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月子さんのお話 (3) ~春の残酷~

2008年3月24日(月)。

春の残酷を想い、
月の妖しい美しさと、
桜の狂気を愛でる人たちへ、 

ナナオサカキの詩を
捧げよう。


月子さん(仮名)という名の女性は今宵、
僕にとって4人、いや結局5人、存在したのだ。

5番目の月子さんは、あの人だ。
 

ある場所で、ある時間に、
その、月子という名の精霊が降りてきて、
僕に話しかけた。

ねぇ、夏目クン、
キミはいつも、いつも、ゴロワーズとペルノーばっかりで、
どこの酒場のマスターたちにも、たった一度の出会いでも、
強烈に、いっつも覚えられてるよね、って。


そうだったのだ。

月は決して僕の疫病神ではなく、ルナティックの元凶でもなく、
常時の守り神だったのだと、ようやく気づく。

僕を、守っていてくれたのだと。


満月の夜、いや、もはや十六夜の月さえ流れてしまったこのムーンライトな夜に、
もうすぐ精一杯に咲こうかという桜を あの狂気になぞらえて、

僕は、

祈り、歌おう。


月子さんの、
昭和20年3月 春の、
大阪大空襲での、サバイバル。



月子さん、ありがとう。

あなたのおかげで、

あなたの、命がけの、生還のおかげで、 
あなたの、言葉にすらできない、焼夷弾地獄からの生還のおかげで、

僕は、今、 こうして命をいただき、 生きているよ。


アリガトウ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



******************


「ラブレター」   by ナナオサカキ


半径 1mの円があれば
人は 座り 祈り 歌うよ

半径 10mの小屋があれば
雨のどか 夢まどか

半径 100mの平地があれば
人は 稲を植え 山羊を飼うよ

半径 1kmの谷があれば
薪と 水と 山菜と 紅天狗茸

半径 10kmの森があれば
狸 鷹 蝮 ルリタテハが来て遊ぶ

半径 100km
みすず刈る 信濃の国に 人住むとかや

半径 1000km
夏には歩く サンゴの海
冬は 流氷のオホーツク

半径 1万km
地球のどこかを 歩いているよ

半径 10万km
流星の海を 泳いでいるよ

半径 100万km
菜の花や 月は東に 日は西に

半径 100億km
太陽系マンダラを 昨日のように通りすぎ

半径 1万光年
銀河系宇宙は 春の花 いまさかりなり

半径 100万光年
アンドロメダ星雲は 桜吹雪に溶けてゆく

半径 100億光年
時間と 空間と すべての思い 燃えつきるところ
   
       そこで また
       
       人は 座り 祈り 歌うよ
       
       人は 座り 祈り 歌うよ
                     

                1976 春

       (ナナオ サカキ 詩集『犬も歩けば』 野草社)

**********************************

追記:
もう何年も前、月子さんがまだ生きているころ、
映画「火垂るの墓」をTV放映で観た月子さんは、独り言のようにつぶやいた。

「あんなんやったなぁ。 そっくりやなぁ・・・・。 焼夷弾の落ちる音も、空襲も、火も、阪急電車の色や形も。 あんなんやったなぁ・・・・」


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「ナナオ・サカキ ポエトリー・リーディング」 (カテゴリ:「ビートニク」)
「気狂い桜のトンネルを 夜風と共に 駆け抜けろ」
「江の島で 潮の香りに酔いしれる」

犬も歩けば
ナナオ サカキ / 野草社

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by y_natsume1 | 2008-03-25 03:05 | Moon
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