デュラスの自伝的な原作を映画化。フランス領インドシナ(現ベトナム)で、フランス人少女が現地中華系の金持ち男の愛人になる。少女の家族一同が、愛人にディナーをご馳走になるシーンは印象深いものがある。植民地として支配しているのはフランス人側のはずなのにね。当時の街並みの映像がいいです。
ホーチミンに駐在していた友人を訪ねて、僕は数年前にベトナムを一人旅したことがあるのだけど、その友人のアレンジがよかった。彼の知り合いにバイクを持ってるベトナム人の女の子がいて、街を案内してくれるという。だからHCMに着いて2時間後には、僕はもうその現地の女の子のバイクの後に乗っけてもらってたってわけ。トーゼン、リクエストはチョロン地区を回ってもらうこと。チョロン地区(チャイナタウン)はこの映画の舞台になったところ。2時間ぐらいバイクに乗ってたかなあ。ああいうのが旅の面白さ。この地域の建物はコロニアル・スタイルでノスタルジックですしね。その女の子とベトナム戦争記念館にも入った。どぎつかった。ホルマリン漬けの死体とかね。この映画の何十年かあとには、こんなことが起こるなんてね。元凶というか、フランスの植民地支配が始まりだったことは誰も否定できまいが・・・。フランスとインドシナ。うーん。考えるなあ。
ちなみに、ロケ地は実はベトナムではなく、マレーシアのイポーだという噂がある。本当だろうか。’90年代にマレーシアに駐在していた銀行員から聞いた話なので、たぶん本当なんだろうな。イポーはジョディー・フォスターの「アンナと王様」のロケ地でもあるし(これは僕自身のマレーシア駐在時にロケが行われたので確実に本当)、また「007トゥモローネバーダイ」のボンド・ガール、ミッシェル・ヨーの出身地でもある。イポーは華人系の多い、錫(すず)鉱山事業で有名な土地です。