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雨のシンガポール (4) ~赤線地帯~

2008年3月某日。

シンガポール Day #1 (その3)。

夕方、ホテルで華人系マレーシア人の旧友フェイ(仮名、マラッカ出身)と待ち合わせ、イーストコーストの、シーフードレストランがいくつもある海沿いエリアへ。

フェイは僕の以前のブログ記事 「ゆるゆると シンガプラ (8)」 では旧友Eとして、 「シンガポール出張(7)」 では旧友Dとして書かれている。  めんどうなので、今回から仮名フェイとしておく。



龍(仮名)たち夫婦はまだ来ていない。

この時だけ、雨はほとんど上がっていて、
海岸沿いをフェイと散歩しながら話す。

僕は彼女には気を遣わずに、割と何でも素直に話せる。

以前勤務していた会社の同期で
最初に出会った14年前からずっとそうだ。

たま~に会えばその時は、僕の仕事上の悩みにも、
けっこう親身になって適切なアドバイスをくれる。

龍もそうだけど、フェイは僕のメンターといってもいい。

彼女は真面目で嫌味がなく、聡明で、
礼儀正しく、そして思いやりがある。

いまだに彼女が独身なのが不思議なくらいだ。
ま、こればっかりはご縁なんだろうけど。

フェイも僕に対しては同じような感覚で、
話しやすいんだそうだ。

彼女は自分の母親に、

僕という日本人の友達がいて、そいつはなぜか肉骨茶(バクテー)みたいなローカルフードが好きで、コロニアルスタイルの建築物が好きで、英語の苦手な日本人駐在員と違って英語話すし、なんか不思議な日本人なのよ、

と説明しているらしい。


フェイの母親は言ったそうだ。
普通の地元の友達でも10年以上連絡してない人だっているだろ、
それが14年も続いてるのかい、結構長いね、
気を遣わないでいられる仲間なんだろうね、友達の中でも・・・・と。

そうね。
そうかもしれない。
お互い、妙に気を遣うなんてこと、考えたこともない。


・・・・・・・・ やがて龍と奥さんがやってきて4人で晩ご飯を食べ始める。

選んだメニューは・・・なぜかいつもと同じになる。

クラブ(蟹)のブラックペッパー風味。
エビのから揚げ。
ベビーカイランのガーリック炒め。
頼んだ魚は売り切れ。
ビール。 ご飯。


食事を終えたあと、
龍の運転する車で皆でGeylangゲイラン地区へ行き、
亀苓膏(グイリンガオ)やマンゴープディングを食べる。

亀苓膏は漢方薬と亀のエキスをゼリーにしたデザートだ。
苦味を楽しむ。
マレーシア駐在時代にはよく食べた。

横浜の中華街で缶詰形式のものなら売っている。


・・・・・・ 再び雨が少し降ってくる。

ゲイランでは
インドネシア系娼婦の吸う甘いガラムの匂いが漂い、
メインランドチャイナからであろう細くて手足の長い娘たちで
あふれかえっている。

ここは政府公認の売春地域で、昔の日本で言う、赤線地帯だ。

商売を仕切っている男たちはシンガポール人ではないそうだ。
大抵はインド系か、大陸(中国)の人間だという。


ここには日本人観光客はまずいない。

日本人駐在員や西洋人も、時々いるにはいるが、
目立つほどの人数が視界に入ることは稀だ。

要するに、日本人はほとんどいない。
だが、僕はなぜかこの街に溶け込んでしまうのだ。


僕はゲイランの猥雑さが、生き生きとした様が、小汚い野性味が、
大好きだ。

もし、ゲイランがなくなったら、
ある意味で僕にとってのシンガポールという街の魅力は
半分以下になるだろう。


ゲイランには娼婦のいる売春宿だけでなく、
安くてうまい屋台レストランがいくつもある。

さすがに病気が怖くて娼婦たちには近づかないけれど、
屋台街のローカルフードを楽しみたくて、僕はよくゲイランを訪れる。


潮洲粥(テオチュウポリッジ)、亀苓膏(グイリンガオ)、
肉骨茶(バクテー)、クレイポットライス、海南鶏飯(ハイナニーズチキンライス)・・・・。

いくつも並んでいる。 それも力強く。

コロニアル・スタイルの、ノスタルジックな建物が
ずっと先まで続いている。

ゲイランの妖しい猥雑さは、
清潔で美しいビル群に代表される
シンガポールの一般的外面(そとづら)のイメージとは違うけれど、

この地区があるからこそ、
皆、生き生きとしているのではないかとさえ、思う。


猥雑さは、
いつの世においてもある程度必要で、
いつの世においても何らかの真実を突いている。

・・・・・・ この夜、
小雨は降ったり、止んだり、だ。

♪ テーマ曲 「悲しき雨音」 by ザ・カスケーズ ♪
♪ テーマ曲 「雨の歌 チェロ・ソナタ ニ長調 作品78」 by マイスキー(作曲 ブラームス) ♪
♪ テーマ曲 「Rain」 by ザ・ビートルズ ♪

(つづく)

関連記事:
「シンガポール出張 (7) ~チャイナ・タウンの休日~」
「ゆるゆると シンガプラ (8) 最終回 ~南回帰線はまだか~」

「雨のシンガポール (1) ~ミッドナイト・リユニオン 深夜の再会~」
「雨のシンガポール (2) ~屋台街で朝ごはん~」
「雨のシンガポール (3) ~赤ワインとボサノバがデートする~」
「雨のシンガポール (4) ~赤線地帯~」
「雨のシンガポール (5) ~肉骨茶と誕生会と~」
「雨のシンガポール (6) ~赤線地帯 再び~」 
「雨のシンガポール (7) ~片手だけじゃ音は鳴らない~」
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by y_natsume1 | 2008-04-13 18:31 | シンガポール
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