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使者と巫女と月と

2009年2月10日(火) 夜。

この数ヶ月、仕事でどうしようもない僕。
落ち込んでいる。
あの職場は本当に、嫌だ。

満月の翌日の月は十六夜の月というんだっけ。

とても、美しい月が、天高く、見える。

月子さん(仮名)はどうしているだろう。
月子さんのところに今すぐ飛んで行きたい。

空間を、突き抜けられれば良いのにと、思う。


この日の夜、会社の行事に仕方なく参加したあと、
夜10時ごろ、1人で久しぶりにワインバーに。

湘南出身の店主に、
こないだ王子と2人で由比ヶ浜までドライブしたこと、
渚橋で美しい富士山とキラキラ光る海を見たこと、
由比ヶ浜で王子の足が波に濡れたこと、

なんかを話す。

店主はそれだけで、
映画みたいだね、鎌倉の海岸の光景が浮かんできて、
トリップしてしまいそうだ、と言う。


僕はそれに応えて、

映画っていえばさ、
昔のフランス映画の「男と女」だと、
ジャン・ルイ・トランティニヤンが小さな息子と
冬のドーヴィルの海岸で車を走らせるのに、
僕たち2人は全然映画みたいにカッコよくなかったよって。




深夜零時、自宅近くのソウルバーへ。

ほとんど満員。

カウンター席に座れず、首都高側の席へ。

この時間帯はまだ車が多い。

視界に入る車の台数の多さで、
見ていると気持ち悪くなる。

カウンター席に座って店主と話せるわけでもないから、
(マスターは気をつかって時々話しかけに来てくれるが)
ペルノー1杯で今夜は帰ろうと本気で思っていた。


でも突然、僕の頭の中にシンさん(仮名)が出てきて、

こういう夜を、楽しめば良いんだよ、
大丈夫、
もっと楽しくなるから、もう少し、いてみなよ、

なーんてことを言ってるような気がしてくる。

ホントかよ。

シンさん、あの世から何言ってんだい?



・・・・・ そしたら数分も経たないうちに、

巫女さんが某女優と入ってくる。

え? って感じ。

巫女さんはこのバーの常連ではあるけれど、
タイミングよく会えるのは珍しい。


かなり人が入っているせいで選択の余地もなく、
僕のすぐ右に巫女さん、その右に女優が座る。

ソウル・バーでこの女優を見るのは2度目だ。

巫女さんは、
夏目クン、久しぶりねぇとか言いながら、
キチンと女優さんを紹介してくれる。

女優さんはテレビなんかで時々見るけど、
話してみるととても気さくで感じの良い方。

僕は、巫女さんに、

ヘンリー・ミラーの北回帰線、シンさんの予言(ホントにそう感じたんだ)、
なんかを話す。

巫女さんは僕に、
夏目クンは、詩人だね、
と言う。

そんなことないです。
アホなことばっかり酔って言ってるだけ。

そして、女優さんに、臆せずに、

「あなたは、使者だと感じました」

と言ってしまう。

だって、会いたくてもなかなか会えない巫女さんを、
結果的にこのソウルバーに今夜連れて来たのは、

この女優さんだから。


あら、そう?

わたしね、「使者」とか、「使いのもの」って、時々言われるの。

夏目さんて、面白い感性持ってるのね(笑)。


巫女さんは最近自分の息子(成人)と
赤いバーのマスターとその彼女と
あるライブに行った話を楽しそうにする。

レトロなXXX食堂と草野球の話から、
明日の3時に、駒沢公園でAクンのチームの野球の試合があるのね、
応援に行くんだ、みんなで、とか、
そういう話になる。

(Aクンは皆の共通の友人だ。)

で、夏目クンのタバコ、良い匂いだけど何?

ゴロワーズです。 
黒タバコ、
葉っぱを寝かしてあんの。

ふーん、葉巻みたいね。


女優は、
僕のペルノーを見て、
珍しいわね、ペルノー飲んでる人がいるなんてさ、
一口飲ませて、
と言う。

飲ませてあげる。

クセの強い酒だね、と。

はい。

月は、天高く、あくまでキレイだ。


首都高3号線はいまだにいくつもの車をはべらせて、
妖艶に横たわっている。


女優が、先に帰る。
巫女さんを置いて。
朝5時起きで眠いんだと。

余計、この女優は今夜、
巫女さんを僕のところまで連れて来たお役目の、
使者だという気がしてくる。


午前3時過ぎ、
巫女さんは、
ワタシはこれから赤いバーに行くんだけど、
夏目クンも、一緒に来るよね(笑)?
と。

はい、ぜひ。


僕も、赤いバーは久しぶりだし、
あそこのマスターは礼儀正しくて大好きだから。

バーのもう1人の常連Bさん(このBさんも礼儀正しい人)と
3人でタクシーで赤いバーに。

友人が多い巫女さんは、
赤いバーでもモテモテだ。

着いたとたん、

いろんな人と社交が始まる。


Bさんは静かにカウンターの奥にひとりで座る。

どうしてよいか分からない僕だけが
カウンターのどこに座るかちょっと悩んで、
逆側の、2人の若い女性客の間にお断りを入れて座ろうとする。

そしたら、

いきなり、

それまで友人達と談笑していたはずの巫女さんが
(かなり強引に)僕の手を引っ張って、

自分の隣に座らせる。

あれ(笑)?

(僕というより、他の女性客に迷惑かけるなってことかも??)

でもね、席についてお酒を飲んで落ち着いた頃、
僕が最初に隣に座ろうとした逆サイドの女性客の1人が僕に言う。

「わたし、夏目さんのこと、すっごく覚えてますよ、ここで話したことあるもん」


へ?

僕は全然覚えてない。

キミ ハ ダレ ナンダ?

かなりかわいいけど。

でも、嬉しかった。 
そう言われて。

そういう夜なのだ。

たぶん、午前4時を過ぎた頃だろうけど、
やがてお店を終えたソウルバーのマスターも
やって来て、
皆で楽しい酒が続く。

その後は、もうあまり覚えていない。

(気がついたら、翌日午後3時に自分の家の部屋で寝ていた、というだけのこと。)

クソFXXXな仕事に比べて、
なんて楽しい酒なんだろうという夜だった。

十六夜の月は、どこにある?

午前8時ごろ、ようやく赤いバーを出た僕は、
柿本人麻呂の恋歌を口ずさみながら、
空にあるはずの、月を見上げる。

月はどこだい?

夜は明けたけど、あるはずだろ?

とにかく、

シンさんの予言は、的中したわけだ。

楽しい時間と空間を、僕は獲得したのだ。

吾妹子(わぎもこ)に
恋ひてすべなみ
夢(いめ)見むと
われは思へど
寝(い)ねらえなくに


(柿本人麻呂)

♪ テーマ曲 「Fly Me To The Moon」 by Frank Sinatra ♪

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「ワイン・バーの夜」
「別れのドライブ 由比ヶ浜 そして真冬の風が吹く」
「マスタード色を夜空に塗りたくれ」
「31文字のラブレター(1)」
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by y_natsume1 | 2009-02-11 21:05 | Moon
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夏目芳雄の東南アジア・映画・ジャズ・酒などに関するよもやま話です。
by y_natsume1
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