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幼い頃の 神戸駅の思い出

2009年2月22日(日) 朝。

妹尾武の最新CD 「RETRO MODERN DANDY」 を聴きながら、

ジャケット写真を眺める。

b0058966_10332297.jpg








昭和27年(1952年)ごろの、
神戸三宮駅の写真だそうだ(撮影:佐伯幸雄氏)。

素晴らしい写真だと思う。


************

神戸といえば、三宮や元町ではないのだけれど、

神戸駅について、幼い頃の思い出がある。

昔の記憶というのは曖昧な部分と、
あとから付け足したり、都合の良いように思い込んだりしている部分も
もちろん、あるんだろうけど。

たぶん、僕が幼稚園ぐらいだっただろうか。
(だとすると1970年の、大阪万博の帰りかも?)


母親と2人、大阪からの帰り。

なぜか乗り換えの都合で、
たぶん明け方か深夜(?)のヘンな時間帯に
神戸駅にいた。

幼心に、ステキな駅の構内だと感じたのを覚えている。

1972年以降なら、山陽新幹線で岡山まで行き、
連絡船を乗り継いで僕が住む四国香川県に帰る。

それなら、
新神戸駅だ。

それが神戸駅だったのは、
今思えば、
まだ山陽新幹線が岡山まで開通していない時代だったからだろう。

深夜か明け方だったのはたぶん、
母親が仕事のスケジュール上、夜行か連絡船か何かで帰る
強行軍だったせいかもしれない。


・・・・・・ 待合室のベンチにボーっと座っていたのか、
歩き回っていたのか、

突然、 見ず知らずの男に話しかけられる。

相手も暇だったのか。

子供は他にもいるのに、僕を気に入ってくれたのか。

(あとで思い返すと、その男は俳優の左とん平の顔をもっとキツくしたような労働者風だった。 万博の建設が一段落して帰る出稼ぎ労働者だったのか。 とにかく、サラリーマンではなかった。)

楽しかった。

暖かな時間だと感じた。

ひとしきり話してしばらく経って、

その男は僕のところに再びやって来て、

「ボク、これ飲み」

と売店で買ってきたらしい、ふたを開けた牛乳瓶を差し出した。

僕はすぐさま、

「要らんわ」 と言う。

男は残念そうに、

「そうかぁ、要らんのか、ボク。 残念やな」

みたいなことを言って去っていく。


・・・・・・・ それだけのことだ。

それだけのことなのに、
大人になった今でも、あの牛乳とそれをすすめてくれた男のことを、
強烈に覚えている。

神戸駅のレトロな佇まいと共に。


見ず知らずの男と話すといっても、
今の時代ほど、ストーカーや通り魔的な犯罪なんぞはあまりなかった。

古きよき時代だったと言えなくもない。

男が僕の母親に近づきたくて僕に話しかけたとしても、
それはそれであり得ることだし、そんなことはどうだっていい。


本当はとても欲しかったくせに
牛乳を断ったのは、

母親の教育方針に従ったまでだ。

知らない人に物をもらってはいけない。

知っている人でも、いわれのない施しを受けてはいけない。


母親に嫌われたくなかったし、
いつも仕事で忙しい母親を、困らせてはいけないと思っていたから。


この神戸駅の思い出が、もし1970年前後だとするなら、
その頃、僕はたぶん、大人の男に餓えていただろう。

僕の実の父親が家を出て行って間もない時期だし。


大人の男と、遊んだり話したりしたかった。

あの神戸駅の男は、それを敏感に嗅ぎ取ったのか。


ちなみに1970年の大阪万博へは、
母親の大阪出張にかこつけて連れて行ってもらえたが、
実際に万博を案内してくれたのは、いつも忙しい母親ではない。

大阪の、母方の親戚(母の叔父、叔母に当たる)、
夏目(本名)のおっちゃんとオバハンだったと思う。

(僕のBlog名、ペンネームの夏目はここから拝借している。)

夏目のオッちゃんは、
三角形の紙パックに入ったコーヒー牛乳を買ってくれた。

帰りの神戸駅のときとは違って、
万博会場では5歳の僕は、素直にそのコーヒー牛乳を、飲んだが。


・・・・・・・・ あれ以来、神戸駅には一度も降り立っていない。

今もレトロな構内なんだろうか。

そもそも、神戸駅のエピソードが
大阪万博の帰りだったのかどうかさえ、
今となっては曖昧な記憶の断片でしかない。



とにかく、僕が当時本当に求めていたのは、

大阪万博の見物でもないし、
夏目のおっちゃんとのひと時でもないし、
神戸駅の明け方の牛乳でもない。

実の父と母と一緒に過ごせる、時間と空間だった。

いつも、1人だったから。

(小学校1年の時、1人で自分のためのオニギリを作りながら、
悲しくて、何かが切れそうになったことがある。 
昔も今も、決して両親を恨んでなんかいないけど、
あの頃はただとても悲しかったことだけは、確かだ。)



***************

神戸駅の、見ず知らずの男は、

そのすき間をついて、

僕に数分間の暖かい異次元空間を、もたらしてくれたのだろうか。

ありがとう。

♪ テーマ曲 「サクラ咲く」 by 妹尾武 ♪

関連記事:

「月子さんのお話 (4) ~遊郭の夕べ~」
「Blue Train」
[PR]
by y_natsume1 | 2009-02-22 10:42 | アジア的独白
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夏目芳雄の東南アジア・映画・ジャズ・酒などに関するよもやま話です。
by y_natsume1
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