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富士五湖のカフェ・ミュージック


「first filtration of the duplex brains」(2000年 Beams Records)

時々、休日の朝からコーヒー飲みながらこのCDの1曲目をかけている。

家族からは「ちょっとぉ、音、大きいんじゃない? カフェみたいな雰囲気でいいんだけどさぁ・・・」と言われてしまう・・・・・。

ビームスの青野氏がプロデュースした、リミックス・コンピレーション・アルバム。

どの曲もいいんだけど、特に1曲目が最高にカッコイイ。

富士五湖方面の某所(湖のほとり)にパスタやクラブサンドがとてもおいしいカフェがある。特に、生姜を煮詰めてシロップで作るここの自家製ジンジャエールは絶品だ。

そのカフェは魅力的な女性二人が共同でオーナーをやっていて、このCDはそこで流してた。

とてもかっこいい曲だったのでオーナーに聞いたところ、オーナーとビームスの青野さんが友達だそうで、ビームスの他のCDも販売していた。

ここ数年、僕は数ヶ月に一度の割合で、休日に一人で車を飛ばしてそこに行く。湖を見ながらボケーッとランチをするためだけに。

時間とお金の使い方としてはちょっともったいないように思われるかもしれないけど(高速料金とか)、それぐらい、美味しいということ。それぐらい、僕にとっては少しの間家族と離れて一人になれる貴重な「時間」と「空間」だということ。
(・・・おいおい、お前はいつも一人で好き勝手やってんじゃん、という仲間内からのツッコミも聞こえてきそうですが・・・)


オススメだよ、このCD。
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by y_natsume1 | 2004-12-31 11:03 | Music Bang Bang

世界の中心で、愛を叫ぶ


これだけベタな設定とストーリー展開ではあるけれど、素直に観て、素直に泣いてしまった。ま、個人的にはそれでいいのだと思う。確かにこの作品をベタ過ぎ、わざとらしいと感じている映画ファンもいることとは思いますがね(苦笑)。この手の映画を目くじらたててこき下ろすより、今流行りの(?)「純愛」(一途な恋愛)を単純に味わうというぐらいの気持ちでね。

難点は主人公サクが過去(亡くなった恋人アキ)に生きたいのか、未来(婚約者律子との今後の生活)に生きたいのかが曖昧でどっちつかずに描かれている点。しかしそれとて、現実の世界でさえはっきりできないことなのだから、混沌とした映画の描き方でもいいのだ、と割り切ることもあり、だろう。

原作にはない、成長した現代のサクが過去を回想する形式や、1980年代の四国の高校生に舞台設定した点などは成功していると思う。さらには山崎努演じる写真館のシゲジイの役柄もとても好感。

特に1980年代という時代は、Eメールも携帯電話もCDもない時代だ。あの時代だからこその、便利ではないからこその、切なさと良さがある。そして携帯電話で会話する現代のサクと婚約者律子が際立つ好結果ももたらしている。

僕の育った実家や町は、この映画のロケ地香川県庵治町から車で約30分ぐらいの海辺にある。映画に出てくるこんなキレイな場所が実家のすぐ近くにあったとは知らなかった。大きな幹線道路や鉄道が近くに通っていない一種の陸の孤島だったからね、庵治町のあたりは。サクが高校時代の実験室を訪ねるシーンでは、実は僕の通っていた高校の隣町の高校がロケ地として使われている(って、僕のことがバレバレになっちゃいますからこれ以上は書かないけど)。

1980年代に香川県で高校生をやっていた僕にとっては、純愛や命の尊さ、喪失感という映画のテーマ以上に、個人的思い入れのある事がいくつかあって、別な意味で懐かしかった。

それにしても、ベタな映画だったなぁ・・・(苦笑)。
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by y_natsume1 | 2004-12-29 11:24 | 過去の映画評「さ」

百人一首


諸事情で不眠症の時期に、職場の妹分が薦めてくれたのが「口語訳詩で味わう百人一首」(さ・え・ら書房)。


「アニキ、そういう時はねぇ、口語訳付の百人一首なんかを読むことをオススメしますよ。おおらかな万葉集ではダメ。きっと心に響く歌に出会える予感がします」ってさ。

ありがたかった。

買って読んだ。読んだというより、味わった。

恋の歌がわりと多いのですね。
気に入ったやつが結構あるのですが、いくつか挙げると――


  「春すぎて 夏来にけらし 白妙(しろたえ)の
      衣ほすてふ 天の香具山」
         (持統天皇 出典「新古今集」夏)

  「たち別れ いなばの山の 峰に生ふる
      まつとし聞かば いま帰り来む」
         (中納言行平 出典「古今集」離別)


  「君がため 春の野に出でて 若菜つむ
      わが衣手に 雪は降りつつ」
         (光孝天皇 出典「古今集」春上)


「百人一首」って、今の音楽業界で言えば、コンピレーション・アルバムとかベストCDとおんなじような位置づけかもね。

和歌ってステキだと思った。

なかなか寝付けないのは前とあまり変わらないけれど、いいものを味わえて気分はいいかな。
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by y_natsume1 | 2004-12-26 17:55 | アジア的独白

ある映画プロデューサーの思い出


<再エントリ記事>

(注)マレーシア駐在時の文章:

1997年12月のある週末、一通の封書が日本から僕宛に届いた。ちょうどその日は、ある日系企業のアニュアル・ディナーに夫婦で招待されており、そろそろ準備しなければと思っていたところだった。

見ると、送り主は仲の良い女性の先輩からだった。僕の母が10月に亡くなったことで、友人、知人に喪中のハガキを出した。それについてお悔やみの返事を送っていただいたのだった。そこには彼女の父親や叔父様のことも記されていた。すでに数ヶ月又は一年ほど前に、お二人ともご病気で亡くなったそうである。ここで、仮に彼女の叔父様をY氏とでもしておこう。Y氏の遺品の日記には、親しくさせていただいていた頃の、僕のことが出てくるという。彼女からの文面には、最後の方に、「一人暮らしの叔父と親しくしてくれて、ありがとう」とあった。

1997年、僕はマレーシアにいて、そしてその年は、親族や友人など、大切な人が何人か亡くなった、辛い年だった。ディナー・パーティーに遅れまいと着替えつつ、僕は、そのY氏と過ごした当時の事を思い出していた――。

キッカケはなんでもなかった。僕は小学生の頃からとても映画が好きだった。あまりに映画のことが詳しそうな僕に、前述の手紙の主の彼女はある日、いきなり一枚の写真を、  見せた。

「ねぇ、キミは映画のこと詳しそうだけどさ、これ何の写真だかわかる?」

わかるもわからないも、僕はびっくりした。

セピア・カラーのその写真には、若き日のマーロン・ブランドが着物姿の日本人女性とおぼしき美人と二人で写っている。おそらく、1950年代に「サヨナラ」というハリウッド映画で、日本ロケに訪れた時のものだろうか。

僕がそこまでしゃべると、さすがに彼女も驚いた様子だった。

「よくわかるわねぇ。そうなのよ。マーロン・ブランドの隣の女性はね、実は私のママ。もう随分前に亡くなっちゃたけどね。モデルをやってた関係でこの映画にエキストラで出演したの」

・・・・・出演したの・・・。 エキストラで? 実は私のママ? ・・・・って、おいおい。すっげぇ美人じゃんか。しかもセピアカラーの生写真でマーロン・ブランドまで写ってるし。何なんだ、この展開は、と驚いたのはこっちの方だ。

そして彼女は、そんなに映画が好きならば、と映画の仕事に携わっていた彼女の叔父様(彼女の父親の弟にあたる)、Y氏を、僕に紹介してくれることになった。Y氏の仕事と、「サヨナラ」ロケの写真とは全く関係はないのだけどね。

Y氏は、ある有名な大手映画会社の元プロデューサーだった。紹介された時は、僕は20歳代後半の独身。彼は、既に映画会社をリタイヤされ、東京・渋谷の高層マンションの一室で、一人、悠々自適の日々を過ごしておられた。60歳ぐらいだったと思う。

そのマンションのご自宅に初めて伺ったときは、僕や、Y氏の姪にあたるその女性の他に、男女2、3名が一緒であった。他の人たちは特に映画ファンというわけではなかったようだ。

僕は、ただ映画が好きで、裏話や、製作秘話なんかを聞けるといいな、ぐらいに考えていた。映画「ニューシネマパラダイス」の主人公のように、まるで心は少年のそれであった。

果たしてその時の訪問では、最後には周りの人たちがつまらなそうに黙りこくってしまうほど、僕とY氏だけにしかわからない映画談義ははずんだ。プロットの立て方、カメラの角度、70ミリやシネラマ、効果音の苦労話などなど。おもしろかった。専門的な用語も、石原裕次郎や加山雄三のエピソードも、ある日本の有名女優の引退秘話も、どれも映画ファンにはこたえられないお話だった。

一方、 Y氏の製作した映画のことは、ご自分からは語ろうとはしなかった。「かえって映画界を引退した後の方が、趣味として、仕事抜きで、映画に接していられるんだよ」と、嬉しそうに話していた。

何十年も前の宣伝用チラシや特大ポスターのコレクション、ミュージカル映画のフィルム、シナリオ、かなりの読書をしたと思われる蔵書の数々。結果としてコレクションになったそれらの品々は膨大である。撮影に必要だからと、映画関係の人が借りに来る品物まであったらしい。

訪問の後半では1930年代のミュージカル映画のフィルム(MGMだったと思う、もしかしたら違うかもしれない)を見せていただいた。フィルムは、ダビングした今の市販のビデオテープと違い、字幕スーパーが入っていない。本場のフィルムの雰囲気とはこういうものかと思った。

それから、僕は一人暮らしのY氏を、渋谷・公園通りの高層マンションに時々訪ねるようになった。 Y氏は若い僕にも気さくに接してくださった。

彼は古き良き時代のお坊ちゃまであり、昭和30年代の昔からシトロエンやメルセデスを乗り回していた慶応ボーイであった。父親が日本郵船勤務だった関係でオーストラリア、東南アジアなどで少年時代を過ごしたそうだ。従って、英語に堪能で、字幕スーパーなどなくとも、アメリカ映画の内容は理解できるようだった。

「キミも外資系の会社に勤めているんだから、まあまあ英語は理解できるだろう?」と言われた時にはマイッタ。映画の中の英語は今だって完璧にはわからないのに。


Y氏はある事情から、ずっと独身を通していた。子供もいない。理由については、本人は一度も語らなかったが、姪の女性から何とはなしに聞いてはいたので、僕は黙って接していた。とにかく、ある事情から恋人は持っても家庭は持たぬことに決めたのだそうだ。

Y氏の方も僕の一本気なところと、少々無鉄砲で礼儀知らずな若さをたいそう気に入って下さったようだった。渋谷のマンションでステーキを自ら焼いてくださったり、お酒を飲ませて頂いた。酒に失礼だから、グラスの酒は残さず飲むようにと、酒のマナーも少し教わった。ここには決して書けない芸能界の裏話も聞かせていただいたし、学生時代のエピソードも伺った。

僕がジャズが大好きだとわかると、神宮前にあるジャズを聞かせるバーに僕を連れて行き、「さあ、ママに名刺を渡して挨拶したまえ」と言う。兄弟もおらず、父親知らずで育った僕には、まるでY氏は男としての、僕の教育係を任じているようでもあった。そのバーではコルトレーンチャーリー・パーカーのアドリブの話をしたものだ。

伊豆の別荘(温泉付きのマンションの一室)へお供した時は格別楽しかった。僕の役目はY氏にマッサージをすることだけ。あとは酒を飲んでうまいものを食べ、温泉につかって過ごした。「僕の歴代の彼女は皆、マッサージがうまくなったもんだよ」と、Y氏は言う。伊豆のおいしい小料理屋にも連れて行っていただいた。

こんな風に、映画とジャズを肴に数ヶ月を過ごした。家庭を持たぬ男と、父親を知らぬ若者が、まるで父と息子のように。

その後、特に理由もなく疎遠な時期があり、そのうち僕は結婚し、そしてクアラルンプールに駐在となった。 Y氏の訃報をきき、次に一時帰国した時には、ご遺族の方にお許しを得て、お墓参りをさせていただいた。

伊豆の別荘でY氏が僕に言った言葉がある。
僕がふと、「仕事は全然面白くないし、女の子にはふられるし。最近いいことないなぁ。特に好きな女の子も、今はいないしねぇ。どうやったら彼女ができるのかなぁ。はぁ・・・・」とボソボソ言うと、 Y氏はこうつぶやいた。

「当時つきあっていた女性と、夜中に電話で話していてね。僕は東京、彼女は京都の撮影所。お互い無性に会いたくなって、翌朝には僕は羽田から大阪行きの飛行機に乗っていたよ。でもね、キミ、それが“恋”というもんじゃないかねえ。とにかく会いたくなるっていうか。人を好きになるのは理屈じゃないもの」

僕は、今、結婚して子供もいる。かけがえのない家族だ。一度ご紹介したかった。 Y氏は、映画もジャズも、そして人生も、楽しいものだよ、と改めて教えてくれた。今も僕の思い出に残る、大切な人である――。

 ――僕は、支度を終え、妻と共にディナー・パーティーの会場になっているホテルに車を走らせた。そういえば、最近、大作のハリウッド映画しか観ていないなぁ、と思いながら。ジャラン・サルタン・イスマイル通りはまだ明るく、西日も強く感じられた。
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by y_natsume1 | 2004-12-23 17:55 | マレーシア駐在記

鎌倉の小宇宙  ~報国寺の竹林~


鎌倉駅からバスで20分前後のところに報国寺がある。

竹林と抹茶で有名だ。

2004年12月のある週末、訪れた。

寺の中の竹林に一歩足を踏み入れると、そこはもう別世界に思えた。

竹林そのものの面積も、お寺の面積も大きいわけではない。

むしろ、とても小さい。

小さいけれど、静かで大きなパワーを感じる。

小さな宇宙、小宇宙だ。


・・・・竹林の間から射す午後の日の光。

その先には抹茶を振舞う茶室があり、そことて既に一つの小宇宙だった。

  時間の流れ方が違う。

  時間の流れるスピードが違う。

  時間が流れていることを忘れていいのだと、誰かが言っている気がする。


―― 真上の空を見上げた。

竹林のすき間の天高く、小さく開かれた空間。

雲ひとつない突き抜けるような青い、冬の空。

ここだけの特別な「時間」と「空間」だった。

観光客たちのはしたない大声さえ我慢すれば、

静かな時間がここには、ある。

(黙ってろよっ、少しぐらいは、と無言で毒づいた。)


   落ち着き

     気を静め

        少しは、自分を取り戻せたかもしれない――。
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by y_natsume1 | 2004-12-22 19:47 | 鎌倉湘南Seaside

ジキル博士とハイド氏


ジキル博士は不眠症でした
眠れなくて 眠れなくて
ある夜 自分の作った試薬を飲んでみました

眠れました

その後も薬を飲み続けました

眠れました

けれどその薬は悪魔の薬でした

薬を飲むたびに
ジキル博士は眠っていたのではなく
実は凶暴なハイド氏に
変身していたのです

ハイド氏は凶暴でした
真夜中の街で人々を傷つけました
ジキル博士は知りません
自分がハイド氏だということも
自分が凶暴になっていたということも

何度目かの夜
ハイド氏は自分でも気づかないうちに
とうとう大切な女性を
殺してしまいました

薬が切れて我に帰ったジキル博士は
ようやく自分の多重性に気づきました

泣き叫び
後悔し
多重人格の自分を呪いました

そして、もうどうしようもないと悟ったとき
もう一人の自分を・・・・・

         (By 夏目芳雄)

************************
      
BGM曲 「Dr. Jekyll」 (ジャッキー・マクリーン作)
      マイルス・デイビス 「Milestones」 より


マイルストーンズ+3
マイルス・デイヴィス ジョン・コルトレーン キャノンボール・アダレイ レッド・ガーランド ポール・チェンバース フィリー・ジョー・ジョーンズ / ソニーミュージックエンタテインメント
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by y_natsume1 | 2004-12-16 03:56 | Jazz Night

拳銃(コルト)は俺のパスポート


1967年日活映画。モノクロ。主演・宍戸錠。

これはなかなかのハードボイルド作です。主人公の狙撃者はあくまで無口でニヒルでストイック。女よりも弟分の命を優先するような美学がある。これはモノクロ作だからよかったんだろうなあ。

1960年代のフランスのヌーベル・バーグとフィルム・ノワールを足して2で割ったような路線を狙ってたような雰囲気(足して2で割るって何だそりゃって言われそうだけど・・・)。
細かい点ですが、例えば宿屋の女主人のオバちゃんは、台詞といい存在感といい、昔のフランス映画の趣きさえあると感じました。

埋立地での銃撃戦は秀逸。銃撃戦の前に入念に準備をし、対策を練る主人公は、まるで精密機械のようなゴルゴ13だ。これまでエースのジョーのように、どこかコミカルでギャグを飛ばすキャラを演じることが多かったけど、そこから離れて、ストイックな男を演じた宍戸錠の、代表作の一つだろう。

鈴木清順監督の「殺しの烙印」とはまた違ったテイストの宍戸錠・主演作だ。
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by y_natsume1 | 2004-12-15 21:46 | 過去の映画評「か」

CASSHERN (改訂版)


2004年11月22日の記事に追加したい部分が出ましたので、今回、改めて再エントリです。

<今回のフォローアップ部分>

この映画のテーマは、もしかしたら終末思想もさることながら、「新しい種族の誕生」、「人間の進化の果てにあるもの」、なのかもしれません。

実はものすごく深いテーマがありそう。

某飲み屋で知り合った映画通の人が、上の話をしてくれました。唐沢演じる新造人間のボスは、現代の、生き残りをかけた某少数民族の首領にも重なって見えます。そしてキャシャ―ンとルナは描かれ方からしても、それほど重要な主人公には思えない。

やはり、新しい種族の誕生とその可能性を描いているのではないか。その意味でも、唐沢寿明、一世一代の名演技となった作品でしょう。

そして、宮迫さん演じる新造人間も、「ノートルダムのせむし男」を思わせるほど、シュールで高い存在感。美女を愛する醜い新造人間。切ないせむし男を思わせます。

更には寺尾聡演じる博士の狂気、エキセントリックさ。もう、薄気味悪い笑顔がイッちゃってます。

唐沢と宮迫と寺尾、この3人の俳優は、ただ者ではない、おみごと、と改めて思った次第。

<前回の映画感想内容>

シロウトの映画ファンがコメントするのはとても難しい映画だと思った。プロの批評家が書いた映画評でも賛否両論分かれていた。僕は個人的には嫌いな部分もあるけど、好きなところもいくつかある作品です。

少なくとも、CGを多用したキャラクター設定や背景の映像は(マンガと変わらないじゃないかという批判もあろうけど)マニアを唸らせるほどのすごい出来栄えだし、終末戦争にも似た設定で反戦思想を描いたテーマ性も高く評価されるべきだと思う。

演技が下手な(ように見える)テツヤとルナの役の主演二人は、まぁ、しょうがないか。誰が誰のために戦っているのかよく分からない点は、実はそれこそイラク戦争の意義・大義がどこにあるのかというテーマと同調するのだ、と作者は言いたかったのではないだろうか。もしそうであれば、この映画自体は混沌とした展開でよいのだ、とも言える。はたしてどうだろうか。

「21グラム」でも似たようなシーンが数回出てきましたが、大木にとまっているように見えたカラスが不気味な空に何羽も飛ぶところが時々出てきます。それでふと思い出した。ゴッホの遺作と言われている「カラスのいる麦畑」という絵。この絵の写真を最初に見て衝撃を受けたのは小学生の時。その後、アムステルダムのゴッホ美術館で実際に見たことがあるのだけど、その不気味な感覚は、この映画の狂気のシーンにも共通するのかも知れない(・・・だってこの絵を描いた当時のゴッホは、もう死ぬ間際で少々精神に異常をきたしていたそうだから)。

宮迫さんが良い演技というか、高い存在感を出しています。いいですよ。

子供の頃にフジTV系で「新造人間キャシャーン」のアニメを毎回観てましたが、今回の実写版映画はそれとはだいぶ違うテイストだったなぁ。アニメだと、アンドロ軍団のボスは唐沢寿明とは程遠い不細工な設定だったし、テツヤもルナももうちょっと少年少女って感じだった。

「ヤルッツェ・ブラッキン!」
なんてセリフ知ってる人は、相当マニアかオジサンです。
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by y_natsume1 | 2004-12-15 14:57 | 過去の映画評「か」

Kyoto Jazz Massive


ここ10年ぐらい、いわゆるクラブ・ミュージックやアシッド・ジャズ、サンプリングしたリミックス音楽などを意識的に避けていた。

理由はいくつかあって、40歳近くにもなったオジサンが聴くのはやはり少々趣きが違うような気がする、自分が踊れない、踊らない、クラブに行かない、クラブがそれほど好きではない、オリジナルの良さを優先したい、から(苦笑)。言い訳っぽいかな。

今回(数日前になるが)、ご縁があってKyoto Jazz Massive (KJM)の恵比寿ライブに行ってきた。

最初から思い込みや偏見を取り除いて、素直に聴いてたんだけど、いいのよ、これが。ソウル、ファンク、ジャズなどいろんな要素をうまく材料にして、すごく気持ちいいグルーヴ感を出してる。

難点はKJMそのものじゃなくて、恵比寿ガーデンホールの音響が良くなくて、ハウリングが何度か起こった事かな。

何日かしてKJMのCD買った。売ってたやつをテキトーに。

家で聴いてたら、へぇって思った。
変にうるさくない。
クラブ音楽というより、心地いいカフェ・ミュージックといってもいい。

カッコイイ。

お店なんかでBGMとしてかけるには、とてもセンス良さげなサウンド。
集中して聴き込む、というより空間に溶け込むようなやつ。

悪くないっす。
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by y_natsume1 | 2004-12-12 10:24 | Music Bang Bang

21グラム


メキシコのアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作。イニャリトゥは僕の好きなメキシコ映画「アモーレス・ぺロス」も監督している。

最初の30分~40分ぐらいは何が何だかストーリーがよく分からず、たぶん3組の家族を同時並行で描くのだろうなと思った。時系列や場面を度外視して、あちこちに挿入されるシーン&カット。段々と見えてきたのは、交通事故を起こし親子をひき逃げした男、その交通事故により夫と娘二人を失った妻、その交通事故で亡くなった男の心臓を提供された大学教授、の3人がおりなす物語だ。出会ってはいけないはずの3人が出会ってしまうが、それは決して偶然ではない。

彼ら3人がそれぞれ失ったものは何だったのか。果たして人間が死ぬときに身体から失うという21グラムの重さだけなのか。それとも?  「アモーレス・ぺロス」にも通じるテーマかもしれない。

青暗い、不気味な空に黒いシルエットに見える鳥(=カラス?に見えるけど違うかも)が何羽も飛んでいるシーンが時々出てくる。

それでふと思い出した。ゴッホの遺作と言われている「カラスのいる麦畑」という絵。最初にこの絵の写真を見たのは小学生の時で、すごく衝撃を受けた。その後、16歳のとき、アムステルダムのゴッホ美術館で実際に見たことがあるのだけど、鮮烈だった。この絵だけ、なんかシュールで。その不気味な感覚は、この映画の狂気的なシーンにも共通するのかも知れない(その絵を描いた当時のゴッホは自殺する直前で、精神に異常をきたしていたと言われているそうです・・・)。

それにしてもすごいのは、ショーン・ペンとベニチオ・デル・トロという天才的に演技の上手い俳優たちと、それに一歩も引かないナオミ・ワッツの存在感と名演技だ。ワッツの演技は見事だと思う。

それと・・・、シャルロット・ゲンズブールって既にいい大人の女性だけど、年齢に関係なくかわいいね。さすがバーキンの娘(笑)。
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by y_natsume1 | 2004-12-09 20:08 | 過去の映画評「な」