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くだもの と ひまわり

夏みかん 

はっさく

びわ

いちじく

ざくろ  

果ては しぶ柿まで ・・・・・・・・・・・・・・


これらは全て
僕が幼稚園から小学生にかけての頃
瀬戸内の海辺の近くにある僕の実家の庭や敷地になっていたものばかりだ

役所から なんとか貸付やら なんとか保護やらを受けまくる母子家庭だったから
決して裕福ではなかったけれど
(その反動が今の僕の物欲に出ているのかもしれないほどに)

そういう くだものには なぜか 恵まれてた

食べたくなったら もいで 食べる
そんな シンプルな感性で 生きていたような気もする


特に 熟れに熟れたいちじくは 甘くてうまかった
白い液体を表面にたらし
農薬を使っていないからか ハエがわんさかたかる 
それほどに 甘い

はっさくは
瀬戸内ではよく見かけられるミカンだ

はっさくは旧暦の8月1日を意味している
夏の ミカン



いろんなくだものに囲まれてるありがたさを 
当時はそれほど意識もせずにいた

それが 当たり前だと 思ってた
当たり前じゃ なかったんだけどさ

今なら  わかる

当たり前じゃ なかった

祖父は
戦争で故郷・四国瀬戸内の 
自分の生まれ育った本家の近くに
疎開してきて

肩身の狭いながらも そのまま分家として居ついた祖父には

身内(本家)からひどい扱いを受け
卑屈にさせられるほどの ひもじい経験が  
そして飢えの体験が
身にしみていたのだ

だから 土地さえあれば
今度また戦争が起こっても
くだものや何かしらの食料をつくり
なんとか飢えをしのぐことができる とでも
考えたんだろう

いや もうそれは 
意地と恨みを晴らすがごとくの心境に 近いのかもしれない

だから ようやく手に入れた2軒目の家と土地で
農家でもないのに
あんなに たくさん 意識的にくだものの木を植え
実際に実が生るまでに 育てたんだろう

たぶん そうだ
そうに違いない

祖父の生前の言動から思うに
たぶん 間違いない

祖父や母たちは  それほど 食べ物で 嫌な思いを したのだ

43歳になった今年 ようやく僕は なんとなく そう思えるようになった



小学校低学年のころ 暑い季節には
同じ家の裏庭の端っこでは たくさんのひまわりが 咲きに咲いて

それこそ 黄色い「生」が 狂喜乱舞していた

花が終わったあと
幼い僕は
枯れた花から種をほじくり出したり
地面にぼろぼろと落ちたひまわりの種を 
手にいっぱい すくい上げたりする

思えばそれは
「あの命」 を 擬似的に すくい上げていた行為 だったのかもしれない



あの家 今は どうなってるんだろう
あの家には もう誰も いない はずだ

たぶん くだものの木はみんな 枯れてるんだろうな
誰も  いないんだから


当時のくだもの と ひまわり たちに
感謝しなければ ならない

そして 感謝しつつも
それらを またこの手に この胸に いだきたくなる


四十をゆうに超えるこの歳になっても (いや、この歳だからなのか) 
いまだに 自分は 
「足るを知る」 ことからは はるか 遠くにいて


とにかく 今  

甘酸っぱい くだもの と 黄色い「生」の花が   

なぜか無性に  この手に 欲しいのである

  
♪ テーマ曲 「花」 by 沖縄の人なら どなたでも(笑) ♪

関連記事:
「色事は 四十からが面白し」
「月子さんのお話 (4) ~遊郭の夕べ~」
by y_natsume1 | 2008-05-25 18:18 | 日々の雑文
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夏目芳雄の東南アジア・映画・ジャズ・酒などに関するよもやま話です。
by y_natsume1
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