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カテゴリ:Books( 16 )

春になる前の3日目か4日目?

2008年2月23日(土) 午後。

ヘンリー・ミラーの短編、「春の三日目か四日目」 より引用。

・・・・・ 十字軍のあとが黒死病。

コロンブスのあとが梅毒。

ソノウスカ嬢のあとが精神分裂病である。・・・・・・


・・・・・・ 私は神の人であり、同時に悪魔の人でもある。 

そのどちらに対しても公平でなければならない。 

永遠なものは何一つなく、絶対なものも何一つない。 

私の眼前にいつも浮かぶのは我々人間の肉体のイメージであり、それは一本のペニスと二つの睾丸からなる三位一体の神なのである。 

右に父なる神があり、左には右のより少し下にさがっている子なる神があり、そしてこの両者のあいだのやや上のところに精霊がある。 

私は、この聖なる三位一体が人間によって作られたものであり、またそれはさまざまな変化を際限なく経験するだろうと常々思っている。・・・・・・・


・・・・・・・ 一歩踏み出すごとに、その一歩が最後の一歩となり、それとともに自分自身も含めて世界全体が死んでいく。

我々は今この地上にいて決して終わりを迎えることはない、というのも過去は決して消えてなくならず、未来は決して始まらず、現在は決して終わることがないからだ。・・・・・・・・・・・・・


(引用終り)

(以上、ヘンリー・ミラー 「春の三日目か四日目」 
      /「黒い春」 (水声社、訳・山崎勉)  より全て引用)

*******************

「春一番」という名の早春の黄砂は、僕のすぐ目の前で
過去と現在と未来を荒々しく駆け巡っている。

すさまじい風と砂埃と少しの雨粒が僕を取り囲む。

冷戦のあとがエイズ?
鎌倉のあとがペルノー中毒?


そして今、春の砂嵐は僕をどんどん追い越していく。

過去が現在を凌駕し、未来と闘うかのように。

掌から、指と指の間から、砂となって
あの「大切なこと」がこぼれていくように。

もう、決して取り返しがつかないのだと僕に言いきかせるように。

二つの睾丸に挟まれた僕の精霊は
ちゃんと固く勃起しているというのに。

この早春の黄砂はまるで知らん振りを決めているようで、
どんどん僕を追い越していくのだ。

これじゃ、
精霊が恍惚の頂点に達するまでに
あと何万光年かかるか分からないほどだ。

もちろん、本格的な春の訪れはまだまだ先だけど、

僕は永遠に追いつけないのだろうか、 
  春の砂嵐の中に潜む、
     妖艶で魅力的なオパールの面影には。



     「没有(メイヨウ)?」


♪ テーマ曲 「交響曲第6番 田園」 by ベートーベン♪
♪ テーマ曲 「はるかぜ」 by doa ♪
♪ テーマ曲 「Homeless」 by Solas♪

関連記事:
「鳴門の渦潮はエーゲ海にもあるのだろうか」
「魔性の都市で杯を (4) 最終回」
「もっと売れて欲しいバンド doa」
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by y_natsume1 | 2008-02-27 21:59 | Books

鳴門の渦潮はエーゲ海にもあるのだろうか

2008年1月初旬の某日(休日)。

真っ昼間から酒を飲みながら、

ヘンリー・ミラーのギリシャ紀行、
「マルーシの巨像」 を読む。


ミラーの小説にしては珍しく、
(というか、解説によれば彼の作品中でも唯一、らしいが)
性描写のシーンがない。


これまでに読んだことのあるヘンリー・ミラーの他の作品は、
ホントに 1930年代~'50年代頃に書かれたのかと思うほど、
今の感覚でも わりあい過激なポルノグラフィーか
それに近いものが多かったというのに。

直接的な単語は使っていないけど、
3Pとか、酒場での娼婦の手コキとか、フェラチオとかの明確な描写も
平気で出てくる。

あの時代に、だぞ。 
村上龍の「エクスタシー」ほど過激じゃないけど、
これじゃぁ、本国アメリカでずっと発禁処分になるわけだ。



けれど酔っ払った僕は、
ポルノではないはずのこのギリシャ紀行文にさえ、
なぜだか自分自身が固く勃起させられるのを
止めることができないでいる。

ギリシャそのものが卑猥で官能的だからなのか。

そして、何を書こうとヘンリー・ミラーの存在自体があやうい、
無頼なものだからなのか。



だとしたら、

僕が今も探しているオパールは、

もしかしたら

1939年のギリシャにあるのかもしれない。

教えてくれ、 オパール。 

イマ ドコナンダ ?

♪ テーマ曲 「風を撃て」 by キリンジ ♪

関連記事:
「葉山のカフェ・レストラン (1) ~「北回帰線」の空間へ~」
「ゆるゆるとシンガプラ (8) 最終回 ~南回帰線はまだか?~」
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by y_natsume1 | 2008-01-09 22:09 | Books

カジノ・ロワイヤル  ~マティーニを宵の明星に~

2007年10月某日。

この数週間、ようやく人間らしい生活になってきたらしく、
久しぶりに、空いた時間に小説なんぞを読んでいる。

小説を読む気になったこと自体、
ずっと疲弊していた僕にとっては、
実は奇跡に近い回復なのだけどね。

選んだのは、
イアン・フレミングのジェームズ・ボンド・シリーズの一つ。
「カジノ・ロワイヤル」
007の小説を読むのは生まれて初めて。

小学生の頃から、007シリーズの映画は観ているけれど、
映画しか観たことがなかった。

小説 「カジノ・ロワイヤル」 のボンドのキャラクターは、
映画のそれとは微妙にギャップがあるのが分かって、
ちょっと新鮮だった。

小説の中のボンドは、
映画よりも人間くさく描かれている、ような気がする。



小説では、バカラの賭博シーンが秀逸だったのだけれど、
それよりももっと、僕が気に入ったのが、
酒や食事の描写だ。

とても好きだ。

例えば、
キャビアはトーストにつけて食べる、とか。

トーストをたくさん持ってこさせる、その状況。
きざんだゆで卵も。

(記憶が間違っていなければ、確か、小学生の頃にTV放映で観た、007シリーズ第1作の映画 「ドクター・ノウ」 では、ショーン・コネリーはキャビアを、トーストしていない生の食パンにつけて食べていたと思うが、違うか。)

例えば、
シャンペンやマティーニを飲む、とか。

特にマティーニはボンド(つまり作者フレミング自身)による
独自のレシピが細かく描写されていて、
カクテル好きにはこたえられない。

例えば、
朝食はたっぷり。
ベーコン入りの炒り卵に冷たいオレンジジュース、
そして2杯分はあるコーヒーを、
冷たいシャワーの後で飲む、とか。

ミーハーなのでけっこう真似してみたくなる。


「カジノ・ロワイヤル」のヒロイン(=映画ではボンド・ガール)は、
ヴェスパーという。

ヴェスパーは、
宵の明星、たそがれ、という意味だそうだ。

そういう女性と食事だけでもしたいもんだが。
実現しそうにない夢物語は
やすみやすみに言えという声が聞こえてきそうだ。

僕は、ヴェスパーではなく、
「オパール」を、今も捜し続けている。

オパールは、どこだろう?

教えてくれ、ヴェスパー。


・・・・・・ 今夜、カード、やろうか。

         賭けは、 何にしよう?

♪ テーマ曲 「You Know My Name」 by Chris Cornell ♪
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by y_natsume1 | 2007-10-14 17:33 | Books

「クレイジーカンガルーの夏」 で思うこと

僕は実の父には捨てられたと思って生きてきた。

父が母の家を出て行くとき、
「この子がかわいくないの?」と問う母に、
「かわいくない」 と言って出て行った、
と母に教え込まれていたからだ。

僕が3歳の頃だ。

激しい憎悪なんかではなく、
淡々とした、そういうこともあるんだろうな、ぐらいの感覚で。

特に、「クレイジーカンガルーの夏」という小説の時代設定である1970年代は、僕は自然とそう思って生きていた。

父も母も同じ高校の同級生で、その取り巻きも、どいつもこいつも皆、四国の海辺の、同じ田舎町の出身だった。

父と母は別れてからも同じ町に住んでいた。
お互いの故郷であり、生活の場だもの、そりゃそうだ。
父を見ることはなかったけどね。

捨てられたと思って生きてきた僕は、
いずれ早いうちに、僕の方からこんなくだらない田舎町なんか捨ててやる、とも思っていた。

実際に、 そうした。

それが、どうだ。

昨年、37年ぶりに実父に会うことになった。
(母は既に10年前に亡くなっている。)

父に会ってみたら、
捨てられたと思っていたのに、実はそうではなかった。
それが諸事情から分かった。 

家裁の命令だっただけだ。

母の息子に対する「吹き込み」は相当なものだったのかも。
やるなぁ、かあさんも(苦笑)。

とにかく、再会した父の言葉に、僕は37年ぶりに、 救われた。
捨てられたのではなかった。

捨て去ったはずの故郷にも、
墓参り以外に帰る理由が、できてしまった。

この小説を読むと、
どうしても1970年代の僕自身にリンクしてしまう。


・・・・・ 最近、70歳になる実父からは、ときどき僕の携帯電話に連絡が入る。
大抵は酒を飲んで良い気分になった時らしい。

リリー・フランキーの「東京タワー」みたいな話ではないが、父親像としては似ている部分もある。

「おまえ、あの歌、陽水の氷の世界いうんかのぉ、あれ、ええのぉ、おまえ、あの歌うまいけんのぉ、またカラオケでうとうてくれんかのぉ」 と。

彼は今もかなりの2枚目で、不良で、女性好きで、そして僕よりお酒が強い。

♪ テーマ曲 「氷の世界」 by 井上陽水♪

関連記事:
「クレイジーカンガルーの夏」 誼阿古 著
「四国の夜が更けてゆく」
「春の瀬戸内(1)」
「春の瀬戸内(2)」
「春の瀬戸内(3)」
「夏の瀬戸内(1)」
「夏の瀬戸内(2)」
「夏の瀬戸内(3)」
「夏の瀬戸内(4)」
「鎌倉の お酒の神に 初詣で」
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by y_natsume1 | 2006-11-27 22:11 | Books

「クレイジーカンガルーの夏」 誼阿古 著

「クレイジーカンガルーの夏」という小説を読んだ。

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1979年、関西のある町を舞台に描かれる、4人の中学1年生の男の子たちの、夏休み。 

大人でもなく子供でもない、微妙なはざまにある「少年」たちをノスタルジックに描く。

主人公の家族や親類関係が当初はちょっと分かりづらかったり、本編とプロローグやエピローグとの関係性が何となくしっくりこない気がしたり、そういうところはあるけれど、実は僕はけっこうこの作品を気に入っている。

古い家制度。
本家と分家。 
少年の純粋さと、これから大人になっていく微妙な時期の 「あやうさ」。
そして、ほめられたい、認められたいと願うアイデンティティの問題。
最もシンプルには、愛する人(親や仲間)と一緒にいたいと願う気持ち。


この小説はノスタルジックな雰囲気はあるけれど、決して甘ったるくはない。
ヒリヒリとした、あやういまでの切なさにあふれ、それは鋭いナイフそのものだ。

「少年」は、何か大切なものを一つ失うごとに、大人に近づいていくものなのだ、とでもいうかのように。

主人公たちが「冒険」に出るあたりから、俄然、読んでいるこちらもテンションと読むスピードが上がっていく。

畳み掛けるような、リズム感のある展開。
勢いのある文章。

そして、著者は女性なのに、よくもまあ、あれだけ13歳の少年の気持ちの揺れ具合を描けたものだと。 そこはこの作品の中で、最もすごいと感じた部分。

おみごと、だ。


小説の中で効果的に使用されるガンダム、ザンポット3、海のトリトン、マジンガーZ、ゲッターロボ、帰ってきたウルトラマン(のタッコングやMAT)などのエピソード・・・・。

僕は当時リアルタイムでこれら全てをTVで観ていたので、
この小説にも入り込みやすかった。 

トリトンやザンボット3の最終回って子供心にシュールで、それまでのアニメの常識的最終回ではあり得ない展開だと感じてたし(今思うとさすが冨野さん)、
やっぱりタッコングを知らないのと知ってるのとでは、
この小説を読み進める時に微妙に違った印象になると思う。

だからこの作品は、
実は僕たちのような、
当時中学生で今40歳前後の、大人のための物語でもあるんだと感じた。 

それは本編の前後にプロローグやエピローグを置くことによっても表現されている。

1979年、当時、僕は中学生だった。


使われている音楽も、
単なるアクセサリーとしてではなく意味のある使われ方で、適材適所。

カッコイイ。 

イーグルスの 「ホテル・カリフォルニア」、
サザンの 「いとしのエリー」、

はっぴいえんどの 「風をあつめて」 や 「夏なんです」 など・・・。

はっぴいえんどの2曲が入っている 「風街ろまん」 というアルバムの宣伝文句には、

「東京オリンピックを境に失われてしまった東京の原風景を”風街”という架空の都市に託して現出させようとしたコンセプトアルバム」

とある・・・。

この小説のテーマの一つかもしれない、
ちょっと懐かしい日本の原風景。



・・・・・・今、うちの王子は4歳で、
彼の頭の中はウルトラマンメビウスでいっぱいだ。

彼が13歳になるのも、そう遠くないことだろう。
そう、それはたぶん、想像以上に早くやってくる。

楽しみだ。

・・・・ ちょっといろいろと長く書きすぎたかな。

この小説、オススメ。

♪ テーマ曲 「風をあつめて」 (1971年) by はっぴいえんど ♪

関連記事:
『「クレイジーカンガルーの夏」 で思うこと』
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by y_natsume1 | 2006-11-27 21:57 | Books

無頼の短編小説 「神戸」 by 西東三鬼

僕はあの日の夜も、どこかで酒をあおっていた。

ゴロワーズとペルノーとジャズ。
そばに女性はいない。
いつもの、 ことだ。

僕は、持っていた西東三鬼の「神戸」をカウンターの上に無造作に置き、
この、不良な男の文章のエッセンスを、
酒と共に体の中に流し込む。

三鬼の人生、なんとまぁ、無頼な生き様よ。

三鬼自身の文によると、だいたい、三鬼の三は、「飲む、ぶつ、買う」 の三つなのだと解説した文芸評論家もいるぐらいだというのだから。

三鬼の生き様を記した「神戸」は、
金子光晴の「マレー蘭印紀行」にも共通する雰囲気さえある。

南洋(シンガポール)生活の体験、オンナ、酒、様様な外国人たち、そしてその日暮しの無頼な日々。

このところ、僕は、こういう不良の文章ばかりに、惹かれてしまう。
ぎらぎらしてて、そして生き生きしているんだもの。

「神戸」の「第8話 トリメの紳士」 の中の最後の一文が、リズム感も含めて、僕はものすごく好きだ。

     「どこまでつづくぬかるみぞ」


だって、それまでの、泥沼のような腐れ縁の関係とその経緯からは、ラストはこの一文しか浮かばないだろうなぁというほどの、鮮やかにぎらついた一文だからだ。

どこまでつづくぬかるみぞ、か。
どこまで?
どこまでだろうねぇ・・・・。

♪ テーマ曲 「Faithfully」 by Journey♪

参考書籍: 
「神戸」 by 西東三鬼
「マレー蘭印紀行」 by 金子光晴
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by y_natsume1 | 2006-07-02 10:23 | Books

6月にある人は言った

主人公はね たしか あなたとほとんど同じくらいの年代だし
あなたの境遇にも いくつか似てるところがあると思うのよ


6月の ある雨の日
そう言って 28番目のパステルカラーは
この本を 僕に すすめてくれた

この小説に出会えたことに
僕は とても感謝し 感動している

この小説に出会えるきっかけをくれた28番目のパステルカラーが
今 元気で 無事であること それ自体にも
僕は とても とても 感謝している

たとえ一方的な願いではあっても 
無事であれば 
それに勝るものはない

6月に銀河系を歩く28番目のパステルカラーがいなければ 
たぶん 僕は この小説に手を出すことさえ しなかっただろう

ありがとう 

「ぐるぐるぐるぐる、ぐるぐるぐるぐる」

思うに
28番目のパステルカラーは
僕の言動を けっこう ちゃんと覚えているんだな

それにひきかえ いいかげんな僕の方は 
赤い月には敏感なくせに
この小説のように
「5月にある人が何と言ったか」 については
記憶は極めてあやしいものなのだ

今は6月で たったひと月前のことなのにね

そして 今夜
この 「ひらがなで書かれた聖書」 を 
僕は 何に重ねていると思う?

♪ テーマ曲 「アベマリア」 by シューベルト ♪
参考書籍: 「東京タワー」 by リリー・フランキー
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by y_natsume1 | 2006-06-16 21:34 | Books

「上海ベイビー」のページをめくった日

上海ベイビー
衛 慧 桑島 道夫 / 文芸春秋





本棚を整理していてこの文庫本が目にとまった。

この小説を読んだのは2001年7月、インドネシアのバリ島に一人で旅した時だ。
(その時のことは拙著「アジアの匂い」に書いた。)

なんとまぁ退廃的で、官能的で、過激な小説だろうかと思った。
いや、過激、過激と言われるほど過激なのではなく、これが当時の上海そのものなのかもしれないが・・・。

とにかく、地元中国で発禁処分になったほど表面上は過激で官能的な割には、主人公の目は逆にとても冷めている気がする。 不気味なほどの冷たさ、冷静さだ。

この冷めた感じは何なんだろう。
その先にあるものは、この世への「絶望」と「死」?

各章の冒頭には、その章の内容に近い著名なアーティストや学者たちの言葉が引用として添えられている。

バロウズ、ケルアック、ギンズバーグなどのビート作家たちから、ボブ・ディラン、ジョン・レノンなどのミュージシャン、フロイトやデュラスまで、多彩だ。

こういう場合、全く関係のない言葉や格言をカッコつけるために無理やり持ってくるケースもあるのだろうけど、「上海ベイビー」ではなるほどと思わせる、関係ありそうな内容のものが的確に引用されている。

乾いた文体。 冷めた観察眼。 
好きだな、そういうの。

作者は、
いつかはやってくる「死」や、救いようのない「絶望」を見つめることで、
今このときの「生」 を浮かび上らせようとしたのだろうか。

大切な人(ティエンティエン)は  もう
いなくなってしまった。

♪ テーマ曲 「Wish You Were Here」 by Pink Floyd ♪
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by y_natsume1 | 2006-03-17 12:48 | Books

好きな漫画(3) 「ワイルド7」

望月三起也の大ヒット作、「ワイルド7」

1970年代に川津祐介主演でTVドラマ化もされた。
ドラマの主題歌は何と、作詞・阿久悠、作曲・森田公一。

漫画の主人公・飛葉の銃は22口径コルト・ウッズマン。

他にもルガーやコルトバイソン、散弾銃、果てはナンブまで、この漫画で知った。

小学校4年のとき、同級生に「散弾銃」(ショットガン)の話をしたら、四段銃はないのか、とトンチンカンな会話をされた覚えがある。 「三段銃」じゃないんだけどなぁ、と僕は思ったが、いちいち説明するのも面倒でやめた。 

主人公の一人、八百が乗るバイクはノートン社製だ。
小学生のとき、その漫画を模写して描いていて、アルファベットも知らなかったのだけど、Nortonとバイクのロゴまで真似して描いたらしい。 祖父が僕の絵を見て、ほう、ノートンのバイクか、とつぶやいたっけ。

映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」でも主人公たちが使う古めかしいバイクも、実はノートン社製だ。 ワイルド7でノートンのバイクが使われていたのを覚えてて、映画の主人公たちの会話から、あぁ、あのバイクね、とすぐピンときた。

あの頃、大昔はノートンのバイクって、有名だったのかもね。

♪ テーマ曲 「Gift with a Golden Gun」 by TOTO ♪
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by y_natsume1 | 2006-03-01 22:30 | Books

好きな漫画(2) 「西からのぼる太陽」

一峰ダイジの「西からのぼる太陽」という短編。

確かこれ、僕が小学校3年生か4年生のころ(1970年代前半)、
「冒険王」という月刊雑誌の読みきりとして掲載されたはず。

題材は、いわゆるボディスナッチャーもの。
大人になっていろいろ考えてみたんだけど、
たぶん原作というか、原案はジャック・フィニーの小説「盗まれた街」なんだろうね。
アメリカでは何度か映画化されてる題材。
「ボディー・スナッチャーズ」
「パラサイト」(ロバート・ロドリゲス監督!)

とにかくこの漫画、たった一度読んだきりなのに、
ものすごく強烈に覚えてる。
怖くて、シュールで、もうたまらん。

特に、ラスト。
太陽が 西から昇る。 
宇宙からの侵略者によって太陽が西から昇る世界になってしまう怖さ。

強烈な作品を産み出せるアーティストってすげぇよな。

テーマ曲 「'Round Midnight」 performed by Miles Davis♪

'Round About Midnight [Bonus Tracks]
Miles Davis / Columbia/Legacy
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by y_natsume1 | 2006-02-23 02:29 | Books