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オススメ映画第8弾

オススメ映画第8弾。

今回は有名作、無名作など、バラエティに行きます。
なお、超有名作、小津や溝口、黒澤から始まって、ゴダール、チャップリン、Fキャプラ、ヒッチコック、Jフォード、大昔のクラッシクなどもかなり観ていますが、①それらは今観ても普通に楽しめるほどじゃなかったり(時代が違うし、要するに文化的遺産の色合いが強すぎ)、②あるいはたとえオススメしたい作品でも、既に一般的な映画紹介欄で嫌というほど多く取り上げられていたりするだろうから、例外を除いて僕のオススメ・シリーズでは基本的に外しています。あしからず。


ここからオススメ映画。

「マルホランド・ドライブ」

ディビッド・リンチ監督。カンヌ映画祭監督賞。LAのマルホランド・ドライブで起きた交通事故で記憶を失った女性(ローラ・エレナ・ハリング)。なぜ事故が起きたのか、彼女は何者なのか、ひょんなことから彼女を助けて、記憶をたどる手伝いをする女優の卵の主人公(ナオミ・ワッツ)。さあ、二人が探し当てようとする謎の正体は?

下手なホラー映画よりよっぽどドキドキするこわーいサスペンス映画。暴力シーンや流血は殆どないのに、観客はかなりの精神的恐怖を味わえるのではないだろうか。
しかも映画の後半で、謎を解く小箱を開けたとたん、それまでの登場人物たちがそれぞれの役柄を変えて全く別の(けれど関連する)ストーリーが展開していく・・・・・・・・。何なんだ、この展開は。かなり凝った構成内容。一度観ただけではわからなくて、映画館ではリピーターが続出したとか。単なるミーハー気分だけでリピーターが出るのとは訳が違う、それこそ良い意味でこの映画にパワー、魅力があるんだろうね。

ここ数年では1、2を争うほど見ごたえのあるサスペンス映画だと思う。2時間半近く、息をもつかせぬ展開。訳がわからない部分の多い作品だとは思うけれど、それを観客としては積極的に楽しみたい。だから、「何回観てもわかりにくい作品」というよりはむしろ、「何回か繰り返してみると、その度に新たに気づく所の多い映画」と言いたい。(ネタばれになるのであまり詳しくは書けませんが)ストーリーだけでなく、小道具の使い方やセリフにも気を配ると、楽しみは倍増するはず。映画の冒頭、空港で主人公と言葉を交わす仲の良い老夫婦の、必要以上に不気味な笑顔。正体不明のカウボーイ。新作映画のオーディション会場にいる一連の怪しげな人たち。主人公のアパートの管理人。どれをとっても後で何かの伏線になるのでは、と思えてしまうほど。実際に何かの伏線になるのかどうかは観てのお楽しみ。伏線にならないかもしれないしね。記憶喪失や変身願望という下敷きは、ヒッチコック監督の’50年代の名作サスペンス「めまい」へのオマージュだということは明らかだけど、それはあくまできっかけ程度の材料。この作品、将来はビデオ紹介本で必ずカルト印がつくと思うよ。

だから皆さんも「えー、わかりにくいのぉ?難しいのはヤダなあ」なんて敬遠せずに、是非、果敢に挑戦して欲しいです。わからなくても恐怖感は感じられると思うし。「映画を観た人の数だけ解釈が成り立つ映画」とでもいいましょうかねえ。リンチ監督はこの作品を映画ファンのために、映画ファンを考えさせ、楽しませるために作ったんだろうね。

ちなみに難しい役どころで名演技を見せるナオミ・ワッツは、かつてピンクフロイドのサウンド・エンジニア兼ツアーマネージャーだった「何とか」ワッツの実の娘だとか。彼女はこの映画での演技が認められて「リング」リメイク版などに主演&売り出し中。記憶喪失の女性役のハリングはメキシコ系で、元ミスUSA(ラテン系では初&唯一のミスコン女王)なんだってさ。妖艶ですね。この二人のレズシーンも見事です。アパートの管理人役アン・ミラーは80歳くらいだと思うけど、映画界では昔から活躍する、知る人ぞ知る有名人。ハリウッドの生き証人、って感じの人。

どうだろう、秋の夜長にサスペンスの傑作をいかがでしょうか。


「クラッシュ」

カンヌ映画祭特別賞。これもクロウト受けする映画かなあ。D・クローネンバーグ監督のカナダ映画。車の衝突事故で快感を覚える性向を持つマニア集団の物語。当然の帰結として故意の交通事故の前後には、人の生死に関するメタファー(暗喩)も描かれる。ジェームズ・スペイダー(セックスと嘘とビデオテープ)、ホリー・ハンター(ピアノレッスン)などが出演。Hハンターの官能シーンは珍しいけど良い出来だと思います。ポルノに近いことをこのまじめそうな女優さん、よくやったなあという感じ。


「ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ」

オフ・ブロードウェイでヒットしたロック・ミュージカルの映画化。これは将来絶対にカルト作になると思う。東ドイツ出身の、性転換に少し失敗して「怒れる1インチ」ぶんだけ、アレが残っちゃった女性(元は男性)ミュージシャンの悲しくもたくましい物語。映画で使用されている曲の中でも、「Origin of Love」が秀逸です。なんでもこの曲の歌詞の内容は、プラトンの神話(哲学?)にも関連するとか。アニメーションも音楽も衣装も、そして監督・脚本・主演をした俳優(名前忘れた)も、全てお見事。主人公の外見(衣装やメイク)を見ると、「ロッキーホラーショウ」の”あの人物”を思い出す映画ファンも結構いるのでは?


「バージンスーサイズ」

ソフィア・コッポラ監督。この監督、「ゴッドファーザーⅢ」に父親(Fコッポラ)の七光りで出演した時は、なんて道を間違えてるバカヤロウなんだろうと思ってました。だって演技もヘタだし、そもそも俳優としての存在感もなかったから。しかし、この初監督作では演出家としての才能はあったのだと、証明しています。さすが。


「穴」

ジョゼ・ジョバンニ脚本。犯罪者だった彼が、映画界にデビューした記念すべき作品。刑務所にいた頃の経験を踏まえて脱獄ものの脚本を書いた。傑作です!この後、ジョバンニはアラン・ドロンとコンビを組んで数多くの作品を手がけます。脚本家として「冒険者たち」、「シシリアン」等、監督として「暗黒街のふたり」、「ラ・スクムーン」等。この作品はモノクロ映画で、舞台の芝居のように緊張感あふれる一級のサスペンス&脱獄犯罪映画となっています。

なお、ジョバンニの自伝的な作品として2~3年前に公開された「父よ」というのがあります。(ジョバンニ自身がモデルと思われる)息子の釈放を願い、支援活動を続ける(ジョバンニの実父と思われる)父親の姿を描く。ご参考までに。きちんとしたいい作品ですよ。「穴」と「父よ」をセットで観るといいかもしれない。「父よ」ができる前はできなかった鑑賞方法ではないでしょうか。


「十三人の刺客」

昭和40年ごろの制作だと思う。東映チャンバラ映画の中でも異色作。モノクロで、しかも暗殺を仕事とする集団の活劇。これは業界では有名作ですが、一般的にはあまり知られていないと思う。でもいい作品ですよ。それまでの東映時代劇は市川右太衛門や片岡千恵蔵などのヒーロー1人が悪をやっつける典型的なパターンだったけど、この作品以降、主人公が複数いる集団活劇の様相を帯びてくる。その流れは、ヤクザ映画においても、高倉健や鶴田浩二の任侠モノ(=いわゆるヒーローもの)から、数年後の「仁義なき戦い」などの集団&実録ヤクザものへの変遷に受け継がれていると思う。


「黒部の太陽」

石原裕次郎製作&主演。困難を極めた黒部ダム建設を描く。スケールの大きい映画を撮りたいという裕次郎の熱意により、当時の「5社協定」を打破して、東宝の三船敏郎と組んで作ってしまった。その意味でエポックメイキングな映画。当時、兄の石原慎太郎も某企業に出向いて側面から応援したとか。それはそれで評価できる。しかし。しかし、だ。文句がある。裕次郎の遺言だかなんだか知らんけど、「この映画はぜひ大きなスクリーンで観て欲しい、だから今後もビデオ化もテレビ放映もしないでくれ」と。アホか。この時代に。映画は裕次郎だけのものじゃないでしょ?時代は変わってる。この映画を観たことのない世代もすごく多い。だったら石原プロは責任もって、金がかかってもキチンと数年ごとに映画館で公開しろよ。できないなら今すぐにTV放映すると共に、ビデオ&DVD化をしなさい!良い映画が埋もれてしまうよ、もう。裕次郎の十七回忌で抽選で招待客を選んでホテル?で上映するだけなんて、ごまかすなよって感じ。

(注)「5社協定」:東宝、東映、日活、松竹、大映のメジャー5社が、お互い他の映画会社に自分とこの俳優を出演させない、出演した俳優はほされる、という日本の映画ギョーカイの心のセマーイ?掟のこと。


「栄光への5000キロ」

石原裕次郎製作&主演。日産のブルーバード510を駆ってサファリ・ラリーに出る主人公。国際的な、スケールの大きい映画を撮りたいという裕次郎の熱意が結実。僕が大学生の時、同じゼミの友人が、父親の代から乗り継いでいる510に乗ってて、その510のクラブ(510は当時からクラッシクですからネ)に入っていた。だから彼とはよくこの映画の話をしたし、同乗させてもらって富士スピードウェイや筑波サーキットにも一緒にファミリー走行に行った。お互いの話によく出てきた思い出深い映画。だけど個人的には僕は小学生の時にTVで観ただけ。大学時代のその友人は、510の持ち主でこの車のファンなのに、この映画を観たことがない、観れないって嘆いてた。理由は「黒部の太陽」と同様の状況による。裕次郎の遺言だかなんだか知らんけど、「この映画はぜひ大きなスクリーンで観て欲しい、だから今後もビデオ化もテレビ放映もしないでくれ」と。アホか。この時代に。映画は裕次郎だけのものじゃないでしょ?時代は変わってる。この映画を観たことのない世代もすごく多い。だったら石原プロは責任もって、金がかかってもキチンと数年ごとに映画館で公開しろよ。できないなら今すぐにTV放映すると共に、ビデオ&DVD化をしなさい!良い映画が埋もれてしまうよ、もう。裕次郎の十七回忌で抽選で招待客を選んでホテル?で上映するだけなんて、ごまかすなよって感じ。
by y_natsume1 | 2004-11-05 17:22 | 映画言いたい放題
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夏目芳雄の東南アジア・映画・ジャズ・酒などに関するよもやま話です。
by y_natsume1
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