2007年3月8日(木) 明け方。
リアルな夢を見た。
・・・・・ なぜか亡くなった祖父が、立っている。
あたりは、暗い。
深夜か。
生前彼はとてもダンディだったけど、
そこでも同じように、
仕立てのよさそうなグレイのツィード・スーツに帽子をかぶっている。
彼と僕は手をつないで一緒に歩く。
彼の右手は僕の左手に。
見える風景は明らかに、
瀬戸内の海辺にある、僕の実家のそばの商店街。
おもむろに祖父が僕に言う。
「お前はもうあっちに行ったまんま戻って来んと思うとった。 少しは家のことも思い出してくれよ」
「ああ、わかってるよ。 おじいちゃんのこと、忘れたことないし(笑)」
それを聞いて祖父も笑った。
なぜか入れ歯をしていなくて、ダンディなのに歯が抜けてておかしかった。
彼と僕は深夜の商店街をゆっくりと歩いた。
どこへ?
さぁ・・・。
・・・・・・ 気がついたら、
僕は布団の中。
でも、僕の左手は、祖父の手の感触をしっかり覚えているかのごとく、
しびれていた。
左手を下にして寝てたんだな。
でもどうして、久しぶりに夢に出てきたんだろ。
祖父は、 すさんだ今の僕を、見るに見かねたんだろうかね。
アリガトウ。 なんとか大丈夫さ。 たぶん、ね。
―― この日の朝、僕は祖父の形見の手巻きの腕時計をしようとして、やめた。 何となく、気恥ずかしかったからだ。
僕は母の形見の、自動巻きのIWCをつけて、会社に向った。
♪ テーマ曲
「水の影」 (作曲・松任谷由実) by 藤原道山 ♪