントンの障害者役の演技はDホフマンを超えた
か?)

「トゥルーロマンス」(タランティーノもやりますなぁ。今や額が薄くなった若き
日のCスレ-ターもいいです))

「スカーフェイス」(3時間を飽きさせない派手なアクション映画。アル・パチーノ
が台詞で伏せ四文字連発!小気味いい猥雑な台詞ばかりなので字幕で観るべし)

「ボクサー」(DDルイスのストイックな名演技、アイルランドIRAに興味ないヒトも
是非これを!)

「父の祈りを」(DDルイスのストイックな名演技、アイルランドIRAに興味ないヒト
も是非これを!)

「蝶の舌」(子供も大人も時には残酷)

「告発」(Kベーコンの鬼気迫る名演技。このヒト、アイドル路線捨ててよかった
よ)

「セント・オブ・ウーマン」(Aパチーノ:盲目退役軍人役の演技でアカデミー主演
賞受賞)

「レザボア・ドッグズ」(「仁義なき戦い」に影響されて作ったタランティーノ。
でも菅原文太の演じた役に相当するのはHカイテルのやった役か?)

「バウンティフルへの旅」(老女役のJペイジはアカデミー主演女優賞受賞)

「フライド・グリーン・トマト」(女性が観るのと男性が観るのと違う感想が出そ
う)

「サルバドル」(Oストーンもこういう映画を作れる。アカデミー主演賞ノミネート
のJウッズの怪演が見事。)

「リービング・ラスベガス」(破滅的なNケイジもいいが、Eシューの色っぽいこ
と)

「イギリスから来た男」(Tスタンプのファンは昔の彼の出演映画シーンも使われて
るので観るべし)

「セブン」(Kスペイシーは怪演です。Bピットもいいけどね)

「ユージュアル・サスペクツ」(Kスペイシーのホモっぽい演技が成功した映画)

「ファイト・クラブ」(Bピットのミーハー人気以前に、この映画の脚本かなりのレ
ベルではないでしょうか)

「サイダーハウス・ルール」(この映画、Mケインがいなかったらどうなってたこと
か)

「キリング・フィールド」(ポルポトの大虐殺。アカデミー助演賞のHニョールはそ
の後殺された。重い重い作品)

「ミッシング」(コスタ・ガブラス監督は天才か?)

「ライフ・イズ・ビューティフル」(奥さん役の女優はRベニーニの実の奥様)

「テルマ&ルイーズ」(Sサランドンはいいアネゴって感じ)

「ワイルド・アット・ハート」(ローラ・ダーンの魅力的なこと。お父上より売れ
たか?)

「オール・アバウト・マイ・マザー」 (Pクルスってやっぱりスペインの女優だっ
たんですね)

「ニル・バイ・マウス」(Gオールドマンの自伝的ストーリー)

「マルコヴィッチの穴」(Cディアスがよい。外見はそれとわからないほどのメーク
&演技)

「奇跡の海」(珍しくデンマーク映画。Eワトソンは存在感ありありです。テーマも
重いけど。)

「愛と死の間で」(Kブラナーの意欲的脚本。ネタは明かしませんが・・・・)

「処刑人」(必殺仕事人って感じ。小気味いいアクション映画)

「ザ・ペーパー」(舞台劇をRハワード監督が映画化。マスコミのギョーカイもの)

「バーディー」(精神病を扱ってるから重いですけど。Aパーカーは天才です)

「心の旅」(Hフォード出演作にしてはまともに観られる?良心作か)

「さらば、わが愛 覇王別姫」(レスリー・チャンはこの映画でも魅力的。)

「私が愛したギャングスター」(アイルランド好きにはこたえられまへん。ルパン3世と峰不二子が結婚して所帯を持ったらこんなスタイリッシュな映画になるんじゃないかというキャッチコピーは大ウケ)

「探偵・濱マイクシリーズ3作」(特に1作目のモノクロ映画がシュールでノスタルジック。日本にもこんなスタイリッシュな映画があるのだよ。永瀬正敏はトレンディドラマになんか出ないで映画目指してて良かった)



<ちょっと古いが評判をとった少し昔のアメリカンニュー・シネマ、その他
の’60~70年代注目映画>

リアルタイムで観ることができればかなり共感できたかも知れないが、これらのうちそのいくつかは、今の時代感覚や価値観にそぐわなくなっている映画が多いかもしれない(例:「狼たちの午後」の主犯格の男がホモだったという設定は当時なら衝撃的だろうが、今となってはホモだけで衝撃的というわけではない)。
ともあれ、ここら辺の作品はやっぱりAパチーノやJニコルソン、Dホフマン、Rデニーロたちの独壇場ですな。

「さらば冬のかもめ」

「真夜中のカウボーイ」

「スケアクロウ」

「俺たちに明日はない」

「カッコーの巣の上で」

「卒業」

「狼たちの午後」

「わらの犬」

「イージー・ライダー」

「愛のコリーダ」

「青春残酷物語」(大島渚はすごい。撮影も緑や青を基調にした映像で秀逸)

「父/パードレ・パドローネ」

「ミッドナイト・エクスプレス」

「ゴッドファーザーⅠ&Ⅱ」(Ⅲは敢えて除きたい)

「セルピコ」

「タクシー・ドライバー」

「青春の殺人者」(これは本当の意味での衝撃作。親殺しという設定と狂気と原田
美枝子の色っぽさ。サントラとしてゴダイゴのCDまで買ったぐらい音楽もいい。)

「2001年宇宙の旅」(難しく考えすぎないようにね。センスのいい前衛的な作品)

「時計じかけのオレンジ」(近未来の恐怖。カルト映画といえる)



<番外編:レンタルショップでは見つけにくい古めの映画だがいつか観て欲しい
作品やその他のレアもの>

「天国は待ってくれる」(かの有名なルビッチ監督の初カラー作品。確か1940年代
の製作。TSUTAYAでもレンタル中。映画館で観たけどロマンチックでいいですよ、こ
れ)

「裸の町」(オールNYロケの’40年代映画。今で言うドキュメンタリータッチのはし
りで、今も色あせていない面白さだろう。小学生の頃、TVで観た。レンタルは探し
ても見つからないかも)

「イベントホライゾン」(数年前の意欲作だけど、妊婦は絶対に観ない方が良い。
観たらわかるだろうけど子供を生む気にならないほど気持ち悪くなる設定。)

「狂った果実」
(にっかつ映画。製作は確か1980年ごろか。残念ながらビデオ&DVDはなく入手不能(→現在はDVD発売され入手済)。裕次郎の日活映画じゃなくて根岸吉太郎監督の下積み時代のロマンポルノの方。ただし内容はポルノではなく立派な青春映画の佳作。これをポルノというなら、ゴールデンタイムでTV放映までされた同じ根岸の「遠雷」の方がよっぽどポルノだと思う。とにかく凄くイキイキしてる映画。若さゆえの残酷さ。その昔、18歳の頃、新宿の映画館のオールナイトでポルノ映画特集として観て衝撃を受けたよ、もう。上映中、後ろにはホモ
のオヤジが酩酊状態の少年にキスしまくってるし、終電に遅れたヤンキー兄ちゃんたちもいたし、ヘンな映画館の一夜だったなぁ。それにふさわしい作品のイキイキ度)

「顔役暁に死す」
(大藪春彦の原作を岡本喜八監督がスピーディな演出で映画化。昭和30年代半ばに日活アクションをライバル視して製作された東宝B級アクション。加山雄三の若
き日のお坊ちゃま度が好感。しかし、これほどテンポの良い&小気味いいアクショ
ン映画が日本にもあるということ。騙されたと思って観て頂きたい1本。)


<その他>

なお、タランティーノの「パルプフィクション」や「ジャッキーブラウン」を観る
ぐらいなら、それらもまあ、悪かぁないけど、先にキューブリックの「現金に体を
張れ」(1956)を観るべし。タランティーノの2本はキューブリックの「現金
に・・・」の脚本構成(というか脚本の設定方針っていうのかね)のパクリだった
ことがよくわかる。「現金に・・・」はうちの近所のレンタルビデオ屋さんで貸し
てるよ。
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 17:04 | 映画言いたい放題

オススメ映画第1弾

オススメ映画をご紹介しております。どれもこれも、ここ数年の、ヒトクセあるインディペンデント系の注目作、その他の佳作が中心です。もちろん、好みや感性は人によって違いますから、皆さん全てが感動の渦に巻き込まれるかどうかは必ずしも保障できませんけどね(笑)。ひとつの材料としてご参考までに。


「幼なじみ」

ハリウッドのおバカ大作映画ばかりを観すぎると、このフランス映画の良さはわかりにくいかも。地味に見えるけど、とても静かな力強さがありますよ。マルセイユを舞台に、黒人青年と白人少女の幼なじみが主人公。逮捕され刑務所に入る青年、一方妊娠中の少女。さあ、二人はどうなる?二人を見守る両家族のなんと暖かく、人間くさいことよ。しかし・・・、幼なじみが恋人になるなんて、なんとなくいいものですね。


「200本のたばこ」

インディペンデント系映画。大晦日、恋人のいない若者たちの、さまざまなエピソードが同時進行で描かれていく青春群像。MTV時代(80年代前半?)のテイストが良く出てる。だからBGMも重要ですので要チェック。登場人物の1人である女性のアパートで開かれる大晦日のパーティーに参加するのか、しないのかで、お互いに全く関係のない登場人物たちそれぞれが、同時進行で騒動を巻き起こしていく。クライマックスは皆が一堂に会するそのパーティー。さて、ラストでは誰と誰がめでたく恋人になり、結ばれたのでしょうか、というのがこの映画のオチ。意外な人物が意外な相手とくっつくヨ。特にアパートの住人の女の子のキャラがエキセントリックで面白い!


「あの頃ペニーレーンと」

これもインディペンデントな雰囲気があります。

その昔、ローリングストーン誌の未成年ライターとして実在した男の子がこの映画の主人公。彼を取り巻く人たちが、これほど「いい人」ばかりだとちょっと非現実的にも見えますが、そこはご愛嬌。映画はいい出来です。主人公が憧れる女性役をケイト・ハドソン(かの有名な女優ゴールディー・ホーンの実の娘)が演じてる。このハドソンがとても魅惑的&魅力的!音楽もすごくセンスいいですよ。アカデミー脚本賞受賞。


「ワンダーランド駅で」

30歳代のもてない独身女性が主人公。いいですよ、これ。ほのぼのコメディ。ボストンのワンダーランド駅でいつもすれ違いの主人公の女性と、これから仲良くなりそうな気配の男性。なかなか巡り会わないこの二人、どうなるのかと映画の観客をヤキモキさせます。彼女がダイヤルQ2で男性相手を選び、何人かとデートする一連のシーンは主人公を演じた女優のキャラもあって、結構笑えます。この映画、TSUTAYAでもオススメ映画として山積みされてました。


「ハイ・フェデリティ」

この作品は一にも二にも’80年代の音楽!あまりに選曲がよくて僕もサントラCD買った。レコード店の店長さんを演じた主演のジョン・キューザックは相当、この時代の音楽に思い入れがあったらしく、そのオタク性をいかんなく発揮して製作までやったらしい。


「天国の口、終りの楽園。」

珍しくメキシコ映画。メキシコ映画なのに日本で劇場公開までされ、ビデオ・DVDも発売されている事実からしても、観ていない人にとっては観る前にかなり期待できそうというのがお分かりになるはず。17歳の親友同士の男の子2人と、訳ありの人妻、計3人のロードムービー。「天国の口」という伝説のビーチを求めてメキシコシティから車で旅に出る3人。全編に描かれるセックスシーンは過激。ラストに用意されているオチを消し去るほどにエッチ。少々やり過ぎかも。カメラは秀逸。メキシコの乾いた風景や太陽そのものの撮影がとてもうまく撮れている。この映画の監督、ハリポタ3も監督するんだってさ。永遠の青春映画。やっぱり年上の人妻って男の子にとっては魅惑的だもんねぇ。日本語のタイトルつけた人は、サイコウにセンスいいです!意味があるタイトル。映画観終わってからその意味考えてね。


「トレインスポッティング」

ロンドンの舞台劇の映画化。音楽もかっこいい。こういうのをスタイリッシュな映画という。ストーリーは・・・・ま、とにかく映画を観てくれ、と言った方が適切だな。主人公を演じたユアン・マクレガーもいいですが、舞台では主人公を演じ、映画では脇役のジョニー・リー・ミラーもいい。ロバート・カーライルは相変わらずエキセントリック。Jリー・ミラーはドラキュラ映画で有名なクリストファー・リーの肉親らしい。詳細は覚えてないけど。現在、続編の原作本が発売中。ちなみにこの映画がデビュー作のケリー・マクドナルドの初ヌードシーンはかなり魅力的。エロチックというより生き生きしてるよ(女子高生役だからトーゼンか?)!さすが、Kマクドナルド。


「アメリ」

説明不要ですかね、有名すぎて。主人公の女性は魅力的ですよね。この映画のあと、映画の舞台やロケ地が観光名所になったとか。


「鬼が来た!」

香川照之は天才かつ努力家ということがよくわかる。中国映画でよくもここまで俳優としての存在感を発揮したものだ。

第2次大戦末期の中国東北部での、旧日本軍とその土地の中国人たちとの物語。

ほとんどモノクロ画像だけど、カラーになる部分がある。映画を観ていない人にはどこのどのシーンとは言えないけど、それが(そのカラー部分の使い方が)この映画のテーマでもある。カンヌ映画祭グランプリ。別に賞をもらったから権威が出るとか、威厳があるとかじゃないけど、確かにそれに値すると思うほどの完成度。今、香川照之が書いたこの映画の撮影日誌の本を読んでいる。凄いよ、中国大陸での撮影は。ハードワーク。お疲れ様って感じ。


「ブギーナイツ」

監督・脚本のPTアンダーソンは賛否両論あるけどね、でも個性的。ポルノ映画界の内幕を描くインディペンデント系映画。独立系じゃないと描けないよなあ、この題材は。「猿の惑星(リメイク版)」のマーク・ウォルバーグが主人公のポルノ男優を演じてる。この映画では脇役のバート・レイノルズ(昔は売れてただろうけど懐かしい)がいい味出してる。ポルノ女優を演じるジュリアン・ムーア(ハンニバルなどに出演)もいいです。


「フルモンティ」

ロバート・カーライル主演。失業中の男たちが男性ヌードダンサーをやる、といういささかxxxなイギリス映画。舞台でも受けただろうなあ。この映画もトレインスポッティングに通じるテイストがあるような気がします。


「バッファロー’66」

ビンセント・ギャロ監督・脚本・主演の独立系映画の典型。これは僕のフェイバリット。太目の女優クリスティーナ・リッチがいいです。刑務所を出た主人公が故郷に戻るんだけど・・・。ボーリング場のシーンはとても印象に残るはず。


「ローカルヒーロー」

1983年製作。誤解を恐れずに言えば、たぶん、僕にとっては今まででベストワンの映画。とても地味なイギリス映画だけど。ほのぼのコメディ。舞台はスコットランド北部の小さな村。テキサスの石油会社が石油コンビナートを作ろうということで、この辺り一帯の土地を買い占めようとする。そこで買収のために送り込まれたのが主人公のマッキンタイヤ。村人は抵抗するどころか、いかに高く土地を売ろうかと躍起になる。僕にとっては仕事に疲れたときに観る映画。仕事でお金以外に大切なものって何?ということで。音楽はケルト民謡を材料にしたかのような印象的なフレーズで、ダイアーストレイツのマーク・ノップラーが音楽を担当。マッキンタイヤが憧れる女性はステラ、同僚のオルセンが憧れる女性はマリーナ。ステラは星を、マリーナは海を意味する言葉。この映画のテーマを女性の登場人物の役名に表現してる。いいセンスですよね。美しい北の地方の風景をとらえた撮影もみごとです。


「欲望の翼」

ウォン・カーウァイ監督の出世作。1960年の香港とフィリピンが舞台。ノスタルジック。これ、かっこいい青春映画です。

このあいだ自殺したレスリー・チャンが主演。この人、こういう気難しいというか複雑な家庭環境の主人公をやらしたらサイコウですよね。


「恋する惑星」

ウォン・カーウァイ監督は「お前はモノローグと時計がないと表現できないのか」とまで言われたそうですが、その通りでしょうね。詩的なセリフが満載。複数のエピソードを集めたオムニバスだったんだけど、2つ目のエピソードまででいっぱいに。入りきらなかったエピソードは姉妹編の「天使の涙」で使われている。とにかくカーウァイ監督の作品はどれもこれもスタイリッシュ。これ、香港映画のイメージを根底から変えたと思う。出演者の1人、フェイ・ウォンの歌う主題歌もいい。


「天使の涙」

しゃべるのに障害のある人物を演じた金城武、一世一代の名演技。他の作品の金城はたいしたことないけど(ファンの方、ごめん)、この作品ではとてもいい演技を見せます。自慰行為まで演じてみせるミシェル・リーは正統派美人で魅力的。この作品も前作に劣らないほどスタイリッシュ。詩的なセリフ。これも香港映画のイメージを根底から変えたと思う。


「ブエノスアイレス」

カンヌ映画祭j監督賞。男同士の恋愛。のっけから激しいセックスシーン。ぶったまげた。だけど本当のテーマはそれじゃないと思う。男同士の恋愛でも、ピュアな気持ちが画面を通して伝わってくるから、ホントは男女でも女女でもいいのかも。映画の設定上は男同士の方が面白くていいんだろうけど。要するにこの映画では男の同性愛って大騒ぎするほどのことではないってこと。また、やんちゃで屈折した人物を演じたら、レスリー・チャンの右に出るものはいないでしょう。映画宣伝のキャッチコピーにもなった、例の「会いたいと思えば、いつでも、どこでも会える」っていうセリフ。このセリフが使われているシーンも意味があると思う。どこで使われているかは観てのお楽しみ。生活者と旅人の違い、っていうのかねぇ。地球儀見ると、ブエノスアイレスは香港のちょうど裏側に当たるんだってさ。生活してるのか、旅を続けてるのか。果たして?


「友へ チング」

あなどれない韓国映画。男の友情。あの時代の釜山の雰囲気がとてもよいのです。もちろんその時代に釜山に行ったことなんてないけど。

イーサン・ホーク主演のSF映画「ガタカ」で、海を泳ぐ主人公二人を真上のアングルから撮ったシーンがあるけど、「友へ チング」でも同じようなシーンが出てくる。そっくりでした。でもそれぞれの映画にそれぞれ必要なシーンだということはわかるし、真似したなんてけなすつもりもない。いい映画です、とても。



「GO」

真正面から「在日の今」、に取り組んでいる作品だと思う。テンポ、切れのいい映画。


「ポストマンブルース」

SABU監督って面白い。これはうけるよ。シュール。堤真一はいいですねぇ。



「弾丸ランナー」

これもSABU監督。うけるよ。シュールだし。田口トモロヲはプロジェクトXのナレーションだけじゃなくて、ここでもいい味出します。最後は笑ってしまうか、それとも笑えないよシニカルで、となるか。あなたはどっちでしょう?



「太陽を盗んだ男」

長谷川監督はすごい。2作目でもうこれかよ、すごすぎる。監督デビュー作の「青春の殺人者」もすごかったけど。70年代末の映画だけど、だまされたと思って観て頂きたい傑作映画のひとつ。主人公が原爆を作って世の中に脅しをかけるというストーリー。プールで大量に人が死ぬ幻想シーンは、当時の東宝が「編集しないと公開させないゾ」とせまったいわく付のシーン。もちろん長谷川監督の意地で公開時もDVDでもノーカット。後のサリン事件を思い起こさせるほど。沢田研二の主演ですが、彼の演技もバカにしてはいけない。いいですよ、ほんとに。


「ハッシュ!」

ぜひ観てください。意外や意外。こんな目立たない小作品でも、作品自体の完成度はすごいのです。主演の片岡礼子がすごく印象的で素敵な役柄を演じ、各女優賞を結構取ったはず。同性愛の男2人に、結婚したくないけど子供は欲しい女性1人の奇妙な三角関係。片岡礼子がホントにいいです。同姓愛の男性を演じる田辺誠一も、他の作品と違う雰囲気を出すのに成功。これもいいですけどね。


以上。

夏目芳雄
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 15:01 | 映画言いたい放題

近所の飲み屋

秋深まる中でつれづれに思うこと・・・・。

自宅の近所でよく利用している馴染みの飲み屋が、ここ1年ぐらいの間に立て続けに合計3軒も、同じ雑誌で紹介されてしまった。

雑誌名「BRIO」。

ご存知の方も多いと思うが、わりとお金持ちの30代後半~40代の男をターゲットに、遊び方をよく知ってて、奥さんを恋人のように大事にするのがオシャレでカッコイイと思ってるエグゼクティブ男性、というコンセプトの、ちとイヤミな(と思うが、違うか??)月刊ライフスタイル情報雑誌。

「奥さんを恋人のように大事に・・・」って、その狙い自体はいいんだろうけど、おい、お前ホントに実際そうなのかよっていう奴がインタビューされてたり、講釈たれてたりするから、少々説得力に欠けるような気もする。

そんなこんなで普段は買わないのですが、馴染みのお店が掲載されている号は、店主たちから聞いてさすがに3冊とも買ってしまった。

雑誌に掲載されたのは、自宅の近くを徘徊して自分自身で探し当て(誰からも教えられずにね)、徐々に常連客になっていったお店ばかりだったので、掲載されて嬉しいような、でも有名になると返って嬉しくないような、複雑な気分になるね。

まぁ、いくら自分で隠れ家的にくつろげる場所だと思っていても、当然ながらお店は僕だけのものじゃないし、紹介記事が載ればお店の経営的にもプラスになることがあるだろうからね。仕方ないか。

でも本音を言うと、記事が掲載された後の1~2ヶ月ぐらいの間は、妙にリキが入りすぎた冷やかしカップル客(?)だとか、広告関係(特にDとかH)の遊び人など、ちょっと浮いた感じのお客様が一時的に増えてしまって、あまり好きではない。

どの店のスペースもそんなに大きくないから、時々入れなくて困ることがある。

やはり、そこでの「時間」と「空間」は、なかなか得がたいものだったということかね。

雑誌を開くと・・・出てる、出てる。近所のお店。
ソウルバー。ワインバー。男性バーテンがやってる伝統的カウンターバー。

↓この3店に共通した良いところ:

・自宅から15分~20分ぐらいで歩いて帰れる距離にあること(深夜のタクシー代の心配がいらない)。

・店のマスターやスタッフたちが、そろいもそろって映画、ジャズ、何かのサブカルチャー等のどれかに詳しくて話がはずむこと。

・常連客に広告、音楽、マスコミ放送、デザイナーなど、ギョーカイ関係の人が多くて、彼らと直接話さなくても面白い雰囲気になること。
(・・・だからこそ雑誌に取り上げられやすくて、両刃の剣という気もするが・・・。店によってはジャズ・ギタリスト天野清継さんとかジャズ・ピアニスト国府弘子さん、TBS「王様のブランチ」映画紹介担当のリリコさん等、有名人も時々来ます。)

・深夜又は明け方近くまで開いていること。
(いいかげん、体に気をつけないといかんが・・・)

・客同士と話すのもよいし、一人でいることも「あり」な雰囲気であること。つまり、常連でなくとも、男性一人でも女性一人でも気軽に入れること。
(・・・40歳まで秒読み段階の歳になると、一人の時間はますます貴重ですな。ぜいたくな時間。「一人」は決して「孤独」と同義ではない。孤独を楽しむ面白さもありますけどね。僕はこれらの店にはいつも一人で行きます。家族の理解にも感謝しないとね、ホントに。)

・たとえお店に女性客が少ない(又はいない)時でも、男ばかりのむさ苦しさがないこと。

・会社関係、仕事関係の人には一切教えていない空間であること(・・・遊び仲間とはそこで集うこともあるけどね。オフの時間は大切に確保しときたいもんだ)。

・何より良いのは、欧米系パブや若者向けクラブにあるような、耳をつんざくような音楽ではなく、「適度な」大音量のジャズ、ボサノバ、ソウルなどがBGMであること。しかも、選曲がかなりセンスいいこと(そらぁそうだわな、常連客であるレコード会社の社員など、ギョーカイのプロが選んだり、公式発売前のサンプルCD持ってきたりしてんだもん)。

で、これから先、他にもある馴染みのお店が、あまり雑誌に掲載されないといいんだけど、そうもいかんかね。
可能性はあるだろうなぁ。食欲の秋。酒欲?の秋。
ああ、またデブになっていく。止まらないよ、たぶん40歳超えてもね。

以上

夏目芳雄
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# by y_natsume1 | 2004-11-05 14:51 | 酒×酒




夏目芳雄の東南アジア・映画・ジャズ・酒などに関するよもやま話です。
by y_natsume1
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