韓国映画。ここでの「猟奇的」という言葉は、「おかしな」とか「変わった」とか、その程度の意味合いらしいです。地下鉄で偶然出会った二人。彼女は事あるごとに彼に何かを命令し、彼が拒否しそうになると「殺されたいの?」や「そんなに死にたい?」などのセリフを吐く。いや、言葉だけでなく、実際に、殴る。平手で打つだけでなく、殴る、のである。おかしなカップル。特に主人公の女の子が地下鉄で吐く場面にご注目。いいですねえ、この場面。吐くシーンそのものより、吐く前に我慢して、一旦出かかったアレを飲み込む演技、これがサイコウに受けます。主演女優の存在が、この映画を救っている。映画はサッカーの試合のように前半、後半、延長戦という章割りというか区切りを設けている。映画の冒頭からスピーディーでとても好感が持てるだけに、後半がありふれた(?)メロドラマになり過ぎているのと、「延長戦」はやや不要の感じがして惜しい。「延長戦」におけるいくつかの偶然は重なり過ぎで、わざとらしいしねぇ。けれど、こういうハチャメチャなキャラの人間が出てる映画ってすごく好きです。そしてそういうハチャメチャな人間も、実はとてもナイーブで傷つきやすい、というありふれた設定も、決して悪くはないと思ってしまう。韓国映画は最近、すごいのが多いですが、これも挑戦してみませんか?