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松本清張とマレーシアを結ぶ「点と線」

2009年2月7日(土) 朝。

この日の日経新聞朝刊文化欄に
松本清張の記事が載っている。

昨今の、小説復刊、映画化、ドラマ化などの再評価。

僕は1990年代後半のクアラルンプール駐在時代に、
マレーシアを理解しようとこの国に関連する書籍を何冊も読んだ。


その中に、松本清張の小説がある。

「熱い絹」。

後にも先にも、僕が読んだ清張の小説は、

この 「熱い絹」 だけ。

でも、とても面白かった。

まさに小説の舞台となったキャメロンハイランドで、

上下巻、一気に読んだ。



駐在中に読んだマレーシア関連本の中には、
尊敬する鶴見良行(哲学者・鶴見俊輔の従兄弟)の著作も何冊かある。

鶴見良行の本で最も印象的だったのは、

「マラッカ物語」。

ものすごく膨大な量の資料と現地調査のたまもの。

その本の443頁にはこう記されている――:

「(中略) 学問の細分化がもたらすこの難点を克服するには、学者にもっと広く読めと勧めても、おそらく無理だろう。 かれらは深く穴を掘るだけで精一杯だから。 とすると、土地言語(ブギ語など)に拠って学者が国際言語(英語その他)で書いた論文を読み漁り、他の土地の同種の事柄とつなぎあわせ(ブギとミンカバウ、マレーシアとフィリピン)、さらに民衆言語に翻訳し直すような、二次的報告書が必要になってくる。 松本清張、司馬遼太郎、陳舜臣氏らには、この種の仕事が見られる。」

(引用終わり)


「マラッカ物語」という驚異的な
歴史及び文化人類学的ルポルタージュ(?)の中でも、

僕にとってはこの部分が最も心に残った。

だって、鶴見良行の言うとおり、

清張の 「熱い絹」 は、
マラヤの当時の状況を、いわば民衆言語に翻訳し、二次的報告書の側面を
結果として持たせている本でもある、と感じたからだ。


そもそも当時の僕には、
異文化圏の人々(マレーシア人)とのコミュニケーションが
課題だったからでもある。


現地(マレーシア)で住んでいるときに読むと、
そんなふうに受け取ってしまうものなのかどうか、
今となってはよく分からないことだけど。

でも、そう考えた方が、ロマンチックでいいかも。


とにかく、僕にとっては、

鶴見良行を介して、
マレーシアと松本清張は交錯している。

マレーシアを介して、
鶴見良行と松本清張はリンクしている。

今回の松本清張の新聞記事を介して、
マレーシアと鶴見の本は僕の心に再びよみがえる。


清張の、日本を舞台にした 「点と線」 は
まだ読んだことがないけど、

そういうのも読んでみたくなった。

いや、待て待て。

それよりまず、またキャメロンハイランドに、
行きたい。

英国植民地時代の名残りを残す、
チューダー様式の、あのホテルに、また泊まりたい。

♪ テーマ曲 「サクラ咲く」 by 妹尾武 ♪

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by y_natsume1 | 2009-02-07 09:33 | マレーシア駐在記
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