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ルシアとSEX

子供にはさすがにオススメできませんが、いわゆるおバカな「ポルノ映画」でもないので、とにかく観て頂きたい大傑作。

フリオ・メデム監督のスペイン映画。セックスシーンが過激なだけの単なるエロ映画だと思ったら大まちがい。セックスシーンは、ヘンにいやらしさを感じさせず、むしろ生き生きとした人間くささへの執着を感じさせる。そして決して難解過ぎず、つまらない映画でもないと僕は信じます。――

マドリッドのレストランでウェイトレスをしているルシア(パス・ヴェガ)は作家ロレンソと同棲している。悩みを抱えたロレンソは失踪する。ロレンソはルシアと同棲する前に、ある地中海の島で別の女性と知り合っていた。その女性との間にできた娘の名は「ルナ」という。ロレンソの小説の中の物語と、彼自身の告白が交錯する見事なストーリー。サスペンスタッチの展開。映画の後半では、お互いに知らない者同士だったはずの人たちがその島に集うことになる。島のペンションには訳ありの女主人(ナイワ・ニムリ)がいる。その島とはいったい・・・・。

単なるエロ映画だと思ったら大まちがいだと冒頭に書きました。確かに性器や陰毛なんかのシーンがいくつかあるし、セックスシーンはかなり過激です。そのためかどうか分かりませんが、日本では劇場公開されずにビデオ&DVDがスペイン初公開から2年も3年もたってやっとこさ発売されただけ。日本版ビデオでは陰毛は無修正で、性器はボカシを入れている。その点、この作品は「大人から子供まで皆で観ましょうね」的な家族向け一般娯楽作ではないけれど、もっと高く評価されていい芸術性があるとも思う。性器が映されるシーンは「それなりの」(あくまでそれなりの、ね)意味合いと理由があるのだと前後の脈絡から感じ取れるので、僕自身は嫌悪感や違和感はそれほど感じなかった。男がそういうエロチックなシーンを見て嫌悪感も何も、あったものではないのだけどさ(苦笑)。例えば、島のペンションに泊まっているカルロスという男性が、海岸で自分の裸体に泥を塗って寝そべっているシーン。そこにルシアも寝そべってくる。特にセックスしようとはお互いに会話していないが、カルロスの勃起した(注:映像的にはボカシが入っているけれど恐らく勃起していたと思われる)ペニスを見たルシアが、今はそんな気はないのよ、とカルロスにつぶやくところなどは、性器の描写がそれなりに必要な演出だったのだと理解できる。 もちろんあくまで表面的な理解の仕方ですけどね。このシーン前後におけるルシアの心理を読み取っていく方が意味があるかもしれませんけど・・・。

ありふれた言い方ですが、この作品は脚本のレベルがものすごく高い。巡り巡るストーリー、何かと何かが関係していそうな(あるいは逆に関係していなさそうな)設定。そしてそれぞれタイプの違う出演女優たちの個性的な魅力が画面を通して伝わってくる。女優たち自身の肉体、特に主演女優パス・ヴェガの美しい裸は、それだけで既に良質の演技の一部なのかもしれないとさえ思える。撮影も見事です。特に意図的なカメラの露出コントロールが素晴らしく、島における「太陽の光」がまぶしくてまぶしくて、もうサイコウです。地中海の島のロケは本当に大成功で、僕も是非行ってみたいと思いました。そんなことが頭をよぎったのは「グランブルー」や「ローカルヒーロー」のロケ地に感動して以来でしょうか。まだどこも行ってませんけど。白い砂浜や海の自然と、作家ロレンソがチャットするインターネット(=人工的なもの)の対比というか落差感覚もよい。インターネットで交わされるロレンソの話の内容、これはある意味で彼による別の物語(小説)ですが、この映画のキーポイントの一つでしょう。

出版社の男性編集者ぺぺは、作家ロレンソを同性愛的なまなざしで見ている(=「看ている」)、と僕自身は勝手に解釈しました(どこの映画解説にも載ってなかった点なので違うかもしれませんが・・・)。この映画におけるぺぺの献身的な、それでいて目立たない愛情を、そしてこの編集者の存在そのものを、映画の主題ではないにせよ、最後まで見落としてはいけないような気がしました。もしかしたら、編集者ぺぺはこの映画の観察者である観客、あるいはメデム監督の分身なのかも?? まさか、ね。考えすぎか。

太陽(ロレンソ)と月(ルナ)と、島の光・・・。海岸の穴ぼこ。
映画の表現手法として使われる様々なメタファー(暗喩)。
映画のクライマックスでナレーション的に語られるセリフがある・・・
「この物語のいいところは終りがないことだ。穴に落ちたら、またそこから戻って別の物語が始まるのだ・・・」
ネタバレにならないよう、これ以上は書きませんが、何のことかは映画を観てのお楽しみ。
この映画の監督って、他の作品(「アナとオットー」)でもそうだったけど、いくつかのキーワードと、巡り巡っていく回転ストーリーが好きなんだろうかね。
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by y_natsume1 | 2004-11-09 17:36 | 過去の映画評「ら」
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夏目芳雄の東南アジア・映画・ジャズ・酒などに関するよもやま話です。
by y_natsume1
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