人は、必要な時に必要な物に出会うそうです。
夏目さんはそれを呼ぶ力が強い気がする。先日、
Nさんから頂いたコメントが、このところよく頭をよぎる。
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2009年4月1日(水)。
この日は今思えば、「ベリーさぬき的一日」だったといえよう。
朝、いつものように
亡き祖父と実母の写真(二人とも故郷香川のお墓で眠っている)に
手を合わせてから仕事に。
昼休み、映画の日だなぁ、なんか良さそうなのないかなぁ、
とネットで見ていたら、
「ほっこまい 高松純情シネマ」 を偶然(? それとも必然?) 見つけ、 がぜん注目。
シネマート新宿で3月28日から1週間だけ、1日2回の上映、とのこと。
1970年の故郷香川県を舞台にした、映画マニアの高校生を描いているらしい。
チラシは
ここ。
原作は香川県のFM局で映画ナビゲーターをやっている帰来雅基の
「高松純情シネマ」 。
実は、僕は数年前にこの原作エッセイを読んでいた。
よし、この映画、観よ。
決めた。
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夕方、会社を出て新宿に向かう途中、
携帯にメールが入る。
うちの王子は近所の義父母(=王子の祖父母)の家に泊まるそうだ。
はいはい。 春休みだしね。
僕は香川にいる継母(実父の再婚相手)に携帯で電話をかける。
誕生日おめでとうございます、と。
実父は出かけていて留守。 話せずじまい。
・・・・・ やがて、映画の時間。
面白いことに、この日の夜の上映前に高嶋監督のトークショーがあり、好感。
この映画に友情出演してる高畑淳子も監督も原作者の帰来雅基も、
地元高松高校(県下一の進学校)の同級生なんだそうだ。
ふーん。
映画は60分。
さぬき映画祭2007優秀企画としての作品なので上映時間は短い。
屋島や高松市内のロケ地、昼休みの学食のうどん、
琴電、 当時の車、magの印象的な主題歌 ・・・・・。
一般的映画ファンや香川県にあまり縁のない人たちには
どう受取られるか分からないけど、
僕のような、あの時代前後にそこで過ごした人間にとっては
とても懐かしい気持ちにさせてくれる映画だ。
なにより、映画ファンにはたまらないぐらい、
1970年前後の映画のエピソードやポスターやパンフレットなどがわんさか出てくる。
映画フィルムの編集機(スタビライザー)まで出てくる。
すごい。
いちご白書、小さな恋のメロディ、
ある愛の詩、大空港、続・猿の惑星・・・・。
映画の後、思わず「ほっこまい」のパンフレットとCDを買ってしまった。
パンフレットの最後のページには、
香川県にあるこの映画の協賛企業や商店の名前がずらり。
まるでよく知ってる地元商店街の宣伝チラシみたいで微笑ましい。
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映画好きの僕が高松市内の映画館で映画を観始めたのは、
この映画の登場人物たちよりも数年後だ。
1970年代後半、中学生になってからだった。
僕の実家は高松市からだいぶ東にある瀬戸内海沿いの海辺の小さな町。
国鉄(当時)で1時間ぐらいかけて、田舎町から高松という大都会に映画を観に行く。
1回行くと、交通費がもったいなくて、数軒の映画館をはしごする。
高校のころは、平日の昼間に授業をサボって
わざわざ高松まで行って
ジェームス・ディーンの「エデンの東」や「理由なき反抗」なんかを観たこともある。
そして、僕もこの映画の主人公のようにパンフレットやチラシを集めまくっていた。
今もし手元に全部あれば相当な量だろうし、
売れば(手元にあっても売らないけど)かなりの金額になるだろう。
今ごろ、多分誰もいない実家のどこかにあると思うけど。
「ほっこまい」という方言は僕にはわからない。
僕の実家のある地域では使わない。
高松の言葉かも。
でも、同じく映画にでてくる 「もう、じょんならん」 という方言はすぐわかった(笑)。
高松に映画を観に行くようになるまでは
地元の田舎町にも戦前からの古い映画館が1軒だけ残っていて、
小学生の僕はそこでよく何かを観ていた。
最後の上映は、数ヶ月遅れの「日本沈没」だったなぁ。
ニューシネマパラダイスみたいな日々。
うどん、食べたくなった。
この日はベリーさぬき的一日。
東京の義母と、故郷さぬきの継母と亡き実母と。
・・・・・ 映画館を出たら、
僕の携帯に留守伝が残ってた。
(酔っ払ったのであろう)香川にいる実父からだった――。
この日は朝から晩まで、ずっと、ベリーさぬき的時間だな。
♪ テーマ曲
「夢からさめても」 by mag ♪
<追記>
・ 1970年代に僕がよく観に行った高松の主な映画館は、今はもう存在しない。 ライオンカン、スカラ座、玉藻劇場、大劇パラス・・・・。 寂しいことだけど、それが現実でもある。
・ 「ほっこまい」 に出てくる、劇場モギリ役を演じているのは、
志水季里子。 にっかつロマンポルノにもよく出てた。 昔から結構好きな女優さん。 そして、「ほっこまい」で新聞部のチアキを演じていた少女ひろせ友紀は志水季里子の実の娘だ。 「八月の濡れた砂」で主演していた故・広瀬昌助との間の娘さんだそうだ。 月日はいつのまにか流れ、 時代は、変わるもんだな。